久々のビーフラインとキタイバ



 久しぶりのバイクネタ。
 まったく乗っていなかったわけでなくちょくちょく近場を乗ってはいた。三台をそれぞれに性能維持的に乗っていたこともありブログネタになるほどのこともなかったのだ。

 このままネタにしないのもブログタイトルが泣くというもの。天気が良かったのでキタイバを走ってきた。
 キタイバに向かうクネ道ルートはいくつかあるが、今回は趣向を変えて快走路のビーフラインを使ってのアプローチ。大回りのせいで下道オンリーの300km越え、9時間超え。流石にもうお腹いっぱいのツーリングな三昧な一日であった。

 キタイバで悩むのは昼食。幾つかある候補の中から今回は懐かしき松野屋さんにした。バイクに乗り始めた頃に仲間とツーリングでキタイバを走った時、必ずここで食べた穴子丼が懐かしい。

 今回はなんと穴子が品切れということで海老天丼を頼んだが、太くしっかりした海老天3本に野菜天ぷら、みそ汁に小鉢もついて税込1,155円となかなかリーズナブル。味も裏切ることなし。ぱっと見には観光客向けの海鮮レストランといった雰囲気だが、案外地元の客に支持されている。併設されている売店のほうが本業のようだが、そちらは明らかに観光客向けっぽい。

いつもの長浜海岸で海を眺める

 長浜海岸で買ってきた缶コーヒーを出して海を眺めるのもいつもの事。この海岸の上にある浜庄でご飯を食べるのもなかなか良いけど。以前の記事を見たら今回と同じような書き出しで同じ場所でバイクの写真を撮っている。つくづく笑っちゃうね>自分

タンクの青色が映える

透き通った海が綺麗

沖行くタンカー二艘

帰りはいつものルートを快走 秋色に染まる三桁国道を走るのはやはり愉し

黄金実る稲穂をバッグに

 思いのほか時間が掛かってしまった。高原山を右手に見る頃には既に陽光は隠れ、辺りは急速に暗さを増してくる。日差しが無いと冷えるのは早い。昼間は心地よい冷たさだったが、薄暮を進むグローブの指先が凍えぬくもりが恋しくなる。秋の深まりを感じるツーリングであった。

カメラのこと

 今日のカメラはOLYMPUSのOM-D E-M5を使った。E-M5は最近メルカリで1万円のやつが出ていたのでGetした。PenのE-PL6の出番が最近殆ど無くなったが、やはりNikonのD5600と比べると圧倒的に好みの画質に及ばないのだ。レンズ資産を生かしてもう一度マイクロフォーサーズのミラーレスに望みを託すべくE-M5を入手した。

 E-M5とE-PL6の基本性能の違いは殆ど無いが、E-M5に電子ビューファインダーが付いているのは自分にとって大きなメリットだ。近視で老眼だと液晶画面で撮影するのは結構辛いもの。視度調整が付いているファインダーはやはり有難いことこの上ないのだ。そして最大のメリットは小型軽量な点かな。特に今回のようなバイクツーリングとなると登山用の18-55mmを付けたD5600といえどもバイクのヒップバッグに入れるのは憚れる大きさだ。

 絵作りに関してはD5600が殆どいじらずに好みの感じに仕上がる。OLYMPUSのこの二台は若干オーバー露出気味で黒トーンが抜けた感じがデフォルト。赤い花とか人の顔は綺麗に仕上がるのだが、自分が主に被写体にする山の風景にはあまり向かないような所がある。

 様々な設定を微妙に変えてテストした。ようやくまともになってきたなと思って今回持ち出したのだが、更に工夫が必要かなぁとため息。D5600だと裏切らない感じになるんだけどね。もっとも、海の青色はちょっと不自然かなと思える程個性的なオリンパスブルー。これはこれで味なのかもしれない。

 以前ネットで目にした記事で「NIKONは風景向け、CANONは人物向け、なんていうのは出荷時の設定がそうなっているだけで設定の調整を詰めればどうにでもなる」なんて書いてあったのを思い出した。まぁ理屈的にはそうなんだけど、素人の試行錯誤だとゴールは遠し・・・だ。

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中倉山と沢入山



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関連山行
    2020年10月28日  9年ぶりの中禅寺湖南稜
    2011年09月16日  中禅寺湖南陵を歩く

 次なる車中泊を狙うもいささか天候がよろしくない。こういう時はネタ帳である。

 足尾の中倉山が丁度良いじゃないか。
 行こう行こうと思っていたが、暑い時期にはちょっと敬遠したい山。
 午前中だけ青空が望めそうな天気予報に肩を押された感じで車を走らせた。

林道入口 立入禁止となっているが登山者は公認(帰りに撮影 雲が優勢になっているが朝は結構良い天気)

 昨晩、大気が入れ替わったようで、車の温度計も足尾に近づくにつれ10度を切るようになる。
 寒い冬の入り口のような雰囲気だが、暑さ嫌いの自分としては最も歩きやすい時期の到来。喜ばしいことである。

阿世潟峠方面はガスに覆われている 果たして今日の天気は如何に

水たまりの端のほうを歩いていたら おぉ!熊の足跡が 思わず熊鈴装着

約50分の長い長い林道歩きの末ようやく登山口へ

白骨オブジェがお出迎え

沢入山が見えるがまだまだ遠い

 序盤は急登。後半のジグザグを登り詰めると今度は尾根をぐんぐんと登ってゆくなかなかハードなコースだ。
 途中沢入山がちらっと見えたがまだまだ先は長い。とにかくコツコツと登るべし。

1499.6m三等三角点:点名 上向

 うっかりしていると見落としてしまいそうな1499.6m三角点をチェック。ここまで来て見落としちゃ勿体ないよね。

そして中倉山へ 中禅寺湖南稜はガスに覆われている

孤高のブナ(奥が中倉山 西側から振り返って)

周囲からひときわ目立つ波平ピークがなかなか勇壮でピラミダル

おぉ、これが波平さんの髪の毛か

 波平ピークに至る登路はさぞかしナイフリッジ的かと思いきや、多少の岩場はあるが慎重に行動すれば全く問題無し。岩場は中倉山~1539mp間にもあったがそちらも同様。

沢入山へ最後の登り

三角点ピークではないが何故か標石あり 石を読んで来れば良かったと後悔

少し先の展望地から 左、1821.8mp 右、皇海山

 1821.8mpを超えた少し先に庚申山がある。体力があれば周回して銀山平経由で戻るというルートもあり得るが、帰りの車道歩きが長すぎて流石にこれは無理だ。せめて銀山平に車をデポして2台体制ならなんとかなりそうなのだが。

冠雪しているのはたぶん谷川岳方面 昨晩の寒気で初雪か

さぁ、眺望を楽しみながら下山しよう 正面は白根山

こちらは武尊山かも 武尊山も課題だなぁ

再び社山方面へカメラを向ける

霜柱がザクザク 寒い筈だ

奥ののっぺりしたのは横根山

再び波平ピークへ

そして中倉山へと爽快天空稜線歩きは続く

男体山がちょこっと顔を見せて社山と揃い踏み

往路と光線の当たり具合がちょっと違う波平ピークを振り返る

再び孤高のブナへ 右の道を下る予定だが名残惜しいのでもう一度中倉山へ登ろう

遠くの雲が無けりゃ最高なんだけど文句は言えないね

中倉山から波平ピーク

大平山 社山から繋いで歩いたのが懐かしい

社山と半月山

中倉山の東肩

再び孤高のブナまで戻る さぁ下山だ

さらば 天空稜線

概略コースタイム

銅親水公園駐車場発(06:57)-登山口(07:46)-尾根末端(08:37)-中倉山巻道分岐(展望岩)(08:58)-
中倉山(09:16)-孤高のブナ(09:23)-波平ピーク(09:50)-沢入山(10:06)-展望地(10:09)-
波平ピーク(10:32)-中倉山(11:09)-孤高のブナ(11:18)-中倉山巻道の展望岩(11:25)-尾根末端(11:46)-
登山口(12:22)-銅親水公園駐車場着(13:19)

カシミール3Dデータ

沿面距離:15.4Km
所要時間:6時間22分

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締めくくりの大嵐山



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 昨晩は道の駅桧枝岐で一泊。
 燧ケ岳の疲れで深く睡眠に落ちた夜であった。ここも車中泊者にとって人気スポットであり、朝起き出すと周囲にはシェードを窓に張ったかなりの台数の車が停まっていた。また、休日前夜は会津駒ケ岳登山の為の前泊基地の様相を呈している。

 さて、今月初旬から始まった福島の山旅。まだまだ予定のほんの一部しか歩けていないものの、まずは今日の大嵐山で一区切りとなる。

 大嵐山は栃木福島の県境に近く、山頂からの眺望は360度素晴らしいものが期待できるという。分県版福島県の山に「会津の風格をもった渋い山である。何の翳りもない、洗練された印象の山に比べれば、はるかに地味な山であり。好みの分かれる山である。」とある。

 ここのところ登り続けてきた福島の名峰たちはいずれも翳りのない洗練された山であると言って間違いない。だが、もともと栃木の渋い山で山歩きを覚えてきた自分にとって、たまには肩の力を抜いて静山を愉しむのもまた良し。そんな気持ちでこの山を区切りの一座として選んだのだ。

林道終点にある登山口 立派な道標と登山届ポストがある

 登山口に至る林道がまず探せなかった。おおよその当たりを付けてどうにか見つけ出すことが出来た。終点まで舗装はされていたが、左右や上から草が生い茂っているので車に傷が付かないように慎重に運転。終点の登山口には5~6台は停められそうなスペースだが、平日の今日は流石に一番乗りである。

序盤は苔むす沢詰めとなる

 一週間前の3日に山開きが行われたというが、やはり地味な山だから登山者も少ないのだろう。沢沿いに詰めていく登山道は時折踏み跡でさえも儚い。途中にあった「熊にご注意ください」の看板を思い出し、思わず腰に付けた鈴を振り鳴らし時折立ち止まってホイッスルを吹き鳴らす。里に近い山にある特徴としての急登がどこまでも続くが、今はコツコツと登っていくしかない。

沢音が消え、ようやく稜線に上がると下山時に湯ノ倉山へ向かう分岐がある 大嵐山へはまだまだ急登

ブナの森をえんやこら とにかく急登急登(;’∀’)

北東に開けた稜線に出る まばゆいばかりの光に思わず一息入れた

ようやく山頂へ いやいや辛い登りだった

 登山口からの標高差は800mに満たないが水平距離が短いので平均斜度はなかなかなもの。途中のアクセントとなるような景色の変化が乏しいせいか非常にキツイ印象だったが、むしろ山登りってこういうものだよと改めて教わった一座である。

南側眺望 突出した山塊は高原山

こちらは東側 左手の二岐山から右の方へ眼をやると那須の山並(たぶん)

たかつえスキー場と七ヶ岳

田代山から帝釈山、右手に昨日登った燧ケ岳

燧ケ岳アップ 今日は柴安嵓からの眺望も良さそうだな

手前は湯ノ花温泉集落 彫りの深い南会津の山並が続く

下山途中の樹間から会津駒ケ岳の稜線

眺望が殆ど無い湯ノ倉山 賑やかな黄葉が迎えてくれた

 大嵐山から下山を始めると下の方から熊鈴の音色が聞こえてきた。本日唯一の登山者に遭う。ここのところ人が一杯いる山ばかり歩いていて柄にもなく寂しくなってしまったのだろうか。珍しく自分のほうからキツイ山ですねと挨拶を交わした。

 大嵐山から湯ノ倉山に至る登山道は勾配も緩く穏やかだ。ずっとこんな道が続くのなら登りに使っても良かったかなというのは単に妄想に過ぎなかったことを湯ノ倉山からの下山で知る。

 湯ノ倉山は北側に僅かに開けた眺望を残すのみで、周囲の木が成長しやがて覆いつくされることだろう。

かつては大嵐山がすっきりと望めたという

さようなら、懐深き南会津珠玉の山

ブナの森をどこまでも降りていく

 湯ノ倉山からの下りはやはり急斜面。地図をみれば判ることだ。そう、ルートは違えど登ってきた時とほぼ同じ斜度で下っていくからあっという間に高度が下がっていく。違いはこちらのルートのほうがどこまでもブナの優しい森を行く点かな。
 結局下山までに出会ったのは一人だけ。温泉地の里山然とするも懐深い南会津の寂峰。実に渋い一座であったが、今回の福島の山旅を締めくくるには想像通りの味わいのある山であった。

概略コースタイム

駐車地発(07:55)-沢音消える(08:38)-谷詰め終了(09:06)-湯ノ倉山周回分岐(09:15)-明るい稜線(09:37)-
大嵐山(10:13)-湯ノ倉山周回分岐(10:56)-湯ノ倉山(11:25)-駐車地着(12:26)

カシミール3Dデータ

沿面距離:7.2Km
所要時間:4時間31分

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念願の尾瀬、燧ケ岳



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 天候不順で一旦宇都宮に帰ってはきたが、本来予定していた山はまだまだある。もっとも、行きっぱなしという訳にもいかない事情もあり、7日木曜日は休息。8日金曜は母親の病院付き添い、自分の月一通院、午後は仕事と雑事をこなし、9日土曜日はディーラーに車の修理(シガーソケットに通電せず、保証対応)予約が三時と慌ただしい。支度を済ませてあったので、修理が終わるとその足で桧枝岐を目指した。

 途中、五十里湖を過ぎたあたりから陽が沈み、暗闇のドライブとなる。ライトを付けながらこの道を走るのは子供が小さかった頃、高杖スキー場に早朝向かった時以来かな。そんな子供達も今は立派な父親母親となっているのだから、過ぎし年月をしみじみと感じるものだ。

 桧枝岐役場を通過し、高度を上げる頃には漆黒の闇をライトの光が手繰るような道となり、途中鹿が通せんぼするシーンもあり運転に気が抜けない。

 ようやく御池駐車場に着くと既に入り口付近は半分程埋まっているではないか。流石だな、土曜日の夜は。トイレは何処かと早速探すが駐車スペースからかなり離れていることが判明。ちょっとしんどいがまぁしょうがないか。前立腺肥大症と潰瘍性大腸炎を患う者としてはトイレは常に至近距離にあって欲しい。そして便座はウォシュレットでないのは論外!

 とまぁ、病人のわがままは置いておき、流石に場所が場所だけに車中泊組の100%は尾瀬の散策もしくは登山が目的だから、夜の8時ともなれば皆さんすっかり息をひそめて静寂の極み。時折聞こえてくるのは鹿の鳴き声だけだ。自分もそそくさと設営を済ませ、鬼怒川温泉のスーパーで調達してきた夕飯にありついた。

 翌朝は日の出時刻頃から続々と車が入ってくるようになり周囲が慌ただしくなる。6時半に起き出して7時半出発かなと思っていたが、周りの喧騒に急き立てられるようにしてシュラフから這い出た。

 さぁ、いよいよ念願の尾瀬デビュー。燧ケ岳登山の開始。長年行く行くと言いながらなかなか実現出来なかった狼少年からようやく脱却出来る記念日だ。

岩の重なる急登から始まる

 序盤の登りは岩の重なる急登で我慢の区間。しかし、広沢田代がパッと開けた途端、「尾瀬にやってきたのだな」と強く実感する。とうとうやって来たのだなと。

まずは第一区間をクリア、草紅葉の広沢田代で一息

後ろに見えるのは大杉岳 アイコマ目指すのは無理でもいずれかは訪れたい

お次の熊沢田代からはドーンと爼嵓が姿を現す 抜けの良い景色にヒャッホー

 広沢田代からまた急登が始まる。そう簡単に絶景は見せてくれないようだが、コツコツ登れば必ずご褒美がやってくる。熊沢田代からは爼嵓も姿を現す。登りはまだまだ続くが周囲は明るく開ける。なんと気持ちの良い景色だろう。やはり来て良かったなとしみじみ思う。

遠く新潟県境の稜線が続く

熊沢田代を振り返る

更に高度を上げて遥か下に熊沢田代と会津駒ケ岳

爼嵓からガスの中に浮かび上がる柴安嵓が迫力

 爼嵓まであと少しという辺りから尾瀬沼方面から流れるガスが濃くなってくる。上空も北側は下界もスッキリしているのに意地悪なガスだなぁ。爼嵓の頂上に登り詰めた時に隣にいた男性が「あーあぁ何も見えねぇ」とがっかりと吐息を漏らしたのを聞き逃さなかったが、ここまで登って来て確かに自分だってそうは思いたい。しかし、よく見るとガスの切れ間に一瞬拡がる眺望もなかなか素敵じゃないか。

柴安嵓へ無事登頂

 地形図で見ると標高差たった50mの下降と登り返しなのに妙に威圧感を感じる柴安嵓だが、いざ取り付くと案外すんなりと登れてしまうのに拍子抜け。ようやく燧ケ岳登頂成功といったところだ。

尾瀬の大湿原が時折ガスの切れ間から顔を出す

 柴安嵓からはガスで殆ど眺望無し。沢山休憩中の登山者もガスの切れ間の絶景待ちの体だが、惜しいところまでは行くもののどうにも埒が明かず。爼嵓へ引き返そうとしたその時、裏で歓声が沸き起こったので振り返ってみるとほんの僅か一瞬至仏山の巨大な山容が姿を現し、幻のようにまたガスの中に姿を消していくところであった。

爼嵓まで戻るとガスが切れて柴安嵓の雄姿を見る事が出来た 至仏山はとうとう姿を見せず

北側はガスも無く眺望良し

だが南は相変わらず ミノブチ岳の向こうに鈍色に輝く尾瀬沼がが幻想的

奥只見湖の南端部分(多分)

木道が延々と伸びる様子が手に取るようにわかる

ミノブチ岳付近から見納めの会津駒ケ岳

尾瀬沼 浅湖湿原

 ミノブチ岳で軽く休憩を取り、あとはひたすら長英新道を下る。
 長英新道はミノブチ岳から下り始めるとやがて視界が閉ざされ笹道となる。御池からの登山道のような岩の多い歩きにくさこそ無いが、変化に乏しいので登りに使うには少し退屈かもしれない。

 長い長い下りだがようやく尾瀬沼の畔までやってきた。あとは木道散策を残すのみ。途中で長蔵小屋、尾瀬ビジターセンターに立ち寄る。流石尾瀬だなぁ、こんな山奥にも立派な施設があって沢山の人達が休憩している。売店で品物が売られ、それを求める人たちが居る。まるで田舎者が都会に出てきて驚いてるみたいだな>自分(笑)

大江湿原の木道を行く 少し風が冷たいかな

 淡々と進む終盤の木道歩き。すっかり体が冷え、一枚羽織った後の沼山峠までの僅かな登り返し。あっという間に暑くなり上着を脱ぐ為に立ち止まると、吹き抜ける爽やかな風と今日一日の充足感。ふと気が付けば足腰もその健闘をいたわるようにいくらか重くなっていた。

燧ケ岳に登って来たのだからやはり燧の湯で〆ないとネ

 沼山峠からは「満席で発車します」のシャトルバスに揺られて御池駐車場に戻る。
 自販機でコーラを買って「ぷはぁー生き返った」とやっている方もいるが、自分はもう少し我慢我慢。

 以前、アイコマ下山時は駒の湯だったので今日は燧の湯で汗を流そうじゃないか。
 盛況につき入場制限がかかる程だったが、入ってみた感じでは浴槽の広さが駒の湯より若干広かったような気がする。
 泉質は駒の湯同様つるつるキシキシとした感じが素晴らしい。露天は少し温泉が薄いような気がしたが、内湯がガッツリした泉質で納得できる。脛をマッサージする者、方々の山の武勇伝を語りあう者。それぞれに一日の疲れを溶かそうとしていた。

 さぁ、自分も明日はもう一座ある。ゆっくりと癒そうじゃないか。

概略コースタイム

御池駐車場発(06:44)-広沢田代(07:35)-熊沢田代(08:19)-爼嵓(09:27)-柴安嵓(10:06)-
爼嵓(10:31)-ミノブチ岳(10:57)-浅湖湿原(12:42)-長蔵小屋(12:59)-沼山峠休憩所着(14:09)

カシミール3Dデータ

沿面距離:15Km
所要時間:7時間25分

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日中線、熱塩駅

 福島山旅の最終日は残念な天気予報である。それを確かめるような雨が夜半から降り続いていた。
 五月にガスで閉ざされた山頂だった安達太良山リベンジをと考えていたが、この天気ではどうしようもない。7日に宇都宮に帰る予定を一日繰り上げることにした。

 結局連泊した道の駅裏磐梯。一台空けてお隣にやはり連泊した関西圏ナンバーの車中泊夫婦も今日はどいういう予定なのだろう。昨日は登山ウェア姿を見かけたのだが、今日は流石に観光しかないだろう。

 大きな犬を伴ったキャンピングカーの人は、もう幾日も連泊しているのか。朝の清々しい空気の中愛犬と共に散歩する姿が妙に風景に溶け込んでいる。

 さぁ、今日は宇都宮に帰るのみ。何もしないで帰るのも勿体ない。暖かいカフェオレで少しゆっくりしてから喜多方へと車を走らせた。

道の駅裏磐梯の朝

喜多方へやって来た 訪れて見たかった旧国鉄日中線、熱塩駅へ

 お目当ては、旧国鉄の日中線、熱塩駅跡にある日中線記念館。
 自分は別に鉄っちゃんでは無いので特段の思い入れがある訳ではないが、何かの記事で読んだことがあってそれが頭の片隅に残っていた。だが、いざ訪れてみるとレトロ感溢れる雰囲気があり楽しむことが出来た。

 日中線の当初計画が栃木の今市から米沢を結ぶ南北大縦貫鉄道であったという壮大な構想であった点に驚く。結局、喜多方と熱塩間を結ぶのみで、やがて赤字路線の整理対象のトップとして廃線していったという悲しい鉄道でもある。

 廃線間近の頃は荒廃しきった駅舎だったそうだが、記念館として保存保管されている。館内掲載されていた新設工事中の写真に写る人々の活気ある笑顔、新たな鉄道敷設と地域経済の活性化に沸いた姿と、その後寂れる廃線への軌跡を思うに切なさを感じる。

味わいのある硬券の切符棚 子供の頃に乗った”国鉄”駅で自分も見た事、買ったことがある

各種展示

敷地内に展示されている除雪車 運転席に入ることが出来る

連結されている客車

タイムスリップしたような光景

 記念館の脇に「天地人の中心で愛を叫ぶウォーク」と銘打つハイキングコースの案内板あり。
 天地人といえばNHKの大河ドラマなのだが、米沢市街地の礎を築いた直江兼続が主人公の話であり、兜に愛の字をあしらったことでも有名である。そのゆかりの地なのかとネットで調べてみても何も情報が出てこない。
 コースは示現寺から寺の裏山である444mp(護法山)を縦断して記念館に至る。この看板は記念館側となる。
 (地図の中で記念館は護法山の西側、郵便局の前の道路を挟んだ向かい側にある。)

 また、この地を訪れた時は是非歩いて見たいところ。それにしても看板が立派なだけに情報欲しいなぁ。喜多方市の観光課に問い合わせでもしようかなと思っている。

ネットで検索したけれど情報まったく無し なんか気になるなぁ

 このあともう一軒観光して喜多方ラーメンの5人位で満席になっちゃう小さなお店で昼食とした。
 どちらも記事にするほどのものでは無かったのだが、何の計画も立てずにいきあたりばったりの旅はやはり楽しいものだ。

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磐梯山



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 昨晩は桧原湖の駐車場を予定していたが、トイレがいま一つなので『道の駅裏磐梯』へ移動してきた。
 これが大正解。トイレは綺麗だし、標高が高い山の中にあるのでとても静か。『道の駅猪苗代』に比べると周囲に食料品を調達するスーパーが無いのが唯一の難点だ。裏磐梯にはセブンイレブンがあるのでそれなりのものは手に入るが、やはりスーパーの品揃えには到底かなわない。もっとも、大したものを食べる訳ではないのでコンビニでも充分といえば充分なのだ。

 さて、本日は会津磐梯山である。
 天気予報では晴れと出ていた筈なのだが、いざ登山口に着くと重い雲が立ち込めて風も幾分強く吹いている。風は織り込み済みだったが、曇り空はいただけない。昨日の一切経山で晴れの運を使い切ってしまったのかな?
 五月の安達太良山もガスで何も見えずに撤退した山頂だった。福島の名峰は自分に微えんでくれない。

どんより曇った八方台駐車場よりスタート

だらだらと登った先の中ノ湯跡から 見える筈の磐梯山もガスの中

今でもぐつぐつと温泉が湧いている

 中ノ湯は20年位前まで営業していたらしいが、今は廃業して辺りは廃墟となっている。八方台登山口から中ノ湯跡までの登山道は道幅も広く斜度がきつくない。想像だが、中ノ湯に資材を運ぶ車両が往来していたのではと考えると合点がいく。

ガスが一瞬途切れると荒涼たる景色が見えた

弘法清水小屋から山頂を望む 雲ってはいるがガスは無さそう

 中ノ湯跡を過ぎると徐々に斜度がきつくなり、眺望の無い登山道をコツコツと登っていく。八方台コースで一番辛い区間だ。やがて傾斜が緩むと弘法清水小屋へ。日頃地味な山歩きが多い自分にとって、こういうお洒落な営業小屋もなかなか珍しい。山ガールや山ボーイ御用達で、自分のようなくたびれた無粋のおじさんはお店の敷居をまたぐのも憚れる。

 心残りだったのは小屋の名前の由来になる”弘法清水”を賞味しなかったこと。腸が弱い自分は山の水は基本的に避けている。後で知ったのだが、ここの水は小屋のほうで検査に出して問題無いとのお墨付きらしい。せめて一口位は味わえば良かったなと後悔することしきり。

そして山頂へ

濃いガスが去来している

 弘法清水小屋から山頂までは標高差が約190mだ。ラストスパートだと思えば辛い急登も自然に足が出る。
 だが、着いた山頂の周囲はガスガス。ハイ!安達太良山の再来ね。

 ガスの流れるのが早くてたまに切れ間もあるのでちょっと粘ってみたが、以下の写真がベストかな。

ガスの切れ間を狙って少し粘ってみた

赤埴山

猪苗代湖

ダイナミックな櫛ヶ峰

風も強いので山頂を後にしよう

 本当は360度の眺望を楽しめる筈なのだがこればかりは仕方がない。まぁこれだけ見えただけも良しとしよう。
 これで安達太良山と磐梯山は再訪決定だな。

晴れていればと残念 だが、鮮やかで美しい

下山途中で左手に赤埴山

紅葉は標高1600m付近が最も綺麗だった

桧原湖眺望地点より 北の方は日差しが結構届いている

『下りれば晴れる』の法則 磐梯山よ、また行くぞ

 予定通り午前中で下山出来たので、裏磐梯のお店で食事をして五色沼散策と洒落こんだ。
 裏磐梯から入って毘沙門沼まで約4.5kmらしいが、往復するのも芸が無いので帰りはバスでと目論む。だが便の時間が合わず、帰りは車道歩きで結局五色沼散策は往復で7.6Kmとなった。山で8.3km、散歩で7.6kmか。しかもラストは若干の上り坂。結構堪えたが、車を置いた裏磐梯物産館でソフトクリームを食べたので今日のカロリー消費は帳消しとなっただろう。

午後は五色沼を散策

おぉ、櫛ヶ峰と磐梯山が凛々しく

西大巓と西吾妻山 一昨日はあちらからこちらが見えなかった(*´Д`)

毘沙門沼で仲良くボートを漕ぐカップルを撮らせていただく

概略コースタイム

八方台駐車場発(07:29)-中ノ湯跡(08:02)-桧原湖眺望地点(08:33)-弘法清水小屋(09:12)-磐梯山(09:42)-
休憩(00:00)-行動再会(09:56)-弘法清水小屋(10:25)-お花畑(10:40)-桧原湖眺望地点(11:14)-
中ノ湯跡(11:41)-八方台駐車場着(12:08)

カシミール3Dデータ

沿面距離:8.3Km
所要時間:4時間39分

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一切経山



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 昨晩は道の駅猪苗代で車中泊する。ここは今年の五月に二泊して様子が判っていた。なかなか車中泊に適した所なので今回の旅でも泊地の有力候補としていたのだ。

 前回は大型トラックのアイドリング音が少しうるさかったのだが、今回は大型が少なく、至って静かな夜を過ごすことが出来た。また、前回と同じマイベストポジションの駐車位置に停められたのも嬉しかった。

磐梯吾妻スカイライン 国見台より会津磐梯山

 進む磐梯吾妻スカイラインからは、時折素晴らしい眺望が楽しめる。紅葉も部分的には進んでおり、ドライブでこの道を走るだけでも充分楽しめることうけあいだ。

浄土平が今日の登山口だ

 月曜日の朝だというのに次から次へと駐車場へ入ってくる車。全てが登山者ではなく、駐車場脇にある吾妻小富士狙いの観光客もいるので混雑に拍車がかかるようだ。今日の青空が人々を引っ張り出してきたのは間違いないところだ。

時折風に乗って来る硫化水素臭 もくもくと上がる噴煙 活火山の証

まずは東南東へ、東吾妻山の方角へと進む 見渡す限りの黄葉に心も高揚(;’∀’)

高度を上げると更に見事な黄葉ゾーンとなる

酸ガケ平小屋へ続く木道 右手の裸地が一切経山だ

一切経山から東寄りにある前大巓 たおやかな姿 登山道が無いのが惜しまれる

登山道は豪華絢爛

急登で一休みすると、背後には鎌沼とどっしりと横たわる東吾妻山

そして広大な山頂へ

 ビジターセンターのある登山口から酸ガ平までの標高差が180m、酸ガ平から山頂までの標高差が190mである。酸ガ平はまさに中間点だ。前半は黄葉に囲まれながら、後半は黄葉を俯瞰しながらと変化のある歩きが楽しい。

 自分にとって、遮るものの無い日差しに責められる後半は少し辛い筈だ。だが、登るほどに歩きにくい砂礫の登山道も、もうすぐ見ることの出来る絶景を前にあまり苦にならない。

そして五色沼、『魔女の瞳』との出会い なんとも神秘的な光景

深みのある碧色に魅せられる

北東に延びる県境稜線を辿れば、東大巓そして昨日歩いた西大巓まで繋がっていくこの雄大さ

吾妻富士の見事な円錐形にため息 でもあそこを歩くのは暑そうだな

 名残惜しい景色を後にして、来た道を戻る。左手にはまるで道具でも使って造り上げたような見事な円錐形の吾妻小富士の全景を見ることが出来る。浄土平の駐車場から手軽に登ることが出来るので一般観光客も多いようだ。だが暑さに弱い自分は陽光からの逃げ場のないあそこを歩く自信がどうにも出てこない。

酸ガ平湿原より一切経山(山頂は左奥で見えない)を振り返る

つくづく前大巓に登山道が無いのが残念だ しかし植生保護の為立入禁止なのだからいたしかたない

鎌沼越しの東吾妻山

再び木道から振り返る一切経山方面

 吾妻小富士について今思い返すと、『お鉢巡り』はともかく火口の縁までは登るべきだったのかなと後悔している。
 だが、先を急いだのにはもう一つ訳がある。
 今回の旅で楽しみにしていた『横向温泉 中の湯』である。

 ナビに電話番号で入力したら、国道115号の土湯トンネルに突入。
 いや、流石にこれは無いだろうと思いきや既に遅し。トンネルの出口まで3km以上走ってからUターンする。
 とんだ道草の末、ようやく温泉の入り口に到達だ。古めかしい門柱の先に延びる未舗装の路を見ると、既に秘湯感が高まってくる。

福島県で初めて湯治が始まったといわれる横向温泉

横向温泉の中でも秘湯感ダントツの中の湯へ

 門柱のある入り口から既に敷地であろう砂利道をなんと500mも進むとやっと旅館の建物に到着だ。
 車はどこにでも停められそうだが、なんとなく駐車場ぽいスペースに停まっていた一台の元へ、男性が気持ちよさそうな顔で手ぬぐいをぶらさげて帰ってきた。
 男性とは言葉を交わさなかったが、客は恐らく一人だったのではと直感。だってあまりにも周囲に人の気配が感じられないんだもの。

料金の支払いはセルフで 500円玉を入れてお釣りの200円を回収

 建物は昭和レトロ、鄙びた感は突出している。秘湯好きの方には垂涎の温泉だろう。
 料金を払って館内に上がるも湯治客はおろか日帰り入浴客も誰もいない。宿の関係者さえも文字通り外出中とある。勝手に入って勝手に入浴という感からして、もはや秘湯感満載だ。自炊専門で泊り客はほぼ常連のみらしい。

 源泉かけ流しの泉質はタール臭や鉄臭が特徴。古湯と新湯の二つがあって温度や泉質が異なる。しっかりと体に効いてくるようなキレの良い(という表現が正しいかどうかわからないが)感じ。

 開け放たれた浴室の窓枠から外に出るとサンダルが置いてあり、石段を登ると川沿いに作られた二つの露天風呂。瀬音、優しく緑さす陽光、あまり高すぎない湯温。登山の疲れがゆっくりと溶けて行く。

 一応男女別の浴槽とはなっているが、実質的に仕切りは無いに等しい。お湯が少し違うらしい女性風呂のほうに男性が入ることも珍しくないそうだ。勿論女性が居ない時ではあるが。男女風呂の往来は薄いレースのカーテンのようなものが一枚下がっているだけで、仮に女性が入っていればほぼ丸見えだろう。

 若い女性が日中入るのはかなりハードルが高いし、仮に高齢のおばぁちゃんが入っていたら逆にこちらのほうが恥ずかしい位の超混浴といって差し支えない状況だ。

 そんな杞憂もまったく無用の閑散たる秘湯。悠々と一人で楽しむ事が出来た。やがて別な男性が一人入ってくる頃にはすっかりのぼせ上ってしまった。

(中の湯についてはこちらの方の記事が詳細に書かれているので参考にされたし)

時間つぶしの桧原湖のほとり 風が心地よく流れる

 今晩の泊地は桧原湖のほとりにある駐車場を予定していた。
 車中泊地を紹介したサイトでは結構評価が高かったが、実際に行ってみるとトイレがいま一つだ。
 用を足すだけなら充分だが、洗面所で歯を磨いたりするのにはいま一つ残念な清潔感だ。

 湖岸のベンチで風に吹かれて夕景が覆われていくる景色を楽しんででいると、ようやく温泉の火照りも冷めてきた。
 読みかけの本を閉じ、第二候補の泊地へと車を走らせる。

概略コースタイム

浄土平駐車場発(08:30)-酸ガ平小屋(09:20)-一切経山(09:55)-酸ガ平小屋(10:39)-鎌沼周回-浄土平駐車場着(11:58)

カシミール3Dデータ

沿面距離:8.0Km
所要時間:3時間28分

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西吾妻山、西大巓



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 昨晩は天元台ロープウェイの湯元駅駐車場に車中泊。
 この駐車場はロープウェイの索道のほぼ真下に作られている。一般的には安全管理の観点からこういった設計にはしないとは思う。索道のど真ん中は流石に停められないようになってはいるものの、まさに頭上をゴンドラが行き来するといったあんばいなのだ。

 駐車位置を決め、片付けなどをしているうちに最終の便が山頂駅から戻って来た。
 降りて来た登山者が三々五々、車に乗り込み帰っていく。喧噪が鎮まると同時に傍らの沢音が急に大きくなる。日差しが急激に弱くなり辺りが夕闇に包まれていった。

 車中泊組は意外に少なく自分以外に数台もあっただろうか。ドライバー無く取り残された車の主は恐らく山中で一泊組なのだろう。

 目の前の砂利林道を登ると新高湯温泉がある。標高の高い所にポツン一軒宿でまさに秘湯と言えよう。HPを見ると、露天風呂(標高1126mイイフロ)からの絶景は一度は入ってみたいと思わせるものがある。ごくまれにこの林道を走り去るタイヤの音も絶えればいよいよ静寂の夜が訪れる。

 静けさと標高のもたらす涼しさに快眠を貪った。だが早朝から動きがあった。続々と登山者の車が集まり始めたのだ。8時始発(土日)のロープウェイに乗る為の行列が既に7時過ぎには出来ていた。結局始発は早まって8時前、自分が乗ったのが二便の8時発であった。

 随分と混雑していると思いきや、実はサービスデーだったらしく、通常3,800円のロープウェイ+リフトの往復券が今日は2,500円プラス手ぬぐいと玉こんにゃく汁、白府温泉八湯のタダ券付きの特典だ。登山者は地元の人が多く山形弁で訥々と今日の賑わいについて語る人多数。何も知らずに来たのはどうやら自分くらいのようである。

 結局手ぬぐいはGetしたものの、玉こんにゃく汁は品切れで代替えのお茶一本となり、温泉は今晩の泊地への移動時間を考慮してパスとした。だが料金がこれだけ安いのは大いに有難い。

 人流整理の係員も居ないまま混沌とした並びの中でようやくチケットを購入するも、次はどこに並べばよいか判らない。自分の前にチケットを買った人の顔を思い出してそちらを見ると、数人の団体さんが列尾にくっついているではないか。聞けば、「今代表がチケットを買っている最中」という。自分の直前の人が機転を利かせて、「この人のほうが先にチケット買ったんだから先よ」と助け船。お陰で次の便にならずに済んだ。この流れってあれだな、スキー場でリフト待ちしている時にスキーの先っちょを如何に人より素早く前に出した者勝ちみたいな。いわゆる意思の強い者勝ちの世界( ;∀;)

まずは天元台ロープウェイで一気に標高差400mを獲得

そのあとリフト三本を乗り継ぎ最終的に標高1820mまで進む 楽ちんだが風に吹かれて少々寒い

標高を上げると幾らか樹々の色づきも見られるようになる

 リフトが気絶しそうなくらいに遅い!
 安全配慮故なのは解るが、乗るたび降りるたびに一旦停止するものだからなかなか先に進まないのだ。
 結局一本目のリフトに乗ったのが8:13で三本目を降りたのが8:57だから45分近くかかったことになる。もっとも歩けば1時間40分がコースタイム。標高差470mを汗一つかかずに獲得出来るのだから流石文明の利器というか、コストかけただけのことはあり。何はともあれありがたや。

最終リフトを降りていざ登山開始 朝露がまとわりつく笹道を行く

 序盤はしっとりと露を含んだ山道を徐々に標高を上げていく。滑りやすい石が散在する登山道には所々水たまりや泥濘などもあり意外と歩くのに気を遣う。
 三角点ピークである中大巓の南を巻くようなルートを登っていく。ふと、脇にある中大巓の高みが気にもなるが辺りは強固な灌木藪で覆われているので踏み込むのは積雪期を除きかなり難しいような雰囲気だ。これから向かう西吾妻山も西大巓も共に三角点の無いピーク故になんとなく取りこぼしのような気になる。突破口になるような踏み跡でもと思って目を凝らしていたがついに発見することは出来なかった。

傾斜が緩み1930m付近で眺望が開けた 上空は青空だが流れ行くガスは多い

西吾妻山の頭上にもガスがしきりと通り過ぎていく

一旦南に向け下降する しばらくは池塘の草紅葉を見ながら木道歩き

振り返り、たおやかな山姿の中大巓 周囲はこのようにのっぺりした山が多い

木道が切れて一登りすると眺望の良い汎天岩へ到達

眺望が無い西吾妻山の山頂

 凡天岩から天狗岩のある広場を経て一登りで西吾妻山の山頂へ。
 山頂は眺望は全く無い。樹に囲われたスペースで山名板ならぬ柱が一本立つだけである。
 那須の白笹山といい勝負かな。白笹山は通過点といった趣だがこちらにはかろうじてピーク感はある。
 何せ日本百名山だからね。いや、むしろ吾妻連峰全体を百名山としたかったのかな、深田さんは。

西吾妻山から少し下る 西大巓へ向かって登山道は続く

 130m程下げて80m登り返し。程登山道が小さく綿々と続く。うーーむ大変そうだな。
 数字的には大したことは無いのだが、自分はどうもこういう丸見えのルートを見ると戦意喪失する癖がある。
 だが気を取り直してリスタートだ。

行く手を覆うガスが濃くなってきた

振り返ると西吾妻山の方角は割とすっきりしている

西大巓山頂に山名板は無し 三角点では無いが標柱のようなものあり

 西大巓の山頂はかなり広いがそれでも沢山の登山者で賑わいを見せていた。天元台ルート以外にも南側のグランデコから登ってくる人もいるようだ。皆ガスの切れ間の絶景を一目見んと腰を据えて休憩中である。自分も多少滞在するもどうにもガスは切れる様子無し。まだまだ余裕はある筈だが下りリフトの最終時間に遅れると厄介なので早々に山頂を後にすることにした。

 眼下に拡がる湖や会津の山並が揃う絶景を是非見たかった。だがこればかりは運。次回は木道の周りに花が咲き誇る雪解け後の初夏が良いかもしれないな。

秋元湖や小野川湖が綺麗に見える筈なのだが残念 これが南側のベストの眺望

ガスの切れ間から見える帰るべき路 まるでスポットライトが当たっているようだ

天狗岩まで戻ってきた 吾妻神社の岩屋が風雪に耐える

展望の無い西吾妻山だから、天狗岩の広場で憩う人も多い

帰路は中大巓の東へ廻りこみ北側を巻くルートを行く 途中の人形石 大きさ比較の為ザックを置いてみた

人形石の東側には藤十郎や東大巓へと続く稜線が続く いつかは歩いてみたいものだ

米沢の街並みを眺めながらリフトを下る 天気が良ければ月山まで見えるらしい

 下りもまた牛歩のリフト。登りのリフトでも来ていたフリースをザックから引っ張り出してジッパーを胸元まで引き上げる。汗ばんでいた体もロープウェイの乗客になる頃にはすっかりフリースのぬくもりに包まれていた。

西吾妻スカイバレーから望む磐梯山と桧原湖 夕方の日差しが優しい

 絶景登山とは少し違ったが、奥座敷のような天空パラダイスを垣間見た本日の登山。
 実質標高差200m程度の高地散歩。実際は登ったり下ったりで累積標高差はそれなりにあった筈だが、やはり乗り物を使って踏み入れる標高2000mエリアの散歩は楽しかった。

 今まで登った山のなかでは会津駒ケ岳がやや近い気もするがやはり違うな。いろんなタイプの山、という意味で新たな経験をすることの出来る一日であった。

概略コースタイム

リフト最上部発(08:58)-大凹水場(09:47)-凡天岩(10:15)-西吾妻山(10:43)-西吾妻小屋(10:53)-
西大巓(11:30)-西吾妻小屋(12:17)-天狗岩(12:32)-凡天岩(12:43)-大凹水場(13:04)-
人形石(13:31)-リフト最上部着(14:09)

カシミール3Dデータ

沿面距離:9.5Km
所要時間:5時間11分

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緊急事態宣言明け、福島へ

 各都道府県に発出されていた緊急事態宣言などがようやく解除された。
 県をまたぐ移動は自粛していた自分だが、ようやくこれで心置きなく遠出が出来るようになった。
 もっとも、自分のような行動ではなかなかコロナ伝染に結びつく可能性は低いが、ゼロでは無い。くれぐれも注意して行動したいところだ。

 さて、今回は『登山』を主体とした福島県の旅を計画した。
 とは言え、10月は案外天気が長続きしないのが悩みだ。台風一過の好天を狙い出かけることにした。

 今日は移動のみの一日。
 国道4号線をひたすら北上する。どこまでも続く市街地の光景は流石に嫌になってくる。それでも時折整備された高規格区間になると車列のスピードもあがり快適なドライブとなる。エコを自認(笑)する我が旅は原則的に高速は禁止の下道専科なのである。

 とは言いつつも、次回同じルートで北上する場合はかったるいからやはり高速だよネなんてちらちら思ってしまう。まだまだ修行が足りないかな(何の修行だ)。

 福島の街から国道13号に入り山間部にさしかかる。やはり山や川を眺めながら走るほうが気持ちが断然良い。こういった風景なら一日中走っても平気なんだけどね。

 計画では山形新幹線沿いの山峡を通る県道を辿る筈だったが、福島までが想定外に時間がかかった為割愛。おとなしく国道を行き時間をセーブだ。

 まったく移動だけというのもつまらなかったので、食料調達のついでに寄った米沢市内でプチ観光をする。
 どこを見たらよいものか判らず、たまたまスーパーの近くにあった米沢城址公園で小一時間の散策をした。

 歴史的にいろいろ濃厚な街なのでそれなりに見ごたえがあるのだろうが、今回は申し訳ないがお茶を濁す程度の訪問であった。

いわゆる『米沢城址』である

初秋を楽しむ人たちが三々五々

明日登る山方面はガッツリ雲に覆われている
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那須岳の紅葉

 今年の那須の紅葉は早いかもしれない・・・と、ヤマレコを覗いていたら書いてあった。
 ここ数日は天気もかんばしくなく、掲載された写真を見るにいま一つ精彩に欠ける感があるが、陽光鮮やかなれば見ごたえがあるのではないか。今週末の台風通過後の週末になると入山者も多くなり手が付けられなくなりそうなので、その前に覗いてくることにした。

 峠の茶屋駐車場は既に平日でも停められるかどうか判らないので安牌の沼ッ原駐車場へ車を向けた。
 東側からのルートはハイカーが多くてどうも気が乗らない。沼ッ原からのアプローチが好みなのは駐車のことだけでなく、これが最大の理由だ。距離が長いのが玉に瑕だが、ここのところご無沙汰気味の山歩きのトレーニングと考えればよかろう。

 今日の『お天気ナビゲーター』の茶臼岳山頂予報は全開の晴れマークが並ぶ。昨晩これを見て期待に胸を膨らませて出発したものの、宇都宮で眩しかったは朝日もどこへやら。北の方面にどんよりよどむ暗い雲へと突き進む。

 県民の森周辺を左手に見ると、どうやら1000mあたりから上は青空が覗いているではないか。元気を貰う。だが板室温泉を超えてなおもガスの中を進むと流石にモチベーションダウン。ま、短時間でも光が差せば御の字かなと思い直して沼ッ原駐車場を出発した。先行するハイカーの車は約15台。下山時には20台位に増えてはいたが、まだまだ沼ッ原側はシーズンインしていないようだ。

スタートはしっとりとした笹道

ところどころのナナカマドが地味な登山道に彩りを添える

 標高1600mを超えたあたりから青空が見えるようになってきた。
 雲海はやはり標高1000m付近のように見えるので高層の雲が切れだしてきたのだろう。
 タイミングよく眺望も広がり再びモチベーションアップ。
 つくづく現金なものだ(笑)

背面に流石山から三倉山がせりだしてくる

雲の上に浮かぶ大左飛山山塊

おおよそ標高1000メートル位かな この下は鬱陶しい曇天なのだ

南側はどこまでも雲海の大海原が続く まるで飛行機の上から眺めているみたいだ

日の出平が近づくと茶臼岳がようこそ

 牛ヶ首の手前でひょうたん池方面を眺める。
 うーーん。手前の紅葉はいま一つかな。もうちょっと赤みが欲しいなぁ。

 いや、それより西側からガスがどんどん上がって来ているではないか。
 予定では茶臼岳に登ってお鉢廻り、久々に朝日岳までという欲張りな内容だったが、グズグズしていると今日の核心である被写体がガスに覆われかねない。急げや急げ。

む!姥が平にガスが侵攻中 急がねば

 脱兎の如く(ちょっと大袈裟)駆け下りて姥が平を通過しようとした時、リンゴさんとばったり。
 早朝に峰の茶屋Pから登って三本槍ピストンからの姥が平。いやいや流石な健脚也。
 しかし、リンゴさんがチョイスしたこのタイミングなら見頃音痴の自分としては金星ものなのかもしれない。

ひょうたん池分岐から もう少し鮮やかさが欲しかったかな

ひょうたん池ほとりより定番構図

 さぁどうするかな。
 これから登り返して茶臼岳に登るのも良いが、ピークハントにこだわる訳でもない。時間も11時を回って腹も空いてきたことだから、あたりの紅葉をもう少し楽しんでから下山としましょ。

沼ッ原への下山途中にて 日が灯ったようにポツリと紅葉

下るほどガスの支配する世界へ

沼ッ原駐車場に戻るも白笹山は完璧にガスの中

概略コースタイム

沼ッ原駐車場発(08:14)-日の出平分岐(08:41)-日の出平(10:18)-牛ヶ首(10:33)-ひょうたん池(10:56)-
日の出平分岐(12:04)-沼ッ原駐車場着(12:32)

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