伊豆半島の旅 五日目



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 今日は西伊豆の山に登る。
 西伊豆スカイラインにへばりつくような二座なので、それぞれ車から最短距離で登れば30分もかからず山頂を踏むことが可能だ。だが、流石にそれではつまらない。特に達磨山は登山道から振り返る富士山の姿が秀逸ということもあり、戸田峠からのピストン、そして北側の金冠山もまたピストンというルートにした。

 戸田の市街地から西伊豆スカイラインを走り高度を上げていく。ナビに設定した戸田峠(のはず)に駐車し、支度を整えて裏手の階段を登り始めた。
 階段はすぐに途切れて道が無くなりススキの藪となってしまった。おかしいなぁ、事前情報だとかなりしっかりした登山道が整備されている筈なのだが。コンパスを出しても方角的には間違いない。ままよと少し進んでみると道発見。
(下写真)

 戸田峠が差す方に進んでみると、なんと別な駐車場があるではないか。どうやら先ほど自分が停めたのは霧香峠らしく、僅か数十m先に別な峠があるなんて紛らわしいよ。
 スパッツ持ってこなかったので、朝露藪漕ぎの下半身ずぶ濡れで他の登山者から変な視線を浴びせられることを覚悟するも、僅かな距離。杞憂に終わった。っていうか「ここは戸田峠じゃありません」って掲示して欲しかったゾ。
→お役所の方

 しかし、

 実はWikiで調べると戸田峠の愛称が霧香峠だそうな。(これはこれで紛らわしいが)要は駐車場が二か所に分かれていて、登山者用は上でそちらに達磨山と金冠山への道標がしっかりと設置されているだけの話。道標も見ずに勝手に登ってしまう”たわけ者”が単に自分というオチであった(笑)

戸田峠からが正しい登山道なのだが、この後ろのススキから裏口入山

 情報通り登山道はよく整備されて・・・
 いたが、一部区間は既設の階段を外して新しい木製階段に付け替え工事中の模様。
 地面が丸裸なのは良いが、良い塩梅で水分を含んだ粘土質、かつ妙に平らなので滑りやすい。斜度が上がってくると難儀して脇のトラロープのお助け求むだよ。下りは気を抜くとすってんころりんでケツが真っ黒けパターンだぞ。

階段敷設の整備中 粘土っぽい土が露出しているので滑りやすい(結構斜度あるので大変)

高度を上げていくと、眼下に戸田漁港が綺麗に見えた 昨晩はあそこに泊まった

評判通り 振り向くと富士山が良い形 もうちょっとガスが無ければなぁ

一旦登り詰めたところが通過点の小達磨山 眺望はゼロ

小達磨山から一旦下り 西伊豆スカイラインに接合して正面の達磨山へ 東から西へとガスが流れていく

 西伊豆スカイラインから達磨山への最後の登りは背の低い笹原の中に作られた登山道を景色よく登っていく・・・筈だったが、ガスが下から次へ次へと流れてくる。まるで意地悪をするように、自分が進めば進むほど追いかけてくるガスが濃くなってくる。

達磨山の山頂もガスに覆われていた

それでも北側にはガスの切れ間から秀峰富士山を望むことが出来た

 程よく流れる汗も、立ち止まる山頂では徐々に冷たくなってくる。伊豆は本当に暖かいと実感したここ数日であったが、やはり標高の高い場所はしっかりと冷たい冬の空気が支配する世界。下から登ってくるガスも衰える様子はない。早々に山頂を切り上げることにした。

 復路は同じ道のピストンだが、ちょっと気になったのが790.5m三角点。
 調べると、点名:石原沢 三等三角点である。
 すぐそばを歩いていて素通りももったいないので登山道を外させていただき探索。GPSの示すジャストの場所に到達しても石が見つからない、おかしいなぁとぐるぐる探していると、あった!草に隠れそうで見つけ辛かったよ。

 静岡県ハイカーは三角点には興味ないようでオリジナルの山名の板が付くとかそいうことは無し。いや、むしろそういうのがあるのは栃木県くらいなのかなと最近は思ってたりするが、実際のところはどうなのだろうね。そういえば、達磨山は一等三角点だったのに標石見るの忘れてきちゃった(;´∀`)

復路の790.5m三角点を探索

やっと見つけた

 戸田峠(というか登山者用駐車場)まで戻り、お次は金冠山ピストン。こちらは距離も近い。
 しっかり道標の示す通り(笑)進む。序盤は舗装された管理道路歩き。

戸田峠より金冠山に向かう 電波中継所の管理道路

舗装路が終わったら残り300mが登山道? らしかったのは最後の150mくらいかな

 山頂へ到達すると、伊豆半島の付け根と駿河湾が入り組んだ景色が堂々と拡がる。そしてその向こうに富士山。
 なかなかの絶景ではないか。先客の賑やかな女性グループが達磨山に向けて出発した後の静かな山頂で、しばし好眺望を堪能した。やはり海なし県の栃木県民にとって海を見下ろす風景って素敵だなぁ。

伊豆半島の付け根と駿河湾 右端が内浦湾

内浦湾にぽっかり浮かぶのは淡島

こちらは戸田漁港方面

 そろそろ下山という頃に山頂へ登ってきたご夫婦としばし会話する。
 自分は比較的人と話す事が少ない方であるが、流石に一人きりの車中泊が続くと人恋しくなったのか、お二人も結構な山好きらしく、伊豆の山の事とかとりとめのない話にしばらくお付き合いいただいた。

戸田峠と勘違いして駐車した場所 霧香峠であった 金冠山からの下山途中で撮影

 いつもはトイレを利用して着替えるのだが、今日は何も無い駐車場の我が車の影で着替える。まぁ往来する車も殆ど無いし、自分のパンツ姿を見られても構わないが、変質者が居たなんて事案報告されちゃたまらないので素早く迅速に!

 西伊豆スカイラインを南下するのも興味があったが、それは次回のお楽しみにとっておき、戸田漁港で昼飯としようじゃないか。
 今回の外食は昨日の松崎漁港の爆盛り天ぷらに次ぐ二回目だが、今日はあっさりといただきたいところ。
 食べログ検索上位の「の一食堂」へ。

 推しは戸田漁港の特産高足カニらしい。他にも観光客向けのメニューが並ぶが、今日は平日なので日替わりA定食がアジのたたきで税込み1000円ポッキリ。こりゃ安いやということで早速注文した。地元の人もリーズナブルな定食狙いで結構な繁盛ぶりだ。

 待つことしばし、勢いのある姿にお造りされたアジを口に運ぶ。たたきといっても普段我々が口にする包丁で徹底的に身を切ったものとは違い、感覚的にはほぼ刺身。新鮮な身がコリコリとしていて魚の持つ味の力を実感出来る。実に絶品だ。海老出汁の効いた味噌汁もまた美味い。

戸田漁港「の一食堂」で食事 今日はアジのたたきだ

 車に戻る前に戸田漁港を眺めて一休み。先ほど山の上から此処を見下ろしていたのが不思議。
 湾の向こうに見える駿河湾の対岸の山を見ていると、もうちょっとのんびり滞在したいとという気持ちにさえなる。
 繰り返すけど、西伊豆って本当に良い所だなぁと自分は感じた。

食後に戸田漁港を眺める

 戸田漁港を後にすると、県道17号で海沿いの道を伊豆半島の付け根へと北上する。
 いくつかあるビューポイントのうちの一つ、「煌めきの丘」から見る富士山はなかなか素晴らしい。
 雲が無く空気が綺麗な真冬は最高なのかな。でもその時期は寒いので車中泊は無理かな。
 なんて、思いを巡らす。

富士山ビューポイントの一つ「煌めきの丘」より

眼下の明神池は入り江が湾口を閉ざされて出来た珍しい「海跡湖(かいせきこ)」ということだ

流石伊豆 ミカンの木はあちこちで見ることが出来る

 伊豆半島の北西端、大瀬崎へ到達。
 大瀬崎を見渡す箇所も富士山ビューポイントとなっているが、生憎山頂の左端の一部が見えるだけで下は殆ど雲に覆われてしまった。大瀬崎の先端まで行こうとも思ったが、何やら有料駐車場あり、その先はいかにも何も無さそうだったので今回はパス。

大瀬崎と富士山 定番のビューポイントらしいが、富士山は頭のほんの一部分しか見えなかった

 名残惜しいが、これで伊豆半島とはお別れだ。
 海沿いの県道17号をどこまでも走り、沼津市街地から長岡へと進むともう海は無い。
 この旅で散々世話になったマックスバリューで今宵の食料を調達して箱根へと向かう。

 薄暮の頃、すっかり人の姿がまばらになった芦ノ湖畔を横目に、今日の車中泊地である「箱根ビジターセンター」へと到着。
 設営も済み、少し早い時間の夕食をとり終わった頃に外を見渡すと、ビジターセンターの職員が帰った後の駐車場は我が車一台のみ。静かな、そして寂しく、また名残惜しい旅の最後の夜ががやってくる。

内浦湾より見る箱根の山 雲が懸かっていた

概略コースタイム

霧香峠駐車場発(08:29)-登山道へ合流(08:33)-小達磨山(09:04)-達磨山(09:36)-小達磨山(10:11)-
790.5m三角点(10:33)-戸田峠(10:41)-金冠山(10:55)-休憩(00:00)-行動再開(11:19)-霧香峠駐車場着(11:30)

カシミール3Dデータ

沿面距離:6.2Km
所要時間:3時間1分

カテゴリー: 車中泊の旅, 静岡県の山 | コメントをどうぞ

伊豆半島の旅 四日目

 昨晩は夜中の2時頃に大きなトラックがやってきてエンジンをかけたまま休憩を始めた。
 すぐ近くだったので流石に気になって眠ることが出来なくなった。
 トイレの近くという好位置を捨て場所移動する。こういったケースがあるので車中泊の間は酒を飲めないのが辛いのだ。

 さて、今日の予定は西伊豆の岬巡りをと考えていたのだが、朝目が覚めてみるとしとしとと小雨が降っているではないか。
 予報を見ると10時頃迄雨はあがりそうもない。こういう時の為にと考えていたのが、地元の図書館で郷土資料を眺めることである。気ままな旅ならではのプランだ。早速スマホで調べてみると、がっくり、なんと暫く休館だそうだ。

 仕方がないので下田市内をあちこち走り廻り幾つかの観光スポットを巡るも、どうにも観光客の受け狙い的な所ばかりでちっとも楽しく無い。そのうち雨も霧雨程度になってきたので、地図で気になっていた下田公園を散策してみることにした。

小雨があがった下田城址公園を散策 

紫陽花の時期には賑やかな花が迎えてくれるらしい

下田市街地を見下ろす

稲生沢川 といってもほぼ運河かな 左手の下田市街地 右手奥がロープウェイのある寝姿山

 天守台跡地には何も無くちょっと寂しい印象であったが、静かな園内を散策出来るのは嬉しいものだ。公園から降りると「ペリーロード」なんていう名前が付いた瀟洒なお店が並ぶ通りとなり、平日のGoTo観光客の姿を沢山見ることになる。

街に戻ってきた 鎮座する大砲に開国の香り

 昨日は下田バーガーを食べて早々に去ってしまった道の駅周辺をもういちど探索。
 閉まっていた市場食堂が今日は営業しているじゃない。後ろ髪惹かれる思いがあったが、昼にはまだ早い。
 それに、少しづつではあるが青空が見え隠れし始めた。ならば、本来の予定である岬へ出発!

やや!黒船襲来か?

「踏海企て」という表現に気迫を感じるなぁ

 石廊崎へ着いた頃には晴れ。駐車場のおじさんも「もうちょっと前だったら土砂降りだったよ。ツイてるねぇ」。
 若干の雲は残るも、ぐんぐんと青空が拡がっていく中、岬の先端を目指す。

石廊崎灯台は人気スポット 観光客の足も途絶えない

岬の先端部

色彩鮮やかな観光船が出発していった

太平洋の展望台と呼ばれているそうな

最先端には事実上独立した神社として扱われる熊野神社の祠がある

手前の岩棚にあるのが石室神社

岩に打ちつける海面は深くかつ荒々しい

急な好天に追いつかず、陸側は未だガスが抜けきれていないようだ

 石廊崎のダイナミックさを堪能したあとは更に西にある奥石廊崎へと巡っていく。複雑な地形が入り組んだ様子は絶好のビューポイントでなかろうか。南伊豆では是非訪れたい場所だ。

南伊豆のもう一つの名所である奥石廊崎 複雑な地形が素晴らしい

複雑に入り組む岩礁と透き通る海が美しい

 車は国道136号を辿り西伊豆へと進む。このあたりは店も街も殆ど無くなり、小さな入り江の漁村から漁村を繋ぐルートとなる。昼時なので腹が減ってきた。飛び込んだ古びた食堂では「ごめんなさい、今は食堂はもうやっていないの」との事。
 西伊豆も南半分になるとなかなか観光資源も見いだせず、好景気の頃に営業していた店もほぼ看板を降ろしてしまっているようだ。

西伊豆へ廻りこむとこんな富士山が随所で見られるようになる

 松崎の街に入ると食事が出来そうな店が幾つか見られるようになった。地魚料理を謳う「さくら」というお店へ。
 メギスという深海魚がこの辺では採れるようで、このメギスが5匹とアジ一匹、他に野菜、超大盛天ぷらに小かまど飯とあら汁と小鉢がついた天ぷら定食1,650円なり。

 いや、とにかく盛が凄いのなんの。食事が出てくるまで周囲の人の食べているところを見て、なんで皆あんなに食べきれない程頼んでいるのだろうと真剣に悩んでいたのだが、いざ自分の番になってびっくり。よくテレビで大食いなんちゃらって番組があるけれど、まさにそのノリなのだ。

 「食の暴力」と表現して賞賛している方のブログ記事も参考にして頂きたい。というか、あますことなくこのお店の魅力を語ったそちらの記事を是非精読して頂きたい。自分も事前に読んでいれば迂闊に入店していなかった筈だ。

 天ぷらの山と格闘することしばし。メギスは味は良いのだが骨が結構あるのでなかなか苦戦する。ようやくすべてを退治した後に、お店のおばちゃんも「良く食べたねぇ」と讃えてくれた。複数人で行ってお互い助け合いながら食べ切るのがこの店での流儀なのかもしれないと悟ったが、自分は孤独なフードファイターであったようだ(笑)

アジとメギス5匹+野菜 盛り沢山の天ぷら

 俄かポッコリお腹が気になるが、まだまだ巡って行こうではないか。幾らか歩き回れば腹もこなれるだろう。
 浮島海岸では地下から隆起したマグマの造形、奇岩を眺める。暮れ行く空にシルエットが浮かぶ様は、おどろおどろしくも美しい。時間があればもう少し長居したかった。しかし、西伊豆は本当に良いところばかりだ。機会を改めて西伊豆だけでも一週間かけて歩きたいと真剣に思っている。

夕闇迫る浮島海岸の奇岩

 そして本日最後の探訪地は黄金崎である。西伊豆は夕日の絶景ポイントが幾つもあるが、果たして今夕、黄金崎にこがねいろの夕景は拡がるか。

黄金崎の「馬ロック」と呼ばれる奇岩 夕日に赤く染まると素晴らしいのだが

夕闇迫る海岸の向こうに富士山が佇む

 生憎、水平線に雲が掛かってしまって綺麗な夕日を見ることは出来なかった。次回の宿題となったが、それでも海の向こうに沈みゆく美しい夕日を見ることが出来た。

残念だが水平線には厚い雲が・・・

 本日の宿泊地、「道の駅 くるら戸田」へ到着。ここは温泉を併設しているので車中泊車には人気がある。キャンピングカーや日産キャラバンのいかにも車中泊仕様といった車が沢山止まっていた。
 何かのキャンペーンをやっていて通常500円のところを半額の250円で入浴出来たのも嬉しかった。入浴後に夕食にしたが、流石に今日は保存食を少し口にしただけ。昼の天ぷらが腹持ちよく、まだしっかりと残っていた。

カテゴリー: 車中泊の旅 | コメントをどうぞ

伊豆半島の旅 三日目

 中伊豆地方の予報は曇り。午後は雨マークが出ている。午前中に車を離れて歩けるところは歩いてしまおうと思い早めに出発をした。

道の駅の朝 トイレのすぐそばに陣取ることが出来た

 「道の駅 天城越え」より昨日来た道を一旦戻り湯ヶ島へ行く。何のアテも無かったが「天城会館」という観光施設に車を停めて周囲を散策することにした。

 何故湯ヶ島という変哲も無い中伊豆の地を散策に選んだかというと、小学校6年生の時に読んだ井上 靖の少年時代の自叙伝、小説「しろばんば」の舞台が湯ヶ島だったからである。
 「しろばんば」についてはWikiが詳しいのでそちらを参照して頂きたいが、多感な少年時代を様々な経験を経て悩みそして成長していく姿を子供だった自分も投影し共感できることが多く、関連作の「あすなろ物語」や「夏草冬濤」を読み耽った懐かしい思い出がある。 「しろばんば」の中にちりばめられた情景、その舞台である集落の雰囲気だけでも楽しめればと思い、かねてより訪れようと決めていたのだ。

 ところが駐車場で改めて調べてみると、GoogleMapに「上の家」という名前がポイントとして登録されているではないか。「上の家」というのは話の中に出てくる井上家本家のことであり、その建物が今も現存していたのだ。

 思わぬ収穫とばかり写真を撮っていると訝し気に男性が近づいてきた(下写真右端)。
 挨拶をすると、どうやら「上の家」の関係者のようで、更に話を続けると本家五代目の井上時雄さんであるということが判った。
 観光行政で『しろばんばの里』と銘打つだけに見学者がいるらしいが、特に有料とかではなく篤志としての公開を続けているらしい。また、一時期「あすなろ会」という地元女性達の集まりが不定期でカフェを開いていたということはネットで後日知った。現在はの動向は不明だ。

 古い建物には時雄さんのお母様が以前は一人で住んでいたらしいが、今は空き家となり痛みも激しいという。最近クラウドファンディングで資金の目途がついたらしく、来年夏までには修復を行うそうである。

しろばんばの里 湯ヶ島に来た 右端に写っているのが「上の家」五代目の井上時雄さん

これが「上の家」 大夫痛んでいるがCFを受けて修復予定 右隣が時雄さん宅

ご厚意を頂き建物の中も入らせていただいた

物語の人物相関図が掲載されていた

洪作少年が「上の家」から富士山を見た窓

 叔母のさき子が結核で臥せっていた二階の部屋に案内された。曽祖父の妻、しなが沼津藩の家老の娘として嫁入りの時に持ってきた薙刀(刃先は戦中に徴用されたらしい)が鴨居に無造作に置かれていて、それを手に取らせて貰った。細柄でいかにも女性が扱いそうなその薙刀の装飾も当時はきっと美しかったのだろう。

 実際に洪作(井上 靖)が住んでいたのは「上の家」より40m程離れた所で、現在は公園になっていて記念碑が建っており、小説「あすなろ物語」に登場するあすなろの木が残っている。なお、本家の母屋は「道の駅 天城越え」に併設されている昭和の森会館に移築されている。

 ここには井上本家があったが、母屋は貸家として人に貸し、同じ敷地にある土蔵に洪作とおぬいばあさんは住んでいたのである。本来ここに住むはずの井上本家は先ほどの「上の家」で生活をしていたのだ。

井上家の母屋があった場所 奥にしろばんばの記念碑 手前の木はあすなろの古木

 五代目の時雄さんに挨拶をして別れたあと、なおも湯ヶ島の散策は続く。湯道というのがあり、往時、渓谷(狩野川)沿いにあったであろう共同浴場へと続く道を進んでいく。周囲の風景をゆっくり眺めながら歩くと物語の中の子供達が駆け回っている姿が蘇ってくるような思いに包まれた。少なくとも、見上げることの出来る近くの山の稜線などは今も昔もそうは変わらないだろうと思うと、また感慨もひとしおだ。

話中で出てくる湯道を歩いてみた

手書きの案内板があった

当時は手すりは無かっただろ だが、自然の石を配した石畳に情緒あり

朽ちていく廃浴場 こんな共同浴場を使っていたのだろうか

話中の少年たちの駆け回る姿が目に浮かぶ風景

 湯ヶ島を後にすると、次は洪作達が叔母のさき子の死を悼んで超えようとした天城峠方面へと進み、天城峠の直下にある旧天城トンネルを見に行くことにした。

 旧天城トンネルに続く旧国道414号は一部未舗装区間があるも現在でも車の通行が可能である。すれ違いが出来ない、駐車地がない、悪路であるということで、旅行ガイド本などでは水生地下駐車場に車を置いて歩いていくことを推奨している。これに倣い自分も徒歩で車道を進んだ。
 結果的には車両の往来も殆ど無く、道もさほど悪く無いし路側に駐車できる箇所が潤沢なので車で行かなかったのが若干残念だったが、片道約2Kmを歩いてようやく到達する隧道の入り口までの道中は、やはり小説とオーバーラップして感傷的な歩きを楽しむことが出来た。

旧天城トンネルへ向かう 国道414号旧道である

途中に川端康成の「伊豆の踊子」碑があった

こちらが旧天城トンネル 現在も車で通過は可能だが、狭いトンネル内でのすれ違いは不可能

隧道という呼び名が相応しい

隧道の脇を登れば天城峠 いわゆる「天城越え」

トンネルの内部へ少し入ってみた

平日なので車の往来も殆ど無かった

 南へ南へと車を走らせる。ぽつぽつと降っていた雨はやがて本降りとなりワイパーがせわしなく窓を行き来する。今日のこの後の予定は岬巡り。南伊豆の予報は午後に段々天気が回復してくるということであった。
 伊豆半島の背骨でもある中心山間部を貫く国道414号を走り抜け、再び海原にまみえると雨も上がり徐々に天気回復の兆しが見えてきた。

伊豆半島を北から南へ一気に駆け下り再び海を見る

左から 利島、鵜渡根島、新島

 開国の街、下田へ到着。
 道の駅に寄り、昼飯をと物色するが、心の中では最初から「下田バーガー」一択であった。
 下田バーガーは下田の名産品である金目鯛のフライを使ったハンバーガーである。金目鯛のフライにかかったコクのあるソースと二種のチーズのハーモニーが素晴らしかった。地元スーパーの総菜コーナー飯が続いていただけに三日ぶりに食べ応えのある外食となった。ビジュアル的にも申し分ないのでインスタ映えもきっとするのだろう。

下田バーガー どう食べるやら 結局無理やり挟んでガブリ

 青空が拡がり始めるとやはり心が躍る。予定していた爪木崎の駐車場から降りると幾分強い風が吹いていたが気分は爽快。

爪木崎の無料駐車場から

灯台へ向かう

12月に入ると自生スイセンが咲き誇るという

灯台はすぐそこだ

年季が入って味わいのある銘板だな

伊豆半島の屋台骨 天城山脈は雲の中

田浦島の手前を横切る船一隻

田浦島方面 引きでもう一枚

灯台と利島

 爪木崎の西側海岸には「俵磯」と呼ばれる柱状節理が多数見られる。伊豆と本州の衝突にともなう隆起と浸食で地表に姿を現したというのだから壮大。日本全国で柱状節理を見ることが出来るが、自分が見た中ではいままで一番立派で規模が大きいと感じた。

柱状節理の海岸 実に見事だ

ここまで見事なのはなかなかお目にかかれない

椿咲く小径を辿り戻る

 流石に平日の爪木崎は静かそのもの。出会った人は一組の男女のみであった。
 そんな岬を後にして本日の宿泊地である「道の駅 下賀茂温泉 湯の花」へと向かった。

さぁ!今日も泊地へ向かおう
カテゴリー: 車中泊の旅 | コメントをどうぞ

伊豆半島の旅 二日目



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 天城高原駐車場の夜はトイレにちょっと難があった。
 というのも、照明が全て切れていて完全な闇状態だったのだ。
 ハンドライトとランタンを握りしめて車から往復すること数度。こんな時には頻尿がつくづく悔やまれるというものだ。

 さて、明けた翌朝。勤労感謝の日でもありハイカーの出足は早朝から多い。
 次々と出発していく人達に比べて車中泊組は案外のんびりしている。
 隣に停めたキャンピングカーの窓から子供の顔が所在なさげに覗いては隠れ。親御さんはまだ眠りの中なのだろう。

 今日のコースは半日程度と予定している。もうちょっと早立ちすれば充分午前中に帰着も可能であったが、朝方に昨晩からの強めの風が残っていた為にわざと時間をずらして出発した。
 駐車場から僅かの所にバスの終点停留所があり、そこが天城縦走路の登山口となっている。自家用車が無くても公共交通機関で楽々とアクセスすることが出来るのは素晴らしい。

ずばりそのものバス停前が登山口 利便性抜群

こんな感じ 今回は万三郎岳からシャクナゲコースで周回

序盤 流石に良く踏まれた登山道である 逆にオーバーユース感な箇所も随所にあった

所々歩きにくい箇所もあるが問題ではない

四辻までやってきた 道標が立派で素晴らしい

ツツジの木って小ぶりなものしか見た事が無かったが、天城ツツジはこんなに太くなる

高度が上がってくると徐々に眺望が見られるようになる

 万二郎岳まではさしてキツイ区間も無くあっと言う間に登ってしまった印象。眺望は山頂手前に少しあり、山頂で一気に南方向が拡がる。逆にこのあと万三郎岳に向かう途中と下山路であるシャクナゲコースにはまったく眺望が無く、すなわちこのルート随一の眺望であった。

程なく万二郎岳へ到着

コースを通してこの万二郎岳からの景色がメインとなる 頭を出しているのは伊豆大島の三原山

銀色に光る海面に浮かぶ伊豆諸島 とても幻想的だ

海なし県に住む者にとって素晴らしい景色である

これから向かう万三郎岳(右から二番目のピーク)

 万二郎岳からは一旦高度を下げ、緩く登り返すと馬の背へ。平坦地を暫く進んで行くと途中から大室山の形の良い姿を見ることが出来た。
 大室山は植生保護の為登山が禁じられているが、リフトで山頂の外輪往復が出来る観光ポイントとして有名だ。前日は周辺地域のあまりもの観光客の多さにビビってしまって大室山行きはすっかり諦めてしまったが、機会を改めて是非登ってみたいものだ。

形の良い大室山

万二郎岳からの下りは岩交じりで梯子もあるがよく整備されていて危険は無い

雲が多くなってきたなぁ(*´Д`)

そして万三郎岳 伊豆半島の最高峰 残念ながらここからの眺望はまったく無い

一瞬富士山が見えるポイントがあって思わずシャッターを切った

 万三郎岳から北に向けて一気に高度を下げると、岩交じりの歩きにくい道が続く。
 進行方向が東に変わると山腹を縫うようなルートとなるが、地形図の登山道通りではない微妙な起伏が含まれており、コース終盤の足腰にじわじわと効いてくる。

 途中で2組の親子連れとスライドしたが、父親に手を繋いで貰いながら登る小さな子供は未だ3~4歳程度かな。ゴロゴロと転がる岩は坊やの背丈ほどもあり、超えて行くのもさぞかし難儀だろうにと、涙ながらに爺ちゃん目線で見てしまう。既に11時近くだからあの足運びでは万三郎岳の山頂を踏むにはどのくらい時間がかかるのだろうか。そして、お世辞にも開放感がない山頂、しかも南からどんどんガスが流れて暗くさえある山頂に立つ坊やが少し気の毒に思えた。駐車場から歩きやすく景色の良い万二郎岳へのピストンのほうが良かったのではと老婆心。

山の北側を廻るシャクナゲコースで下山していく 確かに途中シャクナゲが多い箇所もあり花季は賑わうのだろう

伊豆半島の山はやはり植生に独自なものがある

ほぼ下山終了 まるで顔のような愛嬌のある堰堤も思わず撮ってしまった

 下山を済ませると時間が微妙に中途半端だ。
 昼食として持って行ったパンも手を付けずじまいだが、街に降りて何か食べるにしても更に時間が遅くなってしまう。
 駐車場で食べてしまえば良かったのだが、今日の宿泊地へ向かう途中の道路脇に停めて、リアハッチを開け放ってお湯を沸かして昼飯タイム。往来する車の人の視線が少し気にはなるがどこでも食事が出来るのは車中泊仕様の有難さである。

 一旦北上し、西へルートを変え修善寺方面を目指す。
 実は予定していた温泉があったのだが、そちらに着く前に『白岩の湯』という文字が目に入る。
 「共同浴場」という言葉に、これぞ車中泊の旅に相応しと飛び込んだ。

修善寺方面へ移動する途中に見つけた共同浴場

 入浴料は400円也。地元の人は半額の200円。生憎石鹸とシャンプーを持ち合わせていなかったのでそれらを買い求めると650円になった。シャンプーは何回か使える位の量なので持ち帰ってまたどこぞの共同浴場で使えば良いだろう。
 透明な硫酸塩温泉、湯温は自分好みだ。カランは五つしかないが、そもそもこの時間帯はガラガラで自分を含んで三名のみが入浴。
 ドライヤーも何も無い更衣室。自販機も無いホール。シンプルもここに極まりといった佇まいだが、地元の方にとっては必要充分。また流れの旅人にとってはなかなか思い出深い風呂となること請け合いだ。
 ドライヤーが無かったのはチト痛かったが、独り占めの更衣室の扇風機全開で髪の毛を乾かすと、温泉で火照った体もやがてクールダウンした。

地元の人が数人居たのみ 観光客向けとは程遠い

 予定していた今日の車中泊地である道の駅 伊豆月ヶ瀬。最近開設されたばかりの真新しい道の駅で、トイレも綺麗だし設備もなかなか素晴らしい。だが一点だけ難点がある。駐車スペースがほぼ全て平らでないのだ。

 車中泊をする時に自分が一番こだわるのが水平を確保できるかどうかだ。
 寝る時は、助手席裏側を頭にして車の右半分に体を置く。左半分は荷物スペースなので使わない。また、頭の位置は必ず進行方向と決めておりこれが逆になるとドアからの出入りが極めて困難になる為だ。
 従って理想は前後左右平坦、最悪頭が少し高くなっても左右はほぼ平坦を求めたいところ。この為駐車スペースを見繕ってなるべく目標に近い場所を探すことになるのだが、もう一つ重要なのがトイレの近くという要件だ。
 車中泊の一般論だとトイレの近くは夜間も利用者があってうるさいので勧められないというが、自分の場合はトイレの近さは切実なる問題。実際、夜間に車からトイレが離れているのはかなり辛いのである(笑)

 道の駅伊豆月ヶ瀬は全ての駐車スペースが及第するレベルでないので早々に見切りを付けた。代替えの場所として道の駅 天城越えを考えていたのでそちらへと進む。

 明日予定していた浄蓮の滝が途中にあったのでついでに観光してしまおう。もう夕闇が近づきつつあるというのにGoTo観光客の足並みが絶えないなか、自分もその中に混じった。駐車場から滝までは標高差が50m程度あり、帰りの登り返しは温泉あがりの体にはちょっともったいない汗をかいてしまった。

 浄蓮の滝というと石川さゆりの天城越えの歌詞の中に出てくるので有名だが、自分としてはやはりサビの部分の「天城~越~え~」の部分が非常に印象に深く、明日は是非その近くまで行って見ようと思っている。

浄蓮の滝でプチ観光

 道の駅 天城越えに着くとまだ観光客の足並みが途絶えておらず、簡単な設営準備をして様子見とする。道の駅の営業時間は大概が夕方5時までなので、この時期日没ともなれば利用者は殆ど居なくなる。いよいよ車中泊者の活動時間となるのだ。

 今日の車中泊車は数台程度。昨晩は沢山の車が共に一晩を過ごしたが、流石に連休が終わり明日から平日ともなると暇人のみが残る。
 天候は悪く無く、気温も比較的高め。難を言えば傍らの国道を走るトラックの音がうるさいくらいか。それも夜が更けると共に静けさが戻ってくるのであった。

概略コースタイム

駐車場発(07:23)-四辻(07:46)-万二郎岳(08:35)-馬の背(08:57)-万三郎岳(09:52)-
四辻(11:51)-駐車場着(12:10)

カシミール3Dデータ

沿面距離:9.5Km
所要時間:4時間47分

カテゴリー: 車中泊の旅, 静岡県の山 | コメントをどうぞ

伊豆半島の旅 一日目

 11月22日より27日までの6日間、伊豆半島車中泊の旅に出かけてきた。
 本来は今年3月の房総半島の旅に引き続き4月に予定していたのだが、緊急事態宣言の発令により中断していたものだった。車中泊は気温の高い時期低い時期は適していない為穏やかな気候の秋にと思っていたのだが、天候や諸事考慮するとなかなかタイミングが見つけられなかった。

 気がかりな点の気温については前年の気象データを見るに概ね良好。実際今回の旅を通して車内の最低気温は最終日の箱根で8度台。伊豆半島内は15度程度と車中泊には最適といえる気温であった。

 天気のほうは、11月の三週まで関東地方は好天続きで恵まれていたが、22日からの一週間はいくらか下降気味。
 前三週が100点なら60点くらいかな。

 房総半島の時は夜の雨予報が一日だけあって、その日だけは民宿に一泊した。
 今回は夜間に降雨の可能性があったが、敢えて車中泊を通すことにした。
 勿論雨が降っていようと車内にいる場合はこれといって問題はないのだが、駐車地に到着したあとの設営行為や夜間のトイレなどを考えると雨は非常に由々しき事態となる。今回はそんな事態も経験してみようじゃないかと思った。

 今日はひたすら移動の日である。
 プータローの車中泊遊びのモットーはどこまでもひたすら下道を行く!である。
 が、・・・ナビで時間を弾くとなにやら憂鬱に。
 早くも挫折して東北道と圏央道を使って青梅ICまでは高速を使ってしまった。
 市街地で渋滞に嵌るにしても埼玉や東京はあまり好きじゃない。せめてもの旅立ちの花向けにと高速代を奢った。

 国道16号、国道129号と繋ぎ南へ進んで行くと、やがて右手の大きな山並が近づいてくる。
 丹沢山塊である。いろいろと有名な山が多いようなので、いくつか人気コースを歩いてみたいもの。

 それまで渋滞もなく順調であったが、国道1号に入ると急に車が進まなくなってきた。
 西湘バイパスに出入りする車で渋滞しているのだ。
 それにしても物凄い車の数だ。ようやく伊東にある道の駅に到達するも、駐車場入りの車列がこれまた長い。
 これに辛抱強く並んでようやくトイレなど済まして見物しようにも超超超と超が三つ付くほどの過密状態だ。
 勿論GoToトラベルが故のことであろう。
 マスクを外しての不要な他人との会話とかは確かにヤバいが、多少の過密は問題ないのではと思っていた。だが、あれだけ密だと本能的にマズイ状態なんじゃと思えてくる。

 人込みを避けるように街を抜け、明日の天城山登山の為の今夜の車中泊地である天城高原駐車場(ハイカー専用)へ車を着けた。
 夕方5時頃に予報通り少し強めの雨が降った。この時期の日没時間は4時半頃だからあたりはとっぷりと暮れている。にも関わらず下山してくる人が結構居たのには驚いた。登山者の数が多く行動する時間帯の幅も広いようだが、事故等などを考慮すると如何なものかと思ってしまう。

 地元スーパーで調達した食料を拡げて伊豆半島初日のささやかな夕餉の始まり。
 夜半、再び雨風が強くなり車体を揺らす。
 そういえば千葉の車中泊初日も風が強くて大層心細かったのを思い出したが、あれから幾らか積み重ねた経験で今は心地よい子守唄のようにさえ感じる。

 冬用シュラフにフリースを着て潜り込んだ。足元にホッカイロを入れれば汗ばむくらいにホカホカ。
 毎回のこどだが、枕に首が馴染むまで時間が少しかかったが、車内はやがて快適なカプセルホテルと化していくのである。

内陸から長々と進みようやく大海原を見ることが出来た

伊豆大島 子供の頃に何度も訪れた思い出の地

鏡のように穏やかな海原を進む船一隻

初島も間近になるが今回は眺めるのみ
カテゴリー: 車中泊の旅 | 2件のコメント

今年初のキタイバ

 ブログタイトルに”バイク”と謳っていながらとんとご無沙汰のバイクネタ。
 乗っていない訳では決してなく、三台をくまなく乗るようにして楽しんでいる。
 とかく、走り一辺倒になってしまうきらいがありバイクネタは結構難しい。
 写真もバイクから降りた時しか撮れないし、歩きとは違ってどこでもおいそれと停めることも出来ないという事情もある。
 結果的に『どこそこに行きました。そして〇〇を食べました』的な記事になってしまう。

 で、今回もまさにその通りの内容になってしまったが、まぁたまには良いだろうということでお目こぼしを願いたい。

 例年、寒さが厳しくなるとバイクはバッテリーを外して冬眠状態となる。
 今年もその時期が迫ってきているが、コロナ禍の一年であったためバイクツーリングも長距離は走っていなかった。
 キタイバ(北茨城)なんかは年に何回も走っているが、今年はまだである。

 天気予報は朝からピーカンな筈なのに・・・
 東へ走れど鉛色のどんよりした雲でテンションがイマイチ上がらず。
 途中で幾度もスマホの天気予報を見るも、ピーカンマークと空が一致しないのが恨めしい。

 五浦海岸に近づく頃になりようやく晴れ渡る。あな嬉しや。
 お目当てだった食事処は一ヶ所定休日、そして新規訪問の店は「コロナ禍で土日のみ営業」だそうだ。
 ならばと浜庄へ。食後は裏手の海岸でのんびりと缶コーヒーブレイク。

 青い空の色を含んだ明るい海原。波打ち際のコバルトブルー。いつまで眺めていても飽きない。
 そして・・・帰りは再び山間部のクネ道を走って帰る。
 いつもやっていた事なのに、毎回結構楽しいのがキタイバの魅力だ。

浜庄前の海岸から五浦の岬

刺身定食でお腹一杯
カテゴリー: バイクとツーリング, 昼飯 | 2件のコメント

外れちゃったかな

 天気予報サイトの紅葉情報を見ていると、どうやら袋田の滝周辺が見頃だという。
 高気圧にすっぽり覆われていて晴天確定。多少の人の多さと渋滞は目をつむってしまおう。
 ルートは三年前と基本同じ。月居山からの下りを袋田温泉へ直接降りるところだけの違い。

 結果から言ってしまうと紅葉、ちょっと早かったか。
 というか三年前が自分としては出木杉君だったということ。
 来年はどなたかが行ったのを見てカンニングしちゃおう。

 先週金曜日の腰グギッのリハビリとしては程よい歩きで心地よい汗をかくことが出来た。

 渋滞関連は・・・
 朝の第一駐車場に7時10分に着いて満車!
 おぉー!これは困った。第二駐車場は9時まで開かないし。
 もう一度第一駐車場に戻ると辛うじて一台のスペースめっけ。ラッキー。
 しかし、この時間に満車とは恐るべし。前泊しなくちゃ停められないんでは(;・∀・)
 下山して車に戻るまでの車道は全然動かない車列の帯(@_@)
 Oh No!これに加わるんかい。
 まぁ、それしかない訳で、でも国道に入るとスイスイ。ナビの『最速無料ルート』で大好きな茨城県道32号線を案内されてご機嫌。結構な確率でお馬鹿な案内をするホンダのナビにしては久々にいい仕事したゾ。

高度を上げると眺望が開ける

あっと言う間に生瀬富士山頂

下って登って立神山

立神山より生瀬富士 山頂先の岩峰はカメラをぶつけたくなかったの今回はパス

袋田の滝上に向かう途中の紅葉が見事

渓谷の紅葉は陽が射していないのでイマイチ

月居山の様子は如何に

実物はもっと綺麗 腕が無くて美しさが捉えられなかった

案じていた渡渉は水量が少なくてラッキー

月居山への登り返しから生瀬富士 三年前に比べるとやはり鮮やかさが全然足りない

そして月居山の頂上 う~ん 2/3はまだ青葉だ(*´Д`) 圧倒的な色付きとは程遠い

また来年!
カテゴリー: 茨城県の山 | 2件のコメント

県民の森へ

 朝一番の所用を済ませて県民の森へ。
 途中、矢板市街から県境の那須連山が真っ白になっているのを見て思わず一枚撮影する。
 まだ11月の上旬だというのに凄いねぇ。

北部県境は既に氷雪の世界

 今日は珍しく三脚持参。
 リンゴさんの写真に刺激されてたまにはじっくり撮影と意気込んだものの、ボツ山量産。辛うじて長時間露光を体験出来たのは良かった。紅葉も三脚のままで撮ってみたけど、構図を決めていろいろ設定を変えて試行錯誤を重ねても全然駄目。見たものの感動を伝えるなんて程遠い。写真って難しいね。

宮川渓谷 三脚立てて練習

陽ざしを待って一枚

雲で影が多くなってきたので移動

植樹祭跡地から冬装いのミツモチ山

山肌がいかにも寒そう

帰路の落合橋パーキングからの高原山 ここからの景色好きだなぁ
カテゴリー: 日記 | 4件のコメント

御直会

 不覚な事に金曜日の朝に約1年ぶりに腰を痛めてしまった。
 最近のパターンは、かがめた状態から何気なくひねった腰の中の”筋”が「ピキン」となって起きるのが殆ど。
 直後は注意しているのでなかなか再発しないが、禍は忘れた頃にやってくるものである。

 金曜日の夕方に整形外科に行って内服薬と湿布処方+マッサージのいつも通りのパターンの処置を受けた。自己流のストレッチに励みつつ週末おとなしくしていたかいもあり、幾らか楽になってきた。

 だが、流石に三日間の安静は精神的に堪える。特にこの晴天をやである。
 ゴロゴロしていても腹は減る。食べなくてもよいのに暇つぶしに菓子など口にしていると腰もさることながら、別な意味で不健康感が漂ってくるものだ。

 そいうえば、古峯園の紅葉が盛りだという新聞記事を先週目にしていたの思い出した。
 古峯神社の奥に作られた古峯園は神社の山内を整備した評判庭園であるが、今まで入園することは無かった。この時期紅葉が見事というのは聞いていたが、今までは限られたチャンス日程の中で登山などの優先順位を鑑みるに目的地から消去されていたのだ。

 幸いにして今年は時間がある。リハビリ散歩程度なら丁度よかろうと足を向けたもう一つの目的は、古峯神社での御直会をいただく事であった。
 本来はお祓いを受けた後に供物を神と共にいただく儀式が直会(なおらい)だというが、食事だけでもOKということなので以前より気になっていたのだ。

 紅葉はまさに盛りを迎え、月曜日だというのに駐車場は溢れんばかりの車。古峯園に出入りする人も絶え間なし。くだんの御直会もひとつ一つがなかなか美味、またボリュームもあって満足。なによりも宿坊の大広間でいただく精進料理は一味違うような気がした。

どうやら紅葉の盛りに間に合ったようだ

こちらが初めて入る古峯園 四季を通じて見ごたえのある庭園だそうだ

こんな天気の良い日はあんな稜線を歩けばさぞ気持ちが良いことだろう

古峯神社 平成の間にて御直会をいただくことに

この後湯葉刺しが遅れて出てきたが、1,650円の膳 お椀は炊き込みご飯 大きな椀のけんちん汁も美味

帰りしなにいつも撮ってるけど今日も一枚パチリ

帰路の黄葉も青空に映えて美しい

カテゴリー: 日記, 昼飯 | 5件のコメント

9年ぶりの中禅寺湖南稜



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --
※当コースには不明瞭な登山道が含まれています。参考にされる場合はご注意ください。

社山の過去の記事
    2019年02月17日  今シーズン初の雪歩き、相変わらず絶景の社山
    2013年11月23日  中禅寺湖、大日尾根 上野島ルートで社山
    2011年09月16日  中禅寺湖南稜を歩く
    2009年10月18日  中禅寺湖の展望台、社山

 社山に登ると西側に開ける広大な稜線が視界に飛び込んでくる。
 延々と続くあの稜線に足を踏み出したいという願望は山好きな人なら違わず抱くものであろう。
 九年前の九月に自分もそんな思いに駆られてこの稜線を歩いた。もちろんその素晴らしさに感動して再び訪れたいという気持ちは折に触れ蘇ってくるのである。

 だが、暑い夏に2000mに満たないカンカン照りの稜線歩きはキツイだろうし、真冬は社山まで行くのが精いっぱいだろう。やはり秋か春だなということになる。前回歩いた時は木々がまだ青々とした頃だったので、是非紅葉の時期にと思っていたのだ。

 天気予報にまた悩まされた。28日は曇り優勢風微風、29日は晴れ優勢風強風。稜線歩きを考えると28日だな。

目覚めの社山

4日前と比べるとかなり紅葉が進んだようだ

おはよう 八丁出島

 中三日で奥日光の紅葉を楽しめるなんてこれはちょっとした贅沢だな。正確には先週の那須から一週間で三回山を歩いたことになるのだから、プータローの面目躍起というところか。まぁとにかく行ける時に行きましょ。

湖畔周遊路も今が真っ盛り

 阿世潟でカヤックを操る人達を横目にして山道を登る。今日は長丁場だからピッチ抑え目でゆっくりと体力温存で行くべし。
 辿り着いた阿世潟峠からは、足尾の方角の山肌に咲くようにちりばめられた紅葉で一服。光はいま一つ少ないが素晴らしい色彩だ。

阿世潟峠から足尾方面

 比較的早い時間なので社山の登りから振り返る中禅寺湖の絶景は精彩にかける。南岸にはまだ充分に陽光が届いていないのだ。

高度を上げて振り返る 南岸に日差しはまだ届かない

あと一息でまずは社山

黒檜岳まで続くこの稜線を越えていく

社山直下の崩落地 ここに落ちたら阿世潟まで一直線

行く先にガスが出てきたぞ

こちら側も激しく痛んでいる

登り返して稜線に出る 九年前に見たこの道標は記憶にしっかり残っている

あの高みを超えてどこまでも

鼻歌交じりの天空回廊

どこまでも続くよ

振り返る社山

大夫近づいてきたけど黒檜岳まだまだ先

このアングルの中禅寺湖はここからしか見られない

ガスが濃くなってきたのは残念

でも・・・ガスの稜線もまた一興かな

しかし、中禅寺湖側は相変わらず好天気で紅葉が映えている

稜線を超えるとガスは文字通り霧散

平坦地を通過

 途中、1816mP通過時に踏み跡に惑わされてコースアウトしてしまった失敗は今回もしっかり繰り返す。
 前回より深い所まで廻りこんでしまって、もっと早く稜線に登り上げていれば良かったのだろうが、まぁ目の前の斜面を上がるだけさと朝露に濡れる笹の斜面を強登。
 そんな訳でそろそろ休憩しないと後半の黒檜岳下りでバテちゃう。南から稜線に噴き上げるガスの勢いは一進一退だが途切れることは無さそうだ。稜線散歩もあと僅かだ。気持ちの良い1926mPで休憩とした。

もうすぐ1926mP 休憩しよう

1926mPより大平山

ガスが薄くなると一瞬雲海のような景色

ここを直進すれば大平山だが今日はパス

黒木の森に突入 ここからは道が極端に不明瞭になり徹底的に目印を追う

前回も踏んだ黒檜岳山頂 眺望も何も無し しかしここは東峰であった

 山名板から更に西に沢山テープがある。この先にあるシゲト山は黒檜岳に輪をかけたように何も無い山頂らしい。更にその先の三俣山から密藪の県境尾根を目指す猛者の通過するのがシゲト山だと思っていたのだが、いったいどうゆう事か。
 改めて地形図を眺めると地形図に山名の記入がある黒檜岳はこの先にあるようだ。先に進んで行くと・・・

こちらが約180m離れた西峰 黒檜岳は双耳峰だったのだ

 黒檜岳から中禅寺湖畔への下山路は九年前にも随分荒れていた記憶があるが、今回歩いて更に荒廃が進んでいるのを感じた。途中のシャクナゲ群生目当てに春に訪れる人くらいしか歩く人が居ないのではと思う。

 とにかく油断しているとすぐにルートをロストしてしまう。木に打ち付けられている二色のプレートを追うのが基本だが、脱落しているものも多く、赤テープ、青テープ、その他何らか引っかけてあるものでも何か人造物を追いかけながらのルートファイディングとなる。道型は濃い時もあれば落ち葉ですっかり隠されている場合もあるのでとにかく気が抜けない。場合によっては獣道なのかと疑いたくなる場合も。
 痩せた道のトラバースなどは神経を遣う。鹿沼あたりの藪尾根なら稜線キープで降りても良いが、このエリアはそれは危険すぎる。山腹をどこまでもぐるぐると辿って行く登山道を正確に追う為にはGPSに山レコのトラックログを落として確認しながら行くことを強くお勧めする。

鬱蒼とした下山路だから樹間から見える景色が目に眩しい

なおも高度を下げると紅葉たけなわ

そしてようやく中禅寺湖へ着地

湖岸も良い色づきだ

鮮やかさが目に沁みる

奥日光の秋の輝きを堪能

 千手ヶ浜から立木観音への遊覧船で一気に車の元へ帰るつもりであったが、コロナの影響で千手ヶ浜発着の便は無いということだ。九年前と同じ、無公害バス、東武バスと乗り継ぎ帰る事となった。

 前回と比べると疲れが幾らか軽いような気持ちもするが、ロングを歩いた達成感は同じ。体が効くうちにあと何回歩く事が出来るのだろう。人生の秋が去り冬が訪れる前に再訪したいものだ。

概略コースタイム

歌ヶ浜駐車場発(05:53)-阿世潟(06:58)-阿世潟峠(07:17)-社山(08:35)-社山崩落地(08:52)-
1792mP(09:17)-1816mP(09:55)-1926mP(10:35)-昼食休憩-行動再開(11:10)-
黒檜岳東峰(11:40)-黒檜岳西峰(11:48)-1802m地点(12:28)-千手堂(13:37)-低公害バスのバス停(14:10)

カシミール3Dデータ

沿面距離:16.7Km

カテゴリー: 日光の山 | 4件のコメント