はやりの病 コロナじゃないよ

 潰瘍性大腸炎。

 某元首相の引退で最近話題にのぼり世間の記憶にも新しい。
 安倍さんは十代の頃からというから筋金入りだが、自分は58歳の時に発病。若い時の発病率が高いこの病気としては極めておくてである。

 潰瘍性大腸炎は一度かかると根治方法が無く、対象療法としての投薬を続けなければならない。薬で一旦症状が軽くなる、もしくは無くなる(寛解という)が、ここで薬をやめたり少なくするとやがて再び症状が悪化(再燃という)するという厄介な病である。

 症状がひどい人は日常生活もままならず、最悪は大腸の切除に至るらしい。自分の場合は直腸型(肛門付近のみ)という軽度の型であり、コンスタントに座薬を使うことで特に辛い症状や生活上の制約も無い日々を過ごすことが出来た。
 ところが、今年の6月頃から軽い下痢が続くようになった。いわゆる再燃である。

 市販の止瀉薬に頼るも、連用となると副作用も気になる。発病当時は毎日処方の座薬も半年後からは二日に一度となり、その後良好な経過をたどって再燃に至った経緯を考えると、座薬を毎日に変えるという自己判断は間違えなかろう。

 改善は徐々に見られた。薬が切れる頃の通院で症状を訴えると座薬プラス整腸剤という処方になった。
 整腸剤自体はかなりポピュラーな薬で、本当にこんなので良くなるのかしらと疑いながら服用するも徐々に効果が感じられるようになった。やはり中を観るのが一番ということで、「去年は11月だったので少し早いですが今年も検査しましょう」ということになった。

 大腸内視鏡検査はこれで三回目となる。検査自体は軽い麻酔をして行うので苦痛は全く無い。少し意識がぼんやりするが、リアルタイムで自分の腸内をモニタする余裕もある。 ちなみに前回の検査時はポリープ切除も同時に行ったのだが、カメラの先端から投げ縄のようにワイヤが出てきてぽちっとやった後に血がにじみ出てくる仔細を見た時は、我が体内で行われている『事件』を映像を通して体感出来ることに不思議な感動さえ感じることが出来た。
 余談だが、胃カメラを過去に口から2回鼻から2回経験している。最後に鼻から行ったこの病院が一番楽だったので心理的にも信頼感がある。

 で、結果だが、
 自覚症状とは裏腹に悪化は見られないとのこと。
 まずは安心。

 病は気からというが、結果を聞いたら腸に感じる重たさが幾らか軽くなったような気もする。
 考えようによっては年に一回大腸をくまなくチェックされるので『大腸がん』の早期発見の可能性も高い。

 もう一つの持病。こちらはもうすぐ10年選手だが、『前立腺肥大症』も軽微なれどほぼ終身投薬中。やはり年に一回は血液検査で『前立腺がん』を調べることが出来る。

 一病息災ということわざがある。せめて、”二病息災”でいてくれればまだ安心ではあるのだが。
 若い頃は何をやってもどんな生活をしても病気なぞかからないと鼻息の荒かった自分も、やはり老いには勝てぬということを悟りつつある昨今である。

このキットと半日格闘する

2リットルの水と並べるとサイズ感が解ると思う

 キットに途中まで水と追加の下剤(小瓶)を入れて良くシェイク。そのあと満タンまで水を入れると2ℓの下剤の出来あがり。あとはこいつをひたすら飲んでいく。

 味のほうは超不味いスポーツドリンクといえば大体の想像がつくと思う。
 20分かけて400ml飲んだ後にインターバルでお茶200mlだが、このお茶がさっぱりしていて幸せタイム。
 しかし再び不味い下剤ドリンクタイムに突入する。

 通常の生活でもコップから水分を摂るのは暑い時期でも400mlあるかないかの自分としては、まず総量3リットルを2時間半で摂取するという地獄。鼻をつまみたくなるほどの不味さとの闘い。いやぁホント辛いよ。

下剤2リットルとお茶1リットルへの挑戦

 検査室の前で同じ検査をする人と話をしたところ、早い人は下剤を飲み始めて一時間位で”開通”が始まるというが、自分は過去二回もスロースタートで「このまま出なかったらどうしよう」と焦りだす11時頃に無事開通となる。後は五分に一度トイレに駆け込み、やがて”飲んだらすぐ出る”直結トンネル状態となっていく。最後のほうは固形物もすっかり無くなり”検査に好ましい状態”を迎え、満を持して病院へ向かうのである。

スケージュール表 かくの如し キッチリ12時まで勤め上げました(´Д`)
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北八ヶ岳方面 最終日 飯盛山



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 最後の車中泊地については随分悩んだのだが、やはり標高が2000m近い所のほうが涼しさが確約されているので、当初計画していた道の駅をやめて麦草峠へ変更した。

 麦草峠は、昨日歩いた北横岳より縞枯山・茶臼山と南下して下山した車道に位置し、北八ヶ岳と南八ヶ岳を分断する峠である。
 縞枯山あたりを中心にして円を描いた場合、南八ヶ岳ロープウェイ山麓駅とほぼ同一円弧に存在する箇所になる。すなわち標高の高い所を求めて周囲を徘徊するような結果となった。
 標高が2116mと、今回の旅の車中泊地の最高標高だけに涼しさもひとしお。日没前に既に20度を割って本格的に寒さ対策を講じる快適さであった。
 土日は登山者の車であふれかえ路上駐車必至だというが、流石に平日の夕方はガラガラ。明らかに車中泊とおぼしき車がお互いの車の距離を充分に取ることが出来た。

 明けて翌朝。陽が登る時間になると次々と当日組の登山者が上がってきて、歩き出す熊鈴の音も多くなる。
 車から這い出して周囲を見ると、車中泊組はまだ動き無し。多少の物音御免。かたずけをして自分は今日の飯森山の登山口である平沢峠へ車を走らせた。
 途中、南牧村の7-11で朝飯のサンドウィッチを頬張った。朝食で新鮮な食べ物を口にするのはこの旅で初めてだ。ことさら珍しくもない食べ物なのに感激の味わいだ。やはり不自由は感動の源なのだろう。

 さて、今回の北八ヶ岳方面の旅の締めくくりとして何故エリアの外れにある飯森山を選んだのかである。
 3月に行った千葉車中泊の時、追憶の地である勝浦を訪れたのは小学校の臨海学校。そしてここ、飯森山はやはり小学校の林間学校の想い出の地だったのだ。登山前後の細かい事は覚えていないが、円錐の形の良い山姿と、そこを級友一同体育帽を被って汗を流しながら登っていった時の映像が想い出として強烈に残っている。そんな50年前の記憶をフラッシュバックさせようという感傷だけがなせる最終日の登山計画である。

 北横岳で失敗したカメラの設定を直したつもりが、風景モードにするところをポートレートにしてしまい今日の写真もすべて強力に修正せざるを得なくなった。まったく不注意も甚だしいところ。最終日だけにちょっと締まりの無かったのが残念である。

平沢峠は東より見る八ヶ岳の展望台

本日のハイキングコース しし岩のあるの平沢峠からのピストンだ

 50年前、どういうルートで登ったかは一切記憶に無い。今回は車道から最短距離でアプローチ出来る平沢峠からのピストンとする。コースタイムは往復で1時間50分。朝の涼しいうちに歩ききる丁度良い距離だ。

 序盤、ゆるゆるとした樹林の中を登っていく。朝早い時間とはいえ標高が低いので気温はそれなりに高い。日差しが遮られるのは大いに助かる。
 標高差150m程登り1600mあたりから平坦な稜線を進むと、飯盛山の懐かしい三角錐が目に飛び込んできた。

おぉ 見えてきた見えてきた あれが懐かしの飯盛山

 山頂直下の広場が懐かしい。間違いなくこの広場で弁当を広げた筈だ。早朝、都内の学校を出発しても昼にここへ立つのは時間的には難しいから、恐らく前泊したのだろう。そうすると親が持たせた弁当ということは無いだろう。何を食べたかそんな記憶はまったく残っていないし、今のようにペットボトルなんて無かったから水筒を下げていったのは間違い無いだろう。ましてどんな絵柄の水筒だったなんててんで覚えてないが、ここで昼飯を食べた時の情景と八ヶ岳の堂々たる景色は共に鮮明に記憶に残っているのだ。

懐かしの広場

 そして、半世紀ぶりの山頂。50年前の自分はどんな気持ちでこの景色を見ていたのだろう。
 全ては想い出の彼方。
 さようなら、50年前の自分。感傷的な気持ちに包まれて山頂をあとにした。

約50年ぶりの山頂に立つことが出来た

山頂からの八ヶ岳も凛々しい

富士山も大きく見えた

 復路はルート途中にある平沢山へ寄り道する。
 飯盛山は三角点の無い山頂だが、平沢山は三等三角点を有する。
 山頂からは相変わらず八ヶ岳が良く見える。
 北へ目を転じると宇宙電波観測所のパラボラアンテナが天を衝く姿が見られる。

復路は寄り道して平沢山 三等三角点 点名は「八岳屋」

国立天文台 野辺山宇宙電波観測所

古の道標が残置されていた

最新の道標 距離表示は欲しいところ

 駐車場に戻ると分水嶺を示す表示が掲げられているのに気が付いた。
 ふと下を見ると日本地図の落書きがある。
 『分水嶺』って何?という問いかけに的確に答えた落書きに微笑みを禁じえなかった。

ここが分水嶺だそうだ

遺憾なく説明書きが(笑)

 さぁ、後はひたすら宇都宮を目指して今日も下道200km。
 おっと、その前にプチ観光していきましょう。

JRの最高標高にある野辺山駅に寄り道

何時の日にか電車の旅もしてみたいものだ

 観光客が数えるほどしか居ない野辺山駅。脇にあるお店の清里牛乳ソフトクリームで旅を締めくくった。

 今回の4泊5日車中泊の旅は3月の千葉に比べると基本的に毎日登山という厳しさがあったが、今後計画していく全国行脚プラスご当地名山歩きの基礎的な体験が出来たような気がする。
 ただ、長野県は流石山岳王国なだけに、旅プラス登山というよりもやはり登山に主軸を置いてしまうきらいがある。この県に関しては明白に山に登る為か、観光なのか線引きをして行ったほうが良いのかもしれないと感じた。

概略コースタイム

平沢峠駐車場発(07:40)-飯盛山(08:37)-平沢山(08:58)-平沢峠駐車場着(09:42)

カシミール3Dデータ

沿面距離:4.7Km
所要時間:2時間2分

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北八ヶ岳方面 四日目 北横岳



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 昨晩の車中泊地は『北八ヶ岳ロープウェイ』の山麓駐車場である。
 今日登る北横岳は、山頂駅から僅か標高差250mも満たない所まで標高を稼ぐことが出来るのだ。
 山麓駅から獲得できる標高差の466mを考えれば、往復2,100円を払う価値は充分にある。
 夏場は坪庭の散策で高地の雰囲気を楽しみ、積雪期はロングコースの林間ダウンヒル滑降が可能ということで、登山者以外の利用でも賑わっている。

 車中泊地としての印象は、高地(標高1771m)にあるので気温も低く、夏冬通してのリゾート施設なので設備面が大変すばらしい。24時間使える綺麗なトイレが大量に準備されていて車中泊者にとって頼もしい限りだ。
 無料駐車場なので特に問題は無いが、一部には”停めるだけ”という人もいる。ロープウェイのチケットを求めたり食堂での飲食をするなら問題は無いと思うのだが。

 ロープウェイの始発は8時丁度ということで、前日のうちに発券所で混雑状況を尋ねてみると、7時45分頃に発券が開始されて大体10人くらい並んでいるという。100人乗りのゴンドラにコロナ対策で50人制限ということだが、平日ならまず間違えなく乗れそうだなと考えた。
 事実、朝40分過ぎに発券所に行ってみるとまだ誰も居ず。その後徐々に10人程度が集まってきたが、一番でゴンドラに乗り込むことが出来た。

 流石に始発便の乗客は全員登山者である。中には関西弁の中高年女性グループもいた。長野というロケーションは関東と関西のどちらからでも容易にアクセスできることを改めて確認。会話に耳をかたむけると、遠く浮かぶアルプスを指さしながらあそこはどこそこで、あの急に高くなっているところの急登が大変だった等々、武勇伝に暇がない。
 機会があれば自分も登山可能なアルプスの山を訪れ、遠くからその山を眺めて苦しかった登山を振り返るという経験を是非してみたいと思うのだが、最近思うのは、やはりメジャーな山域は登山道が整備されてはいるものの、案外厳しいなぁという感触だ。このあと約10年位一体どこまで体力が持つかわからないが、無理せず可能な山には登り続けて行こうと思うのであった。

 あっという間に山頂駅に到着した。駅舎から出ると爽やかな高地の空気と雄大な景色が待っていた。
 ここからは直接北横岳を望むことは出来ないが、手前の高みや縞枯れ模様の雨池山などが独特の雰囲気で拡がっている。
 まずは坪庭散策コースを登っていき、いよいよ北横岳登山道へと踏み出す。

坪庭まで登ってロープウェイ山頂駅

北横岳を目指す

 蓼科山でもおなじみの岩のゴロゴロした登山道を登っていく。等高線の詰まった標高差100m位の登りだが、ジグザグに着いた道なので体力的には案外楽に登れる。また、岩の方も足の置き場にさほど苦労することもなく登りやすい。

やはりこりらも岩交じりの登り だが案外歩きやすい大きさの岩

 急登を登り切ると北横岳ヒュッテ。つくづくメジャーな山は小屋が充実しているなと改めて感じる。

山頂まであと標高差70mの所にある北横岳ヒュッテ

 北横岳ヒュッテから最後の登りを詰めるともうそこは山頂だ。いささかあっけなかったが、眺望は素晴らしい。
 なによりも、おととい登った蓼科山が目の前にドカンと鎮座しているのが嬉しかった。
 北横岳は蓼科山の展望台といっても過言ではない。

 ところが、である。

 なんと、この時点でカメラの設定が幾つか知らぬ間に変わっていたのだ。
 恐らく気づかずにタッチパネルを触ってしまったのだろう。

 一番痛かったのがホワイトバランスだ。

 下山後にカメラの画面で再生表示したら、真っ青な画像で自分も真っ青に(爆)
 すぐ気づかなかったのは老眼の悲しさよ。近眼老眼なのでメガネを外せば見えるのだけどつい億劫でね。
 ということでこの日一日の写真は全て真っ青。パソコンでで全力修正を試みるも御覧の有様だ。
 こいつは悔しいので、いつの日か同じルートで撮り直しといきたいところだ。

南峰到着 嗚呼ホワイトバランスが 全力修正するもこれが限界

平坦な廊下を4分程歩いて こちらは北峰 見える景色はほぼ一緒

北横岳は蓼科山の展望台だ

北峰から見る南峰方面

 北峰で休憩していると、大きなザックを背負った女性が北側の亀甲池方面から登ってきた。標高差400m以上の急登だからかなり大変だった筈だ。登り切った彼女の清々しい笑顔が印象的。ロープウェイを使って楽をしてしまった事にちょっと後ろめたさを感じちゃった。

 往路を戻り、三岳ルートへと入る。
 三岳ルートは「軽装な方はお控えください」と案内板がある。
 要は山頂駅からスニーカーで空身で北横岳に登ってしまう人達への警告である。

 序盤から大きな岩が連続して足の置き場に苦労する。地形図の標高差は殆ど無いが、なかなかの難路だ。ひたすら岩岩岩の連続。切り立った所は無いので滑落の心配は皆無だが、岩の頭から頭に飛び移りながら進む箇所が多く、踏み外すと怪我は免れない。また、岩の間の地面に降りて再び岩に登り返す場面が続くと結構な体力消耗。体力的にも精神的にも大変疲れる区間だ。

三岳方面への入り口 このあと岩岩岩岩岩と続く すぐにカメラをザックにしまった

 フィールドアスレチックよろしく進み、スマホのマップを覗くと僅かにしか進んでいない。しかも前方には岩の巨塔が見えてくる。これは状況次第によっては撤退もありだな。でも事前に読んだネット情報ではそんなに危険な箇所は無かったはずなのだが。

何やら岩の巨塔現る あそこを行くのか?

 始めに見た巨塔は巻きだったので一安心。そして高さ数メートルの鎖場を登りきるとそこが三ツ岳3峰だ。周囲をぐるりと囲む岩の光景には今まで登ってきた山とは明らかに一線を画す雰囲気を感じた。
 今回は岩をやり過ごすのに精いっぱいであったが、もう一度ここを歩いて高度感とか周囲の景色を充分堪能したいものだ。(ホワイトバランスで残念だった写真撮影も兼ねて)

フィールドアスレチックのように岩を超えようやく三岳3峰へ到着 道標が岩に埋まっている

ずっと岩の上を渡って あの突端の1峰まで行かなければならない

実際には滑落するような場所は無いのだが、岩を渡り歩くのがなかなか大変

この中のルートをたぐりながら進んでいくのだ

1峰に立つハイカー(よーく見ると居るよ) 向こうに見えるのは雨池

ようやく2峰へ到着 深呼吸で胸をなでおろす

つくづくホワイトバランスが残念無念

 なんとか1峰まで到着。あとは急降下だが、徐々に岩は姿を消す。ありがたや。
 土の上を歩けるありがたい登山道を登り返せば眺望の無い雨池山。肩の展望台からまた少し岩が出てくるが問題無し。
 眼前の縞枯山を越えて茶臼山まで足を延ばす予定であったが、なんとなく空模様も優れないような気がするし、遠く雷鳴を一二回耳にした。早いうちに下山してしまったほうが得策と判断。それに、なんといっても想定外の岩ゾーンで気力が随分消耗してしまったのも大きい。いずれにしても再チャレンジしたい山であることは間違い無しだ。

雨池山展望台から見る縞枯山

 雨池峠でパンを齧って軽く休憩。あとは木道をロープウェイ山頂駅まで行くのみ。
 縞枯山荘のベンチでは、小さな子供を連れたコーヒータイム中の家族の明るく弾む声が聞こえてきた。
 ロープウェイ山頂駅から散歩程度で来れるから、夏のレジャーとしては良い選択だなぁと思った。

縞枯山荘

縞枯山荘と雨池山

 ロープウェイ山頂駅に戻る途中、坪庭周回ルートの出口あたりで山にそぐわないような人達に出会った。
 最近流行りの表現だが、”接待を伴うような夜の街”で働いていて、そのままの格好で来たようなピンクのワンピースの女性と、お店の呼び込みで忙しい感じのいでたちの頭髪にワックスばっちりで黒スーツの男性。流石に上着は脱いで片指に引っかけていたものの、普通に街中を歩いていても結構目立つぞこの二人。改めてここは街の人も入り込むことが出来る散策路であることを再確認。ついさっきまで岩の殿堂でもがいていたのが不思議な感覚だ。

ロープウェイ山頂駅に戻ってきた それにしても凄い色調(*´Д`)

 下りのロープウェイで北横岳に別れを告げ、山麓駅に着けば下界の暑さが骨身に染みる。標高1700m以上あっても暑いものは暑い。
 一晩お世話になった駐車場から一旦諏訪湖のほとりにある温泉まで移動した。
 実は昨晩も蓼科で温泉を探したのだが、ホテルの日帰り温泉は結構なお値段。安い所は休業中だった。ネットで探すと公衆浴場的なのが諏訪湖周辺に沢山あるので、ドライブがてら足を延ばしたのだ。今日の駐車地まですぐ移動してもまだ暑いから、なるべく昼間は設備のあるところと車で過ごそうというわけだ。

 ネットで入浴料240円という温泉があったので訪れてみると、入り口に券売機があり入浴料は確かに240円。
 そして、オプションでシャンプー、石鹸、タオル等々。必要なものだけ追加できるシステムになっている。
 これはここれでリーズナブル。結局シャンプーと石鹸小の券を追加しても400円ちょいで済んだ。
 受付のおばさんに「今日は気温が高いからお湯の温度が高め。内風呂が熱くて44度くらいあるから比較的ぬるい露天に先に入ったほうが良いよ」と言われる。
 なるほど、警告を無視していきなり内湯に足を突っ込んだら、ギャー。これは無理だな。露天は頑張れば入れる温度。充分に体を慣らした後に内湯にもチャレンジしたが、やはりあっちっち。地元の常連さん達も内湯は暑くて入れねぇなあ、と口をそろえる。
 源泉かけ流しだから余計な事はしない潔さというか、おおらかさというか、値の張る旅館の管理された浴場に比べると極めて素朴だがこれも味わいだろう。

 残念だったのは休憩室を使わせてもらえなかったこと。どうやら地元の常連さんはOKだけど一見さんや観光客は駄目みたい。 「休憩室使って良いですか」という問いかけに、一瞬おばさんが逡巡して口ごもった後、「駄目です」という返事をするあたり、恐らくコロナ対策で指導されているようであった。

概略コースタイム

ロープウェイ山頂駅発(08:10)-北横岳ヒュッテ(09:02)-北横岳南峰(09:13)-北横岳北峰(09:17)-三岳分岐(09:43)-
三岳3峰(10:18)-三岳2峰(10:34)-三岳1峰(10:47)-雨池山(11:29)-雨池山展望台(11:34)-
雨池峠(11:46)-縞枯山荘(12:01)-ロープウェイ山頂駅着(12:14)

カシミール3Dデータ

沿面距離:5.7Km
所要時間:4時間4分

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北八ヶ岳方面 三日目 美ヶ原



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 明け方四時頃に甲高い若者達の話し声で目が覚めた。
 出発の支度でもしているのかなと外を覗いてみると、テーブルを出して日の出を楽しもうという趣向のようだ。
 こちらも車中泊組だから駐車場の本来の使い方としてはお互いになんとも言えない部分があるが、やはりうるさいのは事実。だが仕方がない。要は自分が早く起きれば良いだけのこと。

 起き出して片付けなどをしていると若者の一人がやってきた。
 「すみません。写真を撮ってくれませんか」

 見れば、まだ二十歳前後のあどけなさも残る数人のグループであった。
 日が昇る頃には持ち込んだプレーヤーでラップ系音楽をかけてノリノリの彼らであったが、自分とて彼らくらいの年頃には表現の仕方こそ異なれいろいろと周囲に気が付かぬうちに迷惑をかけていたのだろうなと思う。
 実に楽しそうな彼らの笑顔をファインダーの中に見ていると、すっと胸のつかえがおりた。青春っていいなぁ。

自然保護センター駐車場の朝

 早起きは三文の得。
 いざ、まいりましょう。今日は山登りというよりは散歩だから、涼しいうちにちゃっちゃとすませちゃおう。
 まずは、最短距離の車道歩きで王ヶ鼻へ向かう。

美ヶ原へ向けて出発

ガスの下には松本の市街地

鉄塔の先が王ヶ鼻

 途中で山本小屋のマイクロバスが止まっていた。王ヶ鼻の途中で、小屋の早朝ガイドツアーの集団さんに出会う。後刻王ヶ頭ホテルの一行も大量にやってきた。GOTOキャンペーンで盛況なようである。
 早朝ツアーはマイクロバスで移動するので、歩きたくないけど美ヶ原のいいとこどりを楽しみたい人にはうってつけ。こんな早朝の絶景を労せずして見ることが出来るのだから人気も頷けよう。だが、バスから僅かな距離といえども狭い登山道に延々と続く人の列。ちょっと密が過ぎやしませんかと自分などは思ってしまうのであった。コロナ禍の一日も早い収束を願うところだ。

 山本小屋の団体さんを追い越して王ヶ鼻に到着すると先行の登山者一名が丁度戻るところ。
 南アルプス、八ヶ岳、中央アルプス、北アルプスまでぐるっと見渡せる贅沢な眺望の独り占め。至福の時間だ。

雲海の上に浮かぶ あれは南アルプスか

こちらは蓼科山と八ヶ岳

南アルプスアップ

 以下、山の名前がきちんと説明できないが、もうちょっとちゃんと日本の名山について基礎知識得なけりゃなぁ。
 じゃないとこの素晴らしい景色が勿体ない。
 ホントは実際に登ればちゃんと頭に入るんだけどねぇ。

こちらは恐らく木曽御嶽山

乗鞍岳方面かな

穂高そして槍ヶ岳が鋭く天を衝く

王ヶ鼻を後にする

 山本小屋の団体さん、王ヶ鼻ホテルの大量のお客さん達と入れ替わりに来た道を戻り、王ヶ頭直下より車道を外れてアルプス展望コースへと進む。
 こちらは徒歩でのみ入れる場所なので時間も時間だけに実に静かな場所。思った以上に荒々しく、また、文字通り天上に浮かぶ楽園のような地形を楽しむことが出来る。チリチリと焼き付けるような日差しがいささか堪えるが、大体イメージ通りの素晴らしい散策ルート。
 結局コースを抜けるまでに数人のハイカーと会っただけであった。雄大な自然はやはりなるべく人の少ない環境で楽しみたいところだ。

朝露が葉先を濡らすアルプス展望コースを東へと進む

振り返るとやはり絶景

深い峡谷、なかなかの迫力だ

どうしても槍ヶ岳が見えると撮ってしまう

 ”塩くれ場”までくるとアルプス展望コースはおしまい。あとは牛達が待つ放牧地へとのんびり歩を進める。

放牧地へ向けてのんびりと歩く

こんな景色の中で暮らしてたらストレスないだろうなコイツラ と思いきや

 近くにいた一頭にカメラを向けたら何故か凄い勢いで駆け寄ってくる。
 すると、体全体が白っぽいもう一頭もやってきた。
 だが、呆気にとられたことに、あとから来たシロはクロに鼻で邪魔だとばかりに追い払われしまった。
 『旦那の施しはテメエにはやらないぜ。すっこんでろ』的な勢いで。
 こんなとこにも争いがあるのね。

 嗚呼、御免ね。おじさんは何もあげるものないんだなぁ。(そもそもあげちゃいかんのだが)
 牛達の恨めしそうな視線を感じながらその場を後にした。

カメラを向けたらクロが駆け寄ってきた

シロもやってきた でも・・・

 美しの塔までが一応予定。その先に牛臥山がのっぺりと横たわっているが、丸裸の登山道を見るに如何にも暑そう。また、山頂からの景色もあまり目新しいものは無さそうだ。
 美しの塔の日陰の箇所でしばし休憩をして予定通り王ヶ頭へ向かう。

観光客も定番の美しの塔(一応鐘を鳴らしてきた)

毛並みヨシ

 美ヶ原を歩く人は大体がビーナスラインの道の駅側からアクセスして美しの塔まで、ハイキングの人はアルプス展望コース経由王ヶ鼻の往復のようだ。自分のように全く逆向きの人は少ないような感じがする。そもそも袋小路の山道をクネクネと走らなければならない自然保護センターからアクセスしようとする人が少ないのもあるのかもしれない。

 そんなわけで、一人トボトボと炎天下の車道を歩く自分。王ヶ頭ホテルの食堂で外を眺める宿泊客になんとなく好奇な目で見られているような気がした。否、時間はまだ9時前。自分だってホテル泊なら窓外の絶景を眺めながらコーヒーのお代わりをじっくりと楽しんでいたに違いない。

 ちなみに、王ヶ頭ホテルの料金を調べてみるとなかなか結構なお値段だ。まぁ、あのロケーションなら仕方がないかな。先立つものの心細いプータローとしては炎天下をトボトボと歩く組からなかなか脱却できそうも無い(笑)

そして王ヶ頭まで戻ってきた

 ホテルの裏側に廻りこむとそこが王ヶ頭の山頂碑。
 早朝王ヶ鼻より見たアルプス眺望は雲海も取れてスッキリ。本当に良い天気に恵まれて幸せだ。

右下の自然保護センターに向けて降りていく 帰路は登山道にて 左上は武石峠

美ヶ原北面から見る東側のたおやかさも良いね

 10時前に車の元まで帰着。例の若者グループも流石に暑さには勝てぬようで、丁度撤収作業にとりかっかていた。
 自分はトイレで軽く汗を拭って着替えを済ます。下山後のよく冷えた自販機の飲料が価千金なのはいつものことだ。ゴクゴクと喉を鳴らした。今日の残りの行動は観光ドライブだな。

帰りの車道から この景色を見る為にだけ走りに来ても良いと思う

 一旦、松本の市街地まで降りる。
 時間的に丁度良いので某ファミレスにて昼食。朝晩は車内で保存性の高い食料。昼食は軽くてザックに放り込んでいても安全な食料ばかりとなると、やはり外食が恋しくなるというもの。旅はまだ三日目なのに無性に生野菜が食べたくなってサラダバーを追加してしまった。涼しい部屋で出来立ての食べ物とみずみずしい生野菜。そして食後の片付けも無し。外食こたえらんねぇ。

 すっかり腹を膨らませたあと、今度はビーナスラインへと車を走らせる。霧ヶ峰を覗きに行くためだ。
 つい先ほどまで、もう少行けばビーナスラインという場所まで美ヶ原を歩いていたのに、我ながらご苦労さま。
 実は自然保護センターから美ヶ原の道の駅へと通ずる道があるにはあるのだが、やはり災害による通行止め。やむなく松本市経由の大回りとなった訳だ。もっともファミレスにありつけたのでそれはそれでヨシなのだが。

 霧ヶ峰の北西端にある八島が原湿原を覗いてみる。
 車から降りた途端むっとした熱気に包まれた。湿原の入り口に立つも、あそこを歩いたら間違いなく干物になるなぁと思い、秒で踵を返した。
 中には水分を持たずに突入していく猛者な観光客も居たが、自分はもうちょっと気候が穏やかな時期に訪れたい。

八島が原湿原の入り口まで いやぁ暑すぎでしょう また来ます

お次は車山の肩 車山登山は如何に・・・ こちらもまた後日

ビーナスラインを下って白樺湖手前から見る蓼科山はやはり形の良い山

 今日の車中泊地に無事到着する。標高1700mを超える地点なのに、まだまだ日差しが高く、日陰がまったく無い駐車場に止められる場所は見つけられない。10分程走った所に木陰を見つけてしばし涼を求め、夕暮れが空気を冷やすのを待った。明日は北八ヶ岳二つ目の山に登る。

概略コースタイム

自然保護センター駐車場発(05:53)-王ヶ鼻(06:36)-アルプス展望コース入り口(06:53)-塩くれ場(07:53)-美しの塔(08:03)-
王ヶ頭(08:50)-自然保護センター駐車場着(09:39)

カシミール3Dデータ

沿面距離:10.8Km
所要時間:3時間46分

カテゴリー: 車中泊の旅, 長野県の山 | 2件のコメント

北八ヶ岳方面 二日目 蓼科山

 車中泊初日というのはなかなか熟睡に至ることは無い。流石にある程度の回数を重ねてだいぶ慣れてきたとはいえ、毎回セッティング的に何らかの反省点が残るものだ。だが、初日の睡眠不足解消の為に二日目以降は自然と良く眠れるようになるといった皮肉な結果にもつながる。

 実は車を停める場所が結構重要で、自分の場合はトイレが近いので必然的にトイレの至近距離にある場所が好ましい。だが一番重要なのは”平ら”な所を見つける事なのだ。整備された道の駅の駐車場でもなかなか水平な箇所を見つけるのは難しい。適当に妥協してしまうと、長い夜に微妙な斜度に体をひねりながら悶々とする事になる。頭が下に下がるのは論外だが、左右の僅かな傾きでも人間って案外敏感に感じ取る事が出来るものなのだ。もっとも、そんな理想的な場所にありつけるのはそうはなかなか無い。寝床の下に敷物を入れて角度調整などの涙ぐましい努力が必要になるのだ。ホントはそんなことを気にせず豪快に熟睡できる図太さがあれば良い話なのだが、自分はそこまでの気力は持ち合わせていない(*´Д`)

 前日のスポット予報では朝のうちガスが出て9時くらいから晴れるという予報だった。事実、日の出直後にカーテン越しに周囲を眺めるとガスに覆われていて何も見えない。仕方ないなと、6時出発の予定を少し遅らせるべく小一時間眠りをむさぼった。

 やがて、周囲の車中泊組の動き出す物音や麓から上がってくる車もぼつぼつ増えだしてきた気配。外を見るとなんとガスはすっかり消えて快晴の登山日和になっているではないか。慌てて片付けをして朝食のパンに齧りついた。
 おいおい、こんなに晴れるなら歩き出しはどうせ景色もあまりないだろうし、予定通り6時出発にすりゃ良かったかなと自分にぼやきながら慌てて準備して6時40分頃に出発した。

{今回、GPSのログを間違って消してしまった( ;∀;)のでルートマップは無し}

朝のうち曇り空の予報が嬉しく外れた快晴の大河原峠

さぁ、行きますか

 序盤は幾らかきつめの登りもあったが、段々と緩やかとなる。あまり苦労もせず佐久市最高地点を経て蓼科山荘へと向かう渡り廊下のような箇所へ至った。今日の標高差は僅か430m程度。それも終盤の蓼科山荘からは残り170mの急登だが、前半の260mは日差しが遮られた樹林の長い距離で登るのだから楽ちんだ。

 北八ヶ岳も八ヶ岳も火山で出来た山域なのでどこを歩いていても岩のゴロゴロが必ず出てくるようだ。大河原峠からの登りも岩は幾らかあったが、まだこの辺では気になるレベルでは無かった。

地元高原山の矢板市最高地点と一緒で特に眺望も無し

縞枯れの隙間から蓼科山が顔を覗かせる

切れ間の眺望地点より形の良い八ヶ岳がスッキリと見えた

 蓼科山荘へ到着。会津駒ケ岳でも思ったのが、やはりメジャーな山は小屋そのものの存在だ。この後山頂の肩にも山頂小屋があるのだが、営業的に見てどうなのだろうかと要らぬ心配をしてしまう。コロナで人の出が少ない昨今はともかく、本来はこの程度の登山者の数で収まっていないのかもしれない。

蓼科山荘から山頂を目指す

 蓼科山荘の広場の隅の木陰に身を寄せ、汗を拭ってしばし休憩。山頂までの急登に備えた。
 残り標高の170mは大きな岩の連続する区間で、上のほうに行けば行くほど斜度もきつくなり、歩くのが大変になってくる。救いがあるのは小石が殆ど無いため浮石に乗って転倒などの可能性が低いことだが、それでも気は抜けない。

大きな岩の並ぶ道を登っていく 後半段々斜度がきつくなる カメラはザックにしまった

 キツイ登りも一気に空が拡がるとそこは山頂の肩にある蓼科山頂ヒュッテ。山シャツやグッズなどの販売がこのロケーションでも行われているのが自分のような田舎者ハイカーにとっては目新しい。

山頂直下の蓼科山頂ヒュッテ

 山頂ヒュッテより一投足でいよいよ山頂へ到達だ。
 広々とした火口原に拡がる荒涼とした溶岩。360度の眺望をぐるりと囲む南、中央、北。日本の全てのアルプス。
 東には大河原峠からもよく見えた浅間山。南側には明後日登る予定の北横岳がどっしりと控えており、その先には八ヶ岳の主峰たちが織り成すように連なっている。恐らく今まで登ってきた山の中でベストと言って良いかもしれない眺望に酔い知れる。火口原の周囲を約1/3周もしただろうか。せめて山座同定がもう少し出来ればと残念であった。

そして山頂へ 360度抜けの良い眺望だ

手前は明後日登る予定の北横岳 右下に見える建物はロープウェイの山麓駅

白樺湖と霧ヶ峰 最高地点が車山

中央アルプス 北アルプスとぐるりと丸見え

中央は槍ヶ岳 流石尖がってるなぁ

方位盤 到達した時は密だったので立つのをあきらめた

こちらは恐らく浅間山方面

再び方位盤

さて下山しよう

道標もなんとなくキリっとしている気がする

 蓼科山荘までの岩場の急斜面は下りも要注意だ。時間的に登ってくる人が段々増えてきたので、場所によっては歩きやすいルートを譲り合ったりもするし、勢いあまっての転倒も気にしながらなので要する時間は登りとさほど変わらないかもしれない気がする。おじいちゃんとまだ小さなお孫さんがヘルメットを被って登ってきた。思わず『頑張って』と声をかけた。

 難所通過で一息、蓼科山荘前でまた休憩を取り、今度は天祥寺平へ向けて降下を始めた。
 やがてガレ場になる。浮石に乗る可能性が高いので慎重になるも更に斜度も加わり苦しめられる。
 このルートは基本的に沢沿いに下っていくのだが、場所によっては沢の真ん中を下るところもあり大きな岩の間を縫いながら、岩の頭を渡りながら時折出てくる浮石にも気を付けながらで思いのほか苦戦した。

 よく見ると脇に踏み跡が見え隠れしている。岩を嫌う人達が歩いたのは明白だ。実は大河原峠からの登りでも一部そういう区間があったが、正規登山道以外を歩いて道を広げるのはこういったメジャーな山では如何なものかと歩かずに登ってきた。
 だが、いつまでも果てることのない拷問のようなガレ下りにとうとう屈服して踏み跡を自分も追ってしまった。

ガレ場に苦しめられながら下って振り向いた蓼科山

ここから北横岳に登ることも出来るが、お楽しみは後日へ

 ようやく天祥寺平へ到着。本来ならここから亀甲池、双子池と巡り最後に双子山を乗り越して大河原峠へというプランだったが、スパルタンなガレ下りに精神的に参ってしまったのと強い日差しに負けてルート短縮を決定。僅かな木陰を探して大休止だ。気温はさほど高くないので日陰にじっとしている限りであれば案外過ごしやすい。風が少しでもあれば更に快適。だがそれも一歩太陽の日差しの下に飛び出すと、シャツを着ているのに背中がじりじりと焼け焦げていくような感覚。自分はこれが一番辛いなぁ。お日様は冬のポカポカ陽気が一番だなぁと思う。せめて、歩いている時は曇っていて眺望地点だけ晴れてりゃいいんだけどね(爆)

 北八ヶ岳の旅は始まったばかり、ここで無理をしても後が楽しく無くなるだろう。ともかく一刻も早く車に帰ってクーラーガンガン利かせて自販機(結局麓まで小一時間走ってやっとありつく)でコーラゼロを買って飲むのだ。

暑くてかなわない 先もあることだし今日はおしまい

越えていく筈だった双子山がちょっと恨めしい

とは言ってもやはり照り付ける日差しにゃ勝てない 頭の中はコーラゼロコーラゼロ(笑)

 大河原峠へ戻ってみると駐車場は満車で路駐の車まであった。平日なのに凄い人気だ。中には峠の雰囲気だけでも楽しもうと避暑がてらお弁当を広げている老夫婦も見られた。良い趣味だなと思った。

 明日歩く美ヶ原に至るには大河原峠から白樺湖に向けて降りるのが最短だが、残念なことに峠から先は通行止めとなっている。しかたがないので佐久に一旦降りて遠回りとなる。まだ時間も早いので軽くドライブといったところだ。

 途中で食料を調達しながらほぼ松本あたりまで走り、今度は美ヶ原公園沖線という山岳道路を延々と登っていく。終盤の武石峠手前あたりから車窓に拡がる胸をすくようなアルプス、眼前の広大な放牧場が織りなす風景もなかなか素晴らしい。この景色を目当てだけで走っても良い道路だ。

 道路は砂利道となり美ヶ原山頂の王ヶ頭まで続くが、一般車は『美ヶ原自然保護センター』の少し先でゲートに遮られる。その先は関係者のみで、王ヶ頭ホテルや山本小屋がマイクロバスで送迎してくれるようだ。

 美ヶ原へのアクセスは、ビーナスライン経由で『道の駅 美ヶ原高原』に車を置いてというパターンが殆どであろうが、王ヶ頭までの登り30分を苦にしなければ、こちらの『美ヶ原自然保護センター』もお勧めである。
 併設の売店(17時頃終了)と24時間トイレがあり一般登山者のみならず、車中泊愛好者にとってはこの時期標高の高い涼しい箇所として人気が出始めているという。

 一方、『道の駅 美ヶ原高原』の方は最も標高の高い所にある道の駅として有名であり、車中泊者が急増。中にはマナーの悪い人がいてゴミや騒音、長期間の駐車スペース占拠などで暗に車中泊禁止となっているらしい。

王ヶ頭の北側お膝元にある『美ヶ原自然保護センター』駐車場が今日の車中泊地だ

駐車場より北側の夕景

 暑かった夏の一日にもオレンジ色の優しい夕方の光が差し込んでくる。
 日没後に食事を終えて王ヶ頭方面をふと見るとホテルの送迎バスが坂道を遠く小さく登って行くのが見えた。他に灯りも少ない山肌をのろのろと登って行くその場違いな小さなバスからこぼれてくる車内灯の灯り。さながらトトロの猫バスみたいだなと思うのであった。

 日没頃から車中泊組が増えてきたが、中には到着するなりギターをかき鳴らして歌う若者がいた。
 これはちょっとうるさくてかなわんなぁと思っていると、ひとしきり歌い終わって帰っていった。降り注ぐ星空のもと、ギター一本で歌いにわざわざ来るなんて案外ロマンチストじゃん。

 車中泊の夜は各々色んな思いで、色んな楽しみ方があっても良いのだ。他人や社会、自然環境に迷惑をかけちゃいけないけどね。

 今夜もきっと冷えるだろう。念の為に持ってきたインナーシュラフを早速拡げて潜り込むと、やがて蓼科山の疲れに誘われるようにして眠りにつくことが出来た。

概略コースタイム

大河原峠発(06:43)-蓼科山荘(08:15)-山頂(08:45)-下山開始(09:15)-蓼科山荘(09:45)-
天祥寺平(11:15)-休憩後行動再開(11:45)-大河原峠着(12:28)

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