守子神社ルートより権現沢左岸へ周回



-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --
※当コースには一般登山道でない箇所が含まれています。参考にされる場合は自己責任でお願いします。

関連山行
    2015年10月18日  西平岳を目指して釈迦ヶ岳
    2016年02月27日  冬期釈迦ヶ岳登頂 だが雪は少なくちょっと残念

 5時にセットした目覚まし時計だが、どうも天気予報がスッキリしていなかったので珍しく布団の中で逡巡する。守子登山口から釈迦ヶ岳に登り、権現沢左岸尾根で周回するこのルートは腹案であった。どうせなら花が咲いているいる時期が良かろうと、それも好天の空に映える鮮やかな花をと思っていたのだ。諸般の事情で、今日を逃すと次の山行可能な日にはもはや花期も過ぎてしまうことが考えられた。見上げる空の鉛色には正直残念な気持ちでもあるが、今日は歩き重視と自分に言い聞かせて出発した。

 昨秋から三度目の守子神社登山口だが、今日は先客の車が2台あった。いつもは自分のほうが早いものだが、今日はグズグズしていたのでどうやらビリのようだ。

先客2台
さぁ、今日も行きましょう
下山に歩く尾根が見える


 登り始めて程なくすると、ヤマツツジが新緑の森に色を添える。更に進み、登山道に落花した花弁を見るようになればその先はシロヤシオとミツバツツジの競演となる。つくづく青空が無いのが残念。肉眼ではそれなりに美しいのだが、写真に撮るとご覧のようにまったく精細に欠ける。『今日は天気が良いから山に花を見に行くか』なんていう身分に憧れるが、何時になったらそんな日が自分に訪れるやらと溜息をつく。

ヤマツツジの色も曇空で残念
程なくシロヤシオも
そしてミツバツツジと


 前山までは結構急登、そのあとダラダラで釈迦ヶ岳手前で再び急登。空の具合を反映してか今日は調子が今ひとつ上がらない。体が重いような気がする。今週は水曜木曜とスポーツクラブでいつもよりきついレッスンがあったせいと、せいぜい言い訳にしておこう。

 天気のほうは、本州が高気圧に覆われているとはいえ、弱い高気圧で等圧線が広めとなっている。周囲に低気圧もあるので湿った空気が入り込む典型的な高気圧曇りのパターンだ。だが雨の心配はあまりなさそうだ。
 下界は雲間から青空が覗いているのできっと好天だろう。だが山側はガスが常に支配を続けている。時折日差しが覗くもごく一瞬である。
 もっとも、今日のバテバテコンディションで陽がガンガン当たったらそれはそれで辛そうだ。ひんやりしたこのぐらいのほうが自分は好みだな。山登りは雪があっても無くても冬が一番快適だと感じる自分の登山シーズンはもう秋までお休みになりそうだ。あ、その前に奥日光の”あの一座”だけはなんとかしたいところだが。

青空が欲しい!・・・残念
西平岳への稜線が並走
天気が悪いと中岳はヒールみたい


 ここまで登山者には一名も会わなかったが、釈迦ヶ岳の山頂には沢山の人が休憩中であった。眺望はガスでまったく無く、遠く大佐飛山方面が雲の上に微かに浮かんでいた。時間が早いから食事は八海山神社あたりでと考えている。シャリバテ防止で小さなパンをひとかじりして次へと急いだ。

 大間々方面へと進むと次から次へと登山者が登ってくる。いったい何組(何人)と交差したのか記憶に無いほど上がってくる。かように天気が悪くても皆さん目指してくるのはやはりメジャーな山の証拠と痛感した。

 山頂から暫くは急な斜面を時にはロープを頼りに下っていく。雪のある時期にここを通過する記事を見たことがあるが、流石にこれは危険過ぎる。やはり冬季釈迦ヶ岳は守子神社ルートしかないなと再認識。

 剣ヶ峰手前の1540mpにはアカヤシオが唯一残っていた。期せずして見ることが出来たので嬉しいものだ。そして、下った鞍部から見える矢板市最高地点。なかなか大きくどっしりしている。僅か標高差100m程度だとはいえ、あそこまで登り返すと思うと若干気後れしてしまうのはやはり今日の不調の証。

釈迦ヶ岳山頂は大賑わい
前黒山南方の1627mP?
剣ヶ峰西方1540mPのアカヤシオ

やはり青空が欲しいところ
 
矢板市最高地点、あそこまで登るのか


 やれやれ、ここまで来ればもう後は登りは無し、順調に下り八海山神社に着くと丁度時間もピタリでお昼になった。今ひとつさっぱりしない空模様だが、それでも明るく開けていて気持ちが良い。釈迦ヶ岳は濃いガスに覆われているから、先ほど急登を喘ぎながら登っていった人達が気の毒である。

 
ようやく八海山神社へ到着
釈迦ヶ岳はガスの中


 山頂から戻ってきた人達も、今日の様子では・・・と心得がある方は敢えてこちらで食事と考えているようだ。自分も何回か八海山神社には来ているが、ここで沢山の人に混じって食事をしたのは初めてである。

 食事を終えて青空コースで下降開始。スッキリ晴れていれば爽快な下りだが、今の時期このくらいの標高になると遠望は霞んでしまう。空気の済んだ秋のコンディションの良い日か冬場がここを歩く適期ではないかと思う。

 尾根末端まで行き、大間々へと北には降りずそのまま直進する。以前からミツモチ山方面は此処のショートカットが早いと思っていたが、登山道は無いと思い込んでいた。以前通過した時は気付かなかったが、今回改めて見ると小さな道標があり、踏み跡が続いている。藪漕ぎで強引に降りてしまおうと考えていたのでちょっと拍子抜けだ。なお、下の写真右は降りきって林道に出た所の道標。林道からこのショートカットを登るには少し奥まった所にあるこの小さな道標を見落とさないようにしたい。

青空コースで下降開始
ミツモチ山から伸びる今日の下山尾根
八海山神社へのショートカット入り口


 砂利の林道を歩くことしばし。ミツモチ山まで400mの道標地点から尾根へいよいよ突入する。笹薮の丈が心配だったが、見渡すかぎり膝丈程度。歩くにはまったく支障がない。出だしは緩斜面の広尾根なので進路角を確認しながら進むが、やがて尾根形もはっきりしてきた。そして、突然笹が途切れて林相が変わると・・・

ここから尾根へ突入
膝丈の笹原が続く
突然林相が変わった


 そこだけ、鹿に皮剥ぎされた木が目立つ異様な光景。山の中を歩いているとたまに見かけるものだが、ここまでのものは初めて見た。それも一本だけでなく、辺りの木がことごとくやられている。鹿にとっては皮むきの溜まり場なのかもしれない。

鹿の皮むき場らしい
艶も出ていて風格さえ感じる
こちらは剥き始め


 皮むき場から暫く進むと再び笹が出てくるも時折薄くなると鹿の踏み跡がはっきりと見分けられるようになった。此処を歩く人は少ないようで、靴による踏跡にはまったく気づかなかったが鹿の足跡は明瞭なものが幾筋もあった。

 1001mPには標柱あり。ミツモチ山の林道から此処まで人造物は皆無だったのでちょっと突拍子な感じがしたが、このルートを歩いた先人の記録にも出てくる陸軍の軍用地を示す標柱である。

 ミツモチ山から下る今回のルートは実は地形図に破線道として記載されている。かっては道が存在していたのかもしれないが、今やその面影すらなく全てが自然に還ろうとしている中、この標柱の存在のみが歴史を物語っているようであった。

 この前後には木に赤ペンキも見られたが、自分の考えたルートとは離れていくので途中で追うのをやめた。ペンキルートは西側の沢寄りを進むような感じになっていた。

鹿の足跡が続く
1001mPに標柱あり
先人の記録にも見る陸軍標柱


 途中シロヤシオの群生地があった。残念なことに空の色が芳しくなかったので写真の出来は散々だったが、特に権現沢寄りの西側は遠目にも見事な咲きっぷりであった。来年の花期に再訪し、もう少し小回りのルートでこの自然豊かな尾根をじっくり時間をかけて楽しみたいものだ。

 大きめのヌタ場脇を過ぎるとヤマツツジが出てくる。この辺りから地形が少し複雑になってきて、地形図だけでは読み切れない起伏などが出てくる。斜度が緩くなると広尾根になりGPSで進路を探る。真っ直ぐ行くと林道に突き当たるのは間違いないが、崖地記号が気になるので破線道跡を辿るように進んだ。

比較的大きなヌタ場があった
再びヤマツツジ
広尾根で方角維持が難しい


 最後は平坦な笹原を進み林道尚仁沢線へ接合。やれやれである。

林道尚仁沢線へ接合
向こうから歩いてきた
あとは林道を行くのみ


 あとは林道をひたすら進むのみ。序盤砂利道だった林道には車の轍や比較的新しいオフロードバイクのタイヤ痕も見られる。道路の崩落も無いので現役林道のようだ。やがて舗装に変わると今度は林道守子線に接続する。その先で尚仁沢を渡る橋の名が精進橋となっている。なぜ素直に尚仁橋としなかったのは不明だが、何かこだわりでもあったのだろうか。面白いものである。

守子線に接続
精進橋を渡る
正面が降りてきた尾根

概略コースタイム

駐車地発(07:28)-守子神社(07:54)-前山(09:12)-釈迦ヶ岳(10:27)-剣ヶ峰直下(11:35)-矢板市最高地点(11:51)-
八海山神社(11:58)-昼食休憩-行動再開(12:35)-ミツモチへのショートカット入口(12:51)-林道へ接合(13:05)-
権現沢左岸尾根突入地点(13:25)-陸軍標柱(13:58)-林道尚仁沢線へ接合(14:22)-林道守子線へ合流(14:37)-
精進橋(14:39)-駐車地着(14:53)

カシミール3Dデータ

沿面距離:14.7Km
累積標高差:(±)1,283m
所要時間:7時間25分

カテゴリー: 塩谷の山 | 10件のコメント

今年の初ツーリング



 GWは桜を求めて南会津から喜多方方面へツーリングすることが多いが、今年は彼の地も桜の開花が早かったようでタイミングを外してしまったようだ。加えて5日は北の方に行くほど天気が芳しくない予想。
 最近の長距離ツーリングの傾向はパターンが決まってきていて、そのうちの一つである群馬県の川場村と望郷ライン、そして赤城山南面を今回も走ることにした。このルートは秋~初冬にかけて走ることが多かったが今回は新緑の中のツーリングとなったのである。

 まずはいろは坂。気合の入ったライダーさん達には先行してもらい、久々のタイトコーナーにしばし完熟走行。既に反応が鈍い中高年なのでいきなりペースを上げたのでは注意力が持続しない。お楽しみは金精道路に入ってからだ。

 明智平に到着すると、つい先日歩いたロープウェイ脇を思わず見上げてしまった。恐ろしいほどの好天だ。歩くならこういう日だね。でも今日はバイク。

(本日撮影のカメラはコンデジのCanon PowerShot S200、でも天気良いと思いの外発色良いもんです)

先日の明智平とはうってかわっての好天

 金精道路に入ると前白根方面の残雪が美しい。いろは坂とは違ってこちらに上がってくる車両も少ないので、マイペースでワインディングを楽しめる。いつもながら最高の景色だ。

前白根方面がシャチ模様

 

 菅沼を過ぎると四郎峠を挟んで四郎岳と燕巣山のビューポイントあり。あのダブルヘッダはキツかったなぁと思い出す。

四郎岳と燕巣山

 丸沼スキー場奥にバイクを止める。武尊山かな、あるいは尾瀬か。方角的には武尊山方面だと思うのだけど。

丸沼スキー場駐車場から

武尊山かな?

 片品を通り過ぎるといつもならR120を沼田に向けて走る。だが今日は気まぐれに県道64号 奥利根湯けむり街道をゆく。自分好みの快走田舎道で今後の定番に決定!

 川場村からいつもの望郷ラインへ入る。ここでまたまた道草だ。いつもはやりすごしていた玉原高原へバイクを走らせた。一気に高度を上げるワインディング路が素晴らしいじゃないか。穴場発見的な感動に包まれて玉原ダムへ、更に奥に行くと車止め地点にはセンターハウスがある。周囲はウッドランドリゾート玉原と呼ばれ、スキー場や湿原ハイキングコース、尼ケ禿山や鹿俣山という山への登山道も擁す。リタイヤしたらこういう所をじっくりと時間をかけて訪れてみたいものだ。

玉原ダム

 

 

 十割そばの看板に惹かれてお昼は「迦しょう」というお店へ。コンニャクの製造販売が主力の会社が蕎麦屋もやっているということらしいが、蕎麦の味はなかなかのもの。あくまで主観だが、自分の蕎麦経験では麺つゆ共にベスト5入り確実の印象。
 (詳しいことは詳しい方のサイトで)

十割そばをいただく

突き出しの味噌田楽、本業の試食かな?

綺麗に撮れなかったけど味は抜群 食べ進めるとこれが計三枚出てくる

 食後は一旦R120へ出て東走。沼田の市街地は大河ドラマの真田丸で盛り上がっていた。至る所に六文銭が染めこまれた幟がたっている。

 望郷ラインの南半分に入るとこれまたいつもの快走路だ。望郷ラインは北半分も良いが自分は南半分のほうが圧倒的に好きだ。ネットでは北半分の情報が多いが、北しか走っていない人には是非南を経験してもらいと強く思うのである。

望郷ラインより

 

 

 

 

 

 赤城山の南側をぐるっと回って、今日の次なる目的地は赤城山登山口偵察。というのは大袈裟だけど、いままで大沼には何度か来ているが登山口をイメージして来たのは今回が初めて。途中、荒山登山口の姫百合駐車場、大沼からの黒檜山、駒ケ岳の両登山口、ピラミダルな鈴ヶ岳やアンテナ一杯の地蔵岳。まずは目の前の黒檜山と駒ケ岳、いつの日か訪れん。

赤城山おのこ駐車場

 覚満淵方面へバイクを走らせると行止りが鳥居峠だ。かつては東の麓より軌道があったらしいが現在は廃されて登山道になっているという。道路が整備されていない時代はこのルートで標高を稼ぎ、ここより山頂を目指す中間点であったようだ。GoogleMapには本来無いはずの山名、『赤城山山頂』とされているのが興味深い。

 覚満淵と右手にせりあがる駒ケ岳。遠くに佇む大沼をも見下ろす定番眺望。なかなか良い景色だね。そして嬉しい事に傍らにアカヤシオが咲いている。そういえば先程から随分冷たい風の中を走って来たなぁと思えば、標高が1400mもあることを改めて知った。

覚満淵

アカヤシオが

 今回のツーリングは、思い付きや寄り道で収穫も多かった。そして赤城山は流石に登山者の数も多く、ファッショナブルな山ガール山ボーイで周囲はを華やかな雰囲気だ。自分のような地味な中年オヤジは場違いで近づき難いイメージもあるが、それでも一度はじっくりと歩いてみたい山だと感じた。

鳥居峠から東の眺望
カテゴリー: バイクとツーリング | 8件のコメント

明智平から清滝へ周回



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 山に春が訪れている。ブロ友の記事も今年のアカヤシオが画面を飾り、なかなか花にタイミングが合わせられない自分は指をくわえながら文字通り高嶺の花といった心境であった。

 乏しい情報力とつたない想像力で、狙っていた未消化の薬師岳がそろそろだと思っていた矢先にケン坊さんの記事が幸先よく掲載された。まさに我が実行日の前日という超HOTな情報である。掲載された写真を見て、もうこれは花つきは約束されたも同然と考え、我が山行にしては珍しく花に対する自信を胸一杯に抱きながらの出発である。天気に一抹の不安があったことはもうすっかり忘れていたのだが。

 今回のこのルートだが、栃木百名山の薬師岳に登るならこの周回と心に決めていたのである。本当のところは、中禅寺湖畔から古峰神社への”禅頂行者道”だろうと思っていたが、行動時間の長さと交通機関の兼ね合いから単独は無理と判断して、アレンジ案のようなものとなってしまったきらいもある。
 だが三ノ宿山からの下山に取る尾根は、滝ヶ原峠から清滝へ向かって林道を下る時に眼前に拡がる尾根。女峰山の手前に長く長く、まるで羽根を拡げたようなその尾根をいつか歩きたいという沸々とした気持ちがいつもあった。見る限り、針葉樹で覆われたその尾根を歩いても景色など一つも無いことは想像に難くない。だが”そこを歩いてみたい”と思うのが自分の山歩きの原点である。

 さてさて前置きが随分長くなってしまったが、早朝のいろは坂。GWという事もあって観光客の車が心配だったが、時間が早いだけあって目につくのは四輪の走り屋さんだけである。二つ目の右ヘアピンで山側にコースアウトして脱出出来なくなったスポーツ車があった。おそらくドリフト後に制御不能になったのだろうが一体どれだけスピードを出したらあそこに突っ込むのか、或いはどれだけ下手くそなのかは不明。

 明智平駐車場へ着くと頭上は快晴。今日は当たりかなと思いきや、僅かに目を移すと男体山はガスの中という不思議な天候だ。ロープウエィ脇の登山道(通行禁止となっているが、単にロープウエィの売上減少対策としか思えない)を登っていくと、既にアカヤシオが散見されて序盤からテンションが上がってくる。

 展望台駅の所で柵を跨ぐあたりは流石にちょっと罪悪感を感じるも、早朝の華厳の滝をまずは拝見。先程までの青空は瞬く間に失われ乳白色の空が中禅寺湖を覆っている。

明智平駐車場へ車をデポ
ロープウェイ脇を登る
早朝の華厳の滝


 展望台脇から今日のルートが始まる。此処にも通行禁止の掲示があった。途中危険箇所あるわけでもないが、軽装で訪れる観光客に後先考えずに入山されては面倒と考えるロープウエィ会社の気持ちも解る気がする。
 那須の茶臼岳などは、パンプスやビジネスシューズ履きで缶ビール片手に登っている人が居るくらいだから、ロープウエィを使えば駐車場から10分もかからない此処の場合だって何が有るか判らないといったのが正直なところだろう。

 赤ヤシオはまばらではあるが結構咲いている。日の光が足りないので精彩を欠くのが残念。ピークを一つ越して尾根に登り上げると鉄塔のある広々とした笹尾根に出た。眼前の男体山を眺めるにはもってこいの場所だろう。天気が良いときにお弁当を食べに来たい場所だ。そうだ、真冬だ。思いきり雪が降った日に、新雪にまみれながらこの場所で時を過ごしたら素敵なんじゃないかなとそんな妄想をいだく。

展望台脇から
鉄塔の尾根
 


 笹尾根をゆるゆると登りきり、やがて平坦になると道標あり。笹の下に隠れた道形が見かけられ、見上げると赤テープが散見される方向。すわ、細尾峠ルートへのショートカットか。朝露を含んだ笹歩きもズボンが濡れて嫌だな。もう少し進めば立派な道があるだろうと想像して、お気楽に茶の木平方面へ直進。

 カミングアウトしてしまうと、細尾峠を経て薬師岳までは登山道としては超一流で目をつぶっていても道標通りに行けば立派な道があるとばかり妄想していた。そんな妄想も虚しく狸山への道標を見ると慌ててGPSを出す。ありゃま。まぁ緩斜面だったから良かったが・・・結局往復20分のロスであった。

男体山覚めやらぬ
この場所で・・・
そろそろ道標があっても?


 先ほどの道標まで戻ると、なんと、はっきり細尾峠と書かれているじゃないの。遠くのテープと笹の下の踏跡ばかり見ていて肝心の道標を見ていないとは、一本取られちゃった。

結局戻ったら、こいつを見逃してた
笹が生い茂る尾根が心地よい
1618m三角点 点名:茶木


 背の低い鉄塔に出くわした。こんな低い鉄塔を見るのが珍しいのも手伝い、笹原に伸びる送電線を追い続けて歩くのも面白いかなと、ふと思った。

文字通り篭のような篭石
笹尾根は続くよどこまでも
高さ15m位の小さな鉄塔

 
鉄塔を追い続けるのも楽しいかもしれない
 


 雨量観測所を過ぎると高い枝の向こうに薬師岳が見えてきた。1618m三角点からの下げ続けももうおしまいだ。細尾峠は近い。遠目に見る薬師岳は、ぱっとしない空模様にも関わらず山肌のあちこちにピンク色が見えていて期待が高まる。

雨量観測所
 
薬師岳が見えてきた


 細尾峠に到着すると騒然としたその雰囲気に驚いた。路側には駐車する車が溢れ、沢山のハイカーがまさに出発しようとしているところであった。ここまでの区間、いつもの一人旅。動物の気配さえ希薄だった故に一気に現実に引き戻されたような感覚に陥る。タイムマシーンで古い時代から現代へワープしてきたような心持ちだ。

 6~7人位のグループが出発したのを見計らい、自分も休憩を入れずに続く。最後尾の方が気を遣ってくれて追い越させてくれた。その先に居た夫婦にも追いついたが、彼らもまた道を譲ってくれた。
 折角先行させて貰ったのだから途中で立ち止まって抜き返されても申し訳ない。気合を入れて山頂まで撮影以外は立ち止まることなく一気に登りきってしまった。

細尾峠大混雑
うーん、青空が欲しかったぁ
 


 山頂手前の夕日岳分岐で二名、そして山頂には五名位のパーティが休憩中であった。この後、あの大量のハイカーに山頂が埋め尽くされることを考えると流石に人気の山は人の出も半端じゃない。
 赤ヤシオを狙った我が栃木百名山97座目。だが、淡いピンク色も今ひとつ冴えない空模様である。のんびりしたい気持ちもあれど、今日のルートの未だ半ばである。まずは先を急ごう。

山頂付近はまさに盛のアカヤシオ
眼下に細尾から清滝が見える
三ノ宿山へ出発、先は長い


 尾根は道標こそ無いが笹の中にはっきりとした踏み跡が続く。いささか地味だが暫くはアカヤシオロードを堪能することが出来た。何よりも静かなのがやはり一番だ。

暫くはアカヤシオロード
せめて日差しがあれば・・・
途切れ途切れだがそれもまた良し


 200m以上も一気に高度を下げると、遮るものもない夕日岳の勇姿が右手に拡がる。あちらもアカヤシオを求めて沢山の人達が歩いていることだろう。
 空を見上げると、時折雲間から一瞬陽が差すがそれも束の間。雲と太陽の戦いは未だ雲に軍配が上がり続けているようである。

眺望地点より夕日岳の勇姿
あの鉄塔は鳴蟲山か?
仲良く並ぶ石祠


 ルートが北東へ変わり、突き上げた1242mPには丸山の山名板があった。何も無い小広い山頂だが妙に落ち着く。
 そこより南東へ進み大木戸山、再び北東に転じると標高差100m以上の大下りだ。

三角点では無いが山名板あり
1286.7m三角点 大木戸山
北東方面、今市あたりだろうか

女峰山もガスで精細を欠く
山中に潜む大崩落地
ようやく三ノ宿山現る


 鞍部に着くと二基の石祠が佇んでおり、うち一基は南東方向を向いていた。その方角には集落は無い筈だが、まてよ、地図で確認すると丁度六郎地山を向いているじゃないか。この山への自分の思い入れは深く、去年歩いた時の記憶が蘇ってきた。さぁ、三ノ宿山への最後の登りにかかろう。

人家の無い南東向を向く石祠
こちらは珍しい扉付き
三ノ宿山への最後の急登


 山頂に着くと、意外な事に4人(5人?)の先客が休憩中であった。聞くと、細尾峠とやしおの湯の双方に車をデポしての縦走らしい。下山後に即温泉に入れるこのルートは、この時期密かに人気があるようである。

 彼らが行ってしまうと再び静寂な山頂となる。のんびりとコーヒーを味わう至福の時間。来年再び、とびっきりの快晴のもと是非再訪したいと思った。

眺望は無くとも気持ちの良い山頂だ
ハナント山で見た温度計
来年また訪れよう


 拮抗していた空も徐々に青空が優勢になってきた。それと共に急に強い風が吹くようになってきた。写真の腕の拙さの言い訳になっちゃうが、青空に映える花も肝心の花弁が揺れてなかなかピントが合わない。更に高度を下げていくと、期せずしてシロヤシオも見られようになってきた。

空に青さが戻りつつある
北の尾根を下降開始
やはり青空が似合うね

 
やっと男体山も目覚めたようだ
高度を下げるに従いシロヤシオも


 薬師岳からここまで道標は一枚も無かったが、基本的には道形もしっかりしていて迷うような所は皆無。だが、1047.8m三角点手前に、真四角な板にピンクの文字で書かれたやしおの湯を指ししめす道標を見る。

 地図を見るとその方向は想定していた尾根の一本西側になっているが、先程から久々に左の膝に僅かな痛みを感じていた事もあり、無難な方を選択することにした。このルートは結構歩かれているようだが、明瞭な道形は無いので不慣れな人は入らないほうが良いかもしれない。

 先ほどちらっと見られたシロヤシオが今度は群生している。時折吹く20m/sもあろうかという強風に揺れる花を、下手な試行錯誤でカメラに収めながら降りるものだからなかなか先に進まない。

お手製道標に導かれて
下るほどにシロヤシオが増える
強風だからシャッタースピードを上げて・・・


 眼下に見える古河の工場の白い屋根が大きく見えるようになり、やがて鉄塔へ出た。

ツツジも見頃
もう少しすると緑のトンネルになるだろう
鉄塔へ到着


 再びあの四角い道標があり、「やしおの湯→」とある。そちら側を覗くと確かに眼下にやしおの湯が見えているが、送電線にぶら下がって一気に滑り降りて行けば確かに早そう(笑)。

やしをの湯へ一直線・・・は流石に無理か
いろは坂へ向かうR120
この辺りはトウゴクミツバツツジが盛り


 鉄塔からは巡視路下りとなる。水をたたえた発電用の貯水池脇を抜け、木橋を渡ると巡視路もおしまい。終着点の発電所脇の鉄塔に到達すれば、鉄条網に囲われて一旦脱出に苦労するも皆さん同じ場所から抜けだしているのか、僅かに幅が上下に広いところがあってそこから脱出した。するとやしおの湯が目の前でドンピシャリだ。このロケーションは中高年には堪らないねぇ。でも残念なことに自分はザックの中に着替えを持ってきて居なかったので風呂はパスである。

発電用の貯水池
木橋を渡ると巡視路もおしまい
やしおの湯にドンピシャ着地


 長い歩きを終え、最後の車道歩きも春の気配に包まれていて心地よい。日光宇都宮道の下をくぐり、清滝の旧道に出てようやく予定のバス停に着いた。時刻表を見ると通過時刻を既に10分近くも過ぎてしまっている。次のバスまで20分待ちなら一区間歩いて途中で自販機で冷たいものでも・・・と歩き始めて数分。
 なんと、後ろからバスが追い越していったではないか。バスが定刻通りに来ないのは珍しくないが、ちょっと早計だったなと反省。恨めしそうに走り去るバスを見送り、次の停留所ではもう流石にザックを放り投げてバス待の人となる。

 ようやくやってきたバスはほぼ満員で、乗ったのは運転席の真横の立ちスペースだ。バスでいろは坂を登ったのはもちろん初めてだが、流石に毎日運転しているだけあって満員バスを操る運転手さんの巧みなハンドル捌きとアクセルワークである。手すりにしっかりつかまり、コーナーの度にきっちり体重移動をしながら進むのもまた一興。明智平のアナウンスに停車の押し釦を押す。殆どが日光駅から中禅寺湖まで、あるいはその先に行くであろう乗客の見守るなか、一体何の目的で人も居ないバス停で乗り込み、強風でロープウェイ運休がアナウンスされている明智平で降りるのだろうという好奇な目を背に受けながらバスを降りたのであった。

上の貯水池から落水して発電している模様
ここからバスに乗る予定だったが
煩悩に負けて一区間歩き

概略コースタイム

明智平駐車場発(06:07)-展望台(06:18)-鉄塔(06:38)-茶の木平手前でUターン(07:24)-細尾峠への分岐(07:32)-
1618m三角点(07:34)-篭石(07:43)-小さな鉄塔(08:10)-雨量観測所(08:25)-細尾峠(08:33)-薬師岳(09:06)-
夕日岳眺望地点(09:56)-丸山(10:36)-大木戸山(11:08)-三ノ宿山(11:46)-昼食休憩-行動再開(12:22)-
やしおの湯への道標(13:48)-鉄塔(14:11)-やしおの湯前(14:38)-清滝一丁目バス停(14:53)-清滝駐在所前バス停着(15:02)

カシミール3Dデータ

沿面距離:17.7Km
累積標高差:(+)1,293m (-)1,856m
所要時間:8時間55分

カテゴリー: 前日光・足尾の山 | 14件のコメント

久しぶりに相棒と登る古賀志山

 5年前まで一緒に歩いていた相棒と久しぶりの山行。当時は二人共、ちょっとした山でもいつも息を切らせてヘロヘロになりながら登ったものだが、気が付くと二人の山行も疎遠となってしまった。
 自分はご存知のように少しづつではあるが山を重ねるうちに体力と自信をつけてきた。対して相棒のH君は運動不足の日々の様子。という事で、近くて手軽な古賀志山へと誘ったのである。

古き相棒と久しぶりに

 思ったよりしっかりとした足取りに安堵し、始めは古賀志山の山頂ピストンと考えていたが御嶽山まで足を伸ばした。
 山頂に着いてびっくり。山座展望プレートが設置された。古賀志山の開発急ピッチなり。
 そういえば、北登山道(一応閉鎖中)の富士見峠直下で、コース外に皆登っていくのでそれに倣って進むと、新ルートが出来ていた(以前からあったかどうかは不明)。
 富士見峠直下の登りが始まる箇所から南南西に急登し、東稜見晴らしのちょい西側に到達。途中ツツジが綺麗で新味のあるルートだが、古賀志山が荒れていくのに自分も加担してしまったのかもしれない。

御嶽山に山座展望プレートが設置された

 アカヤシオはとうに過ぎたが、登山道を飾るツツジに癒される。ツボミもまだ多く、暫くは楽しめそうだ。

ツツジが見頃

 帰路、多気山脇の畑で遅咲きの桜と菜の花。のんびり家を出て、ちょっぴり歩いて、家に帰ってシャワー浴びて三時には一人反省会。昼酒は効くぅ。
 H君も後半流石に疲れが出てきたようだけど、久々の山行を楽しんだようだ。

咲き遅れのサクラと菜の花
カテゴリー: 宇都宮の山 | 10件のコメント

ハナント山



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※当コースは全て登山道ではありません。参考にされる場合は自己責任でお願いします。

関連山行
    2014年04月26日  粟野の三峰山

 二年前の春に粟野の三峰山を歩いた。帰路、集落に立つ石碑に東の三峰山、西の鼻取山と大栗集落の山として書かれているの見た。三峰山のほうはなるほど、山頂に信仰登山の色濃く、滅多に訪れる人は無いかもしれないが定期的に登拝されている様子が伺えた。対して鼻取山はどうか。
 三峰山は地形図に山名表示があるが鼻取山は表記が無い。国土地理院の点名は『入粟野』とある。
 元来ハナント山が古来の呼び名であり、近代になり漢字で当て字したのが鼻取山だと言われているという。位置にピンとこない方は参考までに地理院地図のこちらで確認されたし。

 アプローチはいろいろと考えられたが、野球親爺さんのルート(野球親爺さんの記事も併せてお読みください)を参考にさせていただく。まったく同じというのも申し訳ないので、少しだけ粟野中央尾根の先を覗く山行となった。

 公民館脇に車を駐めて用意をしていると地域の人が訝しげな様子で通りかかる。犬を散歩中の女性には挨拶をされる状況でこの裏手の藪を登るのもためらわれたが、人が居なくなった隙を見計らいえいやと取り付いた。
 結構な急斜面で足場も滑りやすい。だが藪が満遍なく繁茂しているので手がかりは多い。直ぐに息があがるが、早く尾根に乗って姿を隠したいという一心から全力で登る。別に悪い事をしている訳ではないのだが、犬などに見つかると大変な騒ぎになりかねないのでこういった人家付近からのアプローチはなかなか大変なのである。

公民館裏手が本日の取り付き
まずは此処を突破、結構急斜面
登ってきた斜面


 荒い息で肩を大きく揺らしながら日の降り注ぐ尾根に到達。今回は薄手の赤いフリース着用だが、フィールドで動物やハンターに認識されやすいので好ましい。だが取り付きはあえて目立たぬように黒のダウンを羽織って登ったものだから、たちまちの滝の汗である。やれやれ、尾根から下はまったく見えないのでもう一安心。ダウンを脱いでフリースのジッパーを大きく開ければちょっとひんやりした春の風が心地よい。

 自然林の尾根は小枝が多少うるさいが特に歩きにくいことも無く、程よい自然さはむしろ好みの雰囲気だ。やがて植林帯になると見慣れた光景になる。日があまり差さない尾根道歩きはともすれば飽きてしまいがちだが、里山らしいその風情を楽しむのも山歩きの愉しみである。

まぁまぁ歩き易さそう
小枝がちょっと煩い
直ぐに植林尾根になった

よくあるパターンの痩せ尾根
食害防護ネットが目立つようになる
一本北側尾根のピーク、去年歩いている


 植林地もオーナーによって事業の内容が少しづつ異なるのか、倒木を綺麗に片付けている箇所やそのまま放置されている所などもあり、場所によっては障害物競走ばりに歩きづらい所もあるが、まぁまぁ概ね問題は無し。ルートも変に引っ張られる枝尾根も無く順調である。413.5m三角点(点名、桑沢)は山名板一枚が静かに迎えてくれた。

変わった裂け方だ
こんな穏やかな場所もある
点名、桑沢

新緑が鮮やか
倒れた石祠
 


 459mP先は松の岩尾根になる。先が切れ落ちているのでおかしいなとGPSを見ると、どうやら尾根の乗り換えにミスしたようだ。直前のピークまで戻りコンパスを出すが、目指す方向に稜線が見いだせない。というよりも見えていなかっただけかもしれないが、進むべき方向はかなりの斜度があり危険。上から覗くと鹿食害ネットが巻かれた木が目論見の尾根に続いているのでそこを狙って下巻きする事にした。

登山道並におだやか
松の岩尾根
主のような松


 植林帯までの下降は僅かだか、こちらも結構急勾配。だが、手がかりが多いから安全だ。先ほどの岩尾根の基部が剥き出しになっている下をトラバースするような感じで目的の尾根にどうにか復帰した。

 すぐ次の450mPは南に明るく開けており休むのに好適。本日唯一見られたアカヤシオや少しくたびれた感じだがツツジも咲いていた。やはり花は陽が降り注ぐ所にしか咲かないんだね。

植林地内を下巻きした
唯一見られたアカヤシオ
葉先が赤いこいつの名は?


 アカヤシオのピークから降りた鞍部より地味に厳しい登りが続く。此処に至るまでもアップダウンが続いていたのでなかなか疲れるが、楽をするような登山道があるわけでもなく、ひたすら実直に稜線を追い続ける歩きのいわば醍醐味であろう。歩いてる時は辛い辛いと愚痴っているのだが、今こうして振り返ると楽しく思い出されるのだからある意味病気かもしれない(笑)。

 まずは目の前に大きく横たわるハナント山前衛の630m級Pまで標高差200mを稼ぐべし。尾根筋には林業関係の境界を示すポールが点在し、かつて林業が盛んだった頃に使われたワイヤーが残置されていた。

 630m級Pから一旦下るととうとうハナント山が見えるようになった。上の方は桜などで綺麗に彩らていて遠目には花の山のようである。地形図に記載のある破線道は今はなんの痕跡も無し。ハナント山から先のエリアでは古い木道跡が見られたが、この破線道ももしかしたらかつての木道だったのかもしれない。

ハナント山前衛峰、まずはあそこまで
残置ワイヤーが淋しげ
ハナント山麓より桜が目立つようになる


 山頂北東尾根に乗れば、一投足でようやく目的の山頂に到着である。周囲の樹に邪魔されて決して眺望が良い訳でないが、陽が燦々と差す心地よい小広い山頂であった。野球親爺さんが登られた4年前は山頂に何も無かったようだが、ここ一年の間に設置された山名板と温度計で以前より幾らか賑やかになったようだ。

 地元の人の信仰登山の対象だった三峰山と比べて、あまりにも何もなかった事にいささか拍子抜けした。古そうなものは真新しい山名板が取り付けられた木の根元辺りに落ちていた二枚に割れた古い山名板のみである。

ようやく到着
いろいろ新しいようだ
山頂に咲いていたツツジ


 時間も丁度良し。ザックを降ろして定番の昼食休憩だ。実はここの所の二回の山行(大佐飛山と男鹿岳)は体力温存の為に荷物の軽量化を図って昼食のカップラーメンをやめていたが、今日はめでたく解禁。
 いさささか日差しで気温が高いがまだまだカップラーメンが美味しく食べられる気候だ。そしてやはり食後のコーヒーとスィーツ(セブンだが)は最高だね。山歩きはこれがなくっちゃ\(^o^)/

 山頂から西に降りる尾根はスッキリしていて気持ち良い。食後にいきなりガサガサガッツリじゃなくて良かった。

 途中の伐採地から本日初めての好眺望が拡がった。右奥に二股山、そして左に目をやると羽賀場山のゴツゴツした特徴的な稜線が見える。上を見上げるハナント山、下からは林道が伸びてきている様子が見て取れる。

これはこれで綺麗だ
暫くはスッキリした広尾根を下る
伐採地より、右奥に二股山

ハナント山方面
眼下に林道が上がって来ている
ここは藪を避けて山側へ


 北東にある出口集落より伸びてきている林道と一旦交差し、切通しの向かい側の尾根に再び取り付く。暫くはあまり起伏も無い変化に乏しいルートを地味に進むが、途中の鉄塔からの胸のすくような景色が気を紛らわせてくれる。

二つの林道の間より降りてきて
反対側の尾根に取り付く
鉄塔より南西方向


 やがて下山予定の尾根が見えてきた。最後の区間は尾根の上を走る送電線の上部にある鉄塔まで、そしてそこにある三角点を踏むのが今日のフィニッシュである。

同、北東
半分埋まった石祠、何となく落ち着く風情
下山予定の稜線が見えてきた


 石祠を見た直後の下りが強烈。写真じゃ伝わらないが結構な斜度で逃げ場も無く今日一番の難所だ。慌てず落ち着いてじっくり通過する。

 鞍部左手には不思議な感じの窪地があった。カエルの鳴声が聞こえるので湿地ににでもなっているのか。地形図を見ると北西の方角から矢印が書き込まれている。国土地理院の記号一覧を見ると陸上の凹地(小)となっているので間違いなさそうである。

 林業の重機道があたりを交錯するようになるが、進路を変えずに今日の目標である最後の三角点(656.5mP)を目指すと笹の小藪となってきた。右手のやたらに立派な重機道が同じ方角に伸びているので一旦そちらに乗り換えると、脇にひっそりと終着点の三角点があった。周囲を見渡しても山名板の類は一切無し。突き刺した枝の先に結ばれた赤テープだけが過去の訪問者の存在を知らしめていた。

写真じゃ伝わらないが本日一番の難所下り
最後の三角点へは笹の小藪
点名、粟野 山名板等無し


 少し先に進むと紅白の巨大鉄塔があった。その先には車でも上がってこれそうな道が続いている。恐らく鉄塔保守用の専用道かもしれない。

南いわき幹線284号鉄塔
巡視路がバッチリ整備されていて
車でも上がってこれそう(関係車両)


 今日の下山路はこの鉄塔から伸びる送電線を辿ってと考えていたのだが、鉄塔基部から直接下っていくのははなかなか厳しそうな雰囲気がある。そこで、渡りに舟(というか事前に狙っていたので確信犯)の巡視路である。
 下って行くと途中にも伐採地があり、本日の最後の好眺望なり。午後になって空が曇ってきてしまったのがちょっと残念だ。

巡視路へ左折
右奥に粟野の三峰山
伐採の跡が痛々しい


 本日最後の283号鉄塔に別れを告げ、なおも巡視路を下っていく。何も考えずに進めるから気楽なもの。階段は好きじゃないが、このプラ階段は歩幅が絶妙に合っていて実に歩き易い。

 新緑に輝く林、真っ直ぐな線を重ねた畑のうね、向かいの山を彩る植生の変化。里に拡がる景色は、それまでモノトーンに近かった山歩きから開放された事を実感するのに充分。自転車で駐車地に向かえば、沿道の見頃の桜やはためく無数の鯉のぼりが春を謳歌していた。

本日最後の鉄塔283号
巡視路のプラ階段が頼もしい
おそらく石裂山

下りもいよいよ終盤
 
林を抜けると

廃林道終点へ
なおも巡視路を下ると
県道が見えてきた

向かいの山並み
春は植生がよく判る
うねが美しい畑

この尾根を下りてきた
さぁ、残り8Kmの自転車
桜が見頃

 
先ほど上から見下ろした林道が見える
 


 8Kmといえども殆どが下りの連続でのんびりしたものだ。遊の郷にある大量の鯉のぼりは二年前に三峰山から北西に伸びる稜線で、そして帰路の徒歩でも見たが、今年は三峰山の対になるハナント山の帰りに見ることができた。こうして、地元、大栗集落の二座に揃って登ることが出来たのである。

二年前も見た鯉のぼり
やれやれお疲れ様
 

概略コースタイム

駐車地発(07:41)-346mP(08:34)-413.5m三角点(09:09)-倒れた石祠(09:29)-459mP(10:11)-ハナント山(11:44)-
昼食休憩-行動再開(12:35)-528mP(13:06)-480mP(13:31)-600mP(14:11)-656.5m三角点(14:44)-最後の鉄塔(15:10)-自転車デポ地着(15:43)-出発(15:51)-(自転車)-駐車地着(16:42)

カシミール3Dデータ

徒歩区間

沿面距離:13.7Km
累積標高差:(+)1,304m (-)1,229m
所要時間:8時間2分

自転車区間

沿面距離:8.3Km
累積標高差:(-)157m
所要時間:51分

カテゴリー: 鹿沼・粟野の山 | 8件のコメント

登山口まで長い長い道のり



-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --
※下野新聞社発行栃木百名山本で紹介のコースですが、全域道標無く残雪期につき参考にされる場合は自己責任でお願いします。

 男鹿山塊の盟主である男鹿岳。大佐飛山同様、深山幽谷、登山時間の長さ、そして残雪期でなければ容易に登ることがかなわず、長く諦めていた一座である。3月に大佐飛山を踏むことが出来たのに勇気づけられ、県北エリアの最後の栃木百名山を登ることにした。

 随分前の事だが、黒磯から田島を結ぶ廃道があるという事を聞いてバイクで会津田島から南下した事がある。当時はまだ山も歩いていなかったのだが、袋小路のような集落の中で道が途切れてしまった事が思い出される。その頃はカーナビやGPSも無かったから、さして気にもならなかった。それ以来この道の事はすっかり記憶から遠ざかっていた。よもや男鹿岳登山の為にこの道を奥へと進むとは、当時は夢にも思っていなかったのであった。

 以前敗退した栗生沢の集落を越え、人家も途絶えた山奥に入って行く林道。最後の集落である栗生沢から5Km程分け入った所で通行止のゲート地点に到着した。意外なことに、大きなH鋼を土台にして造られた頑丈な二つのゲートは道端に倒されていて事実上オープンになっている。少し先まで車で進んでみたが、バイクで偵察済ならいざ知れず、どういう状況があるか解らない。安全の為にゲート手前に駐車した。先行者の車は一台である。

 林道は植林作業が日常的に行われているようで、トラックの往来がかなりありそうな雰囲気だ。ゲートを寄せて出入り出来るようにしているのもその為であろう。途中僅かに崖崩れがあるが、小さな車なら通行に問題は無いかもしれない。

先行者一台(一名)
序盤は四駆車なら問題無し
崖崩れが一箇所


 それまでほぼ直線だった区間が右に折れた先からは、左右から枝が張り出してきている。車の走行もここまでだろう。そして次の大規模な崖崩れ箇所ではオフロードバイクでも腕の立つ人以外はここからは歩くしなない。段々と道路の荒れ具合がひどくなってくるが、未だ行程の序盤である。

車はここまでだろう
この先は枝が邪魔で車は無理
オフロードバイクもここまでだ


 少しづつ出てくる残雪を避けながら進んで行くと、次は土石流による道路崩壊箇所だ。ここまで担ぎなどしながら頑張ってきたMTBもそろそろ限界だろう。

 カタカナのオーガ沢橋を渡るとお次は左手に数十mは落ちる蟻地獄のような崩落地。ここはヘリに充分広さがあるので問題無し。万が一落ちても左右どちらかの木が生えている斜面で復帰は出来るであろうが、絶対に落ちたくないポイントである。

溝の深さは背丈くらいある
オーガはカタカナ
蟻地獄崩落地


 続いて漢字で男鹿沢橋。オーガとオガの違いか。いずれにしても紛らわしい(-_-)
 そしてすぐその先には白糸橋と続く。天気が良いので空は青くも、両側を高い山に覆われた廃林道には未だ日差しは届かず。登山口の大川峠は遥か先である。

雪の無い所を選んで歩く
今度は漢字の男鹿沢橋
すぐに白糸橋


 残雪区間はなるべく体力の消耗を避けるように道の端を歩いてきたが、途中から全面残雪になった。覚悟を決めて雪面を踏み進めるが、つい先ほど見たようなカーブが見えてその先にはまた延々と続く林道。デジャブの海原に放り込まれて永遠に林道歩きをしていくような錯覚にとらわれる。GPSで現在地を把握しているから理解してはいるものの、まだなのか、まだなのかと自問自答しながらやっとの思いで大川峠へ到着した。日差しの降り注ぐ広場は雪も溶けかけていて明るい雰囲気。しかし、いったいいつ頃から打ち捨てられたのだろうか。通行止めの看板と乗り捨てられた名物の廃自動車が寂しげに笹薮に横たわっている。

ようやく大川峠到着
通行止め案内はいつのものだろう
名物の廃自動車


 栃木県側をちょっと覗いてみたが、法面が広範囲に渡って剥がれ落ちておりもはや歩くのも困難な雰囲気だ。

 軽くエネルギー補給をして靴紐を締め直す。赤テープのある所から取り付くと、始めは鮮明な道形も直ぐに笹薮に覆い尽くされてしまった。左側に残雪があるのでそちらを行けば楽そうに思えるが、斜面ギリギリの場所なので踏み抜いた下がスカスカの笹薮だったりすると抜け出せなくなる可能性も否めない。ここは地道に藪と格闘しかない。

栃木県側は歩くのも困難なほど崩落
これが登山口となる
まずは軽く笹薮のジャブ


 落ち着いて探すと案外踏み跡を見つけることが出来る。これを丹念に辿ると楽に進めるのだが、やはり薮が濃い場所は腰の強い笹に押し戻されるような感じでそれなりに苦労を強いられる。やがて尾根が広がってくると藪から開放されて一面の残雪となった。
 朝、駐車地に駐めてあった車の主は一名のようで、この辺りからアイゼンの爪痕が雪面に散見される。自分の今日の装備は前歯無しの8本爪軽アイゼンとワカンである。登るに従い斜面が急になってきたので自分も倣いアイゼンを装着した。雪面は春の重い雪で中途半端に埋まる感じ、時折足首くらいまでの踏抜きだ。

残雪に逃げたいが危ないのでパス
尾根が広くなると一面の残雪
ひたすら登る


 幅の広い尾根だが、目指す栗石山までは方角も一定で迷う要素は少ない。ノートーレースの雪面を行くのは好きな自分だが、やはりこの深い山中では先行者の踏み跡が恋しくなるもの。見失ってはまた追いつつも、気がつけば自分も随分高度を上げてきたようである。

那須方面好眺望ポイントより
結構斜度がある
再びひたすら登る


 急登に喘ぎながら休み休み登ってどうにか栗石山へ到達した。ここで二回目のエネルギー補給の小休止である。山名板裏手の小藪を抜けるとその先が男鹿岳へのルートとなっていた。一歩踏み出すとそこだけ木が無くてすこぶる西側の眺望が良い。遠く会津駒ヶ岳が春霞の中おぼろげに白く、そして右に目をやると七ケ岳が櫛のような独特な山容を見せていた。

急登はここまで結構辛かった
栗石山を振り返る
左が会津駒、右は七ケ岳


 目指す本丸の男鹿岳はもう目前。実は栗石山から男鹿岳までがルート的には一番いやらしい区間で、登りはともかく下りは要注意な箇所である。進んでいくと左手に地図通りの沢地形が現れるが、この辺が緩斜面で帰りには迷いやすいと感じた。

 進路角を維持しながらじりじりと登り詰めると、ようやく小広い山頂へ到着した。三角点は雪の下に深く埋もれているが、頭が切れ落ちてしまった木に付けられた大きな山名板、そしてその向こうに拡がる茶臼岳から三倉山方面まで延々と伸びる県境の稜線。その素晴らしい輝きが自分を迎えてくれた。

男鹿岳までもう少し
ようやく山頂到着
那須の県境稜線

 
沼ッ原調整池(トリミング)
ダケカンバを入れて再び那須稜線


 大佐飛山の時と同様、帰りも時間との戦いである。いつまでも見ていたい景色だが簡単な食事を済ませてザックを再び背負った。山頂から少し南側まで進むと、今度は大佐飛山が目の前に大きく横たわっていた。つい3週間前にあそこに立っていたのかと思うと感慨深いものがある。そして目の前の藪を漕いでいけば女鹿岳に塩那道路、瓢箪峠、そしてそこから大佐飛山や鹿又岳。夢は尽きないが、今の自分にとってこの山域は未だ身の丈に余るものがある。そっと胸にしまっておこうではないか。

左が大佐飛山
この藪を南下する日は来るのか
鹿又岳だろうか


 先行者のトレースは女鹿岳方面に伸びた形跡はなく、かつ自分と交差してもいない。さすれば、最近ネットの報告で散見される山頂から真西の県境を辿り、途中より林道へ伸びる顕著な尾根へ降りるルートで下山して行ったのだろう。此処を使うと林道歩きが随分短縮されるが、次回この山を訪れるとすれば是非下りに使ってみたいものである。

会津駒ヶ岳
七ケ岳
来たトレースを忠実に辿る


 下りは登ってきたトレースをきっちり外さずに慎重に歩いた。特に栗石山との間の緩斜面は迷いやすく要注意区間だ。

 気温が上がってきて、下りで雪に足を取られるようになってきたので、アイゼンを外してワカンに換装。雪質との相性が良く、快調に下って行くことが出来る。栗石山からの急斜面の区間は尻セードも交えながら快速下山である。笹が出た所でワカンも脱ぎ、後は踏み跡とリボンを追って時折藪漕ぎ。しかしながら、下りは順目だから登りの数倍は楽である。実際登りで逆目(笹はたいていそうなっている)の笹藪程辛くて絶望的なものは無い。

古いものも我がトレースも外さずに
展望地から那須眺望に別れ
下りは順目だから楽ちん


 無事大川峠に着地。今日の山行の中核はひとまず終えた訳だが、再び延々と林道歩きが待っている。時間的にも距離的にもこのルートでの男鹿岳は林道歩きがその大部分と言っても過言でないだろう。ちなみに、栃百本のCTを見ると林道ゲートから大川峠までが2時間、峠より男鹿岳までが3時間40分となっているのに対し、自分のタイムは2時間半と2時間20分となっている。峠から山頂まで全区間藪漕ぎだとどの程度時間がかかるのか想像がつかないので比較のしようがないが、気になったのはゲートから大川峠までである。どちらかと言うと足が遅い自分ではあるが、流石にあの林道を2時間で(帰りは1時間40分)で歩くのはかなりの韋駄天ではなかろうか。CTの設定にいささか疑問を感じたが、栃木の山150をめくると2時間半とある(帰宅してから見たので本末顛倒)のでこちらは信頼して良い気がする。

林道もこんなトラバースがあり気が抜けない
延々と先は長い
白糸の橋まで戻ってきた

自分より遥かに若手じゃないか
沢山芽を出していたけどこの名は?
標識も今は役目を終えてひっそり

自然に還りつつある構築物
朝の道路崩落箇所
昼過ぎから青空か綺麗に


 長い長い、本当に長い廃林道歩きをようやく終えて無事車の元へ。登山の核心部は思ったよりあっけなかったように思えたが、先程も触れたようにやはりこのルートの大部分は廃なる林道歩きにあると言ってもよいだろう。整備された林道なら周回ルートで合理的に歩くこともあろうが、単純なアプローチの為の野生化しつつある林道歩きは男鹿山塊ビギナーにとっては洗礼のようなものかもしれないと感じた。そうやって男鹿山域の奥深さに目覚めた者たちが、やがて県境の稜線を駆け抜けていこうとする気持ちが少しは解ったような気がした。

伐採地周辺、ゴールはもうすぐ
ゲートが脇に寄せられている
さらば、男鹿の山並み

概略コースタイム

駐車地発(05:52)-オーガ沢橋(07:09)-男鹿沢橋(07:40)-大川峠(08:25)-栗石山(10:07)-男鹿岳(10:45)-
昼食休憩-行動再開(11:09)-山頂南端-栗石山(11:56)-大川峠(13:00)-男鹿沢橋(13:47)-
オーガ沢橋(14:17)-駐車地着(15:28)

カシミール3Dデータ

距離:20.8Km
所要時間:9時間36分

カテゴリー: 那須塩原の山 | 16件のコメント

来週こそはと思うのですが

sakura160403

登山道の花の便りもちらほら耳にする昨今。
今年こそは花撮りオヤジ入門といきたいところですが、休みと天気が一致しないという我が得意技の春が今年もやってきました。

もっとも、花も良いがそれ以外にもこの時期行きたいところがあるので悩ましいものです。
体力の残っているうちに現役引退して季節の美味しい所を味わってみたいと切望するも、はたしてどうなることやら。

午前中、少しだけ晴れ間が覗いたので近くの桜が咲いている所へ散歩してきました。

カテゴリー: 日記 | 12件のコメント

大佐飛山、確かに遠し



-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 関連山行

    2015年05月17日  大佐飛山、遥か遠く

 昨年5月、黒滝山を歩いた時、遥か彼方に伸びる大佐飛山への稜線を見た。正直、黒滝山でさえ深山の趣を感じたものだが、更に奥深くへと伸びるその稜線を半ば溜息混じりに眺めていたものだ。

 栃木百名山の中で無雪期に登るのが絶望的なこの山だが、チャンスは残雪期のごく僅か。今年は何処の山も雪が少なかったが、2月に大佐飛山に登った人の山レコ記録によれば、やはりかなり雪が少なくチャンスは今のうちとだという。内心焦っていた。例年なら4月に入ってからが適期なので心の準備が整っていなかったのは正直なところだ。日々足腰が弱りつつある自分でも、今年ならまだなんとかなりそうだと思いチャレンジすることにした。

 巻川林道にある新登山口に着くと、まだ暗闇に包まれていると言うのに沢山の車が停まっており、ヘッドライトや投光機でそこだけが昼間のような明るさとなっていた。幸いにして一台分のスペースを見つけもぐりこむ。
 最近、山に行く時には大いに頼りにしているGPV予報と予想天気図を見ていたので今日の風の強さは解っていたが、いざ長丁場に踏み出すとなると山に鳴り響く風の音にはいささか腰も引けるというもの。だが、天気が良ければ良しとしたい所だ。
 先行者も風窺いの待機組もある中、一人ヘッドライト頼りで植林地の急登へ取り付いた。

 稜線に出るまではとにかく暗闇の中のジグザグ急登。無我夢中で登って稜線へ出てほっとする。ダラダラな尾根が徐々にきつくなって登り切るとそこは三石山だ。未だ光無き山名板をヘッドライトの明かりで照らして写真を撮って見る。そして、徐々に白み始めた登山道に夜明けがやってきて稜線を照らし始めた。日の光のなんとありがたいことよ。

心霊写真じゃありません
朝日がありがたい
暫くは残雪を楽しむ歩き


 ところどころまだらだった浅い残雪も、高度を上げるにつれてしっかりとした残雪に変わっていく。適度に締まった雪だが、日陰の場所などは部分的にアイスバーン状の所もあって4本爪の軽アイゼンあたりで丁度良いのではといった感じもする。先行者の足跡は未だツボ足。自分も暫くは頑張ったが、途中で安全の為に10本爪アイゼンを装着した。今日の装備は悩んだ末にワカンを携行したが、ここまでの区間も、そして結局最後までワカンの出番は無かった。

雪の量が増えてきた
ここでアイゼン装着
スパッツの色合わせがやはり変?


 風は確かに強いがそれでも10m/sを越える雰囲気ではなく、危険は感じない。予想天気図から見る等圧線の変化を考えても風はこれ以上でもこれ以下でも無いような気がする。そして心配な空も今の所はなんとか機嫌が良さそうだ。

いつか歩きたい鴫内山の稜線
黒滝山はもう少し
ミニ雪庇も残っていた


 あっさりと黒滝山到着と言いたいところだが、実際には先の長さ故に気が張っていたせいか、あまり感じなかっただけなのか、実は結構疲れていたのかもしれない。

陽だまりの山頂は無雪
霞んでいるが黒磯方面?
再び鴫内山稜線


 さぁ、いよいよ核心部だ。まずは5月の偵察でKOされた黒滝山南西部の藪地帯。通称迷いの森とも呼ばれているこのエリアは、無雪期には実際先の見通せないジャングルのようになっているのを昨年経験している。それだけに改めて積雪期の有り難みが骨身に滲みる。そしてやけに多いリボンでこれなら迷いようも無いかもしれない。

 迷いの森を抜け出し、沢を一本跨ぐとそこからいよいよ大佐飛山へと繋がる尾根道へと踏み出すことになる。森を少し登って飛び出したのが西村山への雪の展望尾根。天空の回廊がこの後待ち構えているのに軽くジャブを喰らったように感動。ザクザクと詰めて登り切った西村山。

さぁ、「迷いの森」へGo!
西村山への登り
割れた山名板も味がある


 山頂からスッキリした眺望は無いが、来た方向にはいささかガスに包まれながら凛とした山並みが見える。小佐飛山もこの方角に見える筈なのだが・・・ 一方大佐飛山方面は更にガスが濃いようで、強い風に乗って流されたガスがちぎれちぎれに飛んで行くのが見える。

西村山から来た方角
大佐飛山方面はガスが掛かっている
気持ち良い稜線歩き


 二つ目のランドマーク的なピークである大長山は静かな森の中。しかし、大長山付近より辺りの天候が一変する。というより吹き抜けるガスの通り道の中に突入してしまったようだ。

 そして天空回廊。うーーーん残念。晴れて青空があれば絶景だろうに。

大長山は森の中にあった
おぉ!天空回廊 しかしガスが残念
そんなに気温は低くないのだけど


 そんなに気温は低くないのだが、風が強いが故だろうか、霧氷に包まれた木々が連なる。本来なら山頂が近くに見えるべき箇所でも、ひたすら厳冬期の趣を誇示せんとする霧氷を纏った森を抜け、とうとう大佐飛山へ到着した。

これはこれで幻想的かな
やっと着きました。長かった
これが一番渋くて好み


 黒滝山へ至る途中から抜きつ抜かれつした方と山頂でご一緒した。山の話などで、短い時間だがモノトーンの山頂に花が咲いた。
 登山口の賑わいに比べ案外山中で人に会うことがなかったが、山頂に近いところで既にピストンで下山してくる人数人に会った。一体彼らは何時頃に出発したのであろうか。
 また、後続では下山時に単独者1名、二人パーティー二組と交差した。最後に会った二人パーティーは大きなザックに銀マットを携行していた。黒滝山付近で13時過ぎだから、途中で幕営して明日は瓢箪峠から鹿又岳あたりにでも行くのであろうか。元気な若者たちのその脚力と気力が羨ましかった。

青空皆無なのが残念
こんな所で迷ったら大変だね(笑)
さぁ、帰りますか

山頂でご一緒した方が先行
高さ5m位のコブ雪庇
つくづくガスが恨めしや

シャクナゲもじっと春を待つ(ピンボケ御免)
西側の峡谷は凄い迫力
さる山と三石山かな、まだ先は遠い

往路より帰りのほうが遠く感じる
西村山への登り返しが辛そう
里が近くなるとほっとする


 大長山を過ぎると再び青空が徐々に戻ってきた。どうやら今日のこの山域は大長山が天気の分水嶺かもしれない。青空も顔をのぞかせてきた西村山手前で那須方面の眺望が広がっているであろう方角にカメラを向けた。

晴れていれば那須岳の勇姿が
かろうじて三ツ倉山が見えた
再び黒滝山へ、眼下のさる山とてまだ遠い


 黒滝山へ着いてしまえば後は楽勝とすっかり思い込んでいたが、実は全行程の未だ半ば以上残っていることを思い出す。午後になって気温が上がって来た雪面は沈み込みが多くて思いの他苦戦する。黒滝山からは基本的に下っていくだけというイメージが強かっただけに、終盤のこのタイミングで僅かな登り返しがあると結構辛いものだ。

黒滝山の急登区間を過ぎて、山藤山とさる山
今日何度目かな、再び鴫内山稜線
明るい疎林を進む


 歩いても歩いても、進んでも進んでも、重い足取りにはまだまだ先が遠い。ようやく大佐飛山ルートの深遠さに気がついたのがこの下山路であった。山頂でご一緒した方に、「今年は景色が残念でしたからまた来年来ます」と言った自分だが、やはりこの遠大なルートはそう安々と歩かせて貰える所じゃない!と実感した。と、言いながらも、来年こそは・・・と青空に映える天空回廊を夢見るのだろうなとも思った。

早春の穏やかなる山
残雪もさようなら
やっとここまで帰りました

概略コースタイム

駐車地発(04:20)-百村山稜線へ(04:46)-三石山(05:15)-さる山(06:00)-那須見台(06:20)-山藤山(06:43)-
河下山(07:18)-黒滝山(07:38)-西村山(08:05)-大長山(09:08)-1813mP(09:47)-大佐飛山(10:22)-昼食休憩-
行動再開(10:48)-大長山(11:47)-西村山(12:53)-黒滝山(13:16)-山藤山(14:02)-さる山(14:42)-三石山(15:17)-
稜線から下降開始(15:37)-駐車地着(15:58)

カシミール3Dデータ

距離   :18.2Km
所要時間:11時間38分

カテゴリー: 那須塩原の山 | 15件のコメント

西場富士、遠し!



-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

大小山の過去の記事
    2013年01月12日  大小山から大坊山周回
寺久保山の過去の記事
    2009年02月11日  廃れゆく里山 寺久保山

 寺久保山から大小山(妙義山)を経て西場富士へ抜けるルートについては、以前大小山を歩いた時に地形図を眺めていて面白そうだなと思いネタ帳入りしていた。
 西場富士からの下山後は延々と車道歩きとなるが、日曜日に休みがあるので多少の疲れも一興だろうと考え今回は自転車を敢えて使わなかった。結果的には登山開始が予定より1時間近く遅れてしまい、薄闇の田舎道をトボトボと疲れた体で歩く事になってしまった。やはりワインレッド号を連れて行けば良かったという反省になったのである。

 前日から天気予報や気象データをまんべんなく眺めていたので、好天は望めないことは予想していたが、昼には切れる筈の薄い雪雲が歩き始めに影響するかどうか、現地に行ってから中止を判断してもよかろうと車を走らせた。
 ワイパーに降りかかる早春の湿った雪は、南下を続けても時に強く、また弱くもなる。空の色は案外明るく雲は高そうだから未だ期待は残っている。途中のコンビニで改めてスマホで気象情報を確認して駐車地に車をつけた。

 基本的には高気圧配下の天気なのだが、気圧のヘリから雲が流れ込んでくる典型的な高気圧曇り。日中の雨の心配は無さそうであるし、今日のルートは何処からでも里にエスケープ出来る。降っていたみぞれがやんできた頃合いをはかり出発する。

 予定していたのは2009年の寺久保山下山時に通った般若峠からのルートであったが、当時のデータをGPSに入れてきたにも関わらず、藪化していて取り付きが解らない。少し奥に入ってみるも、ぬかるんだ藪で苦闘するのも今日の長丁場の事を考えるとためらわれる。寺久保山一本狙いならカッパを着て突っ込んでも良いが今日はやめておこう。改めて雷電神社の裏手からオーソドックスな雷電神社コースで寺久保山を目指した。

般若峠への取り付きは不明
気を取り直して雷電神社裏から入山
湿った落ち葉の登りも一興


 標高が300m近くになると薄っすらと木が雪をまとい、歩く森は白い世界になっていく。里山で見るこんな景色も珍しい。こんな日に歩いた者だけが見られるご褒美かもしれない。

予報を信じて先に進む
高度が上がると枝の雪が増える
 


 山頂へ着くと、駐車地で一緒だった二人組の男性が休憩中であった。自分が般若峠への入り口探しで手こずっている間に先行したようだ。眺望の無い山頂だが、薄っすらと白く飾られた山頂も独特の雰囲気があって良い感じだ。自分は先が長いので呼吸を整えて山頂を後にした。

 山頂から西へ進む道は笹が繁茂しているが、ロープが張られていて親切丁寧。また、刈り払いもきっちりされていてこんな日は雪まみれにならずに済むのでありがたい。

山頂も白く飾られていた
縦走路へと踏み出す
こんな日は刈り払いがひときわありがたい


 進路が南に変わる手前、右手の370m級Pの、まるで粉砂糖を軽くふるったような美しい姿が目に入る。寄り道したいところだが、また別な機会にしよう。

林道を挟んだ370m級P
やはり木製道標は味がある
貴重な晴れ間、足利方面


 小さなピークを幾つも越えていくこのルート。一つ一つのピークは標高差が数十メートルと大した事はないが、それでも数を重ねるに従いボディーブローのように効いてくる。般若峠への取り付きが失敗して時間的にちょっと焦りもあり、序盤多少飛ばしたのが効いてきたので幾らかピッチを抑えながら進んだ。幸いにして時折晴れ間が覗く空に大いに励まされる。寺久保山から塩坂峠までの区間は明るい尾根歩きが楽しめて良い雰囲気である。栃木の山150での紹介は大いに賛同出来る。

 
301.4m三角点 点名、藤平入
眼下の北関東自動車道


 塩坂峠手前で前方から3人組の男性と交差する。雷電神社からの登り口が解らず逆周りしてきたという。確かに道標皆無のあの登山口はもう少し改善の余地があるような気もするが、あれはあれで里山然として良いとも思う。

 いろいろ構築物が多い賑やかな塩坂峠を後にして、道標に導かれてゆるく登り始めると二つ目のピークが鳩ノ峰である。

山中に忽然と地デジアンテナ
塩坂峠はいろいろあって賑やか
鳩の峰直前の立派な標柱


 大きな石碑と今は無残に崩壊してしまった遺構、そして鳩の峰の由来に思いを馳せながらしばし休憩。

そして鳩の峰へ到着
大きな石碑
石祠の前の社殿は寂しい姿に


 鳩の峰から高度下げで失敗をする。ここまでしっかりした登山道をずっと歩いてきたので地図もろくろく見ずにきたが、道形が明らかな方へ導かれていき、落ち葉も深くなり踏み跡が薄くなってきた。尾根が落ちる先はもはやゴルフ場のみ。慌ててGPSを覗き込むと、嗚呼やっちゃったね。70mの登り返しに余計な体力消耗。ピークからの下降は地図を出してコンパスを合わせるべきなのに、ここに来るまでの道標の多さと道形の太さにすっかり油断してしまったようだ。

これを見落として標高差70mのシゴキに一汗
良い佇まいの石祠
主は変わった神様?


 越床峠近辺で昼食休憩を予定していたが、先ほどの登り返しでいささか疲れも溜まってきた。腹具合も時間も丁度良いので、眺望は無いが静かな道端に腰を降ろして休憩だ。

 食後のコーヒーまでフルコースで済ませるとやっと元気が出てきた。この先、越床峠から妙義山までは結構厳しい登りが待ち受けているのでまずは出だしセーブしながらのんびりと進む。幸いにして足も随分軽くなり、登りが楽になってきた。

お次はR293
次の石祠 越床トンネル上部の鞍部にて
トンネル上部より足利方面へ向かうR293


 鉱山番屋が右手に大きく見え、最後のピークからR293旧道へ降下する辺りはにわかに道形が怪しくなってくる。途中軽く倒木などもあり、僅かな区間だが山歩きを始めて間もない人にはちょっとドキドキするかもしれない雰囲気だ。

番屋が近くなってくる
廃道の旧道R293へ
一般コースは言いがたいが


 道路へ降り立つと廃な雰囲気がプンプンしていて良し!好きだなぁこういう佇まい。反対側には道標としっかりした道形が伸びており、旧道を使ってここから越床峠へ入り大小山や大坊山へ向かう人が案外多いようだ。

廃なる雰囲気ヨシ!
西へ僅かに進むと道標あり
大小山まではもうひと踏ん張り


 越床峠にて水を口に含み、いよいよ今日の登りのクライマックスである妙義山への岩稜帯へと向かう。ローソク岩へなどという余裕がある時なら道草してしまいたくなるような道標に目をくれず(というより余裕無し)ひたすら妙義山を目指す。
 プチ岩場なども出てきて精魂が搾り取られていくも、ようやく妙義山へ到達だ。

以前通過した懐かしい越床峠
稜線に出て振り返ると大坊山が大きい
今日は遠慮しておきます


 山頂に居るにはいささか遅い時間なれど、流石に人気の山だけあり妙義山には先客の男女一組。彼らが下山した後にも途中で追い抜いた単独男性が登ってきた。

 改めて寺久保山と歩いてきた稜線を眺めると、感慨深く疲れも吹き飛ぶ景色だ。少し先にある展望箇所から東を覗くとこれから進む西場富士への稜線が伸びている。どうやらゴールは見えたようだ。

いやはや、やっとここまで来ました
あのゴルフ場奥から延々来たと思うと感慨深し
これから進む西場富士への稜線


 阿夫利神社分岐までは前回歩いているが、ここから先、西場富士までは宿題のルートである。道はよく整備されていて危なげは全く無し。途中に見どころの岩場などもあるが今日は流石に疲れていてスルーだ。

西場富士へは道が整備されている
前回はここを登って大小山
こんな見どころもあるが今日はスルー


 軽い登り返しの末に本日の最終目的地である西場富士に到着する。ベンチに腰掛けしばし休憩とした。時間が押していたので家内にラインで連絡を入れて、後は僅かな下りを安全に降りるのみである。

 実はこの下りの区間は事前情報収集を全くしていなかったのでてっきり藪下りかと思っていたが、実際は西場の百観音に向けて下るしっかりとした道が付いておりなんの心配も無かった。最後は藪歩きでシメるとばかり思っていたがいささか拍子抜けした。

ヤッター、今日の目標地点
西場富士からの眺望はこんな感じ
城跡だったようだ


 もっとも、予定していたルートは動物柵から更に真っ直ぐ東に進み、寺の階段のような記号の箇所に降りるつもりだったが、そちらは激藪で敢えて脇にある歩道を無視する必然性も無し。ということで無事西場の百観音へと到着した。気力が残っていれば此処も見ていきたかったが、今日はパス。振り返ると今日はパスが多かったなぁ。本来パスすべきルートミスもあったりで結構厳しい一日であったが無事こうやって下山も完了した訳だ。あ、でもこのあと、駐車地を目指す6.5Kmの里歩きがあるんだけどね。

丈夫な動物避けの柵
西場の百観音も今日はスルー
車道はなるべく避けて、まだまだ先は長い

概略コースタイム

駐車地発(08:01)-般若峠入口探索より復帰(08:09)-寺久保山(09:06)-301.4m三角点(10:19)-塩坂峠(10:45)-
鳩の峰(11:06)-ルートミスに気づく(11:18)-鳩の峰に復帰(11:27)-昼食地点(12:12)-昼食休憩-行動再開(12:49)-
越床峠(13:37)-妙義山(15:04)-西場富士(15:50)-動物柵(16:07)-西場の百観音(16:13)-R293接合(17:23)-
北関東道下(17:49)-駐車地着(17:56)

カシミール3Dデータ

沿面距離:22Km
所要時間:9時間55分

カテゴリー: 県南・両毛の山 | 14件のコメント

冬期釈迦ヶ岳登頂 だが雪は少なくちょっと残念



-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

釈迦ヶ岳の過去の記事
    2015年10月18日  西平岳を目指して釈迦ヶ岳

 昨年守子神社ルートを歩き、静かで自然のふところ深き雰囲気にすっかり魅了された。また、南に面しているこのルートは厳冬期でも積雪量が少ないのではないかと思った。八海山神社から釈迦ヶ岳を目指すとすると、危ない箇所があって自分のレベルでは歯が立ちそうにないが、前山尾根を詰める守子神社ルートは危険箇所が思い当たらないほど穏やかである。

 2月の中旬に決行を考えていたが、直前に雪雲に覆われた高原山を見てビビリモードで一旦中止。しかし、3月に入ると一挙に気温が上がるという予報を聞いて、登るなら今しかないと決断したのである。

 風だよりさんの脇を過ぎて林道に入るも、積雪は一向に無し。2月7日の桝形山の帰りに偵察した時は結構積雪量が多くて途中でUターンしたほどだが、今日は全く道路に雪なし。登山口まで車を横付けするとかろうじてそこに残雪があった。

登山口でかろうじて雪を見る
本日の装備
まるで初冬の装い


 登山道に入ると、軽く霜柱を踏む道は初冬の装い。標高が低いうちはこんなものだろうと予想をしていた。

 過去の記録を見ると、それでも標高1,000mを越えた辺りから雪が出てくるというが、僅かに残る雪が登山道脇に散らばっているばかりだ。

 それでも1,200mを超えたあたりから徐々に登山道が雪に覆われ始め、前山付近では一面の銀世界となる。だが、雪質は固く締まっているのでスノーシューを履くほどではない。軽い筈のスノーシューも出番が無いと見るやいなや、子泣き爺のように肩にずっしり重く感じるのだから不思議なものだ。

軽く霜柱のみ
幾らか残雪が出始める
前山辺りではそこそこ積雪

お隣の稜線越しに西側眺望
今日は踏み跡多し
釈迦ヶ岳が見えてきたが雪が無い


 釈迦ヶ岳の肩へ到達する直前に至っては土が剥き出し。ここは笹原の斜面なので全体が雪で覆われると、今回のルート中で一番の難所になる筈であった。安全なのは良いが夏道そのまんまなのがちょっと残念である。

 山頂に向かう最後の区間は雪の質も量も一挙に良くなり期待が持てたが、山頂に着いてみれば土が露出してる箇所もあって、今年は本当に雪が少ないということを改めて実感した。

西平岳
土が剥き出しの箇所もある
山頂も土が見えていた


 以下、山頂からの風景、まずは北側

女峰山はガスの中
福島県境の山並み
前黒山を挟んで遠く大佐飛山方面


 そして南側

八海山神社方面
前山
西平岳


 雪に埋まったお釈迦様を見るのが今日の最大の目的であったが、土台までスッキリ全露出。また来年拝みに来ますので待っていてください。

お釈迦様はスッキリ全露出
西平岳アップ
鶏頂山


 お約束のカップラーメンとコーヒーを終え、一人撮影会に興じていると後続の登山者が山頂へやってきた。雪が少ないですね、と会話を交わし、さらに話せば「野球親爺」さんであることが判明。実は今日の往路で後ろから大変ペースの速い人に追い抜かれて、さらに自分が山頂に着く直前に既に下山を開始した方がいた。すれ違いざまに「足が速いですね」と声をかけると、「そんなことありません」と言いながら疾風の如く雪面を下って行ってしまった。この時期にこのルートで歩く方はもしや野球親爺さんかもしれないなんて頭の片隅でチラと思ったがこちらは人違い。今日は本当の野球親爺さんにお会い出来たのである。

 僅かな時間であったが大佐飛山の事などを話した後、野球親爺さんに別れを告げ下山を始める。
 今日の装備は雪面の状況からして10本爪アイゼンあたりが最適のような感じだが、スノーシュー以外は全て車に残置してある。急斜面で足の置き場に困る場面が多い故にスノーシューはかえってよろしく無いだろう。かくして益々ザックの後ろで重さを増していく(*´ェ`*)

 踏み跡にかかとを合わせるように歩けば滑ることはほぼ無いが、やはりアイゼンを持って来なかったのがちょっと悔やまれた。

 途中で男女のペアが登ってきた。皆、北からの登頂が難しいのを知っているのでこちらを歩くのだろう。守子神社ルート、なかなか盛況である。

前黒山と塩那の山並み
再び前山、アップで
ミツモチ山方面


 前山を少し下ったあたりで、小学校低学年位の男の子とその父親とおぼしき男性が休憩中であった。せめて前山までと考えてやってきたのか、子供は既におにぎりを頬張り昼食休憩のようである。屈託なく語るその表情に父親と山歩きを楽しむ雰囲気が見て取れた。目的のピークじゃなくてもそこが彼の山頂だったのかもしれないね。

 
 
 


 空いた水のボトルとペットボトルにお水取り。尚仁沢ハートランドへ寄り道すると、高原山が既に遠く彼方へ。しかし、本当に雪が無いね。3月中にもう一度雪遊びがしたいところだが、さて何処に行けば良いやら。

尚仁沢ハートランドより

 概略コースタイム

駐車地発(06:40)-守子神社(07:13)-前山(08:27)-釈迦ヶ岳(10:02)-
昼食休憩-行動再開(11:09)-前山(12:01)-守子神社(12:58)-駐車地着(13:22)

カテゴリー: 塩谷の山 | 10件のコメント