久々の里山遊び



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --
※当コースには一般登山道でない箇所が含まれています。参考にされる場合は自己責任でお願いします。

 『栃木の山150(随想社)』に掲載されている栃木市の琴平山のことは以前から知っていた。ガイド内容を見ると2時間に満たないルートが紹介されている。特に眺望が良い訳でもないのでそのうちに・・・と思って記憶から遠ざかっていたのだ。

 今年の冬は茨城県の山を丁寧に歩いて行こうと思っていたのだが、おりしも栃木県に緊急事態宣言発令。山を歩く行為自体は感染予防上問題は少ない。特に自分のようにあまり人と接する機会が少ない場所を好む場合は尚更だ。

 そういう事情だとはいえ、緊急事態宣言が発令されている都県ナンバーの車を迎える茨城県民の心を思うと、余計な刺激はしないほうが良いかなと思ったりする昨今のコロナ事情である。

 ならば、ということでネタ帳をひっくり返していると、琴平山とその周辺を周回するちょっとした散策ルートが目に入った。途中で三角点を二つ拾えるのもお手軽。標高400m未満のだらだらとした稜線を歩くのも冬場ならではの楽しみだ。

 歩いてみて知った最初の三角点の名前が長坂山ということ。帰宅してからネット検索をすると自分の歩いたルートと同じ周回を何人もの方が歩かれていた。そして二つ目の三角点が高冨士山(たかどさん)という名前であることも知った。

 琴平山自体は山というより神社がその本体と言って間違いなく、沢山の人に歩かれているであろう登山道はすなわち参道である。しかし、そこから北へ延びる稜線、そして時計回りに続くトレイルが久々のルートファインディングの山歩きとなった。
 最北の384mPまでは快適な登山道の様相、そこからはよくある自然林の尾根、やがて尾根の乗り換えの入り口に神経を使うようになり、枯葉が積もる急斜面を慎重に降りるようになる。時折藪の濃さに翻弄されたり、久々の充実した歩きとなった。前半は何も考えずに歩いていて確かに散策路然(384mPでぼーっとしてミスあり)であったが、後半は久々に気合の入った歩きとなったのである(笑)

 ストリートビューで精査したもの、駐車地について最後まで決められなかった。ガイドブックには琴平山の登山口に数台スペースがあるように書いてあったが、実際に行って見ると停めるのはかなり難しい。
 東へ戻ると路側が膨らんでいる箇所があちこちにあるので何処に停めても支障は無さそうだが、南柏倉公民館前の広場がもっとも駐車に適していると思い、ここに停めることにした。
 準備をしていると地元のおばさんが散歩をして脇を通過していく。「山に登るので停めさせて貰ってよいでしょうか」と尋ねると快諾を貰った。

八坂神社、南柏倉公民館前のスペースに停めさせていただいた

県道126号 栃木田沼線を西へと進む 正面が琴平山

ピッチの細かい石段から始まる

登り詰めた先は落ち葉降り積もる急登の参道 (太陽の光はフォトショップでちょっとイタズラ)

 とにかくこの落ち葉が滑って歩きにくい。参道の真ん中は狭い溝になっているが、上から見ても落ち葉に覆われていて実態が解らないので不意に足が取られるので結構油断出来ないのだ。

おお!ご丁寧な導標

やがて上が開けてくとすぐに山頂 広大な神社境内である

山頂より東側 山に囲われた峡谷地形の左先端が今日の着地点

南側 採石場 等高線みたいな掘削の輪郭が面白い

北側眺望も僅かにある

 山頂より西に僅かに下ったあとに登り返すと、そこに電波塔があり「琴平の杜 野乃花苑」なる看板、そして東屋があった。地元の方々の憩いの場なのかもしれないが、この季節花は無いし訪れる人も少なそうな印象を受けた。

程なく電波塔へ

東屋があった 周囲は草文庵とか野々花苑がある

北へ境界尾根を下り道路に一旦接続 こちらは南参道となる

道路を挟んだ向かい側の巡視路より取り付く

道は太くしっかりとしていた 一登りすると鉄塔に出くわす

 巡視路入り口から先はしばらくよく踏まれた立派な道型が続く。流石巡視路とは思ったが、かつての道として一般の往来匂わす鉄製の道標を二か所で認めた。文字は既に判別出来ないが、この周回の北端である384mPから更にその先まで続く太い道には何らかの需要があったに違いないと思うのだ。

判読不能な鉄製の道標が二か所にあった

こんな感じの篠藪が時折薄く時には濃く出てくる

 電波中継所のある三角点ピークが長坂山であることを古い木製の山名板で知る。すぐ脇には防災無線の中継所もある。生活に必要なリソースが配置された典型的な里山稜線なのである。

389.2m三等三角点 点名:水ヶ沢

長坂山の北側より ススキがちょっと邪魔だが、なかなか抜けの良い景色

 いくつかピークを越えると次は巨大電波塔のピーク。こちらも北東方面が開けていて景色が良い。鉄塔基部は広々と敷地が柵で囲われていて、少しものものしい雰囲気がある。

巨大電波塔

電波塔より北東方面

 少し先に進むと進行方向右手に軌道が現れた。電波塔に保守資材を運搬するトロッコ車軌道のようである。
 しばらくルートと並走していたが、このあと濃くなった篠藪が終わるといつの間にか軌道は見えなくなっていた。地形図を見ると北東に林道が描かれているのできっとそちらのほうへ降りていったのだろう。

電波塔に物資を運ぶ軌道がある

 384mPからルートは東へと方角を変える・・・
 のだが、それまであまりにも立派な「登山道」が続いていたので、つい、ぼーっとしてたのだ。
 正確には登山道ではないんだけどね。

 と、言い訳はともかく、気が付いたら北の尾根に引き込まれそうになっていた。
 終始しっかりとした道型はなおも北に続いているところを見るに、そのまま北進すればR293に繋がる林道(地形図には描かれている)へ接合するのではないかと推測。いずれ機会があれば検証してみたいところだ。

384mPから進路は東へ 序盤は混合林のどこにでもあるような尾根を行く

次のピークから南東の尾根を降りる その前に腹ごしらえ

 この昼食地点あたりから、のんびり散歩モードはおしまい。地形図には破線なんかが描かれているが道型も踏み跡も全くない。GPSを出してコンパスを合わせながら慎重に進むようになる。

北側のゴルフ場が見えるようになってきた

昼食休憩地下降した尾根が良く見渡せる

正面は先ほどの巨大電波塔

 標高差50m程の登り返しにじんわりと汗をかく。ふと立ち止まった先に見える大きな人工物。高富士山の山頂にある社だ。
 ゴルフ場のある北側からは登山道が整備されており、地元の小学生が登る山らしいが、来し方の西側はともかく、南側に至っては標高を50m下げるあたりまで尾根形は認められないのっぺら坊の急斜面である。

突然立派な社のある高富士山へ 297.9m三等三角点 点名:千塚

 南へ降下を始めると、足元には落ち葉が深く堆積しており、鹿も難儀しながら腹をこすりつけてジグザグに降りた跡がそこかしこにあった。この区間のことを考えると半時計周りが絶対に楽だなと思う。こういうルートを見極めづらい場所は絶対的に登りが優位だからだ。
 鹿トレースを有難く拝借しながらようやくコルまで降りると、あとはゆるやかに降下していくだけ。だが今度は下るほどに藪が濃くなってくる。典型的な里山スタイルだ。

時折こんな小うるさい藪も出てくる

 斜度が緩みいよいよ尾根も終盤の頃、右手に拡がる伐採地との間に鉄の柵が張りめぐされている。柵の中に入るつもりはないので柵に沿って降りていくと今度は左からゴルフ場の電柵の挟み撃ち。一旦はゴルフ場の敷地に入って進むも、流れボールに直撃されるのもいやなので、鉄の柵が見えなくなった頃合いで再び電柵を跨いで山中へ復帰。もっとも平日の今日はプレーしている人も見られず閑散としていたけれどね。

ゴルフ場敷地と伐採地を仕切る鉄網が設置されている

尾根末端は伐採されていて丸坊主 民家の裏手という悪コンディション 手前で尾根を離脱した

あの裸の尾根末端まで歩ければコンプリートだったんだけど 流石に丸見えじゃちょっとねぇ

 残りの車道歩きをのんびりと楽しむ。今日は途中で会った人は朝のおばさん一人と帰りの車道歩きで会った立ち話に夢中な主婦二名。いつもながら思うのだが、こういった行動をしていると新型コロナって何?、密って何?って思う事があるが、やはり現実に還れば自分も今日の感染者数に一喜一憂する一人なのであった。

概略コースタイム

駐車地発(08:56)-琴平山 東参道入口(09:18)-琴平山(09:49)-電波塔(10:02)-鉄塔(10:17)-
長坂山(10:39)-巨大電波塔(11:07)-384mP(11:26)-昼食休憩地(11:48)-昼食休憩-
行動再開(12:31)-高冨士山(13:40)-ゴルフ場接合(14:35)-車道へ降下(14:44)-駐車地着(15:11)

カシミール3Dデータ

沿面距離:13.3Km
所要時間:6時間15分

カテゴリー: 県南・両毛の山 | コメントをどうぞ

桝形山2021



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※当コースには一般登山道でない箇所が含まれています。参考にされる場合は自己責任でお願いします。

桝形山の過去の記事
    2017年01月28日  八方ヶ原散策
    2016年02月07日  桝形山周辺散策
    2013年02月17日  今年の桝形山
    2012年03月03日  再訪、雪の枡形山
    2011年05月04日  八方ヶ原のアカヤシオ
    2011年02月13日  リベンジ、桝形山

 今シーズンはまだスノーフィールドに立っていない。
 自分の力量と装備では大した所に行ける訳でもないのだが、それでもやはりこの時期は雪の中を歩いてみたいもの。

 手始めに桝形山へのご挨拶と八方ヶ原徘徊をすることにした。
 桝形山へは過去に6回訪れておりそのうちの5回がスノーシーズンである。
 無雪期は熊の棲みかと言われており、滅多に入山者の居ないそんなエリアに足を踏み込むのが憚れるのだ。
 無雪期の一回はアカヤシオを見にリンゴさん達と歩いた時だけだ。自分にとっての桝形山は積雪期に訪れる山なのである。

 前日に県北は大雪が降ったようで、一番心配だったのが道路事情であった。スタッドレスタイヤ装着とはいえSHUTLEの冬道走行性能は悲しいほどの貧弱さ。もっとも一般的な2WD車並みなのだが、前車のパジェロミニの性能を基準として考えているが故という側面もある。パジェロミニの利点は悪路や狭い所どこでもOK。今となっては手放したのが残念だが、かといって二台維持できる程の財力も無し・・・である。

 早朝より少し時間を遅らせたほうが路面状況が良いだろうと考え、8時半にのんびりと自宅を出発。県道56号を北西に走り左に道が折れ曲がっていくと徐々に標高を上げていく。山に雪が多い時はこのあたりからの圧雪やがっつりアイスバーンが始まる。今回は路面状況は至って穏やか。所々圧雪も見られたが想像していたほどの厳しさは無い。山もこれじゃ駄目かな。山の駅たかはらの駐車場に着いてみると駐車場の路面が殆ど露出している有様。

 気を取り直して八方ヶ原方面へと歩き出す。大型の四駆車の真新しいタイヤ痕が続いているが、スノーモービルで走り廻った跡がないのが幸い。積雪量は予想通り極めて少ないが路面が完全に雪に覆われているのがお慰みだ。

牧場へ向かうウサギの足跡

展望台から雲に浮かぶ県東の山と加波山から筑波山

 展望台まではスノーシューとストックを抱え歩いてツボ足だったが、流石に持ち歩いていても疲れるだけ。ようやくスノーシューを付け、林道を外して山中へと踏み込むとそこそこの雪がある。サクサクとスノーシューが雪を踏む一年ぶりの感覚。楽しいスノーハイキングの始まりだ。

桝形山へのルートは程よく積雪

ミニ目玉親爺にまずは挨拶

唯一北側の眺望(いつもこのカット撮ってる>自分)

真新しい鹿の足跡

静かな森を行く

そして本家目玉親爺よこんにちは

新しい山名板の付いた山頂へ到着

木に邪魔された前黒山はいつも通り(これもいつも撮ってるなぁ)

 と、ここまではいつものルート。帰りはいつも違うルートを歩くことにしているが、今回は真東に進み林道に拾われた後、すぐ沢に下降して1042mPに登り返すというルートを考えていた。2017年もほぼ同じルートであったが、その時よりも早めに沢を跨ぐつもりでいた。だが、出発時間が遅く食事時間も近づいているので1042mPパスすることにした。次回のお楽しみだ。

 桝形山までは動物達の足跡が賑やかだが、既に降雪で消えかかっているヒトの古い足跡も極まれに見られる。山頂近くになりそれも絶えている様子を見るに、途中で引き返したのかもしれない。このエリアを歩く醍醐味は誰も踏み入れていない静けさが極まった雰囲気を楽しむことにあり、こんな状況はうってつけである。

 山頂の東側エリアは平坦地が続く。周囲から丸見えなので動物達も本能的に避けるようでこの辺りは本当に何一つ足跡が無い静寂の雪原だ。以前からここの状況は知っていたので桝形山といえば帰りは必ずこのエリアを歩くようにしている。

今日は山頂から真東へ進んでみる

やがて林道へ出た スノーモービルが上がってきた様子は無し それにしても雪が少ない

八方湖の北辺りで平原へ出る ヒトガは入った様子は無し ここを直進 快感だなぁ

八方湖へ到着 見事に結氷している模様

チャレンジャー(足跡からしてヒト)が湖面を探索 命知らずだなぁ! ドボンといかなくて良かったネ

こちらは何か小動物 体重が軽いからOKか?

牧場へ入る あそこの木の下で食事にしよう

牧場の雪はやや粒度粗目

 陽当たりの良い牧場内は更に雪が少なく、所々草が頭を覗かしている。大きな木の根元は雪が完全に無くなっているのでそこに腰を降ろして昼食にしようとするが、どこもかしこも鹿の糞だらけだ。ようやく見つけた糞が少ない場所にシートを引いて腰を降ろすと、向こうの斜面に二頭の鹿が駆け抜ける様子が見えた。彼らも冬場は食料確保が大変なのだろう。

今日の相棒

塩那の山並は結構積雪ありそう

さぁ、動物達の足跡に負けないように出発しよう

どんどん登っていくぞ

 過去の写真と比較してみると今回はやはり雪の少なさが目立った。正直スノーシュー無しでも充分歩けたかもしれないが、やはりスノーシューならではの感覚が楽しいもの。桝形山周辺ではもっと脛くらいまで潜って欲しかったが、年々衰えていく体力を考えると穏やかで良かったのかもね(*´▽`*)

名残惜し、我が足跡

概略コースタイム

駐車場発(10:30)-ミニ目玉親爺(10:52)-目玉親爺(11:27)-桝形山(11:42)-林道に接合(12:10)-
八方湖(12:56)-昼食地点(13:09)-昼食休憩(00:00)-行動再会(13:54)-駐車場着(14:43)

カテゴリー: 那須塩原の山 | 2件のコメント

列車でGo!



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奥久慈男体山の過去の記事
    2012年11月25日  奥久慈男体山、外周縦走

関連山行
    2020年11月15日  外れちゃったかな
    2017年11月25日  お見事!奥久慈の紅葉

  本当は紅葉の時期に合わせて歩くべきだったのかもしれないが、この時期は凛とした静けさの奥久慈男体山稜線歩き。
 朝のうちは爽やかな青空に期待も持てたが、徐々に雲が優勢の空模様に。
 元来眺望はあまり期待できないコースだが、そのタフさは充分味わうことが出来た一日であった。

 7時半に西金駅を出発する水郡線をと思っていたのだが、宇都宮から車での所要時間も考えて一本遅らせた8時32分の列車待ちでホームの人となる。と言っても、この無人駅のホームで列車を待つのは自分ひとり。

 駅舎に入ると券売機が無いではないか。乗車整理券が発券出来るのでこれを降車駅で見せれば精算できるらしい。と事前の知識はあったのだが、うっかり整理券を出さずに来た列車に乗ってしまった。

水郡線の西金駅が今日の出発地点

駅前の無料駐車場を有難く使わせていただいた

反対方向の水戸方面行きの気動車を撮り鉄

一日に数えるほどの本数 8時32分の袋田行きへ乗る

 水郡線は2019年の台風19号被害で久慈川の橋梁が流され、現在新設工事の最中である。従って運行は袋田駅まで。大子以北に行く場合は一つ手前の上小川から代行バスとなる。今回は西金から袋田までの2駅の鉄道旅となった。

 僅か11分とは言え鉄道だから結構走る。この距離を山の中歩いて戻るとなるといささか弱気もちらり。まぁ全行程16Km程度だから何とかなるか、と気を取り直す。

 袋田駅に着くと、やはりこちらも無人駅。駅舎には精算機の類も皆無。何も持たないで乗って何もしないで駅の外に出ることも可能。こりゃ薩摩の守だな。
※薩摩の守は忠度という名前だったが、忠度(ただのり)ということで、無賃乗車の事を現す隠語である。

 ポケットに握りしめた乗車賃の210円が所在無しだ。しょうがないので今降りた列車の最後尾へ向かうと車掌の娘さんが出てきてくれた。事情を話し210円は彼女の手に収まる。「西金から乗ったので210円ですよね?」「・・・ですね」。おおらかなやり取りである。

袋田駅から先で線路が切断されていた

その向こうは台風で流された久慈川の橋を新設中

 袋田駅から月居山の登山口までは約2.2Km。テクテクテクテクとひたすら車道を歩く。紅葉時の混雑が夢のような閑散とした冬の静けさ。通る車があまりにも無くて寂しい。

ようやく月居山の登山口へ到着 寒々とした七曲り登山道へと足を進める

まずは杉木立の中を登れば徐々に体も温まってくる

あっというまに月居山の山頂 すっかり葉を落とした木々のいさぎよさにすがすがしささえ感じる

 七曲りコースからアプローチする月居山は楽々登山ルート。いつもは生瀬富士の周回で体力を奪われた後に、月居山の双耳峰である前山から一旦下って三角点峰の後山に登り返すから結構疲れるのだ。だが、このルートは一発で後山に到達出来るのでお手軽ルートだ。

今日は男体山へと進む

 月居山の山頂から進路を南に取り激下り。一旦月居トンネルの上にある鞍部まで下げ、再び向かいの鍋転山へ登り返していく。せっかく登ったのに勿体ないなぁ。向こうまで吊り橋でもかかっていれば楽なのになぁといつも情けないことを思っているのだ。

月居山トンネルを超えた先の三等三角点ピークの鍋転山 点名は後山 月居山と誤認するので紛らわしいな

少し進んだピークが鍋転山の第二展望台 こちらも展望は良い

 細かいアップダウンをコツコツとやり過ごし、時には天国のような平坦な道に慰められながら進んでいく。道標はかなりしっかりしていてよく整備された登山道だ。

 男体山から白木山に至る県境尾根に乗り上げる箇所は、少し鎖場の続く急斜面となる。一汗かいて登り切ると時間も丁度お昼だ。先はまだ長い。ここらで食事にしよう。丁度休憩を終えた男性が月居山方面へと下っていった。今日初めて会った登山者である。

幾度のアップダウンの末、男体山~白木山の県境尾根に到達 ここで昼飯とした

 昼食で鋭気を養い、再始動。残す距離は僅かだが、重くなった腹を抱えて登る最後の仕上げに思わず息も上がる。
 山頂に到達すると食事を楽しんでいる最中の男性一名。奥方がテレワークなので家を追い出されてきたとの事。緊急避難場所としてこんな素晴らしい所があるのはなんとも羨ましい限りだ。

そして男体山へ

雲が支配する空が少し残念!

遥か下方にこれから降りていく古分屋敷の集落が見える 遠いなぁ でも西金駅はもっと先

 山頂の男性に別れを告げ下山にかかる。予定では健脚コースで降りていくつもりだったが、折角の眺望を背中にして鎖と格闘するのもいささか無粋。予定時間より少し早めに来れているので大円地越ルートで景色を楽しみながら降りていくことにした。

こんなのありました

形の良い双耳峰 地形図を眺めているのだけどなかなか見つからない いつか踏破してみたいものだ

 大円地越付近で風花が舞い始める。道理で寒い訳だ。

 その時、森の中に一瞬陽が差し込んだ。そこに舞い降りるキラキラ輝く風花の美しさよ。慌ててシャッターを切るが、とてもにわかカメラマンの手に負えるような被写体ではない。この美しさは心に留め置くことしかできないだろう。

大円地まで下山してきた 衝立のように鋭き山 男体山

 途中で後ろから山頂の男性氏が小走りで降りてきて追い越す。杉林で鼻がむずむずするので逃げてきたと言っていたが、本当はトレイルランでも楽々こなすほどの脚力の人なのだろう。

 彼の車の駐車地に追いついた時、「西金駅までが登山道なの?」と聞かれたので、「そうです」と答えた。
 駅まで乗せていってくれるという厚意は有難かったが、それでは今日のミッションが終了しない。そんな自分の気持ちが理解して貰え、ささやかな嬉しさを感じることが出来た。

奥久慈岩稜の山並を背にしてひたすら車道を歩く 車さえめったに通らない

 ミッション達成!と鼻息が荒いのは良かったが、やはり残り5Kmの道のりはなかなかに遠い。はじめのうちは奥久慈の荒々しい岩稜を眺めながら進むので、車道歩きとはいえ山を降りているといった雰囲気があって気は紛れる。
 しかし、いよいよ標高が下がり時折民家がぽつりぽつりと現れては消え、道路がどんどん広く立派になっても車一台猫の子一匹いない静けさ。世間では新型コロナで大騒ぎしているというのにここは同じ日本なのかと思いたくなるような静けさだ。

約1時間の歩きの末にようやく西金駅へ いやぁ長かった

概略コースタイム

袋田駅発(08:48)-月居山 七曲り登山口(09:20)-月居山(10:07)-鍋転山(10:43)-鍋転山第二展望台(10:58)-
昼食休憩地点(12:08)-昼食休憩-行動再開(12:41)-男体山(13:44)-大円地越(14:08)-
大円地(14:45)-西金駅着(16:01)

カシミール3Dデータ

沿面距離:17.6Km(うち車道7.2Km)
所要時間:7時間13分

カテゴリー: 茨城県の山 | 2件のコメント

年頭雑感

 12月はプツンとブログの更新も途絶えてしまい、すっかりネット的には消息を絶った形になってしまった。
 11月の伊豆の旅で多少鋭気を消耗したというのも正直なところだが、一か月間憑りつかれたようにフィットネス通いに傾倒していたのが事実。このコロナ禍のもと甚だ不適切な行動と指摘される可能性が高いが、施設側もいろいろな対策を講じているし利用者側もそれなりの配慮をしている。少なくとも”我々”としてはそれなりの正義を感じてはいるのだ。

 Withコロナの時代、どのように過ごしていくかというのは非常に難しいものがある。ともすれば同調圧力に依存して安心を得るという日本人のお家芸は戦時下を彷彿とさせると自分は思うのだが、果たして極論なのだろうか。

 医療の逼迫ということならば、コロナ以外にも交通事故やらなにやらリスクの中で生きている現代人としては家から一歩も出なければ良いということになるだろう。

 ましてや登山などはリスクの中へ踏み出していく行為なので、いわんやをやということになると思う。山を登る人ならば多少なりともリスクと自己責任ということについて考えていると思うが、Withコロナの時代は登山以外の日常生活でも更に高い自己判断を伴った行動が求められるのではないかと思う。山の中で自分を守るのが自分自身以外に存在しないのと同じように。

 最近リスキーなものとして挙げられるのが熊との遭遇であろう。今までも山に熊がいるのは決して珍しいことではなかった。登山者も彼らの生息域に足を踏み入れるのにそれなりに謙虚な思いで衝突の起こらないように願いかつそのように行動していた。また熊たちも鋭敏に気配を察知してヒトとの衝突を自ら避けてきたのだ。

 ところがどうだろう。昨年報道された熊出没情報は。市街地への相次ぐ出没。年末にも篠井富屋連峰の南端である兜山の麓でも目撃されている。本来なら冬眠に入らなければならないこの時期、それも独立山域である場所に道路や田畑を横切るという彼らにとってはハイレベルのリスクをもってしても移動する熊の覚悟やいかばかりか。そんな「常軌を逸した」熊には絶対出会いたくないと思うのだ。

 昨年の熊の異常出没については、山の食料が無くなり過疎化した山村に生きる道を求めた末に人間社会に慣れた個体が頻発しているという解釈が一般的である。また、熊の生息数全体が増えており本来の生息域で食料獲得競争の負け組、淘汰されなければいけないグループが逃げ場を失い山を下りているのではという見解もある。要は増えすぎているのではという推察である。
 集団で行動する鹿や、やはり個体数の多い猪は害獣駆除の対象となっているが熊は保護対象になっており、管理頭数の見積の分母となる全体生息数の算出を見誤っているのではということである。

 我が栃木県においては栃木県ツキノワグマ管理計画(四期計画)という計画のもとに熊の保護及び駆除について対応していくようだ。気になったのは2020年4月からの五か年計画の中で、管理区域として宇都宮市が含まれていない事だ。しかし、2008年度に宇都宮市で捕獲実績があり、恒常的な生息域として捉えるという検討の余地が残されているという部分を鑑みるに早い段階での計画修正も必要なのではと思ったりする。

 計画の中にも記述があったが、確かに猪と熊を誤認するというのはあり得る話で、そうありたいと思う気持ちに傾くのは正直なところ。だが、未曾有の異常気象が毎年のように記録を更新し続けて災害をもたらし、ついには未知のウィルスに苛まれる日々。人類と対する自然に急速に変化の時代がやってきていると見るのが妥当のように思えるのだ。

 ずいぶん前置きが長くなったが、年末年始にすっかり弛緩してしまったのでせめて腹ごなしにでもと思い立ち森林公園から古賀志山の北登山道を歩いた。富士見峠の北にある伐採された530mPで久々にカップラーメンを食べてコーヒーを飲みたかったのである。

 10時過ぎに森林公園駐車場に着いたので駐車スペースが心配だったが、幾らか空きがあったのでまずは一安心。
 北登山道のピストンだったが、往来する人はなかなか多く、相変わらずの根強い人気を確認した次第だ。

 下山時のことである。登山道から踏み跡の無い場所を探るようにして進んで行く10名位のハイカーに遭遇した。自分も道の無い所を歩く事は好きだが、しっかりと整備された登山道がある場合は敢えて新しい踏み跡を付けないようにしている。その程度の矜持は持ち合わせているつもりだ。

 普段は滅多に山を歩かないようないでたちの人、幼い子供を連れた家族、そんな沢山の登山者の見ている前で敢えて何も無い山肌に踏み込む70歳を過ぎたと思われるようなグループ、とうに分別が効く筈のそんな人たちに”古賀志山探検”を好きになるのも良いが、もっと”登山”を好きになって欲しいと節に思った次第だ。

530mPより今年の初眺望

北東方面 微かに那須がフレームイン

女峰山が厳しい表情
カテゴリー: 日記 | 4件のコメント

伊豆半島の旅 六日目(最終日)

 長いようで短かった伊豆半島の旅も今日が最終日。
 もう少し伊豆半島に居たかったのだが、帰り道の長さを考えると前日に少し距離を縮めたほうが良いと思い、昨晩は箱根まで走ってきた。

 実は箱根に来るのは生涯で初めてなのだ。東京の人達がお金をばらまきにいくバリバリの観光地じゃん(偏った意見で失礼)という色眼鏡で見ていたので、これまで決して足を運ぶ事もなかったが、車で通り過ぎるレベルなのに案外良さそうな感じじゃないかと感じた。やはり実際に自分の体と目で体験する前に判断するなかれということだろう。周辺も工夫次第では自然どっぷりに楽しむ事も可能なようだ。今後の旅ネタ入りは確定である。

早朝の芦ノ湖

定番の遊覧船 おっ!朝早くから誰か働いているなと思いきや 人形の海賊さん達

 早朝の芦ノ湖観光(とは言わないね。ちょっと眺めただけだから)を早々に終わらせ、仙石原へ。
 すすき草原散策が今回の旅の終点だ。
 生憎、お隣の台ヶ岳から太陽が顔を覗かせていないので陽の当らないすすき原はいまいち精彩を欠く。
 光が当たればキラキラと輝くことだろう。

仙石原のすすき草原で今回の旅をしめくくる

雲がかかっている山が金時山 次回は是非登りたい

 それでも、一瞬の雲の切れ間からの陽光が届けば黄金の輝きを放つ。

 今回の伊豆の旅。天候にはいまいち恵まれなかったが、伊豆の魅力はたっぷりと感じることの出来る素晴らしい旅であったことは間違いない。

 毎日夜になると基本的に寝る事以外は無い車中泊だが、今回の旅のテーマにもなった「しろばんば」をじっくりと読み返したりして、非日常な時間を満喫することができた。
 確かに窮屈で快適でない事も多い車中泊。でも、そんな環境だからこそ、いつもの何倍もの感性で旅をすることの素晴らしさがあるのだと思う。

 車中泊に万歳!

段々と雲が優勢に

総走行距離:850.7Km
ガソリン使用量:37.64L(22.6Km/L 意外にアップダウン区間が多く、燃費が奮わなかった)
   〃金額:\4,564

カテゴリー: 車中泊の旅 | 4件のコメント

伊豆半島の旅 五日目



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 今日は西伊豆の山に登る。
 西伊豆スカイラインにへばりつくような二座なので、それぞれ車から最短距離で登れば30分もかからず山頂を踏むことが可能だ。だが、流石にそれではつまらない。特に達磨山は登山道から振り返る富士山の姿が秀逸ということもあり、戸田峠からのピストン、そして北側の金冠山もまたピストンというルートにした。

 戸田の市街地から西伊豆スカイラインを走り高度を上げていく。ナビに設定した戸田峠(のはず)に駐車し、支度を整えて裏手の階段を登り始めた。
 階段はすぐに途切れて道が無くなりススキの藪となってしまった。おかしいなぁ、事前情報だとかなりしっかりした登山道が整備されている筈なのだが。コンパスを出しても方角的には間違いない。ままよと少し進んでみると道発見。
(下写真)

 戸田峠が差す方に進んでみると、なんと別な駐車場があるではないか。どうやら先ほど自分が停めたのは霧香峠らしく、僅か数十m先に別な峠があるなんて紛らわしいよ。
 スパッツ持ってこなかったので、朝露藪漕ぎの下半身ずぶ濡れで他の登山者から変な視線を浴びせられることを覚悟するも、僅かな距離。杞憂に終わった。っていうか「ここは戸田峠じゃありません」って掲示して欲しかったゾ。
→お役所の方

 しかし、

 実はWikiで調べると戸田峠の愛称が霧香峠だそうな。(これはこれで紛らわしいが)要は駐車場が二か所に分かれていて、登山者用は上でそちらに達磨山と金冠山への道標がしっかりと設置されているだけの話。道標も見ずに勝手に登ってしまう”たわけ者”が単に自分というオチであった(笑)

戸田峠からが正しい登山道なのだが、この後ろのススキから裏口入山

 情報通り登山道はよく整備されて・・・
 いたが、一部区間は既設の階段を外して新しい木製階段に付け替え工事中の模様。
 地面が丸裸なのは良いが、良い塩梅で水分を含んだ粘土質、かつ妙に平らなので滑りやすい。斜度が上がってくると難儀して脇のトラロープのお助け求むだよ。下りは気を抜くとすってんころりんでケツが真っ黒けパターンだぞ。

階段敷設の整備中 粘土っぽい土が露出しているので滑りやすい(結構斜度あるので大変)

高度を上げていくと、眼下に戸田漁港が綺麗に見えた 昨晩はあそこに泊まった

評判通り 振り向くと富士山が良い形 もうちょっとガスが無ければなぁ

一旦登り詰めたところが通過点の小達磨山 眺望はゼロ

小達磨山から一旦下り 西伊豆スカイラインに接合して正面の達磨山へ 東から西へとガスが流れていく

 西伊豆スカイラインから達磨山への最後の登りは背の低い笹原の中に作られた登山道を景色よく登っていく・・・筈だったが、ガスが下から次へ次へと流れてくる。まるで意地悪をするように、自分が進めば進むほど追いかけてくるガスが濃くなってくる。

達磨山の山頂もガスに覆われていた

それでも北側にはガスの切れ間から秀峰富士山を望むことが出来た

 程よく流れる汗も、立ち止まる山頂では徐々に冷たくなってくる。伊豆は本当に暖かいと実感したここ数日であったが、やはり標高の高い場所はしっかりと冷たい冬の空気が支配する世界。下から登ってくるガスも衰える様子はない。早々に山頂を切り上げることにした。

 復路は同じ道のピストンだが、ちょっと気になったのが790.5m三角点。
 調べると、点名:石原沢 三等三角点である。
 すぐそばを歩いていて素通りももったいないので登山道を外させていただき探索。GPSの示すジャストの場所に到達しても石が見つからない、おかしいなぁとぐるぐる探していると、あった!草に隠れそうで見つけ辛かったよ。

 静岡県ハイカーは三角点には興味ないようでオリジナルの山名の板が付くとかそいうことは無し。いや、むしろそういうのがあるのは栃木県くらいなのかなと最近は思ってたりするが、実際のところはどうなのだろうね。そういえば、達磨山は一等三角点だったのに標石見るの忘れてきちゃった(;´∀`)

復路の790.5m三角点を探索

やっと見つけた

 戸田峠(というか登山者用駐車場)まで戻り、お次は金冠山ピストン。こちらは距離も近い。
 しっかり道標の示す通り(笑)進む。序盤は舗装された管理道路歩き。

戸田峠より金冠山に向かう 電波中継所の管理道路

舗装路が終わったら残り300mが登山道? らしかったのは最後の150mくらいかな

 山頂へ到達すると、伊豆半島の付け根と駿河湾が入り組んだ景色が堂々と拡がる。そしてその向こうに富士山。
 なかなかの絶景ではないか。先客の賑やかな女性グループが達磨山に向けて出発した後の静かな山頂で、しばし好眺望を堪能した。やはり海なし県の栃木県民にとって海を見下ろす風景って素敵だなぁ。

伊豆半島の付け根と駿河湾 右端が内浦湾

内浦湾にぽっかり浮かぶのは淡島

こちらは戸田漁港方面

 そろそろ下山という頃に山頂へ登ってきたご夫婦としばし会話する。
 自分は比較的人と話す事が少ない方であるが、流石に一人きりの車中泊が続くと人恋しくなったのか、お二人も結構な山好きらしく、伊豆の山の事とかとりとめのない話にしばらくお付き合いいただいた。

戸田峠と勘違いして駐車した場所 霧香峠であった 金冠山からの下山途中で撮影

 いつもはトイレを利用して着替えるのだが、今日は何も無い駐車場の我が車の影で着替える。まぁ往来する車も殆ど無いし、自分のパンツ姿を見られても構わないが、変質者が居たなんて事案報告されちゃたまらないので素早く迅速に!

 西伊豆スカイラインを南下するのも興味があったが、それは次回のお楽しみにとっておき、戸田漁港で昼飯としようじゃないか。
 今回の外食は昨日の松崎漁港の爆盛り天ぷらに次ぐ二回目だが、今日はあっさりといただきたいところ。
 食べログ検索上位の「の一食堂」へ。

 推しは戸田漁港の特産高足カニらしい。他にも観光客向けのメニューが並ぶが、今日は平日なので日替わりA定食がアジのたたきで税込み1000円ポッキリ。こりゃ安いやということで早速注文した。地元の人もリーズナブルな定食狙いで結構な繁盛ぶりだ。

 待つことしばし、勢いのある姿にお造りされたアジを口に運ぶ。たたきといっても普段我々が口にする包丁で徹底的に身を切ったものとは違い、感覚的にはほぼ刺身。新鮮な身がコリコリとしていて魚の持つ味の力を実感出来る。実に絶品だ。海老出汁の効いた味噌汁もまた美味い。

戸田漁港「の一食堂」で食事 今日はアジのたたきだ

 車に戻る前に戸田漁港を眺めて一休み。先ほど山の上から此処を見下ろしていたのが不思議。
 湾の向こうに見える駿河湾の対岸の山を見ていると、もうちょっとのんびり滞在したいとという気持ちにさえなる。
 繰り返すけど、西伊豆って本当に良い所だなぁと自分は感じた。

食後に戸田漁港を眺める

 戸田漁港を後にすると、県道17号で海沿いの道を伊豆半島の付け根へと北上する。
 いくつかあるビューポイントのうちの一つ、「煌めきの丘」から見る富士山はなかなか素晴らしい。
 雲が無く空気が綺麗な真冬は最高なのかな。でもその時期は寒いので車中泊は無理かな。
 なんて、思いを巡らす。

富士山ビューポイントの一つ「煌めきの丘」より

眼下の明神池は入り江が湾口を閉ざされて出来た珍しい「海跡湖(かいせきこ)」ということだ

流石伊豆 ミカンの木はあちこちで見ることが出来る

 伊豆半島の北西端、大瀬崎へ到達。
 大瀬崎を見渡す箇所も富士山ビューポイントとなっているが、生憎山頂の左端の一部が見えるだけで下は殆ど雲に覆われてしまった。大瀬崎の先端まで行こうとも思ったが、何やら有料駐車場あり、その先はいかにも何も無さそうだったので今回はパス。

大瀬崎と富士山 定番のビューポイントらしいが、富士山は頭のほんの一部分しか見えなかった

 名残惜しいが、これで伊豆半島とはお別れだ。
 海沿いの県道17号をどこまでも走り、沼津市街地から長岡へと進むともう海は無い。
 この旅で散々世話になったマックスバリューで今宵の食料を調達して箱根へと向かう。

 薄暮の頃、すっかり人の姿がまばらになった芦ノ湖畔を横目に、今日の車中泊地である「箱根ビジターセンター」へと到着。
 設営も済み、少し早い時間の夕食をとり終わった頃に外を見渡すと、ビジターセンターの職員が帰った後の駐車場は我が車一台のみ。静かな、そして寂しく、また名残惜しい旅の最後の夜ががやってくる。

内浦湾より見る箱根の山 雲が懸かっていた

概略コースタイム

霧香峠駐車場発(08:29)-登山道へ合流(08:33)-小達磨山(09:04)-達磨山(09:36)-小達磨山(10:11)-
790.5m三角点(10:33)-戸田峠(10:41)-金冠山(10:55)-休憩(00:00)-行動再開(11:19)-霧香峠駐車場着(11:30)

カシミール3Dデータ

沿面距離:6.2Km
所要時間:3時間1分

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伊豆半島の旅 四日目

 昨晩は夜中の2時頃に大きなトラックがやってきてエンジンをかけたまま休憩を始めた。
 すぐ近くだったので流石に気になって眠ることが出来なくなった。
 トイレの近くという好位置を捨て場所移動する。こういったケースがあるので車中泊の間は酒を飲めないのが辛いのだ。

 さて、今日の予定は西伊豆の岬巡りをと考えていたのだが、朝目が覚めてみるとしとしとと小雨が降っているではないか。
 予報を見ると10時頃迄雨はあがりそうもない。こういう時の為にと考えていたのが、地元の図書館で郷土資料を眺めることである。気ままな旅ならではのプランだ。早速スマホで調べてみると、がっくり、なんと暫く休館だそうだ。

 仕方がないので下田市内をあちこち走り廻り幾つかの観光スポットを巡るも、どうにも観光客の受け狙い的な所ばかりでちっとも楽しく無い。そのうち雨も霧雨程度になってきたので、地図で気になっていた下田公園を散策してみることにした。

小雨があがった下田城址公園を散策 

紫陽花の時期には賑やかな花が迎えてくれるらしい

下田市街地を見下ろす

稲生沢川 といってもほぼ運河かな 左手の下田市街地 右手奥がロープウェイのある寝姿山

 天守台跡地には何も無くちょっと寂しい印象であったが、静かな園内を散策出来るのは嬉しいものだ。公園から降りると「ペリーロード」なんていう名前が付いた瀟洒なお店が並ぶ通りとなり、平日のGoTo観光客の姿を沢山見ることになる。

街に戻ってきた 鎮座する大砲に開国の香り

 昨日は下田バーガーを食べて早々に去ってしまった道の駅周辺をもういちど探索。
 閉まっていた市場食堂が今日は営業しているじゃない。後ろ髪惹かれる思いがあったが、昼にはまだ早い。
 それに、少しづつではあるが青空が見え隠れし始めた。ならば、本来の予定である岬へ出発!

やや!黒船襲来か?

「踏海企て」という表現に気迫を感じるなぁ

 石廊崎へ着いた頃には晴れ。駐車場のおじさんも「もうちょっと前だったら土砂降りだったよ。ツイてるねぇ」。
 若干の雲は残るも、ぐんぐんと青空が拡がっていく中、岬の先端を目指す。

石廊崎灯台は人気スポット 観光客の足も途絶えない

岬の先端部

色彩鮮やかな観光船が出発していった

太平洋の展望台と呼ばれているそうな

最先端には事実上独立した神社として扱われる熊野神社の祠がある

手前の岩棚にあるのが石室神社

岩に打ちつける海面は深くかつ荒々しい

急な好天に追いつかず、陸側は未だガスが抜けきれていないようだ

 石廊崎のダイナミックさを堪能したあとは更に西にある奥石廊崎へと巡っていく。複雑な地形が入り組んだ様子は絶好のビューポイントでなかろうか。南伊豆では是非訪れたい場所だ。

南伊豆のもう一つの名所である奥石廊崎 複雑な地形が素晴らしい

複雑に入り組む岩礁と透き通る海が美しい

 車は国道136号を辿り西伊豆へと進む。このあたりは店も街も殆ど無くなり、小さな入り江の漁村から漁村を繋ぐルートとなる。昼時なので腹が減ってきた。飛び込んだ古びた食堂では「ごめんなさい、今は食堂はもうやっていないの」との事。
 西伊豆も南半分になるとなかなか観光資源も見いだせず、好景気の頃に営業していた店もほぼ看板を降ろしてしまっているようだ。

西伊豆へ廻りこむとこんな富士山が随所で見られるようになる

 松崎の街に入ると食事が出来そうな店が幾つか見られるようになった。地魚料理を謳う「さくら」というお店へ。
 メギスという深海魚がこの辺では採れるようで、このメギスが5匹とアジ一匹、他に野菜、超大盛天ぷらに小かまど飯とあら汁と小鉢がついた天ぷら定食1,650円なり。

 いや、とにかく盛が凄いのなんの。食事が出てくるまで周囲の人の食べているところを見て、なんで皆あんなに食べきれない程頼んでいるのだろうと真剣に悩んでいたのだが、いざ自分の番になってびっくり。よくテレビで大食いなんちゃらって番組があるけれど、まさにそのノリなのだ。

 「食の暴力」と表現して賞賛している方のブログ記事も参考にして頂きたい。というか、あますことなくこのお店の魅力を語ったそちらの記事を是非精読して頂きたい。自分も事前に読んでいれば迂闊に入店していなかった筈だ。

 天ぷらの山と格闘することしばし。メギスは味は良いのだが骨が結構あるのでなかなか苦戦する。ようやくすべてを退治した後に、お店のおばちゃんも「良く食べたねぇ」と讃えてくれた。複数人で行ってお互い助け合いながら食べ切るのがこの店での流儀なのかもしれないと悟ったが、自分は孤独なフードファイターであったようだ(笑)

アジとメギス5匹+野菜 盛り沢山の天ぷら

 俄かポッコリお腹が気になるが、まだまだ巡って行こうではないか。幾らか歩き回れば腹もこなれるだろう。
 浮島海岸では地下から隆起したマグマの造形、奇岩を眺める。暮れ行く空にシルエットが浮かぶ様は、おどろおどろしくも美しい。時間があればもう少し長居したかった。しかし、西伊豆は本当に良いところばかりだ。機会を改めて西伊豆だけでも一週間かけて歩きたいと真剣に思っている。

夕闇迫る浮島海岸の奇岩

 そして本日最後の探訪地は黄金崎である。西伊豆は夕日の絶景ポイントが幾つもあるが、果たして今夕、黄金崎にこがねいろの夕景は拡がるか。

黄金崎の「馬ロック」と呼ばれる奇岩 夕日に赤く染まると素晴らしいのだが

夕闇迫る海岸の向こうに富士山が佇む

 生憎、水平線に雲が掛かってしまって綺麗な夕日を見ることは出来なかった。次回の宿題となったが、それでも海の向こうに沈みゆく美しい夕日を見ることが出来た。

残念だが水平線には厚い雲が・・・

 本日の宿泊地、「道の駅 くるら戸田」へ到着。ここは温泉を併設しているので車中泊車には人気がある。キャンピングカーや日産キャラバンのいかにも車中泊仕様といった車が沢山止まっていた。
 何かのキャンペーンをやっていて通常500円のところを半額の250円で入浴出来たのも嬉しかった。入浴後に夕食にしたが、流石に今日は保存食を少し口にしただけ。昼の天ぷらが腹持ちよく、まだしっかりと残っていた。

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伊豆半島の旅 三日目

 中伊豆地方の予報は曇り。午後は雨マークが出ている。午前中に車を離れて歩けるところは歩いてしまおうと思い早めに出発をした。

道の駅の朝 トイレのすぐそばに陣取ることが出来た

 「道の駅 天城越え」より昨日来た道を一旦戻り湯ヶ島へ行く。何のアテも無かったが「天城会館」という観光施設に車を停めて周囲を散策することにした。

 何故湯ヶ島という変哲も無い中伊豆の地を散策に選んだかというと、小学校6年生の時に読んだ井上 靖の少年時代の自叙伝、小説「しろばんば」の舞台が湯ヶ島だったからである。
 「しろばんば」についてはWikiが詳しいのでそちらを参照して頂きたいが、多感な少年時代を様々な経験を経て悩みそして成長していく姿を子供だった自分も投影し共感できることが多く、関連作の「あすなろ物語」や「夏草冬濤」を読み耽った懐かしい思い出がある。 「しろばんば」の中にちりばめられた情景、その舞台である集落の雰囲気だけでも楽しめればと思い、かねてより訪れようと決めていたのだ。

 ところが駐車場で改めて調べてみると、GoogleMapに「上の家」という名前がポイントとして登録されているではないか。「上の家」というのは話の中に出てくる井上家本家のことであり、その建物が今も現存していたのだ。

 思わぬ収穫とばかり写真を撮っていると訝し気に男性が近づいてきた(下写真右端)。
 挨拶をすると、どうやら「上の家」の関係者のようで、更に話を続けると本家五代目の井上時雄さんであるということが判った。
 観光行政で『しろばんばの里』と銘打つだけに見学者がいるらしいが、特に有料とかではなく篤志としての公開を続けているらしい。また、一時期「あすなろ会」という地元女性達の集まりが不定期でカフェを開いていたということはネットで後日知った。現在はの動向は不明だ。

 古い建物には時雄さんのお母様が以前は一人で住んでいたらしいが、今は空き家となり痛みも激しいという。最近クラウドファンディングで資金の目途がついたらしく、来年夏までには修復を行うそうである。

しろばんばの里 湯ヶ島に来た 右端に写っているのが「上の家」五代目の井上時雄さん

これが「上の家」 大夫痛んでいるがCFを受けて修復予定 右隣が時雄さん宅

ご厚意を頂き建物の中も入らせていただいた

物語の人物相関図が掲載されていた

洪作少年が「上の家」から富士山を見た窓

 叔母のさき子が結核で臥せっていた二階の部屋に案内された。曽祖父の妻、しなが沼津藩の家老の娘として嫁入りの時に持ってきた薙刀(刃先は戦中に徴用されたらしい)が鴨居に無造作に置かれていて、それを手に取らせて貰った。細柄でいかにも女性が扱いそうなその薙刀の装飾も当時はきっと美しかったのだろう。

 実際に洪作(井上 靖)が住んでいたのは「上の家」より40m程離れた所で、現在は公園になっていて記念碑が建っており、小説「あすなろ物語」に登場するあすなろの木が残っている。なお、本家の母屋は「道の駅 天城越え」に併設されている昭和の森会館に移築されている。

 ここには井上本家があったが、母屋は貸家として人に貸し、同じ敷地にある土蔵に洪作とおぬいばあさんは住んでいたのである。本来ここに住むはずの井上本家は先ほどの「上の家」で生活をしていたのだ。

井上家の母屋があった場所 奥にしろばんばの記念碑 手前の木はあすなろの古木

 五代目の時雄さんに挨拶をして別れたあと、なおも湯ヶ島の散策は続く。湯道というのがあり、往時、渓谷(狩野川)沿いにあったであろう共同浴場へと続く道を進んでいく。周囲の風景をゆっくり眺めながら歩くと物語の中の子供達が駆け回っている姿が蘇ってくるような思いに包まれた。少なくとも、見上げることの出来る近くの山の稜線などは今も昔もそうは変わらないだろうと思うと、また感慨もひとしおだ。

話中で出てくる湯道を歩いてみた

手書きの案内板があった

当時は手すりは無かっただろ だが、自然の石を配した石畳に情緒あり

朽ちていく廃浴場 こんな共同浴場を使っていたのだろうか

話中の少年たちの駆け回る姿が目に浮かぶ風景

 湯ヶ島を後にすると、次は洪作達が叔母のさき子の死を悼んで超えようとした天城峠方面へと進み、天城峠の直下にある旧天城トンネルを見に行くことにした。

 旧天城トンネルに続く旧国道414号は一部未舗装区間があるも現在でも車の通行が可能である。すれ違いが出来ない、駐車地がない、悪路であるということで、旅行ガイド本などでは水生地下駐車場に車を置いて歩いていくことを推奨している。これに倣い自分も徒歩で車道を進んだ。
 結果的には車両の往来も殆ど無く、道もさほど悪く無いし路側に駐車できる箇所が潤沢なので車で行かなかったのが若干残念だったが、片道約2Kmを歩いてようやく到達する隧道の入り口までの道中は、やはり小説とオーバーラップして感傷的な歩きを楽しむことが出来た。

旧天城トンネルへ向かう 国道414号旧道である

途中に川端康成の「伊豆の踊子」碑があった

こちらが旧天城トンネル 現在も車で通過は可能だが、狭いトンネル内でのすれ違いは不可能

隧道という呼び名が相応しい

隧道の脇を登れば天城峠 いわゆる「天城越え」

トンネルの内部へ少し入ってみた

平日なので車の往来も殆ど無かった

 南へ南へと車を走らせる。ぽつぽつと降っていた雨はやがて本降りとなりワイパーがせわしなく窓を行き来する。今日のこの後の予定は岬巡り。南伊豆の予報は午後に段々天気が回復してくるということであった。
 伊豆半島の背骨でもある中心山間部を貫く国道414号を走り抜け、再び海原にまみえると雨も上がり徐々に天気回復の兆しが見えてきた。

伊豆半島を北から南へ一気に駆け下り再び海を見る

左から 利島、鵜渡根島、新島

 開国の街、下田へ到着。
 道の駅に寄り、昼飯をと物色するが、心の中では最初から「下田バーガー」一択であった。
 下田バーガーは下田の名産品である金目鯛のフライを使ったハンバーガーである。金目鯛のフライにかかったコクのあるソースと二種のチーズのハーモニーが素晴らしかった。地元スーパーの総菜コーナー飯が続いていただけに三日ぶりに食べ応えのある外食となった。ビジュアル的にも申し分ないのでインスタ映えもきっとするのだろう。

下田バーガー どう食べるやら 結局無理やり挟んでガブリ

 青空が拡がり始めるとやはり心が躍る。予定していた爪木崎の駐車場から降りると幾分強い風が吹いていたが気分は爽快。

爪木崎の無料駐車場から

灯台へ向かう

12月に入ると自生スイセンが咲き誇るという

灯台はすぐそこだ

年季が入って味わいのある銘板だな

伊豆半島の屋台骨 天城山脈は雲の中

田浦島の手前を横切る船一隻

田浦島方面 引きでもう一枚

灯台と利島

 爪木崎の西側海岸には「俵磯」と呼ばれる柱状節理が多数見られる。伊豆と本州の衝突にともなう隆起と浸食で地表に姿を現したというのだから壮大。日本全国で柱状節理を見ることが出来るが、自分が見た中ではいままで一番立派で規模が大きいと感じた。

柱状節理の海岸 実に見事だ

ここまで見事なのはなかなかお目にかかれない

椿咲く小径を辿り戻る

 流石に平日の爪木崎は静かそのもの。出会った人は一組の男女のみであった。
 そんな岬を後にして本日の宿泊地である「道の駅 下賀茂温泉 湯の花」へと向かった。

さぁ!今日も泊地へ向かおう
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伊豆半島の旅 二日目



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 天城高原駐車場の夜はトイレにちょっと難があった。
 というのも、照明が全て切れていて完全な闇状態だったのだ。
 ハンドライトとランタンを握りしめて車から往復すること数度。こんな時には頻尿がつくづく悔やまれるというものだ。

 さて、明けた翌朝。勤労感謝の日でもありハイカーの出足は早朝から多い。
 次々と出発していく人達に比べて車中泊組は案外のんびりしている。
 隣に停めたキャンピングカーの窓から子供の顔が所在なさげに覗いては隠れ。親御さんはまだ眠りの中なのだろう。

 今日のコースは半日程度と予定している。もうちょっと早立ちすれば充分午前中に帰着も可能であったが、朝方に昨晩からの強めの風が残っていた為にわざと時間をずらして出発した。
 駐車場から僅かの所にバスの終点停留所があり、そこが天城縦走路の登山口となっている。自家用車が無くても公共交通機関で楽々とアクセスすることが出来るのは素晴らしい。

ずばりそのものバス停前が登山口 利便性抜群

こんな感じ 今回は万三郎岳からシャクナゲコースで周回

序盤 流石に良く踏まれた登山道である 逆にオーバーユース感な箇所も随所にあった

所々歩きにくい箇所もあるが問題ではない

四辻までやってきた 道標が立派で素晴らしい

ツツジの木って小ぶりなものしか見た事が無かったが、天城ツツジはこんなに太くなる

高度が上がってくると徐々に眺望が見られるようになる

 万二郎岳まではさしてキツイ区間も無くあっと言う間に登ってしまった印象。眺望は山頂手前に少しあり、山頂で一気に南方向が拡がる。逆にこのあと万三郎岳に向かう途中と下山路であるシャクナゲコースにはまったく眺望が無く、すなわちこのルート随一の眺望であった。

程なく万二郎岳へ到着

コースを通してこの万二郎岳からの景色がメインとなる 頭を出しているのは伊豆大島の三原山

銀色に光る海面に浮かぶ伊豆諸島 とても幻想的だ

海なし県に住む者にとって素晴らしい景色である

これから向かう万三郎岳(右から二番目のピーク)

 万二郎岳からは一旦高度を下げ、緩く登り返すと馬の背へ。平坦地を暫く進んで行くと途中から大室山の形の良い姿を見ることが出来た。
 大室山は植生保護の為登山が禁じられているが、リフトで山頂の外輪往復が出来る観光ポイントとして有名だ。前日は周辺地域のあまりもの観光客の多さにビビってしまって大室山行きはすっかり諦めてしまったが、機会を改めて是非登ってみたいものだ。

形の良い大室山

万二郎岳からの下りは岩交じりで梯子もあるがよく整備されていて危険は無い

雲が多くなってきたなぁ(*´Д`)

そして万三郎岳 伊豆半島の最高峰 残念ながらここからの眺望はまったく無い

一瞬富士山が見えるポイントがあって思わずシャッターを切った

 万三郎岳から北に向けて一気に高度を下げると、岩交じりの歩きにくい道が続く。
 進行方向が東に変わると山腹を縫うようなルートとなるが、地形図の登山道通りではない微妙な起伏が含まれており、コース終盤の足腰にじわじわと効いてくる。

 途中で2組の親子連れとスライドしたが、父親に手を繋いで貰いながら登る小さな子供は未だ3~4歳程度かな。ゴロゴロと転がる岩は坊やの背丈ほどもあり、超えて行くのもさぞかし難儀だろうにと、涙ながらに爺ちゃん目線で見てしまう。既に11時近くだからあの足運びでは万三郎岳の山頂を踏むにはどのくらい時間がかかるのだろうか。そして、お世辞にも開放感がない山頂、しかも南からどんどんガスが流れて暗くさえある山頂に立つ坊やが少し気の毒に思えた。駐車場から歩きやすく景色の良い万二郎岳へのピストンのほうが良かったのではと老婆心。

山の北側を廻るシャクナゲコースで下山していく 確かに途中シャクナゲが多い箇所もあり花季は賑わうのだろう

伊豆半島の山はやはり植生に独自なものがある

ほぼ下山終了 まるで顔のような愛嬌のある堰堤も思わず撮ってしまった

 下山を済ませると時間が微妙に中途半端だ。
 昼食として持って行ったパンも手を付けずじまいだが、街に降りて何か食べるにしても更に時間が遅くなってしまう。
 駐車場で食べてしまえば良かったのだが、今日の宿泊地へ向かう途中の道路脇に停めて、リアハッチを開け放ってお湯を沸かして昼飯タイム。往来する車の人の視線が少し気にはなるがどこでも食事が出来るのは車中泊仕様の有難さである。

 一旦北上し、西へルートを変え修善寺方面を目指す。
 実は予定していた温泉があったのだが、そちらに着く前に『白岩の湯』という文字が目に入る。
 「共同浴場」という言葉に、これぞ車中泊の旅に相応しと飛び込んだ。

修善寺方面へ移動する途中に見つけた共同浴場

 入浴料は400円也。地元の人は半額の200円。生憎石鹸とシャンプーを持ち合わせていなかったのでそれらを買い求めると650円になった。シャンプーは何回か使える位の量なので持ち帰ってまたどこぞの共同浴場で使えば良いだろう。
 透明な硫酸塩温泉、湯温は自分好みだ。カランは五つしかないが、そもそもこの時間帯はガラガラで自分を含んで三名のみが入浴。
 ドライヤーも何も無い更衣室。自販機も無いホール。シンプルもここに極まりといった佇まいだが、地元の方にとっては必要充分。また流れの旅人にとってはなかなか思い出深い風呂となること請け合いだ。
 ドライヤーが無かったのはチト痛かったが、独り占めの更衣室の扇風機全開で髪の毛を乾かすと、温泉で火照った体もやがてクールダウンした。

地元の人が数人居たのみ 観光客向けとは程遠い

 予定していた今日の車中泊地である道の駅 伊豆月ヶ瀬。最近開設されたばかりの真新しい道の駅で、トイレも綺麗だし設備もなかなか素晴らしい。だが一点だけ難点がある。駐車スペースがほぼ全て平らでないのだ。

 車中泊をする時に自分が一番こだわるのが水平を確保できるかどうかだ。
 寝る時は、助手席裏側を頭にして車の右半分に体を置く。左半分は荷物スペースなので使わない。また、頭の位置は必ず進行方向と決めておりこれが逆になるとドアからの出入りが極めて困難になる為だ。
 従って理想は前後左右平坦、最悪頭が少し高くなっても左右はほぼ平坦を求めたいところ。この為駐車スペースを見繕ってなるべく目標に近い場所を探すことになるのだが、もう一つ重要なのがトイレの近くという要件だ。
 車中泊の一般論だとトイレの近くは夜間も利用者があってうるさいので勧められないというが、自分の場合はトイレの近さは切実なる問題。実際、夜間に車からトイレが離れているのはかなり辛いのである(笑)

 道の駅伊豆月ヶ瀬は全ての駐車スペースが及第するレベルでないので早々に見切りを付けた。代替えの場所として道の駅 天城越えを考えていたのでそちらへと進む。

 明日予定していた浄蓮の滝が途中にあったのでついでに観光してしまおう。もう夕闇が近づきつつあるというのにGoTo観光客の足並みが絶えないなか、自分もその中に混じった。駐車場から滝までは標高差が50m程度あり、帰りの登り返しは温泉あがりの体にはちょっともったいない汗をかいてしまった。

 浄蓮の滝というと石川さゆりの天城越えの歌詞の中に出てくるので有名だが、自分としてはやはりサビの部分の「天城~越~え~」の部分が非常に印象に深く、明日は是非その近くまで行って見ようと思っている。

浄蓮の滝でプチ観光

 道の駅 天城越えに着くとまだ観光客の足並みが途絶えておらず、簡単な設営準備をして様子見とする。道の駅の営業時間は大概が夕方5時までなので、この時期日没ともなれば利用者は殆ど居なくなる。いよいよ車中泊者の活動時間となるのだ。

 今日の車中泊車は数台程度。昨晩は沢山の車が共に一晩を過ごしたが、流石に連休が終わり明日から平日ともなると暇人のみが残る。
 天候は悪く無く、気温も比較的高め。難を言えば傍らの国道を走るトラックの音がうるさいくらいか。それも夜が更けると共に静けさが戻ってくるのであった。

概略コースタイム

駐車場発(07:23)-四辻(07:46)-万二郎岳(08:35)-馬の背(08:57)-万三郎岳(09:52)-
四辻(11:51)-駐車場着(12:10)

カシミール3Dデータ

沿面距離:9.5Km
所要時間:4時間47分

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伊豆半島の旅 一日目

 11月22日より27日までの6日間、伊豆半島車中泊の旅に出かけてきた。
 本来は今年3月の房総半島の旅に引き続き4月に予定していたのだが、緊急事態宣言の発令により中断していたものだった。車中泊は気温の高い時期低い時期は適していない為穏やかな気候の秋にと思っていたのだが、天候や諸事考慮するとなかなかタイミングが見つけられなかった。

 気がかりな点の気温については前年の気象データを見るに概ね良好。実際今回の旅を通して車内の最低気温は最終日の箱根で8度台。伊豆半島内は15度程度と車中泊には最適といえる気温であった。

 天気のほうは、11月の三週まで関東地方は好天続きで恵まれていたが、22日からの一週間はいくらか下降気味。
 前三週が100点なら60点くらいかな。

 房総半島の時は夜の雨予報が一日だけあって、その日だけは民宿に一泊した。
 今回は夜間に降雨の可能性があったが、敢えて車中泊を通すことにした。
 勿論雨が降っていようと車内にいる場合はこれといって問題はないのだが、駐車地に到着したあとの設営行為や夜間のトイレなどを考えると雨は非常に由々しき事態となる。今回はそんな事態も経験してみようじゃないかと思った。

 今日はひたすら移動の日である。
 プータローの車中泊遊びのモットーはどこまでもひたすら下道を行く!である。
 が、・・・ナビで時間を弾くとなにやら憂鬱に。
 早くも挫折して東北道と圏央道を使って青梅ICまでは高速を使ってしまった。
 市街地で渋滞に嵌るにしても埼玉や東京はあまり好きじゃない。せめてもの旅立ちの花向けにと高速代を奢った。

 国道16号、国道129号と繋ぎ南へ進んで行くと、やがて右手の大きな山並が近づいてくる。
 丹沢山塊である。いろいろと有名な山が多いようなので、いくつか人気コースを歩いてみたいもの。

 それまで渋滞もなく順調であったが、国道1号に入ると急に車が進まなくなってきた。
 西湘バイパスに出入りする車で渋滞しているのだ。
 それにしても物凄い車の数だ。ようやく伊東にある道の駅に到達するも、駐車場入りの車列がこれまた長い。
 これに辛抱強く並んでようやくトイレなど済まして見物しようにも超超超と超が三つ付くほどの過密状態だ。
 勿論GoToトラベルが故のことであろう。
 マスクを外しての不要な他人との会話とかは確かにヤバいが、多少の過密は問題ないのではと思っていた。だが、あれだけ密だと本能的にマズイ状態なんじゃと思えてくる。

 人込みを避けるように街を抜け、明日の天城山登山の為の今夜の車中泊地である天城高原駐車場(ハイカー専用)へ車を着けた。
 夕方5時頃に予報通り少し強めの雨が降った。この時期の日没時間は4時半頃だからあたりはとっぷりと暮れている。にも関わらず下山してくる人が結構居たのには驚いた。登山者の数が多く行動する時間帯の幅も広いようだが、事故等などを考慮すると如何なものかと思ってしまう。

 地元スーパーで調達した食料を拡げて伊豆半島初日のささやかな夕餉の始まり。
 夜半、再び雨風が強くなり車体を揺らす。
 そういえば千葉の車中泊初日も風が強くて大層心細かったのを思い出したが、あれから幾らか積み重ねた経験で今は心地よい子守唄のようにさえ感じる。

 冬用シュラフにフリースを着て潜り込んだ。足元にホッカイロを入れれば汗ばむくらいにホカホカ。
 毎回のこどだが、枕に首が馴染むまで時間が少しかかったが、車内はやがて快適なカプセルホテルと化していくのである。

内陸から長々と進みようやく大海原を見ることが出来た

伊豆大島 子供の頃に何度も訪れた思い出の地

鏡のように穏やかな海原を進む船一隻

初島も間近になるが今回は眺めるのみ
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