愉しき山、子持山



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 群馬県の中央部に位置する山といえば赤城山と榛名山はあまりにも有名だが、共に独立山塊である子持山と小野子山(小野子山、中ノ岳、十二ケ岳 通称小野子三山)も忘れてはいけないと自分は思う。

 先般歩いた榛名山方面からは、どこからでも子持山と小野子山の山姿を見ることが出来る。また、前橋から北に車を進める場合、左の榛名山、右の赤城山、とりわけ正面に大きい子持山といった感じで印象に深い。また、成層火山として顕著な地形を成しており、遠目に見る分には穏やかだが筋肉質な岩峰の山という特徴がある。

 群馬遠征では子持山と小野子山を二日に分けて連登する考えであった。ルートにもよるが、そこそこ体力も必要な雰囲気があったのと、天候と日程を鑑み今回は子持山のみで小野子山は宿題とすることにした。

周回の起点となる五号橋駐車場へ停める 先発は県外ナンバーの一台のみ 下山時にはまだ車があった

しばし林道を進むも周囲は既に荒々しい岩が剥きだしになっている

賑わいある立派な登山口

新緑が眩しい谷を詰めていく

 登山口から先に進むとまず衝立のように垂直に切り立った屏風岩の基部に着く。小さな鳥居があり、役行者の像があると言われているが確認できず。屏風岩に登るルートもあったが、事前情報を充分に得ていなかった為リスキーなのでパス。

 谷を詰め切り、ようやく尾根に登り上げると下の方へ向かう「展望岩」の道標に従い突端の岩場へ。
 振り返ると「どーん」と獅子岩の巨大な姿を目の当たりにして度肝を抜かれた。なかなかの迫力だ。
 展望岩からは白い武尊山、南側も手前に遮るもの無くスッキリと見渡せる好眺望ポイントだ。

展望岩へ出て振り返る 巨岩の獅子岩現る

好天の下、武尊山がすっきりと見えるのが嬉しい

 岩交じりに急登していくと獅子岩巻道の分岐があるが、ここは迷わず獅子岩へと直進。途中ロープも出てくるが古賀志山を歩いていると思えば大したことは無い。だが、高度を上げるにつれ左手に見える獅子岩は益々その迫力が増していく。

じりじりと獅子岩に向けて高度を稼ぐ

 登り切ったか?と思ったら最後は頑丈な鉄梯子が出てきた。カメラをザックにしまい慎重に登っていくとそこが獅子岩の頂部であった。

ラスボスの鉄梯子を登ると・・・

そこが獅子岩の最上部となり360度の眺望が現れた

火山のなせる不思議な自然造形物 放射状岩脈と呼ぶらしい

お隣の榛名山群

獅子岩から見る子持山(左側)

多分浅間山だと思うがちょっと微妙

岩に何やら文字が掘ってある

獅子岩から降りて子持山方面へ向かい高度を上げる 後方の獅子岩 右端に富士山が写りこんできた

途中にも名も無き岩がそそり立つ まさに岩の殿堂だな

 周回の中間点である柳木ヶ峰からしばらく穏やかな道が続くが、最後に再び岩交じりの箇所を登りつくすとようやく山頂へ到着。先着2組と、道標整備中の方々数名、北側の小峠から登ってきた単独者も加わり賑やかな山頂である。

 眺望は獅子岩で見られなかった北側が樹に邪魔されてスッキリしないのが若干残念であったが、獅子岩では安心して休憩することは出来なかったのでゆっくり腰を降ろしてパンを齧った。

山頂は意外に穏やか

十二山神の向こうに赤城山 十二ケ岳との関係 十二の神との関係や如何に 興味深いところだ

これは、たぶん谷川岳方面

大タルミまでの転げ落ちるような急な下りをやり過ごす この後は新緑溢れる優しい尾根道が続く

「ユーモラス」と漏れなく案内されている牛十二の石祠 作者はどんな気持ちでこれを造ったのだろうね

下草の緑も眩しい 日光山系じゃ鹿にみんな食べられてしまうのでお目にかかれない

高度を下げるとミツバツツジが囲む道となる

眺望の無い通過点、浅間山

時折見ることの出来た獅子岩ともこの辺でお別れだ

 後半はよくある感じの尾根歩きとなったが、圧倒的な緑の多さ、そして終盤はツツジが色を添える歩きとなり変化を楽しむことが出来た。だが、前半の歩きが想像以上にハードだったこと、そして、ここのところ幾らか気温が上昇してきているが故に水の消費量が増えており、今回も500mlのペットボトル二本目に突入(自分的には飲みすぎ)。いわゆる”飲み疲れ症状”が思いのほか下山のスピードを落とした。理想は気温10度以下の行動なんだけど贅沢も行っていられない。人一倍日差しが恋しいのに直射日光に晒されて歩くのは嫌という超わがままハイカーな自分である。

緑の林を降りていく

アクセントの山ツツジが彩りを添える

 下山を終え、沢音と鳥のさえずりだけが聞こえる駐車場に戻る。朝停まっていた車の主はまだ山中を愉しんでいるようだ。登る前は凡庸なイメージをもっていたが、実際に歩いてみて、動と静のうまく組み合わさった思いのほか良い雰囲気の山だったと率直に感じた。

五号橋より少し走った場所にある子持神社に立ち寄ってみた ここも人家より離れた山奥といえよう

脇に道標あり 参道としての登山道はここより4Km以上かけて行く

これが正しき登山口 襟を正してここから登るのもよいかもしれない

立派な能の舞台がある こんな山奥なのによく清められた気品ある境内だ

概略コースタイム

五号橋駐車場発(08:55)-屏風岩下(09:09)-展望岩(09:57)-獅子岩(10:21)-柳木ヶ峯(11:02)-
子持山(11:22)-柳木ヶ峯(11:54)-大タルミ(12:14)-牛十二(12:27)-浅間山(12:56)-五号橋駐車場着(13:58)

カシミール3Dデータ

沿面距離:7.9Km
所要時間:5時間3分

カテゴリー: 群馬県の山 | コメントをどうぞ

再び群馬へ初日は山城に登る



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 群馬遠征第三弾である。
 ここのところ、何度も行ってるので一応おさらいをしておこう。

 本来は一週間から10日くらいをかけて車中泊で敢行する筈だった群馬の旅。残念ながら静岡で愛車後部大破で修理ドッグ入りとなり、車中泊の道は当面閉ざされた。
(これを書いている12日現在、やっと車が修理から帰ってきた。だが、しばらく天気が悪そうなのが残念)。

 そういう事情で、安宿繋ぎで天気予報を睨みながら刻んでいく作戦に変更。何もせず座して待ち、時間を浪費するという考えは無かったのだ。

 第一弾:4月19日と20日の一泊二日 榛名山、二ツ岳、相馬山
 第二弾:4月26日~28日の二泊三日 浅間隠山、小浅間山、水沢山
 そして今回の第三弾へと続く。

 正直、まだ思っていた所に全て行けてないのと、初夏の雪が無くなった山はまた別の予定があるので今後も暫くは群馬通いは続くだろう。だが、アプローチの宇都宮からの下道は流石に何度も走っているので飽きてきたのは正直なところだ。

 さて、今回は4/26に昼食を食べた「道の駅霊山たけやま」が登山口となる嵩山へ登る。
 嵩山は山城跡であり、かつ信仰色の深い霊山でもある。山内全体が霊場の様相を呈しており、つぶさに見て回ると案外時間がかかりそうな感じがするが、今回は初日の散策程度にと考えているので標準コースをさらっと廻った感じになった。また別な機会があったらじっくりと歩いて見たい山だ。

 なお、岩場が多いという事前情報だったので、一眼レフは撮影ポイント以外はザックにしまって歩いたが、途中の記録も欲しいのでPENのEPL-6併用で撮影した。横長の画像がそうだが、相変わらず画質というか色調がすぐれずがっかりだ。天気が悪く光が乏しいというのも一因なのだが・・・。同じレンズでもOMDシリーズの実写サンプルを見ていると、解像度も色調も結構良いのにPENのEPL-6だとなんでこんなに駄目なんだろう。

 やはり重くてデカくてもD5600のほうが画質は格段に良いのだが、マイクロフォーサーズマウントのレンズが4本あるだけに、安いOMDシリーズの中古ボディでもないかなぁと思案中。

一番から始まる各々の箇所は、何らかの石像などがある礼拝ポイントのようだ

 登り出しの登山道はよく整備されており、小さな子供を連れた家族も多い。歩き終えて思ったのは大天狗の岩場が慣れない人だと少しリスキーかなと感じた程度で、むしろ小学校高学年以上の子供なら大天狗も含めて喜んで歩き回れるようなほどほどの岩場含みの山だと思う。

道の駅から表登山道を登る 時計回りの周回だ

 SCW予報では午後2時頃から雨雲がかかる筈なので手早く歩く感じで先を急ぐが、いつ雨粒が落ちてきてもおかしくないような重い雲が空を支配する小天狗へ到達。

東の端、小天狗へ着いた 空模様はよろしくない

雲に頭が隠れた白嶺は恐らく草津白根方面であろう

向こうのピークは中天狗 三角点のある大天狗は更にその先だ

小天狗から足もとの里を見下ろす 結構高度感あり

小天狗直下の不動岩 後で調べたらあそこへ行くルートがあった

 小天狗の少し手前にベンチのある広場があり、子連れの家族が弁当を広げていた。少し時期が過ぎて勢いが衰えた傍らのヤマツツジの群落だが、子供達の楽しそうな声とこだますように、あたりを明るく染めていた。

実(御)城の平 本丸跡だという 無常の平とも読むらしい・・・なるほど

大天狗への鎖場が開始 登り始める頃にわかに空が明るくなってきた 日頃の行いはさほど良い訳ではないのだが・・・

上から下を撮っているがなんとも説明力の無い撮り方(汗)

そして最も高い場所の大天狗 なんとも天下取ったような気持に

烏帽子岩と五郎岩が見えている やはり行けるらしいが今回は割愛

相変らずどこがどこやら判らないが気持ちの良い銀嶺

 鎖場を慎重に降りて経塚まで戻ってきた。木陰の広場である経塚にもベンチや東屋があり、そこで食事をしている人達がいた。無理して大天狗を目指さなくても楽しめる山なのだ。

 下山は東廻りで道の駅へと降りていく。途中大岸壁があり、その直下に道があるが現在は崩落の危険性があるので通行禁止になっている。と思いきや先行の単独氏はそちらへと入っていく。だが、あそこに行くには最低限ヘルメット位着けていかないとヤバそう。というよりも万が一崩落があったらまず助からないだろうに。命知らずの人もいたものだ。

大岩壁に置かれた仏像

 嵩山を後にして、午後の観光へと進む。
 一か所目は岩櫃山だ。なんだ、結局山じゃないかということになるが、こちらは登山じゃ無くて岩櫃城本丸跡の散策だ。勿論山の方も気にはなるのだが、今回は山頂に至る途中までの歩きとなる。

 岩櫃山は南側から見るといかにも山賊でも住んでいそうな峻険な雰囲気に満ちており、紅葉の時期は美しい外観を眺めるだけでも楽しめる山だ。当然そんな山は是非歩いてみたいと思うのだが、今回はそのさわりだけということにした。

岩櫃山へやってきた 登山はやめて本丸跡だけ見物

なかなか良い感じの道標

 汗を拭って登山着から着替えたばかりなのに、いくばくかの登りで再び汗が滲んできた。だが本丸を吹き抜ける風は冷たく心地よい。

山城らしく随所に構築物がはりめぐされている

こうやって攻めてくる敵を監視していたのかな

先ほど歩いたあちらも名城の嵩山城 松明や狼煙で通信出来そうな距離だ

駐車場まで戻り傍らにある岩櫃神社まで寄り道をした ツツジは植えられたものだがなんとも良い風景

訪れる人も少ないであろうひっそりとしたお堂

東から見る岩櫃山は案外おっとりしているが、所々岩角が牙を剥いている様子が解る

 今回は前橋のビジネスホテルに連泊する。
 日曜チェックインで二泊すると一泊3,300円とリーズナブル。前々回の高崎のホテルのようなエアコンもテレビ無いというのとは違いフルスペック(一般的なという意味)かつ前橋の中心部に位置していながら駐車場も無料というのが有難い。
 車中泊とかこういった旅ではコンビニやスーパーで食料を買ってくるケースが殆どだが、今回は付近にファミレスなどがあり食事が手軽に出来るのが嬉しいところ。

 さて、前橋に向かう前にもう一ヶ所。日本名水百選の箱島湧水である。
 とりたててての名所という訳でも無いが、ネットで調べていたらたまたま見つけて経路的にも無駄無しなので寄ってみたのだ。
 かつてはロックフィルダムの発電所であった箇所(現在は歴史的遺構として存在)のその奥、厳かな箇所に滔々と湧きだす水源があった。

 東京ナンバーの人が20リットルのポリタンをいくつも車に積み込んでいた。”お水取り”な方々には定評があるようだが、自分は控えめに山に持っていく水ボトルに約600mlだけいただく。どこか途中でコーヒーでも飲む時にと持ち歩いていたが、結局宇都宮へのお土産となった。

箱島湧水へ寄ってみた

湧水地から流れ出す小滝が涼しげだ

山用のボトルに汲んで土産とした

概略コースタイム

道の駅駐車場発(11:13)-展望台(11:31)-小天狗(11:45)-中天狗(11:58)-小袖の渡し(12:03)-
実城の平(12:07)-経塚(12:10)-大天狗(12:18)-経塚(12:31)-大岸壁(12:40)-道の駅駐車場着(12:40)

カシミール3Dデータ

沿面距離:2.9Km
所要時間:1時間27分

カテゴリー: 群馬県の山 | コメントをどうぞ

ミツモチ山の春

 毎年、見ごたえのあるアカヤシオはミツモチ山の大丸でと決めていたが、今年は古賀志山で想定外の素晴らしいアカヤシオに出会ってしまった為、その後のアカヤシオに対する期待感が一気に下がってしまった。しかし、大丸のアカヤシオはやはり押さえておきたいところ。昨年はアカヤシオも超自粛モードの裏年だっただけに、正直今年の咲きっぷりが気になっていたのだ。

 平日とは言えGWから完全に抜けきっていない。混雑するだろうと考え、気合を入れて早朝に自宅を出発した。7時前に大間々Pに着くと未だ車は4台だけだ。ちょっと意表を突かれた感もあるが、とりあえず車を置いてしまえばあとは慌てることも無い。お湯を沸かしてカフェオレとコンビニサンドイッチ。少し冷たい風に吹かれながら塩那の稜線を眺めて贅沢な朝食を楽しむ。

 出発する時に寒くて着込んだフリースだが、ヤシオコースが下りから登りに転じるようになると軽く汗ばむようになり、再びザックの中へ仕舞いながら一休み。今日はまだ先行者も後続者も見ないので登山道は静寂そのもの。春の陽気に誘われた鳥たちのさえずりが楽し気に歌っているようだ。

今年も大丸へやってきた

 遠目からも赤いものが山肌を染めているのが見えた。期待が高まる中、大丸へと辿り着く。
 うーん。去年の悲惨な雰囲気とは比べようも無く素晴らしい。しかし、アップだと痛んだ花が目立つ。引きで見ると結構華やかなのだが。少しタイミングが遅かったかなという感じ。それでもこれだけ見られれば大丸の平均点以上かな、なんて勝手に採点しちゃった。自然の営みだからなかなかベストを捉えるのは難しいネ。

花付きは去年より良いが少しタイミングが遅かったようだ

それでもフレッシュな花弁を探す

引けば結構綺麗だ

 帰路は例年通りに青空コースの砂利林道を進むが、当たり年は林道沿いのアカヤシオも凄い事になっていたりするので外せないのだ。だが、こちらも大丸並みの状況。少しタイミングを外してしまったようだ。

女峰山と六方沢大橋 あちらのアカヤシオはどうなんだろう

定番撮影ポイントから釈迦ヶ岳

 大間々駐車場に9時半前に戻ると満車まであと2台となっていた。青空コースでミツモチ山を目指す人たちに何組も出会っているので、やはりこの時期は釈迦ヶ岳と併せて人気エリアとなっているのだ。

 さて、時間も早いので予定していた次のポイントへ移動すべく、県民の森方面からミツモチ山第一展望台まで車で上がる。本当は県民の森から歩けば良いのだが、お目当ては第二展望台との間にあるシロヤシオ密集地だ。

 駐車スペースに先着車は無く自分が一番乗りのようである。展望台に横づけして、南側の眺望と家から持ってきた饅頭でコーヒータイムと洒落こむ。これまた贅沢なひと時。

県民の森方面からミツモチ山第一展望台まで車で上がる

 登り始めは山桜の散った花びらが道を埋めていたが、やがて上の方に白いものが見えてきた。どうやら今年も綺麗に咲いて待ってくれていたようだ。

第二展望台までの中間点にあるシロヤシオ密生地

第二展望台より

帰路もシロとミツバを楽しみながら

来年も来るよ

カテゴリー: 塩谷の山 | 4件のコメント

水沢山



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 伊香保温泉に取った宿は素泊まりなのに結構良いお値段。
 それなのに、キーを回して部屋に入ると唖然とした。
 トイレが部屋に無いのは了解済だが、狭小部屋の天井には斜めに梁が入っていて、シングルベッドの脇にやっと屈めるほどのスペースと冷蔵庫と洗面台。
 よくぞここまで詰め込んだものだ。もはや芸術的と言って良いだろう。空調はホテル側の設定のみで循環させる暖気冷気の一択式。風量のみ調節可能だが、切っておいても現在流れている暖気の漏れを遮る事は出来ない。

 チェックインしたのがまだ日没前だったので少し暑かったから、窓を開けようと試みる。小窓を覆うカーテンを開けると眩しい西日が小さな部屋に差し込んで来た。こりゃ夏場は夜限定の部屋だ。

 いつから開けられていなかった知れぬ、たてつけの悪い窓を開け放つと外に拡がるのは縁から下に延びる錆びついたトタン吹きの屋根。哀愁だな。この風景は。

 現役の頃は、あらゆる地方のビジネスホテルのリーズナブルな所を泊まり歩いた経験からしても、ここまで「追い込まれた」スペックの部屋は無かった。そう、思うにこれは添乗員部屋、もしくは従業員部屋なのではないかと。本館の建物から増設連結した別棟のような感じになっており、ホテルのフロア図面を見ると、同じような部屋が他にも5~6部屋ある。

 夜、トイレに起きる身としては、部屋に施錠して数十歩かけて別棟のトイレに行くのは結構辛かった。だが、温泉だけは平等。バイキング会場で一般宿泊客が宴に興じている間に大浴場を独占出来たのはある意味快感。

 とまぁ、こういう不自由さを楽しむのもアリかなと思う。金をかけりゃそれなりの事は出来るけど・・・否、現にお金を払って屋根とベッドとそれに温泉まで付いてくるのだから御の字なのだよ(笑)

 さて、群馬遠征第二弾の最終日は水沢山登山である。
 目を覚まし、スマホで天気予報を調べて愕然とした。昨日まで晴れマークが優勢だったのが一晩明けて曇りマーク優勢で時間帯によっては所々小雨マーク。おいおいそりゃないぜ。山は諦めて観光にするか。でも、これといった計画も無いしどうしよう。

 ベッドの上で逡巡していると、例の小窓から見える空に青空が幾らか見えてきた。よし。とにかく行って見よう。雨脚が強まったら周回ルートを縮小して早めに切り上げればいいじゃないか。

登山口は水澤観世音の石段から始まる

(居ずまいを正さなかったけど)鳥居をくぐり

少し登った先でようやく登山口らしくなった

序盤は結構歩きやすい木の階段 歩幅を合わせるのに苦労せずなかなか快適

 この山は日参登山の対象になっているようで、朝の比較的早い時間だとういうのに既に下山してくる人に多数出会う。殆どがリタイヤ組と思しき年配の方々だが、皆さん足捌きはしっかりされている。流石!毎日の鍛錬の成果と言わずにはおれない。

 直線的に登りそしてピストンで戻るルートがメインなので、よりトレーニング性が色濃い感じがする。そこを毎日に近いようなペースで歩いていれば自ずと脚力も付くことであろう。

 ちなみに、自分の後から登ってきた70代後半と思しき男性を一度は突き放したかと思いきや、一息いれている時にあっという間に追い越され、ついには山頂からUターンしてきたこの方にまたお会いするという始末。自分も決して強い方ではないが、さりとて遅い方でもないと思う。だがこの男性の歩きを見ていると、決して速くないが息も上げずに一定のペースで運ぶ足捌きに相当の年季と鍛錬を感ぜずにはいられなかった。まさに”経験を積む”とはこういったことだろう。脱帽である。

次第に岩の登りになると斜度も上がりキツくなってくる

息せききって山頂主稜線に登り詰める 石像が並び東側に開ける眺望が爽快

山頂直前から先程の石像ピーク 向こうに赤城山

三角点の僅か手前 賑やかな石祠二つ

稲荷大権現のまします山頂

山頂はぐるりと眺望あるも、肝心の天気は涙模様 ぽつりぽつりと雨粒が落ちてきた

十二ケ岳と小野子山 雲っているが辛うじて遠い雪嶺も見ることが出来た

そして、昨日と反対側からの相馬山と二ツ岳もお隣さん

 先着者に挨拶を済ませて西側に降りるルートへと進む。こちら側は参道として整備されおらず、降りていく人は二ツ岳方面へ縦走する人やたまにもの好きが歩く程度のような雰囲気だ。従って普通の登山道然としている。日参登山の人は基本的に水澤観音からのピストンのようで、先ほどまでの登山道の賑わいが嘘のようだ。思わずザックから熊鈴を取り出した。

派手な色の電波中継塔 麓からは上のアンテナしか見えない

 一旦車道に拾われ、進んで行くと立派な「つつじヶ丘休憩所」へ。
 車で上がってこれるので、山歩きはどうも・・・という方に素晴らしい眺望を見てもらうには良い所だろう。

車道脇の立派な休憩所には裏にトイレも併設

水沢山からの北側景色と同じだから、これだけ見たければ車で来るのも良いだろう

 下山路の最後は「憩いの森遊歩道」を通るようにしてフィニッシュ。残る車道歩きは時折右手に水沢山を眺めながらとなる。
 途中にある法水寺は、金ぴかの派手な伽藍が水沢山の麓の広大な敷地に拡がる。
 法水寺は台湾最大の仏教宗派らしく、どうりで日本の寺院とは一線を画した雰囲気がある。調べてみると参詣以外にも台湾料理が食べられたりといろいろと面白そうなので次回この地に足を向けたら訪問してみたい所だ。

車道歩きの途中で法水寺と水沢山 カンフー映画に出てきそうな金ピカな感じと大柄な伽藍配置が新鮮

 予定通り昼食時間前に行動を終えたので、今日の昼食はまたしても水沢うどん。先週食べたばかりなのにねぇ。基本的に好きなんですよ。

そして今回も水沢うどん 今日は最大手の大澤屋さんへ いや、マジでデカイ店内だった 味は普通に?美味い

美味しゅうございました

概略コースタイム

水沢観音駐車場発(07:23)-お休み石(08:05)-水沢山(08:57)-電波中継所(09:10)-一旦車道へ(09:26)-
つつじヶ丘休憩所(09:35)-再び登山道へ(09:41)-車道へ接合(10:31)-水沢観音駐車場着(10:55)

カシミール3Dデータ

沿面距離:8.1Km
所要時間:3時間32分

カテゴリー: 群馬県の山 | コメントをどうぞ

浅間山三昧



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 群馬の旅第二弾。今回の行程の本命は浅間山の姿を間近に見ることの出来る二座を巡る山歩き。
 一座目は群馬県側の浅間隠山、そして二座目は浅間山から僅か4Km未満に位置する小浅間山に登る。小浅間山は長野県側へ少し入った場所の山となる。浅間山をクリアに見てみたいという思いから、天気予報数種類を精査に次ぐ精査の上27日の決行と決めた。

 結論からすると首尾は上々。
 360度に近い眺望の浅間隠山、迫りくる浅間山のまさに展望台ともいえる小浅間山、この二座を好天のもと堪能することが出来た。

 草津の民宿を早朝に出発する。
 宿泊客は数人だが、いずれも仕事でこの地を訪れている人達のようで、彼らにとってはまだ早すぎるこの時間に物音を立てて迷惑にならないかと気を揉む。
 前日にあらかた荷物の準備は済ませているが、シェーバーの音などが結構響くのではと思いそそくさと出発した。

 温泉街からも草津白根山の大きな姿を仰ぎ見ることは出来るが、車で少し走ると堂々とした山の全容を望むことが出来るようになっていく。嗚呼、この山もそのうちに登らなければ、と思わせるに充分な貫禄である。
 そして、地元の人達が敬愛してやまないもう一つの山、浅間山も走るほどにその姿が大きく堂々と見えるようになってくるのだ。 

(注意)この後、浅間山の写真多数掲載となります(;^ω^)

草津白根山の大きな山容に感動 登ってみたい山だ

移動中に見る浅間山の雄姿 地元の人達にとって誇りある風景と言って良いのだろう

登山口駐車場に一番乗り もう一台の方は通りかかりのトイレ休憩中

ここよりスタート

 登山道は流石に一流どころと言える立派な道が続く。
 全行程において危険個所はまったく無い。

手作り道標に味があるね

裏を見ると・・・ サマンサなんて、「奥様は魔女」を観た世代?

樹間越に、右側が浅間隠山

明るい登山道が心地よい

北軽井沢方面分岐 登山道はよく整備されており迷う所は無い

 樹林帯を過ぎて背の低い灌木帯、やがて笹が出てくると左右の眺望が開けてくる。山頂への期待に胸が高鳴りビクトリーロードの最後の登りももどかしい。

山頂直下のビクトリーロード

そして山頂へ 思い描いていた好天の元、絶景が待ち受けていた

直線にして南方約120km先の富士山

信越国境の山並 山座同定が出来ればよいのだが、ただただ美しさに感動

こちらは北東から東側の眺望 一つの山頂から東西両方の贅沢な眺望が楽しめる

上越国境

我らが栃木の白根山

少しカメラを下に振るとまた違った感じになる

そして、榛名山塊 先週登った相馬山の特徴的な姿

南側 このギザギザは妙義山かな

さぁ、下山しよう

駐車地に戻ると平日なのに大盛況

 浅間隠山から小浅間山登山口までは車で20分強の移動となる。
 駐車場から僅かに戻った所にある二度上峠は、車道から少し高い場所まで車で入ることが出来る。ここから浅間山をバッグに車の写真を撮る事が出来るようになっている。代車なのが超残念だが、記念に自分も一枚撮らせていただいた。

二度上峠は道路から撮影ポイントまで車で登れる 代車なのが残念

 さて、本日の二座目は小浅間山。浅間山の展望台としてはこれほど至近距離にあって手軽に登れる山は無いだろう。
 火口から4km以上離れると原則安全ということらしいが、今回のルートでは火口からの最短距離が3.3kmまでと迫る。木曽御嶽山の噴火の事も考えると百パーセントの安全は無い。しかも噴火警戒レベル2が発令中だから、緊張感をもって入山し、噴煙が少しでも多くなったら警戒放送を待たずに脱兎の如く下山すべしと心に深く念じながら歩き始める。




小浅間山は噴火警戒レベル2の登山となる

火口から一番近い登山道の箇所は約3.3kmとなる

序盤は穏やかな林の中の一本道

突き当たると一番浅間山火口から近い地点へ そこから反転して砂礫帯を登る

ぐんぐん高度を上げ、振り返ると絶景

ざくざくと登り詰めると・・・

東峰へ到着

 三角点を確認しないとどうにも落ち着かない性分故に、GPSを見ながらその方角へ足を進める。山頂一帯は広大な平坦地が続き、東峰、三角点峰、西峰と三つ目状態になっている。地味な三角点峰へは訪れる人も少ないようだが、ここからも浅間山の雄姿を望むことは出来る。

三角点は訪れる人も少なくひっそりとしている 板も何も無いので見つけるのに手間取った

三角点峰からの浅間山 手前の木(西峰の手前)が若干煩いがその分風がいくらか遮られたのでここで昼食とした

 三角点峰から西へ僅かに進む。そこだけが砂礫が無い草木の生える砂漠のオアシスのような不思議なエリア。そこをあっという間に過ぎると次に拡がる風景は西峰である。三つのピークのうち最も浅間山に近い場所に位置するだけあり、一層迫力を感じる。

そして最後に西峰へ 三つのピークの中ではここが一番浅間山に近い

アップ

鬼押し出し方面へ流れる溶岩

信越国境の山並

今は入山規制で歩く人も無い登山道

延々と砂礫帯を上へと延びる道

さようなら浅間山 そして小浅間山

 下りは砂礫に足を取られて何度か尻もちをつきながら降りていった。往路で気になった火山観測施設が視野に入ってくる。観測の最前線であり、登山者はここから先は入山規制対象となる。看板の立入禁止の文字が鮮やかだ。

火山観測施設

火口より3.3km地点 噴煙でも上がれば走って逃げなければならない距離だ

浅間山への登山道は閉鎖されている 立入禁止の言葉の重みが違う

無事下山を終了 登山口脇にある東大地震研究所

小浅間山の東面を仰ぎ見る

 本日のミッション終了!
 あとはのんびりと泊地の伊香保温泉へ向けてドライブとなるが、立ち寄り地として八ッ場ダムを予定していた。

 道の駅 八ッ場ふるさと館で休憩をすると、殆ど円柱といった体裁の岩峰が目に入った。
 実は遠くからでもその特徴的な外観が気にはなっていたのだが、道の駅にあった案内板でその正体を知ることが出来た。
 文字通り丸く岩で囲われた山城跡という事らしい。確かに守るには堅いが、攻めに出るのも難しく、第一籠るにしても補給に困るだろうにといろいろ思いを巡らせてしまう異様な姿だ。

遠くからでも特徴的な外観で異彩を放つ丸岩 道の駅 八ッ場ふるさと館より

そして八ッ場ダムへ立ち寄った

完成の報道も記憶に新しい ぴかぴかの出来立てダムだ

「うひょー ○○がしゃーしゃーするね」って子供の頃言わなかった

廃線利用の自転車型トロッコの八ッ場ダム駅が真下にある

ダムから奇岩、丸岩方面の風景 夕方の光が満ちてきた

概略コースタイム


<浅間隠山>

浅間隠山駐車場発(07:13)-北軽井沢分岐(07:38)-浅間隠山(08:24)-休憩-行動再開(08:43)-北軽井沢分岐(09:14)-
浅間隠山駐車場着(09:41)

<小浅間山>

小浅間山駐車地発(10:19)-砂礫帯へ(10:56)-東峰(11:12)-三角点峰(11:16)-昼食休憩-行動再開(11:44)-
西峰(11:49)-火山観測施設(12:08)-小浅間山駐車地着(12:30)

カシミール3Dデータ

浅間隠山 沿面距離:4.7Km 所要2時間28分

小浅間山 沿面距離:4.4Km 所要時間:2時間11分

カテゴリー: 群馬県の山, 長野県の山 | 2件のコメント

群馬遠征第二弾

 本来は一週間以上かけて廻るはずだった群馬遠征。
 先週の榛名山に続けて今回も刻みながら安宿つなぎでGo。

 本当はもう少し日数を増やしたかったのだけど、またまた天気の壁が立ちはだかる。
 ホント、春の天気は猫の目のようにくるくる変わるので悩ましいのだ。
 そんな中、「絶対この日は」というのがあり、それが明日の登山だ。
 でもって、今日は移動日プラス観光で行きましょう。天気は良いのだがお山は風がびゅんびゅんという予報だ。

 開通したての金精道路を行くのも楽しみだ。心配は代車のノーマルタイヤの性能を超えた路面凍結などがあると即逆戻りとなるのだが・・・だが、そんな杞憂もどこへやら、快適に車は上州へと向けてひた走る。

このアングルの金精山はいつも撮ってしまうヨ

前回は軽の代車 今回はチェンジしてもらいHONDA Fit 菅沼駐車場に着くと残雪多し 路面はOK

菅沼は未だ氷が覆っている 車から降りると寒いわけだ

 片品村からR120から離れ県道64号奥利根ゆけむり街道へと入る。
 R120を延々と行ってもつまらない。ドライブだって楽しまなくちゃね。
 いつか武尊温泉入ってみたいなぁと思っていたのだけど、あれあれ閉館だと。これもコロナの影響なのだろうか?
 道の駅川場田園プラザで一休み。

道の駅から見る赤城山

こちらは武尊山

道の駅の『超推し!な自販機』 一台で三種類しかない 買いなさい!的な圧に屈してしまう(笑)

 群馬の旅計画時点で着目していた嵩山は手軽に登れる小さな山だが、岩峰を擁する筋肉質な山だ。
 今回の群馬ルートは縮小版となってしまい嵩山は割愛としたが、再チャンレンジの日に備え寄り道して偵察をする。
 登山口である道の駅嵩山へ岩場から引いたロープに鯉のぼりが泳ぐさまが壮観だ。
 もちろん駐車場とトイレのチェックも済ませ、「及第」である。

道の駅嵩山、裏手から登山道が時計廻り半時計周りとそれぞれ付いている

嵩山の岩峰に向け張られた鯉のぼりが元気よく泳いでいた

 そしてお次は、一応本日のメイン観光ポイントである奥四万湖へと足を延ばす。
 このエリアは四万温泉の存在で知られるが、今日は奥四万湖の周囲をぐるりと車で一周し、独特な色合いの湖面を堪能。なんて綺麗な湖なんだろう。吉永小百合出演のJR東日本の大人の休日俱楽部CMでその魅力を紹介。

奥四万湖 四万ダム 独特なエメラルドブルーの湖面が魅力的

ダムの上から 向かい側の赤沢山から稲包山にかけての上信越自然歩道も是非歩きたいものだ

四万川ダム

落ちたら即死確定だね

 四万川の下流に引き返し、四万湖の中之条ダムへ立ち寄る。えーっと、さっきのが奥四万湖の四万川ダムで、こちらが四万湖の中之条ダム。なんかややこしいね。

下流の四万湖へ寄り道

こちらも綺麗なブルー 湖面まで降りることが出来る 癒されるわぁ

小ぶりなダムも落ち着くなぁ

 草津へ向けて県道55号(中之条草津線)の山道を進んで行く。草津は東京方面から来る場合、高速を軽井沢まで使って国道を北上というパターンがメインルートであろう。中之条からにしてもR145経由のほうが大多数だろうから県道55号経由はごく少数派のようで前後する車も数えるほどだ。だが、やはりこういう道こそ走っていて気持ちがよいものなのだ。

暮坂峠越えの県道を草津へ向かい進む 途中の絶景ポイントより 上州は何処に行っても岩稜が目につく

このようにポコっと飛び出た岩峰が随所にみられる

 今宵の宿は草津温泉街外れの民宿へ。少し早めに着いたら誰も居ない。仕方がないから温泉街で時間を潰すかと車に乗ると慌てた表情で宿の人が車で戻ってくる。もともと素泊まり専用なのでいろいろと鷹揚なところがあるが、源泉かけ流し、和室に炬燵とファンヒーター。素朴ながら清潔な寝具に包まれ心地良い夜が訪れる。

本日の宿泊地 草津の某民宿の窓から 絶景なり
カテゴリー: 旅行 | コメントをどうぞ

群馬遠征第一弾の二日目



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 本来の群馬遠征計画は一周間を予定していたが、一つ前の記事でも書いたように車が修理中では車中泊は望めない。そして仕事にも穴はあけられないということで、行程を刻んだ計画のその第一弾の二日目だ。

 今日の計画は榛名山の外輪山である二ツ岳と相馬山である。二ツ岳は南に風穴の多いオンマ谷を擁し、雄岳、雌岳そして孫岳の三つ目の姿を地図でを眺めていて是非訪れたいと思っていた山だ。また相馬山は見る方角によってはイルカの頭部のようなユーモラスかつダイナミックな風貌を持っている所に惹かれた。

 はばかるように足音を潜め、夜明けの部屋に戻る酔っ払いの宿泊客達。彼らがいびきを立て始めた頃、自分はベッドから起きて支度を急ぐ。安普請だから、いろいろな物音が隣室の御仁の迷惑にならないかとひやひやしながら準備を終え、ホテルを出る。外は明るく優しいい春の日差しが降り注ぎ、心も軽やかにエンジンを始動させた。

 ホテルから榛名湖まで約40分のドライブ。ロケーション的には伊香保温泉に宿をとるのが妥当だが、やはり観光客単価の所しか空いていないのでこれは仕方がないさ。

 オンマ谷駐車場は鬱蒼とした木々に囲われており、朝の日差しはまだ充分に届いていなかった。
 休日はそれなりに賑わいがあるというが、平日、しかも朝7時では誰も居ないのは頷ける。念の為に熊鈴を腰に下げて出発した。

オンマ谷の朝 日差しが充分に届かない鬱蒼とした雰囲気に包まれている

 実はオンマ谷という名前にもかなり興味があった。オンマは韓国語で「おかあさん」という意味であり、どうしてもそのことが頭から離れなかったのだ。
 登山道にあった掲示物の説明では、「御馬谷」であったり、相馬山が「総魔山」とも伝えられていて、硫気を含む谷なので「御魔谷」と言われたという説もあるということであった。

樹間を通して相馬山岸壁の迫力が押し寄せてくる

火山の隆起と冷却の過程で山がそして岩が砕けたということらしい

 序盤の湿っぽい谷筋を抜けると乾いた岩が露出する登山道に変わり、それまで緊張していた心持が緩む。湿っぽい谷というのは往々にして、何か生き物が潜んでいるような気がする。事実、里山の暗い谷筋は猪のねぐらがあったりするのを何度も目撃しているからだ。こういった場所になるといつも熊鈴を鳴らすだけではなく腰に下げているホイッスルを鳴らし鳴らし通過するようにしているが、今回も例外ではない。谷の動物達はさぞかしうるさかったであろうに。

気の利くスプレー書き

屋根があるだけだから降雨程度しか避けることは出来無さそうだが

そして雌岳山頂へ

 雌岳山頂からの景色は素晴らしく、眼下の水沢山の特徴的な山姿が我が目を捉えて離さない。水沢山のこのピラミダルな雰囲気は、水沢うどんを食す為にバイクツーリングでこの地にやってきた時にいつも感じていたもの。いつの日か必ず登ってみたいと思っていた山だ。残念ながら今回は予定に入れることが出来なかったが、こうして上から俯瞰するように見るとますますもって山頂を踏みたい気持ちがかきたてられる。

オウム貝の背中のような水沢山 そして遥か向こうに赤城の山並

雌岳より雄岳へ向かうコルの部分 左下の小石のような岩でさえ50~60cmはあろうかという大きさだ

 標高差100mを下り、再び100m登り返す雄岳だが、山頂手前には立派なTV送信所がある。山頂から麓まで、北斜面に線状帯のように電線を通すために削られた部分が少々痛ましい。入り口のプレートを見ると、群馬テレビ(株)のTV送信所、前橋デジタルテレビ中継局、榛名山FMラジオ中継局、多くの機能を担っていることが判る。

雄岳の山頂脇には立派なTV送信所がある

雄岳山頂より榛名富士 後ろに浅間山がちらり

いま一つ霞がかかっていてクリアでは無いが、肉眼では結構綺麗に見えた

烏帽子ヶ岳 地形図に描かれているまんまの岩稜帯が凄い迫力

TV送信所隣の岩に登るとこちらも眺望よし 手前は雌岳

そして・・・ 相馬山大岩壁の雄姿も余すところなく眺めることができる

 オンマ谷駐車まで戻り、二ツ岳の下山は終了。一旦車を松之沢グランド駐車場へ移動させる。相馬山へは松之沢峠側から北東へ尾根通しで登る。下山はヤセオネ峠へ降り立ち、そこから車道を引き返していくというルートだ。歩き始めるとすぐに、コブのような磨墨岩から相馬山への稜線が見渡せるが先はまだ長い。

磨墨峠より磨墨岩から相馬山への稜線 こちらから見る相馬山も特徴的な形をしている

稜線にはこんな穏やかな区間もある

磨墨岩を見上げると

やがて案内あり 3分はよく見ると「下り」とあるが確かにそうだった(笑)

 「スルス岩三分」に誘われて足を踏み入れる。こんなポコンとした岩ならロッククライマー専用だと思いきや、ちゃんと歩けるルートがあるのでありがたい。最後に短いロープ一本があり、そこをよじ登るとなんと先客の女性が居て挨拶を交わす。

磨墨岩は360度眺望

相馬山までの登りはまだまだ続く

ヤセオネ峠分岐からラストの急登 鳥居から先は登拝者の為のエリアである雰囲気が色濃くなる

途中、一気に高度を稼ぐ梯子が二か所ある(下山時撮影)

山頂になにやら建物が 後で調べると、奥社兼「お籠り堂」だということらしい

 相馬山は外見から感じるミステリアスさとは裏腹に山頂は完全に「講」の人達のもので、登山者にとっては肩身が狭いような雰囲気がある。日光の男体山に登った時も感じたが、なんとなく雑然とした雰囲気。人為的な不自然さから山頂のもつ爽やかさとか清冽さを感じ取ることが出来ない、そんないささか残念な山であったことは正直に付け加えておこう。特に建物裏に積み上げられていた何かの空き缶はいかにも興ざめであった。

 もっとも、その異形の山姿を信仰の対象として崇めてきた人々の為にも相馬山があるのはごく自然な事、相馬山を否定する気はさらさら無いことは付け加えておこう。

山頂到着 信仰の山なのは解るが、少し雑然とした感じもぬぐえない

山頂に立つのは黒髪山神社

勧進の石碑が囲う山頂

少し離れた場所に控えめに山名板があった

南向きの鳥居 下を覗くと急峻ではあったが修験者なら通りかねないようなルートっぽいものがあった

途中いくつもの鳥居を経て下山を終えた最後の鳥居には黒髪山神社と書かれていた

あとは約30分の車道歩きで駐車場に戻る 往来する車も少なく長閑

磨墨岩全景

二ツ岳の雄岳、相馬山、磨墨岩

グランドは閉鎖中だが駐車場と併設のトイレは利用できる ありがたいことだ

折角なので水沢うどんで昼食とした

相変らずコシとのど越しの良い麺 やはり一味違うといつも思うのだ

概略コースタイム

<二ツ岳>
オンマ谷駐車場発(07:06)-まゆみの原(07:12)-七合目避難小屋(07:59)-雌岳(08:10)-七合目避難小屋(08:21)-
雄岳(08:36)-オンマ谷駐車場着(09:20)

<相馬山>
松ノ沢グランド駐車場発(09:33)-ジョーズ岩(09:47)-磨墨岩(09:58)-ヤセオネ峠分岐(10:29)-相馬山(10:59)-
ヤセオネ峠分岐(11:26)-車道接合(11:41)-松ノ沢グランド駐車場着(12:09)

カシミール3Dデータ

沿面距離:10.2Km
所要時間:5時間3分

カテゴリー: 群馬県の山, 車中泊の旅 | 2件のコメント

まだまだ行きます

 車をぶつけてしまって自粛している思いきや、そんなことも無い。
 ただ、代車で車中泊はチト厳しいものがある。広さとか装備とかそういう観点からだ。
 そこで、安宿で歩きつなぐことに当面はチェンジするしかないという考えに至ったのである。

 先週の本州の天気は全般的に芳しく無かったが、今週は反動のように好天が並ぶ。
 ちと残念なのが仕事の予定を合間に入れてしまったので、そこは外せない。いくらリタイヤしたとしても社会人として最低限のルールは守らなきゃいかんだろう。あと、老いた母の通院だとか自分の通院だとかプータローも結構忙しいのだ(;^ω^)

 そんな忙しさの合間をかいくぐって(それは一般的には忙しいとは言わないのだが)月曜、火曜と群馬方面へ足を延ばしてみた。ちょっとコスパが悪いが、今はとにかく晴天のタイミングと失われゆく時間を大切にすべきなのだよ。

 で、ただ群馬方面に行くのもつまらないので、ヤマレコでアカヤシオ見頃の情報を得ていた氷室山・宝生山・十二山・根本山、ついでに熊鷹山を歩いてからというルートにした。

 林道作原沢入線は佐野側で通行止めになっているということなので、沢入側から入った。事前の予報で、ある程度の風は覚悟していたし、実際林道を走っているうちは斜面に遮られていた為に風の強さが感じられなかった。だが林道の最高標高点に着いて車を停めると、代車の軽自動車など吹き飛ばされそうな強風が峠を吹き抜けているではないか。

 目と鼻の先にある宝生山まで様子を見に行ってみようと車を降りると、風速30mくらいはあろうかという強風に体が流されそうになる。これはとても無理だ。アカヤシオどころではない。林道をそそくさと降りて沢入駅に着くと何事もなかったようにそよぐ風。たまに息継ぎするような少し強めの風が吹くが、峠上でこの程度の風ならば・・・と悔やまれるもこればかりは仕方がない。

 道中手軽に楽しめる観光スポットでもないかと考えながら走る。だが60過ぎのオヤジが一人で遊べる所なんざそうそうは無い。ままよとひたすらハンドルを握り榛名湖までやってきた。山で食べる予定だった食料を始末するため、湖畔でランチタイムと洒落こむ。少し風が強くて寒いが、たまにはこんなのも良いだろう。

 この二日間のメインの予定は、明日、二ツ岳と相馬山に登ることだ。車中泊計画でのこのエリアははあと一座、水沢山も考えていたが、流石に今回は時間と体力で割愛する。

 食後、案内板をしげしげと眺めて、周囲が火山の外輪山であった事を改めて学び直すことにより、見渡す山々の一つ一つに登ってみたいという感慨にふける。いずれも標高が1300m~1400m程度で、湖畔が1100mくらいなので、標高差300m程度のピークが周囲にポコポコある光景というのも珍しいと言えば珍しい。火山地形固有の切り立った山姿が特徴的で眺めていても飽きないのだ。

榛名湖周辺もいろいろあってじっくり歩くと数日かかりそうだ

シンボルの榛名富士 標高差300mを歩いても良いのだが既に登山服は脱いでしまっている

掃部ヶ岳をバックに 月曜だから顔はめするような観光客もおらず閑散としている

馬子さん不在 留め綱を離していてもおとなしくて動こうともしない

 榛名富士はロープウェイがありお手軽に山頂をGet出来る。登山道でも往復2時間もあれば登ってこられるのだが、今日はすっかり歩く意欲が無くなってしまったので観光収入に貢献することにした。300mの標高差を2分50秒で運んでくれるのだからこれはありがたいことだ。

 二台のゴンドラが同時に動く仕組み。自分は先頭のゴンドラに一人で乗り込んだら後から来たおばさまグループが乗り込んで来てあっという間に密に。聞き耳を立てると、どこぞの登山ロープウェイに乗って以来だとか、最近二度ほど登山道で榛名富士に登ったなど、どうやら仲良し登山仲間のようだ。

ロープウェイの往復券(850円也)を買った

 山頂駅に降り立つとすっきり見えるのは南側主体。西側は浅間山の白い姿がロープウェイの施設越しでスッキリとは見えない。それでも、登山など関係の無い観光客なら結構満足度のある風景。夏季でも16時で営業終了だが、高崎の市街地の灯りを眺めながら山頂駅からビールでも飲むなんていうのをやったら結構受けるのかな。もっとも市街地からの距離が案外あるので集客が難しいというのもありか。頼みは近くの伊香保温泉だが、温泉で手足を伸ばしてくつろいで、そして飲んだくれていればここまでは足を延ばさないのかもね。

高崎市街地を望む 大昔の火山地形なのでこういうスパっと切れ落ちた風景があちこちにある

山頂駅から三角点ピークへ数分

一等三角点 点名はずばり「榛名富士」

ド派手な社殿 冨士山神社

明日登る二つ岳と特徴的な山姿の相馬山がよく見える

 伊香保温泉経由で車を高崎に向けて走らせる途中の『伊香保温泉 高根展望台』からの眺望もなかなかに素晴らしい。後で知ったのだが、ここには四等三角点(点名:高根)がある地点だった。

十二ヶ岳、中ノ岳、小野子山 起伏があってハードそうだがこちらも近々歩きたい山だ

長野県堺の高峰

 いつまでも眺めていたい素晴らしい景色を後にして高崎市内へ。
 今日の宿泊先は昨日じゃらんから急遽予約した激安の素泊まり一泊\3,500(税込)。ただしエアコンとTV無しだという。車中泊者としてはベッドと風呂トイレがあれば天国だよ。

 チェックインする時に「高崎は気温が低くなりますのでエアコンがあるお部屋をご案内させていただきます」とのこと。料金変わらずなのでラッキーだね。腸のご機嫌を窺いながらスーパーで総菜を漁るのは車中泊と変わらないが、そこに一品缶ビールが加わるのが少し嬉しい。普請がチープな高崎のビジネスホテル。隣室の男性がYouTubeを見ながら軽く笑う声、荷物のチャックを閉める音まではっきり聞こえていくそんな宿の夜が更けていく。

カテゴリー: 旅行, 群馬県の山 | コメントをどうぞ

気分転換に芝桜

 沼津から戻ってきた翌日はすっかり気力をも失せて家でだらだらとしていたが、過ぎてしまったことはしょうがない。過去に「たられば」は無し。

 新聞を眺めると市貝の芝桜が満開だという。気分転換にと代車の軽を走らせた。
 見事な芝桜の絨毯。でも・・・やはり花は自然の中に自生するものが美しいなぁと改めて思ったりするのであった。
(以下写真羅列)

市貝の芝桜公園にやってきた

わんちゃんも嬉しそう

水仙がアクセントだね

水晶湖もなかなか綺麗だ

カテゴリー: 日記 | コメントをどうぞ

嗚呼!哀しき撤退

 『箱根ビジターセンター』の夜は静寂そのもの。睡眠をむさぼるのには実に快適だ。難を言えば併設されているトイレにウォシュレットが無い事くらいかな(笑)

 ぐっすり眠れる筈の夜だったが、あにはからず。ちょっとオーバースペックの防寒対策が裏目に出て夜半にインナーシュラフを外すまでなかなか寝付かれなかった。今年の4月は気温の上下が激しいので、気軽に寝具状況ををチェンジ出来ない車中泊は対応が難しいのだ。

 さて、今日と明日は確度の高い雨予報。低気圧が移動してくるので素人判断でも絶望的だ。雨ならこうしようという計画をあらかじめ立てていたのだが、目が覚める頃に車の屋根を打つ雨音を聞き、「確か午後からの降雨だった筈」と思い返し意気消沈する。まぁ、こういった想定外の事や不便さも楽しめないとビギナーからステップアップ出来ないのだが、駆け出しの自分はまだそういったレベルには至っていないのだ。

 いつもならリアハッチを開け、朝の爽やかな空気を取り込みながら寝具や車内の片付けを済ましてまず朝食、そして更に荷物を走行モードへ遷移するのだが、今朝は雨に濡れてしまうからすべてを車内で行わなければならない。
 軽の商用ワンボックス等、荷室の天井が高い車の場合は中腰で着替えが出来るほどだが、低床バンタイプの商用車の荷室であるシャトルでは正座をすると頭と天井の隙間が数センチしかない。荷室内だけで片付けをするのは結構きついのだ。

 準備を終えて南へと車を走らせる。進む道は国道1号線。箱根から沼津へと山を降りていく。

 まず始めは『道の駅 伊豆ゲートウェイ函南』へ。最近は道の駅に着くと常に車中泊的見地からあちこち睨め回(ねめまわ)して評価する癖がついてしまっている。今回の旅でも終盤でこの道の駅を使う予定なので偵察を兼ねているのだ。

 結果から言うと百点満点。まず、綺麗。もちトイレが。肝心の用足し以外にも洗面や歯磨きもするから綺麗に越したことはない。そして、駐車枠の傾斜が殆ど無い。ここ重要。車の前後に傾斜が発生する場合は寝る時に頭が上になるように停める向きを変えるが、勿論程度というものがある。そして左右は流石にどうしようもない。僅かな傾斜なら我慢のしようもあるが、一晩寝てみると結構ボディブローのように効いてくるのだ。

 さらに、乗用車の駐車エリアとトラックの駐車エリアが明確に区別されていてその距離も離れている。大型トラックのアイドリング音は深夜になると結構気になるが、トラックによっては積載物の関係でエンジンを停められないものも多いと聞く。トラックの運転手さんも仮眠を取る為に停めている訳だが、道の駅を管轄している国土交通省によると宿泊としては使わないでくれという意向があるだけに、車中泊者としては仮眠では無く”睡眠”している手前、周囲に迷惑をかけない配慮のみならず道の駅の利用趣旨に関する状況を甘受しなければならない。あくまで休憩として利用させて貰っているに過ぎないのだ。嫌なら自分が動けば良いだけのこと。

 自分は車中泊の時は絶対に飲まないようにしている。これは場合によっては車を動かさなければならない事態を想定しているからだ。天災や不慮の事故だってあり得る。ある意味アウトドアと一緒でそれらを回避するのは基本的に自己責任の世界ということになるからだ。

 続けて沼津アルプスの登山口偵察。日守山駐車場に着くと、小雨そぼ降る中、標高190mの大嵐山へと日参登山の高齢者の姿が沢山見られた。この状況でも登るのだからもはや筋金入りと言っても良いだろう。

 今回の旅ではこの大嵐山から大平山(356m)、鷲頭山(392m)、徳倉山(256m)、香貫山(193m)と巡るいわゆる沼津アルプス縦走を予定していた。低山ながら市街地の裏手に衝立のように居並ぶ山脈を西伊豆の半島付け根を眺めながら踏破するのは楽しみだ。

雨にけぶる沼津アルプス

恐らく函南町の別荘地 斜面に花咲く家は地中海スタイル

 そして、お次は沼津港。千本浜公園に向けて車を走らせる。途中で『沼津港大型展望水門 びゅうお』という案内が目に入ったので寄り道をすることにした。予定外の行動だったたけに、今思い起こせばこれが運命の別れ道であったような気がする。

 びゅうおという展望水門は港口公園の南端にあるが、身障者専用駐車場しか見つからない。後で知ったことだが、北側に一般駐車場があったのでそちらへ行っていれば問題は無かったのだ。

 行き止まりの道をバックで引き返す時であった。

ドカン!と衝撃 ほぼ同時にバァン!という破裂音

 あ、やってしまった。
 当然バックだからスピードなんてのは知れている。だが何となくぶつかった程度より大きな音がした気がするのだ。

 アチャー。これは参ったなと車を降りて確認すると・・・

 なんと、リアガラスが全部無くなっているではないか。
 車を40年以上も運転していると自分もバックで何かにぶつけたことは幾度かあるが、こんなに激しい破損状況に出会ったのは初めてだ。暫くは声も出ず。

 幸いにしてぶつけてしまった構築物(街路灯で下部は四角い鉄柱で覆われている)はびくともしていなかったのは幸いである。所有者を確認すると静岡県ということで担当者に確認していただき、損傷は認められずお咎め無しとのことであった。

 よく見ると柱にぶつけた時にバンパーとハッチの一部が凹んだ衝撃でガラスに圧力がかかり割れてしまったようだ。しかも安全対策の為にガラスは一瞬にして細かい破片となってすべて割れ尽くす仕様となっているようだ。衝突時に破裂音が聞こえたのはこの為らしい。

 かくして宇都宮から遥か300kmも離れたこの地でリアガラスを全て失う羽目になった。しかも低気圧が徐々に迫りくる、嵐が予報されているこの状況でである。走行にはまったく支障が無いからこれは速攻で帰るしかない。せめて目張りだけはと思い手持ちのビニール袋と養生テープで即席のリアガラス作成。
 走っているとバタバタしていつ飛んでいくか心細いことこのうえなし。途中で通りかかったホームセンターで厚手のゴミ袋と養生テープを購入して強度アップするも、宇都宮までの道中の長いこと長いこと。

 幸いにして道中は小雨程度で済んだので良かったのだが、一週間の旅が中断してしまった事への残念な思いも去ることながら車の後部を大破させてしまったことへの後悔の念が頭の中をぐるぐると駆け巡る。このうえは更なる事故など起こさぬようにまずは集中して家に帰ろうという思いが強く、緊張のドライブであった。

 車両保険に入っていたので、早速保険会社に連絡をすると提携修理工場が代車をもって引き取りにきてくれた。
 翌日、修理概算金額を聞いてびっくり。安い中古車買えちゃうよ。今まで車両保険なんて入っていなかったけれど、今回は入っていて本当に良かったなと痛感した。

 どうやら相当修理に手間がかかるようで、月内完成が厳しそうだという。
 下旬にもう一度別なエリアの旅を予定していただけに凹みました。まぁ身から出た錆。後方確認が足りなかっただけなんだけどね。変な所に街路灯があるのがいけないんじゃぃ。と憤るも筋違いなのだ。(´・ω・`)

 まぁ、他車両絡みや人身事故で無かったし、自分自身にも何もダメージが無かったのが不幸中の幸いであった。でも流石に今回は堪えた堪えた。

カテゴリー: 車中泊の旅 | 2件のコメント