リベンジ静岡の旅

 静岡の旅一日目 11月18日(木)

 今春に続けて二度目の静岡の旅である。

 前回は初日が移動二日目は愛鷹山の黒岳、越前岳登山と意気揚々としたスケジュール消化であったが、三日目の沼津市内で不運との遭遇。残っていた旅をいつか必ず続けたいという思いが高まり、若干のアレンジも加えてリベンジへと旅立った。

 期間は11月18日から25日までの8日間。期間中に前線通過(22日)の悪天候確定日が一日あってかなり悩んだ。23日出発という線も検討したが、この前線通過以降は強力な寒気が入ってくるらしい。車中泊には厳しい状況になりつつある。だから、なるべく暖かいうちのほうがよかろうと思い決行に至った。

 初日は淡々と移動のみ。走行距離263Km、9時間1分。もちろん休憩や買い物などの時間も含むが、全て下道オンリーなのでいやはや流石に疲れる。

 最終日の結果を今ここに書いてしまうと、トータル1,225Kmの下道走行となった。
 予定段階で帰りは一部高速を検討していた。いざ最終日になると、ここにきて数時間を節約してもしょうがないな、むしろ下道オンリーを貫いたほうが清々しいやとさえ思えるようになった。時間がある者の特権であろう。

 宇都宮から相模湖方面までは殺伐とした市街地の風景が続く。だが、国道413号、通称「道志道」に入ると一気に山間部となり、ハンドルを握るのが断然楽しくなってきた。丹沢山塊と道志山塊に挟まれたこの道は、栃木県の小来川あたりでも走っているような風景が拡がっているのだ。

 静岡方面へアクセスする場合、東伊豆なら真っすぐ南下して平塚から国道1号に入るのが効率的なナビルートとなる訳だが、こちらはどうにもごみごみしていて走っていて楽しくない。ドライブとはいえ、やはり自然の中を行くのが絶対に良いのだ。

道の駅どうしにて

国道413号「道志道」沿道の紅葉も鮮やかなものが散見

夕暮れが近づく山中湖畔にて

動くホテルの旅は始まった

 本日の泊地は道の駅伊豆ゲートウェイ函南である。
 春の静岡行の時に実は偵察済み(この直後に少し離れた場所でトラブル発生)であった。車中泊者の評判も上々の道の駅である。実際現地入りするとトイレは綺麗、駐車スペースに傾斜はほぼ無し。気になったのは車中生活者が少し多かったように感じた点だけ。

 最近は車中泊ブームと言われているが、昼間は別の所へ移動して夜になるとまた同じ道の駅へ戻って生活しているいわゆる『車上生活者』も結構見かけられる。一般のお客さんが沢山居る比較的早い時間から車中泊状態に遷移して端のほうでチェアーを出して仲間同士で喋っていたりする。また、中には車外でガスバーナーを使って煮炊きをしている者などもいて、こちらは明らかにルール違反だ。

 別な視点で深刻な例を挙げると、本当に車以外に生活する場所が無く極まってそこに居るという人。シェードも何も施さずに運転席で魂の抜けたような面持ちでじっと夕闇が迫るのをひたすら待ち、夜のとばりが降りるとジャンパーの襟を立てて倒したシートにそのまま横たわる。食事はいったい何時しているのだろうか、そんな人もたまに見かけることがある。

 他にも酔っぱらって夜に騒ぐなど、道の駅が住宅地脇にあるとすると、住民としてはこれら事項が治安的に不安要因として挙がってくるのは当然のことである。

 だが、ほとんどの優良な車中泊者は営業時間が終了してから訪れ、外に出るのはトイレと自販機だけ。なるべく音を立てないように車内だけでひっそりと一晩を暮らし、翌朝は営業開始時間前に出発しているのも書き添えておきたい。

 道の駅ゲートウェイ函南に話を戻すが、セブンイレブンとタリーズコーヒー併設というお洒落な道の駅なので利便性は高いが、その分沢山の人が集まってきてなかなか夜も騒がしかった。そしてなんといっても車の騒音がひどい。脇にある伊豆縦貫道の車は押しなべて法定速度プラス20Kmくらいで走り抜ける。そしてロケーションが良いので大量の大型トラックが仮眠で集まり夜通しアイドリング大合唱となる。

 少ない自分の車中泊経験でもここまで便利で近代的だが寝るのにうるさい道の駅は初めてだ。実は明日も此処に泊まる予定だったのだが、ふと以前読んだどなたかの記事に、隣接している「川の駅」は静かだよというのを見かけたのを思い出した。

 結局、翌晩は川の駅のほうに停め、セブンイレブンがある道の駅までは跨線橋で数分歩くだけで行ける。ちゃんと綺麗なトイレもあり、小高い所にあるので道路の通過音は小さい。大型は入って来ず快適に眠れたのである。

 車中泊は予定していた場所の情報を細やかに入手していたほうが絶対に良い。ぱっと一目見ただけで不可な場所もあるが、道の駅ゲートウェイ函南はなかなか曲者な泊地であった。

カテゴリー: 車中泊の旅 | コメントをどうぞ

古賀志山馬蹄形2021



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

古賀志山馬蹄形の過去の記事
    2020年04月03日  古賀志山馬蹄形縦走時計回り
    2013年03月09日  古賀志山馬蹄形縦走

 ここ数日大変天気が良い。
 然れども、仕事やらなにやらシャバの用事を飛び飛びで入れてしまったので車中泊に出かけてしまうことが出来ない。
 青空の日は家でウダウダしているのも半日が限界で、昨日は豊郷台の美術館周辺を散策。車でお湯を沸かして食事とコーヒー、読書と昼寝をした。

 だが、その程度では足腰がなまってしまうから、今日は思い切って普段足の向かない古賀志山でも登るかと一念発起。どうせならトレーニングを兼ねて馬蹄形を歩く事にした。

 林道長倉線側に車を停め、北ノ峯に登り上げて赤岩山岩稜~古賀志山~鞍掛尾根(今はこう呼ばないとか)~馬蹄形北側稜線~腰掛岩と周回。

 赤岩山岩稜は相変わらずのフィールドアスレチック祭り。それでも以前より巻道が増えたような気がする。御嶽山からはハイカーの嵐でヒトまたヒト。ようやく559mPから北に入ると登山者が減って一息。馬蹄形北側尾根に入るとやっと静かな歩きとなるも、444mP(鳥屋山)ではグループ(驚)が昼食中。

 なかなか静かな山歩きとはいかなかったが、それでも表ルートに比べれば比較的落ち着いた古賀志山を楽しめた一日であった。

 以下写真羅列。

 今回は岩場歩きが多いのでOM-D EM5を使用したが、モードダイヤルが露出優先になっていたのを下山してから気づいた(汗)
 一生懸命補正したけど、やはりD5600に比べると画質がショボイな。まだまだ設定精進精進。

久々の古賀志山、よろしく

北ノ峯に登ると日光連山がお出迎え

富士山も(トリミング)

猿岩から二股山とかまど倉

手前は赤岩山

赤岩山岩稜から北東の眺望があちこち良好になったような気がする

馬蹄形入り口 立派な道標 以前の朽ちかけた『丁岡入口』が懐かしい

今年はどの山を歩いても落果実は豊作だ

444mP手前の岩場を登った箇所から

最後に腰掛岩から下降

概略コースタイム

駐車地発(08:38)-廃小屋(08:54)-北ノ峯(09:17)-猿岩(09:41)-赤岩山(09:50)-
二尊岩(09:59)-中岩(10:18)-御嶽山(10:35)-古賀志山(10:47)-540mP(11:43)-
昼食休憩地(11:52)-昼食休憩-行動再会(12:32)-383mP(12:52)-鳥屋山(444mP)(13:27)-
腰掛岩(13:32)-駐車地着(13:54)

カシミール3Dデータ

沿面距離:7.8Km
所要時間:5時間16分

カテゴリー: 宇都宮の山 | 2件のコメント

赤城山周回



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

黒檜山の過去の記事
    2018年02月10日  群馬遠征 赤城山 晴れ時々曇り

 昨晩の泊地は『道の駅よしおか温泉』とした。
 前橋市街地北部に位置し国道17号沿いの賑やかな場所ではあるが、名前の通り温泉を併設している。

 今まで泊まってきた道の駅に比べるといかにも街中の道の駅といった感じで、車中泊者も圧倒的に多く、車の出入りも激しい。
 併設の温泉は昨日の相間川温泉を薄くしたような泉質で案外力強い。入湯料が税込み400円というのも嬉しい限りだ。

 金曜の夜ということもあり、キャンピングカーやハイエースが居並ぶ中、夜間の騒音が心配だったが、行儀の良い車中泊者で埋め尽くされていたおかげで逆に静かな夜を過ごすことが出来た。

大沼湖畔にて 朝の日差しはまだ湖面まで届かない

 道の駅を後にして赤城山へと北上をする。
 数日前の天気予報では土曜日の赤城山は最高に良い天気だった筈なのだが、いざ当日を迎えると思った程の天気では無く、むしろ東側から流れてくるガスが気になる。まぁ、”悪い天気”でないのは確かだから気を取り直していこう。

 榛名山もそうだったが群馬県の主力観光地である赤城山もまた豊富に駐車場が設けられている。様々な登山ルートに合わせて駐車場を選べるのは大変ありがたいこと。今回は周回ルートの終着点である大洞駐車場に車を停めて出発した。

二度目の赤城山 無雪期は初めてだ

 どんな山でも同じルートを歩くと二回目は力を抜いて歩ける。先が見通せるからだ。初めてのルートでもGPSがトレースするマップを眺めれば全体像と現在地は適確に解るし、更に地形図をよく読めばこれから起こるであろう変化や急登などは想像がつく。だが、実際の斜度や足元の歩きにくさなど、総合的な大変さというのはなかなか地図から読み取れないものなのだ。

 その点、二度目となればおぼろげながらも雰囲気を記憶しているから『先が読め』て余裕な登りが出来る。黒檜山への直登気味の登りも、初めてならば気圧される(けおされる)ほどの標高差450mの登りだが、今回は案外楽に登ることが出来た。

一登りした箇所から定番のビューポイント 日陰が多く露出設定が難しい

コツコツ登っていくとあっという間に山頂 ここはスルーして絶景スポットへ

今回の絶景スポットは心静かに、また心ゆくまで楽しむ事が出来た

 前回の雪の黒檜山は真冬だけに空気が澄んだ遠望が素晴らしかったが、今回はちょっと霞んでいるのが残念。
 もっとも、前回は会社でトラブルがあって心の眼がちょっと曇っていたのでその絶景を楽しめなかったのが心残りだった。今回は留飲を下げる思い、すっきりした心持ちで眺望を楽しむことが出来た。

 改めて前回の写真を見ると凄い絶景だったんだね。これはもう一度積雪期に登ってみたいところだが、心配なのは車かな。途中アイスバーンでガリガリなあの道をシャトルで上ってくる自信無し。改めて前車のパジェロミニが惜しまれるが燃費がねぇ。まぁ、麓からバスで行くという手もあるし、是非次冬も黒檜山を検討しようと思っている。

ガスの切れ間から皇海山が顔を出した

上州武尊 まだ雪が無いので登れるかな

 眺望に後ろ髪を引かれる思いだが、今日は残りの行程がまだ長い。下山を開始しよう。

通過点の駒ケ岳

ぽつんと雲が映る大沼 うーーんアングルと色調がイマイチだなぁ

次に登る長七郎山 その右に小沼 東より雲が流れてきてどうにも色がうまく出ない

 それにしてもだ。榛名山もそうだが特に赤城山は登山者が多い。中高年はもとより若い人が沢山いるので、自分の普段の山歩きからすると少し毛色が違うように強く感じるのだ。

 人が集まる所にはますます人がやって来るという相乗効果。俗っぽい言い方をすれば”流行り”とでも言おうか。決して廃れが無い素晴らしい山だとは思うのだが、山に登るということがファッション化しているとも言えるハイカーが散見されたのも事実。軽い気持ちで訪れるのも良いが、せめて自分の体力とペースくらいは知るべきと思うような人もたまに見られた。

覚満淵も散策で一度は歩いてみたいものだ

 鳥居峠まで一旦下山すると、駐車場があるそこは観光客のエリアだ。売店のアイスに心揺れるが、折角消費したカロリーの事を考えると今日はよしておこう(笑)

山頂までオフロードバイクやマウンテンバイクで行けてしまいそうな長七郎山 裏手に地蔵岳が控える

 鳥居峠からすぐ裏手の登山道に入ると、だらだらな緩い斜度の登りになる。道幅は広くオフロードバイクなら自分の程度の腕でも登っていけそうな感じだ。地面を見るとマウンテンバイクのタイヤ痕が残っているが、自転車なら楽勝(脚力を除いて)だろう。

 長七郎山の山頂手前で小さな女の子が手を引かれて降りて来た。
 思わず”じいちゃんモード”が発動して、「大変だね、幾つなの?」と尋ねると、母親が三歳です。
 「うちの孫も三歳だけど登れるかなぁ」なんて会話で別れた。

 ガスが流れ行く山頂は地蔵岳以外の眺望は無かったが、小さな子供を連れた家族がお弁当を拡げている姿が見られる。
 駐車場から短距離、そして斜度も緩いこの山は小さな子供達のハイキング登竜門の如し。これは早速我が孫もと思うも、孫たちが住む街からここまで”親付き”で招聘するのも何かと物入りになりそうだ(笑)

小沼駐車場手前から地蔵岳 こちら側は青空が拡がっている

 一旦来た道を戻り・・・?

 あ、やっちゃった。予定では長七郎山から南に下り小沼湖畔を廻って地蔵岳へ向かう筈だったのだが、ぼっとしていたなぁ。

 長七郎山と地蔵岳分岐地点の印象が強かったのか「帰らなくっちゃ」という意識に囚われたのかな?これじゃ徘徊老人だ。
 まぁ、登り返すのも億劫だし、第一ガスが去来する小沼も綺麗な風景を楽しめそうも無いだろうなんて自分に言い訳をしながら降りていった。

 実はもう一つ取りこぼしがある。長七郎山の北にある小地蔵岳を踏まなかったことだ。地図では1574mの標高が書かれているが、外観からして樹に覆われた山頂は見るからに眺望が無さそうなのでパスした。こうなると次回以降おさらいで小沼周回とセットで歩きたいもの。

最後の登りで若干辛かったが、サクサク登って地蔵岳

 一旦車道を進み、八丁峠駐車場より地蔵岳を目指す。
 序盤と中盤は木の階段が延々と続く。気分的に滅入るが、とにかく階段にペースを崩されないように登るのが肝要。
 200mにも満たない標高差だが、今日のコース全体の終盤ともなるといささか疲れが出てくる。だが、そんな疲れも吹き飛ぶような眺望が待ち受ける山頂。黒檜山に遮られる北側は仕方がないにしても、僅かな登りでこれだけの眺望はコスパの良い登山と言えよう。

黒檜山のビューポイントとも劣らない程眺望は良い

  丁度昼食時間なので山頂は大賑わいだ。自分も恒例のカロリー補給ゼリーを口にしながら眺望を楽しむが、元来”密”なのはあまり好きじゃないので早速下山を開始した。

大洞へ向かって降りると気持ちの良い笹原 だが、この後滑りやすい急坂が待っていた

 気持ちの良い笹原下りも終わると後は地獄のような急坂下り。滑りやすい地面だけに気が抜けない。手軽に地蔵岳を楽しむなら八丁峠駐車場からのピストンがお勧めだ。

道路脇の作業動に入り木漏れ日の元昼飯を食べた

 無事今回の群馬遠征登山は終了した。
 榛名山はまだまだ登り残しもあるし、今回の赤城山もミステイクの宿題が残っている。
 だが、お楽しみは次回に残せばこそというもの。

 駐車場から北に向かい赤城山を降りていく。
 昼飯を食べていなかったのを思い出した頃、道路脇の作業道が素敵に色づいているのを見つけた。
 リアハッチを開けお湯を沸かし、携帯食のカレーメシを堪能。コーヒーを淹れて耳を澄ますと落葉松の葉が地面に落ちる音が微かに聞こえてくる静かな時間。予定に追われない旅の醍醐味だ。

沼田までやってきた 三峰山という標高1000mに満たない台地状の山 荒船山のようだ

 この時間からだと夕方には自宅に戻れる。だがそういった余韻を残さない旅はやはりしたくない。
 わざわざ沼田まで降りてきて今夜の泊地である『道の駅白沢』へ。

 この道の駅にも『望郷の湯』という温泉が併設されている。露天風呂からは赤城山が見えるロケーション。料金は580円と僅かに高めだが、総じて群馬県の公営性の高い日帰り温泉はコスパが良い。

そして上州武尊 どうしてもここは登らなきゃならないが、チャンスはいつ来るか

 道の駅白沢も土曜日だからか見渡す限りの車中泊の車で埋め尽くされている。
 朝、日が昇る頃、周囲から動き出す物音が聞こえてくると今日も皆の一日が始まる。
 寝床を片付け、荷物を出し入れして準備をする人。パジャマ姿の眠そうな子供をトイレに連れて行く父親。

 自分もいつものように車内を整え、最後のコーヒーを飲み干すと金精峠に向けてハンドルを切った。

概略コースタイム

大洞駐車場発(07:28)-登山口(07:53)-黒檜山(09:01)-絶景ポイント(09:04)-駒ケ岳(09:53)-
鳥居峠(10:36)-長七郎山(11:20)-小沼駐車場(11:39)-地蔵岳(12:11)-大洞駐車場着(13:04)

カシミール3Dデータ

沿面距離:11.4Km
所要時間:5時間36分

カテゴリー: 群馬県の山, 車中泊の旅 | コメントをどうぞ

掃部ヶ岳と杏ヶ岳



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 昨晩は道の駅くらぶち小栗の里に泊まった。この道の駅はつい先日10月29日の夜にもお世話になっている。勝手知ったるでは無いが、今回は駐車位置を間違うこともなく好位置に車を停めることが出来た。

 また、道の駅に入る前に検索で引っかかった温泉に立ち寄りしたらこれが大当たり。くらぶち相間川温泉だ。

 群馬の日帰り温泉は意外と安い所が多く、今日も山の汗を流せればよい位に考えていたが、520円を払っていざ入湯してみると施設の古さは否めないものの、肝心の泉質はずばり強烈。なんでも、濃すぎる成分で注目されているようで長時間の入浴はかえって体に良くないとも言われているそうな。
 感覚的には少し油が混ざったアルカリ性溶液に浸されているようなそんな感じと言ったらよいだろうか。栃木でも硫化水素泉が強力な所は那須と奥日光湯元に行けば沢山ある。だが鉱泉のような感じの泉質は初めての経験でなかなかパンチのある入り応えである。おかげで小野子三山のシゴキのような疲労がスッキリと癒えたような気がする。

 朝7時に出発。その時役場の放送でエーデルワイスのチャイムが鳴った。
 和音が奏でる旋律がなかなか美しいんじゃない。アレンジした人はセンスあるなと思わせるコード進行にうっとり。
 エンディングコードのハーモニーがとりわけ良くって、自分だったら絶対この音を選ぶだろうなと考えたのと一致して鳥肌もの。
 少し愁いを含んだ中にも希望と明るさが滲んだようなそんな音。あぁ、今日も一日頑張れるぞ。そんな爽やかな気分で道の駅を後にした。

高崎市榛名林間学校「榛名湖荘」裏手の無料駐車場に駐車 既に紅葉が美しい

 榛名湖畔は今を盛りの紅葉で彩られている。まだ朝も早い時間だが、湖畔にテーブルを拡げてコーヒーを淹れてくつろぐ人。重い三脚を抱えながら撮影にいそしむカメラマン。秋の輝くひと時を楽しむ人たちがあちこちに見られた。

登山口から見上げる硯岩がひときわ目立つ

 駐車場から少し進んで登山口に入ろうとすると、見上げた上に岩柱が威容を放つ硯岩が目に入ってきた。今日のルートの第一中継点だ。

登山口から一登りで硯岩の岩頭に到達

榛名湖の向こう 左の烏帽子ヶ岳、そして形の良い榛名富士、奥には二ツ岳

紅葉はまだまだ楽しめる

ロッククライマーの残置ロープがあった

さて、掃部ヶ岳を目指そう 序盤は緩やかな笹道をのんびりと

今日も快晴に恵まれた 今秋、群馬とは相性が良いようだ

中盤以降木製階段が出てくるが、だれしも脇の道を歩くだろう

 木製階段が結構な距離続いているが、とても歩きにくく皆さん脇の道を歩くようでしっかりと踏み固められている。あまりにもピッチが狭いのでこの上を歩くとなると土ふまずのツボ刺激のバランス取り歩きになってしまうのでちょっといただけない。

 間に土でも埋まっているならまだしも、間隔が狭くちゃ足を間に置く事は出来ないし、広い所じゃ今度足が下がり過ぎるし、とにかく歩けたものではないのだ。企画設計した人はきっと山歩きをしたことがない人なのではと、どこの山でも階段を見ると思うのだ。その点鉄塔巡視路によく見るプラのステップを使った階段は歩きやすい。やはり専門の方は心得ているのだと思うのだ。

陽が降り注ぐ掃部ヶ岳へ到着

 追い越した同年代くらいの夫婦が後から山頂にやってきた。二人の会話から登頂の清々しさが伝わってくる。ご主人はポーズを作る奥様に向けてしきりにシャッターを切る。そんな二人の様子が微笑ましい。このルートをピストンで登るなら標高差は350mに満たない。特に難しい所も無い。登り慣れていない方には、達成感のある絶景を見ることが出来る手頃な山頂なのではないかと思った。

逆光だが榛名湖と外輪山が箱庭のように広がる

谷の紅葉が波のように連なるのも綺麗だ

先日登った鼻曲山が奥に見える 右最奥の浅間山は頂上が雲に覆われていた

南側、妙義山の右上は南アルプスだろう、そしてその隣は八ヶ岳

 眺望を充分に楽しんだ後に山頂を後にする。今日はまだ全行程の半分も歩いていない。目的の杏ヶ岳はまだまだ先である。

笹尾根を南西に下る 手前は西峰

 掃部ヶ岳から南西に降りる尾根は笹が腰高くらい。雰囲気は大変良いが、朝露をたっぷり含んでいるのでズボンが見る間に濡れてくる。雨具のズボンを履きたかったところだが、今日の行動では間違いなく不要と判断して車に置いてきてしまった。結局、次第に笹の朝露は無くなりズボンも自然に乾いてくれたので結果オーライだ。

榛名湖の見える角度が変わると雰囲気が違ってもう一枚

杏ヶ岳はあの一番奥のピーク 杖の神峠まで一旦降りての登り返し まだまだ先だ

途中の耳岩より(麓から見て右耳) ここは絶景だな 時間があったら昼寝をしていきたいほどだ

 西峰ともう一つのピークを越えて更に高度を下げると巨岩が露出している箇所に突き当たる。耳岩だ。遠くから見るとトラの顔に見えその耳が印象的なのが由来とも言われているようだ。(真偽は定かでない)

耳岩より見る色彩の海原

真ん中が西峰 掃部ヶ岳は奥で見えない

しつこいようだがアングル変わったので耳岩からももう一枚

溶岩が地上へ登り龍のように噴出した不思議な地形

杖の神峠の舗装道路に交差

 耳岩から進行方向が南に変わりぐっと標高を下げる。ここで掃部ヶ岳の山頂から初めての登山者とクロスする。こちら側はあまり歩く人はいないようだが、ルートの雰囲気は絶対的にこちらのほうが良いと思う。杏ヶ岳まで行かなくとも杖の神林道で戻れば周回出来るのだから、湖畔からのピストンだけでは勿体ないと強く思うのである。

 杖の神峠で休憩していると上から更に単独者がやってきて林道を降りていった。この区間は都合二名の登山者しか居なかったことになる。

後半の最高標高点、1317mの鷲ノ巣山

 杖の神峠から先の杏ヶ岳へのピストンは静かな落ち着いた山道。眺望は殆ど樹木に隠されて効かない。だが、歩き慣れた里山の風情が漂う登山道となった。こちら側のエリアに入っているのは自分一人かもしれないが、ここのところ人が多い山ばかりだったので、ふと一息つけるそんな思い。風でそよぐ木の音。自分の気配に驚いて去ろうとする小動物達の足音。色んなものに神経を集中させながら歩くのはやはり登山の醍醐味だ。

杏ヶ岳まではもう一下り、そしてもう一登り しかも見えているピークの更に次が山頂だ

ピンク色に染まる落葉絨毯の登山道が心地良い

二度の登り返しを経て静かな山頂へ 眺望は全く無い

 ようやく辿り着いた山頂。三等三角点、点名は『杏ヶ嶽』。
 地理院地図には「李が嶽」(すももがたけ)としながら、かっこ書きで「杏ヶ岳」(すもうがたけ)ともある。
 すももと入力して変換すると李が出てくるが、杏はあんずと入力変換すると出てくる。
 要はすもも=あんず=プラムとなる訳だが、”すもも”が”すもう”と訛るところが面白い。山の名前の由来を詳しく解説している本に載っているならば、是非読んでみたいものだ。

下山途中に樹間から相馬山の特徴的なピークが見える

 下山にかかると数人の登山者とスライドした。どうやら時間差で、まったくこちらが人気が無いという訳でも無かったようだ。杖の神峠まで戻ってみると、先ほどは車が一台も無かったのでてっきり閉鎖林道だとばかり思っていたが、数台の車が停まっていた。峠に車を置いて杏ヶ岳と掃部ヶ岳をピストンするハイカーもいるのだろう。

杖の神林道は序盤の眺望最高 樹に閉ざされた杏ヶ岳登山道よりスッキリしている 最後のご褒美だ

下るに従い砂利道へ 普通逆じゃないかな

絶景ポイントだった耳岩が遠くに見えた(トリミング) なるほど 丸い耳がくっ付いているようだ

榛名湖畔まで戻ってきた 中禅寺湖南岸から見る男体山を彷彿とさせる

湖畔の紅葉は今が盛り

烏帽子ヶ岳 このほかまだ未踏のピークが幾つかあるが総ざらいは来シーズンだ

 秋の良い一日を過ごす事が出来た榛名山。
 思えばバイクで水沢うどんを食べるためだけにしか訪れなかったこの地だが、今年の春から今回で三回目の訪問となった。
 榛名富士はロープウェイでずるしちゃったけど、その後二ツ岳、相馬山、水沢山と登ってきた。
 登山可能な外輪山の山はまだ幾つかある。でもあまり性急に登ってしまっては榛名山に申し訳ない。新しい春の息吹が感じられる頃にまた訪れようと思っている。

 そして明日はやはり歩き残しがある赤城山。その前に本日の泊地へ向かい、温泉で汗を流して明日への鋭気を養おうじゃないか。

概略コースタイム

駐車場発(07:58)-硯岩(08:23)-掃部ヶ岳(09:16)-西峰(09:37)-耳岩(10:00)-
杖の神峠(10:25)-鷲ノ巣山(10:48)-杏ヶ岳(11:20)-鷲ノ巣山(12:00)-
杖の神峠(12:17)-林道歩き-駐車地着(13:19)

カシミール3Dデータ

沿面距離:10.3Km
所要時間:5時間21分

カテゴリー: 群馬県の山, 車中泊の旅 | コメントをどうぞ

小野子三山はキツかった



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 今日登るのは十二ヶ岳、中ノ岳、小野子山。通称、小野子三山と呼ばれている山である。
 高崎や前橋近郊の山域で大きなものは赤城山、榛名山、子持山、そしてこの小野子山なのだが、登り残しのここを歩くとようやく四つの山塊を全て踏んだ事になる。

 昨晩、道の駅から眺めた小野子三山は地形図を見る以上に起伏が激しく、果たしてどの位キツイのか計り知れないものがあるが、さて結果は如何に。

まずは駐車場から奥の林道へ 閉鎖されているが林道は充分走行可能なレベル

 JR小野上温泉駅から細い林道を車で進む。段々と道路状況は険しくなってはくるが、一応舗装は続くので心強い。ナビの案内も途中で途切れ、道が無い所をしばし進むと開けた駐車場に出た。そこだけ異空間のようにぱっと開けている。

20分程歩いた林道終点からいよいよ登山道

 駐車場には数台の車があり既に出発している。また後から来た車からも三人降りて準備を始めている。平日なのにそれなりに人気があるようだ。

 カラーコーンで閉鎖された林道へと進む。路面が荒れているので走行不可とあったが、実際に終点まで歩いた感じでは走行に支障無しと思えた。特に四駆車やオフロードバイクなら余裕で通行できる。まぁ他にも通したく無い理由はあるかもしれないが。

植林帯を超えると明るい自然林の穏やかな登り

 登山口からの序盤は丁寧に整備された植林帯を行く。程なく自然林に切り替わるが依然勾配は緩く楽な登りだ。この後のアップダウン祭りの気配はこの時点で微塵も無し。

幾分登りが急になると見透し台

 斜度が上がり、やっと登山らしくなってくると『見透し台』の道標があり、その少し先にある突端から南側に榛名山、そして背後に十二ヶ岳が美しく紅葉した姿を見ることが出来た。

なるほど、南に榛名山が見透せる

そして背後に十二ヶ岳

 見透し台からはいよいよ本格的な登りになった。
 山頂直下の急登をやり過ごすと360度の眺望が拡がる十二ヶ岳山頂である。印象としては登山口からあっという間であった。

山頂からは360度の大展望

榛名山をアップで

遠く浅間山

谷川連峰が険しく凛々しい

武尊山

奥は袈裟丸山塊 右は子持山

沼田の街を挟み我らが白根山に冠雪

 良く晴れた日には槍や穂高も見えるというが、生憎そちら方面は雲が掛かっていて遠望は効かない。だが、風も無いし気温もじっとしていれば少し寒い程度。充分過ぎる程良いコンディションと贅沢な眺望を得ることが出来た。

中ノ岳は眺望無し

 十二ヶ岳山頂からはそのまま東へ下る。こちらは男坂と呼ばれていて急斜面らしい。
 実際下ってみると物凄い急降下で設置されているロープの助け無くして降りられない程だ。山頂北側を巻くようにして付いている女坂を行っても良かったのだが、女坂は復路にとっておく。

 まだ下るのか、まだ下るのかと緊張の男坂。鞍部まで標高差140mを下る。そこから130m登り返すと眺望の無い通過点のような中ノ岳となる。十二ヶ岳より13m低いだけなのに下って登って結構なアルバイトだ。

 しかし、試練は続く。中ノ岳から鞍部まで再び160m近く下り、そこから更に180m登り返して小野子山というあんばいだ。
 『虹の懸け橋』じゃないけど山頂から山頂に渡っていければ良いのに。ちょっと下るくらいなら許せるけどこれは辛いなぁと文句を言っても仕方ない。黙々と行くのみ。また、当然帰りはこれを逆に辿るというわけだ。

そして終着点の小野子山 いやぁ疲れた疲れた

 苦労の末到達した小野子山の山頂には北側の高山村方面からの登山道もあり、そちら側から登ってきたのではと思われる登山者が数組憩う。

 山頂からの眺望は樹が生い茂っている北側は皆無。東が赤城山、葉っぱ越しの南西に浅間山といったところか。十二ヶ岳の眺望に比べれば明らかに物足りないが、いつも車窓から、そして榛名山側から眺めていた山の頂に立つことが出来た。その充足感が胸に拡がる。

小野子山からは西側に赤城山の眺望が良い

往路を戻る登り返し 正面中ノ岳、左が十二ヶ岳

 往路は単純ピストンルートだから、当然あのきついアップダウンが再び待ち受けている。行きと帰りで見える景色が幾らか違うから、それを楽しみにして頑張って行こう。

中ノ岳より十二ヶ岳を見る

 ようやく中ノ岳まで戻ってきた。ザックを降ろして一息入れ、さぁ出発しようとすると、踏み跡が目に入った。
 とは言っても山頂から20m程先であろうか、そこだけぽっかりと景色が拡がり十二ヶ岳を眺めることが出来る場所があった。眺望は全く無いだろうとばかり思っていたのにこれは儲けものだ。ここは知らずに通過してしまう人は多いだろう。

十二ヶ岳直前より この期に及んで140mの登り返しは終盤の足に辛いぞ

 復路は山頂の北側を巻く女坂を通り再度十二ヶ岳へ。
 確かに男坂は荒々しく強烈であったが、女坂だってなかなかどうしての急登あり。「簡単には通しませんわよ」と言いたげ。

 本日二度目の山頂は、朝、駐車場で後発の三人組や小野子山から逆向きで縦走してきた単独者、そして山頂でドローンを飛ばす男女二人組と結構賑やか。往路に見透し台先の急登区間で追い越した団体さんは流石にもう下山してしまったようだ。

見透し台より少し上にある眺望岩越しに中ノ岳とその奥の十二ヶ岳

蛇行する利根川の向こうに前橋市街地が拡がる

駐車場まで戻って来た 改めてこんな山奥に立派な駐車場がある事に驚きを隠せない

 朝撮るのを忘れた駐車場。
 ここまで来るのに結構心細かった(パジェロミニなんかだと楽しい道だがシャトルではビクビク)故に、奥まった場所にこんなに整備された駐車場があるのにびっくりだ。税金を使って整備されているのだろうか。駐車枠には大型用のものもあったが、しかし途中の道には小型マイクロバスだって入って来れないのだとは思うのだが。

 何はともあれ念願だった小野子三山を無事終える事が出来た。登山道は比較的地味で派手な所こそ無かったが、ちゃんと見せ場もあるし、それに何と言ってもあのアップダウン。これが一番の想い出となった。あの田中陽気さんがテレビの中で「下らないと山は登れないんですよ」と言っていたのを思い出した。レベルが全然違うけど一つの真理を改めて体現した一日でもあった。

概略コースタイム

駐車場発(08:01)-登山口(08:19)-見透し台(08:50)-眺望岩(09:09)-十二ヶ岳(09:21)-
中ノ岳(09:53)-小野子山(10:38)-中ノ岳(11:28)-女坂分岐(11:51)-十二ヶ岳(12:06)-
見透し台(12:42)-登山口(13:04)-駐車場着(13:21)

カシミール3Dデータ

沿面距離:10Km
所要時間:5時間20分

カテゴリー: 群馬県の山, 車中泊の旅 | 2件のコメント

秋の群馬遠征第二弾

 秋の群馬遠征第二弾。
 本日の泊地は道の駅中山盆地である。
 その名の通り、周囲を山々に囲まれていてまさに盆地と言って良い。

 往路、前橋から国道17号を北上してくると、右手に赤城山、左手に榛名山。そして奥右手に子持山、左に小野子山と続いて山の姿を楽しむことが出来る。
 それぞれが独立した山塊なのに、大都市の高崎や前橋から至近かつ放射状にこれらがあるのはなかなか羨ましいことである。

 明日登る山は十二ヶ岳と小野子山だ。
 今年の春、お隣の子持山に登った際に翌日にでもと考えていたが、案外ハードそうだったのでまた次の機会にと先延ばししていたのだ。

 道の駅併設の温泉高山温泉ふれあいプラザで汗を流したが、露天風呂の寝湯から丁度小野子三山を眺めることが出来る。まぁ本当は下山後に眺めたいところだが、思った以上に起伏のある三つの頂を、明日はとうとう歩くのかという気持ちを胸に温泉を堪能した。

道の駅中山盆地が今日の泊地

明日登る小野子三山 左より小野子山、中ノ岳、十二ヶ岳
カテゴリー: 車中泊の旅 | コメントをどうぞ

鼻曲山



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 昨晩、道の駅くらぶち小栗の里で設営を終え、食後のコーヒーを飲んでくつろいでいた。ふと車外に出ると駐車場には一台も車が無い。とりあえずトイレにと向かうと、張り紙があった。

 「夜間は二階トイレをお使いください」。入り口は施錠されていた。

 どこかに階段でもあるのかなと探すと、二階駐車場(トイレ)という矢印がある。見ると建物の裏手が高崎市役所倉渕支所の敷地となっていて、そちら側の入り口にあるトイレが利用できるということだ。

 急ぎ車を回す。やはり車中泊の先客が好位置を既に確保していた。脇のほうに車を停めてようやく落ち着くことが出来た。僅かに階段を登らないとトイレに行けないのはちょっと難だが設備は綺麗だから良しとしよう。

二度上峠の駐車スペースは絶景ポイントでもある

 翌朝のとびきりの快晴に心弾む。山頂天気予報も滅多に出ない快晴マークが毎時並び、風も常に数メール以内。
 国道406号から県道54号長野原倉渕線に入り西走するとどんどん高度が上がる。それに従い周囲の山々の色づき、鮮やかさがみるみうちに増してきた。

 峠の少し手前、浅間隠山(今年4月27日登山)の駐車場は既に満車となっていた。今日は土曜日だから登山者の足も早いようだ。

 これは二度上峠も満車かなと思いきや、意外にも無線の車と登山準備中の一台だけ。浅間山をバックに余裕で停めることが出来た。まずは幸先良いスタートである。

堂々たる浅間山 麓の紅葉も美しい手前のコブは小浅間山

北アルプスに雪化粧が始まる

 浅間隠山の賑わいに比べれば鼻曲山に登る人は極めて少ないのだろうか。確かにあちらの眺望は今日の天気なら確約済のレベルだが、さて鼻曲山からの景色は如何に。先発した二人組の若者たちの元気な話し声を追うように自分も出発した。

快適な笹の尾根道

 陽が差し込む笹の繁茂する登山道は快適。時折腰高程度になる場所もあるが歩きにくさも無い。露が付いていないので濡れずに済むから実に心地よい。

氷妻山は三角点標石と消えかけた道標一枚のみの静かな山頂 通過点のような山頂だ

鼻曲山の”鼻”の部分が時折見えるようになる

 二度上峠から山頂までの標高差が約250mしかないので、登山として極めて楽なほうだろう。それでも山頂直下の急登は直登気味。葉の落ちた急斜面を登っていくと、ふと栃木の里山の道無き直登を思い出してしまう。どこか雰囲気が似通うものがあった。

最高標高点の小天狗から南側眺望

 そして登り詰めた所で眺望が開ける。地形図では1655mの点が描かれている場所だ。小天狗というらしい。最初ここが山頂かと思ったが山頂はもう少し先のようだ。だが西側の眺望は素晴らしい。

南西方面 奥は八ヶ岳か?

アップ 左奥が南アルプスで手前側は八ヶ岳っぽい

そして、小天狗より東に約100m行くと板のある山頂である大天狗

荒船山に続いてここにもシーサーが

真ん中の尖がった山は角(つの)落山 右が剣の舞 奥に榛名山と赤城山 左ずっと奥に冠雪の白根山も見える

南東に妙義山のゴツゴツが連なる

これは谷川岳だろう 今年予定はしていたのだがもうこれでは登れまい

笹を分けて二度上峠へと戻らん

獅子岩の一つ手前の岩に踏み跡あり 登ってみた

 獅子岩付近は大きな岩が露出している。往路でやり過ごした一つの岩に付く踏み跡を進んでみると、意外な事に南側の大眺望に出くわした。眺望の無い林間歩きだっただけに予想外のおまけに感動。

なんと、北側のスッキリ眺望で当たり! 左はこれから登る駒髪山、右は浅間隠山 それにしても鮮やかな紅葉だ

振り返ると鼻曲山の大天狗がギリギリ見えた

 無事二度上峠まで戻り、今度は真向いにある駒髪山へ向かう。
 駒髪山取り付きは道路から階段を登って、鉄の鳥居から登山道へと入るのだ。

二度上峠から真向いの階段を上がって鳥居をくぐり駒髪山へ

 鼻曲山方面と明らかに植生が変わり落葉松が色づく登山道を登っていく。最後は急登だが、これで今日の登りも終わりと思えば足も自ずと軽くなる。

山頂には石祠と岩があるのみ

 巨岩が立ちはだかるような場所を抜けるとそこが山頂。眺望は全くなく、賽銭が投げ込まれた石祠が静かに鎮座していた。
 山名板は木に打ち付けられた簡単なものが一枚。標高も書いてないが、板の一枚もなければ寂しかろうという思いから作った手作り感が溢れている。

山名板はこの一枚だけだ

梢越に浅間隠山がちょっぴり見える

約30分の登山終了

 駒髪山登山口の鳥居から見る風景もまた素晴らしい。車で峠に停めて浅間山を眺め、階段を登って南東の角落山から剣の舞にかけての眺めを見るのも良いだろう。

駒髪山入り口鳥居から見た二度上峠

角落山から剣の舞 登山しなくてもこの眺望が得られるのは素晴らしい

 駒髪山から戻ってきたが、朝先発した若者二名はまだ戻っていない。下山も彼らが先発して暫く声が聞こえていたが、様子からして氷妻山で昼飯でも拡げているのであろう。自分は氷妻山の手前で登山道を外してショートカットしてしまったので、結果的に追い越した形になった。きっと「さっきまで後ろにいたあのおじさん。なかなか来ないね」と思っていたに違いない。駐車場に戻ってみたら車が無くなっていたのできっとびっくりしただろう。

県道53号から見たミニ荒船山

 朝登ってきた県道53号を今度は景色を楽しみながらゆっくり車を走らせる。
 傍らに荒船山のように岩が押し出された山が見える。西上州はどこもかしこもこんな場所が多いのだ。
 見えていたのは県道脇にある無名の1142mPだと思う。

黄葉もたけなわだ

 腹がへってきた。山中でカロリー補給はしたが、やはり固形物が食べたいものだ。
 田舎道なので食べる場所はあまり無いが、一軒の蕎麦屋を見つけて飛び込み、もり蕎麦大盛を頼む。
 各県、各お店の名誉にかかわる事だし、また、自分が決してグルメでは無いのにも関わらず、
 『やはり蕎麦は栃木県だな』と唸ってしまう。

 これはどこの県に行っても同じで、特に蕎麦王国と言われている長野でも同じであった。
 もちろん栃木県でも店によってばらつきはあるが、平均点がかなり高いのではと思うのだ。
 最初はつゆに浸さず?だけを口にした時の香りと甘さ。そして、つゆは好みが分かれるが、麺との相性が肝心。主張過ぎずにそれでいて深みのある風味。栃木でも両方高得点(自分にとって)という店は滅多に無い。だが麺についてはかなりの確率で及第している。

 例外として上げるなら山形の板蕎麦かな。
 こいつはとにかく硬くて歯ごたえがある。ワサビでは無く唐辛子で食べるのが良い。繊細な感じとは一線を画しており、ある意味通常の蕎麦とは既に別な食べものと言ってよい雰囲気があり、自分の中では分けている。

 だが美味い。山形に行けば必ず食べるのだ。しかし連食はキツイ。なぜなら、ボディブローのように蕎麦の硬さが胃にダメージを与えるから。山形の人の胃力は強力なのだ。

榛名山の東側までやってきた ここにもまだ踏んでいないピークがあり懸案だ

 今回の山行旅は二座登り終えて終了。
 このまま宇都宮に戻っても夜には帰りつく。だが明日の予定が無いプータローはもう一泊するのである。

 で、確かにもう一泊した。泊地としては若干難アリだが、この道の駅は温泉が廉価で内容良し。温泉目当てなら悪くはないだろう。

 翌日は紅葉を楽しもうと日足トンネルの上の旧道を走る。だが既に天気は下降気味で、素晴らしい箇所もあったがいま一つ曇天で色が冴えなかった。ということで三泊四日の旅も終了である。

概略コースタイム

二度上峠駐車地発(07:50)-獅子岩(08:04)-氷妻山(08:32)-鼻曲山(09:53)-獅子岩手前の展望岩(11:09)-
二度上峠(11:25)-駒髪山(11:37)-二度上峠駐車地着(11:59)

カシミール3Dデータ

沿面距離:8.4Km
所要時間:4時間9分

カテゴリー: 群馬県の山, 車中泊の旅 | コメントをどうぞ

荒船山



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 金曜土曜と好天予報が出た。木曜日も良さそうだが既に半日仕事を入れてしまったので、午後から出発。
 ここのところ福島を攻めていたが、なかなか好成績が得られなかったので群馬へ転進である。

 前泊は道の駅しもにたを予定していた。いざ現地に入ると自分の希望するタイプの道の駅でなく却下。
 新しいのだが、トイレがあまりにも駐車スペースから離れている。傾斜がある。大きな通りに面していてうるさい。というのが理由である。

 次案として考えていた道の駅オアシスなんもくへ向かって車を走らせると、あれよあれよという間に街を離れ暗闇の道を突き進む。少し寂れた感じはするが、静かでありながら周囲に人家もある良い雰囲気の道の駅だ。

 猪苗代の道の駅のようにハイセンスな所も良いが、中途半端に街中にあると騒々しくて駄目。また郊外でもあまり繁盛してなさそうな場所も維持管理にお金が掛かっていないので駄目。まぁ、本来の道の駅の役目はドライバーが安全に休憩することが出来る場所として提供されているので、車中泊者の我儘は聞いて貰えないのは当たり前。嫌なら他を当たりな!ってな感じで、我々としては有難く一晩休ませていただいている事に感謝しなければならない。

早朝の道の駅にまだ日差しは届かない 野菜などの納品の軽トラがたまにやってくる

 先週泊まった道の駅しもごうは朝が寒かったので今回は対策をしてきた。最低気温は5度としもごうに比べれば2度高い。それでもやはり明け方に首や顔周りが冷たかった為、用意してきたニット帽とブランケットを首に巻いて対応が出来た。なんとか零度くらいまではこれでいけそうかなと自信を持つ。

R254より荒船山 大海原へ漕ぎだしそうな勢いだ

 下仁田から南牧に泊地を変更した影響で若干移動時間が多くなったが、ここまで来たらその差15分など、一晩快適な睡眠をとれるかどうかを天秤にかければ充分元が取れる範囲だ。

廻りこんだ場所から こちらも迫力 ぱっと見登路は果たしてあるのかと思ってしまう

まずは穏やかな登山道を出発

 駐車場に着くともうスペースがほぼ埋まっていて場所確保に苦慮する。皆さん、金曜日なれど好天逃すまじということなのだろう。結局自分の後に三台が強引に滑り込んで満車となった。その後は路駐組である。

まだ朝日が充分に届かず 影が作り出す迫力に圧倒される

 登山道は小ピークを巻きながらだらだらと奥へ奥へと続く。標高は遅々として上がらない。デジャブのように何度も山の襞を蛇行しながら縫う道も、時折陽が差せば鮮やかな黄葉の森が楽しいものだ。

 それにしても今日は本当に天気が良いではないか。
 先般の福島遠征で曇天優勢にたたられた残念な山行の留飲を下げるが如しだ。冷たい風が頬を冷やすが、それとてこの日差しの中では大きな問題ではない。

今日の天気は死角無しの好天 日差しが明るい

岩陵部に大夫近づいてきた

 登りらしい登りは艫岩の台地に登り上げる直前の標高差50mほどの急登だけで、この登りを終えてしまえばあとは延々と平らな台地となる。なかなか風変わりな山歩きだ。最近急登で責められる山が多かったせいか、今日は凄く楽に感じる。その分樹々の色づきを楽しむ余裕があるというものだ。

覗けば確かに落ちるゾ!

 台地に上がって最初に南側に切れている場所に「のぞくな」の警告あり。下から見た時に艫岩はヤバイ所だよなと思っていたが、こんなリスキーな場所なのにマジで誰でも覗きこむことが不可能ではないのだ。自殺したい人はどうぞ的なヤバさである。だが、ここから覗くのは「してはいけない事」だって誰でも本能的に思うよね。

 艫岩はクレヨンしんちゃんの作者である臼井儀人さんが2009年に墜落死した場所だが、きっと「覗き」の魔力に勝てなかったのだろう。

ここまでだね その横になった木から先を覗いちゃいかん

絶壁展望台より

 最初の崖地から程なくして広々と眺望が開けた絶壁展望台へと到着。胸をすく西から東へ180度の眺望だ。墜ちた人はこの景色が人生の最後の想い出だったのだろうか。いや、自分は今日は墜ちないで帰るのだから大丈夫。

左奥が佐久の市街地

浅間山は雲に隠れている 右下にちょこんと小浅間山
左手奥は明日登る鼻曲山 その裏に浅間隠山 右手奥は榛名山

眼下のR254 艫岩の影が不気味に写る

 艫岩を過ぎると後は台地状の殆ど起伏が無い平原を延々と南へ進む。今までにない新鮮な雰囲気に包まれながら歩いていくと突然石碑の案内があった。

石碑の案内あり

碑文は難しくて読めなかった

経(行)塚山の山頂はあまり眺望は良くない

 山頂直下の標高差僅か70m程で最後の一汗を絞られると、眺望の無い静かな荒船山最高峰である経塚山の頂へ。暖かな日差しを受けたシーサー達がお出迎えだ。

シーサーの居る石祠

 山頂でカロリー補給ゼリーを流し込むだけ。これだけ空気が冷たいと暖かなものが食べたいところだが、最近の一連の山行はザックの中身の軽量化の為持ってきていない。だが今日だけはちょっぴり残念であった。

来た道を戻る むせるような黄葉が美しい

そして紅葉も

行きに見過ごしがあれが経塚山 西上州の山はどこもなんとなく尖がってるなぁ

岩稜下の赤や黄色に日が照っていて鮮やか

 この山も人気の山で、朝の駐車場争奪合戦はもとより、自分がほぼ下山が終わりつつある頃にまだ下から登ってくる人が後を絶たなかった。艫岩の外見の凄さとは裏腹な穏やかな歩きが出来るルート。それでいて艫岩からのダイナミックな眺望。人気が出るのも頷ける。経塚山まで行かなくても艫岩まで登れば充分達成感があるだろう。

遠く妙義山 いやはやあそこはどうなっているのやら

 車もまた朝来た道を引き返すが、妙義山など絶景を見つけると途中の駐車場に停めながら写真を撮り進むのでなかなか先に進まないのが悩み(笑)

国道から荒船山絶壁眺望地をズームで あそこは落ちたらいかん場所だわ

そして妙義山までやってきた

 今日の温泉はというと、途中荒船の湯という温泉があったが、そこはスルー。
 妙義ふれあいプラザ妙義温泉「もみじの湯」を計画していた。ずばり、露天風呂から間近に妙義山のゴツゴツした姿を眺められる最高のロケーション。併設される道の駅みょうぎに泊まるのもアリかなと思ったが、明日の事を考えるともう少し登山口に寄せたほうが良いと考え、風呂上がりの体を休憩室で冷ましてから更に車を走らせた。

概略コースタイム

内山峠駐車場発(08:27)-1158.6m三角点(08:56)-艫岩絶壁(10:00)-皇朝最古修武之地(10:19)-
経塚山(10:45)-艫岩絶壁(11:25)-修行岩末端(12:12)-内山峠駐車場着(12:54)

カシミール3Dデータ

沿面距離:11.5Km
所要時間:4時間27分

カテゴリー: 群馬県の山, 車中泊の旅 | 2件のコメント

甲子山



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 昨晩とおととい泊まった道の駅しもごう去年の夏会津駒ケ岳に登った日、下山後の泊地探しで暑さのあまり行きついた場所である。道の駅桧枝岐に泊まれば少しは涼しかったのに、連泊はつまらないなんて思いから標高を下げてしまった幾つかの道の駅ではとても暑くて寝られそうもない。彷徨の末、標高861mの道の駅しもごうへ辿り着いたという思い出の場所である。

 さて、この季節の状況や如何に。・・・やはり寒い!
 まぁ当たり前と言えば至極当然。車内の最低気温は土曜日の夜が5度、そして昨晩は3度となった。明け方トイレで外に出た時はさほど寒さを感じなかったが、今朝起きてみてびっくり。車体のみならず結露したフロントガラスの内側までバッチリ氷結している。フロント部と荷室の間はカーテンで仕切り、それ以外の窓は全てシェードで塞いでいるので車内氷点下は免れたようだ。

 インナーシュラフと足元のブランケットを追加すると体はまったく問題の無い暖かさで快適そのものだ。しかし、隙間から忍び寄る冷気に顔が冷たくてたまらない。長い夜を過ごす為に読む本を持つ手。シュラフから出るとこれまた冷たい。明け方のしんしんと冷え込む冷気に顔が耳たぶが冷たく、シュラフに潜り込むと今度は窮屈。

 こりゃ対策が必要だなと痛感し、次回はニット帽を目深にかぶって耳を覆い、首回りにはバイク用のネックウォーマーあたりでどうかなと考えている。やはり外気温が氷点下になるとそろそろ限界かなとも思った。

 ネットを見ていると雪の中で車中泊なんて猛者もいるが、普通の寝具一式を持ち込んで電気毛布など使っている。一泊ならこれもありだが、狭いスペースにそれらを持ち込んで貴重なポータブルバッテリーの残量を一晩で使い切る訳にはいかないのだ。

甲子温泉大黒屋と猿ヶ鼻ピークの上に月

 さて、本日の山は甲子山である。計画では甲子温泉大黒屋の登山口よりピストン、甲子山直下の分岐より甲子峠を経て大白森山ピストンを加えた。
 天気予報のほうはというと、昨晩見た良い感じの晴れマークが一夜明けると朝方のみでその後は曇りマークが続く。低気圧の接近に伴い西から下り傾向なのは解るがちょっと崩れるの早すぎじゃんと憤慨する。見晴らし予報ではそんなに悪くもなさそうだったので予定通り出発することにした。

温泉敷地を抜けると登山口があった

 実は歩き出しから迷ってしまったのだ。先人の記録などをあまり真剣に読まないほうなので、登山口がさっぱりわからない。地図を見る限り温泉敷地の奥に登山道がある筈なのだが、進んでみると温泉の構築物があり、しかもその向こうから浴衣姿の泊り客が散歩でこちらに向かってくる姿が見えるではないか。ここは無いよなぁ。でもどこか脇に小路でもあるのかしらんと探すも何も無し。あんまりうろうろしていると不審者になりそうなので一旦車まで退却。

 ネットで情報を探すと、温泉の奥を行くとしかない。再度勇気を出して温泉の敷地を突っ切る。先ほど浴衣姿の人が歩いて来た方に進み先を窺うと、なんとあるじゃないですか登山道が。

 結局つまらぬ所で30分もロスしてしまった。自分の知る登山口のイメージはひどい所になると、道標も無く赤リボンが一本垂れ下がっているだけなんていうのに慣れてしまっているので、こんな立派な温泉宿の敷地を突っ切っていくというのは想定外だったのだ。

 実はこれを書いている今知ったのだが、この登山道が実は“歩く国道”として有名だった国道289号だったらしい。往時は登山道に国道表記のあの青い標識があったというから驚きだ。

 また、自分は雪割橋から鎌房山南側を抜け甲子林道を通り、甲子峠から下郷側にオフロードバイクで抜けた事がある。当時既に甲子林道も廃道化して自然へと還りつつあったが、最近走った状況はと調べてみると案外その頃と変わっていない様子(5分30秒あたりから甲子林道へ突入)。もっとも今の自分では一人で走り切る自信は無いしトラブル時に自力脱出は不可能なゾーンであることは間違いない。

 当時は下郷側から甲子峠までは四駆車ならなんとか上がってこれそうな道が付いていたが、現在はどうなっているのだろうか。今回大白森山を甲子峠経由で登ろうと計画したのもそんな思い出からである。(後述するが結局大白森山は断念)

黄葉むせぶ登山道を登っていく

登り始めるとすぐに温泉神社 控えめな紅葉

なんとも情緒ある倒木と黄葉のトンネル

 肝心の天気や如何に。うーん、なんとも煮え切らない空模様だ。基本曇りだが時折陽が射しまた陰るのは昨日の二岐山と同じか。それでも数少ない日差しタイミングに輝く樹々の色合いを楽しみながら登っていく。

 途中から右手に大白森山の大きな姿が見えるようになる。曇天はその大きな山体を重そうに見せる。近そうに見えるが案外アップダウンも有りそうだ。昨日の二岐山の急登に責められた足にムチ打って登ったとしても眺望は甲子山とそんなに変わらないだろう。逡巡の末大白森山はパスすることにした。

そして山頂へ 平地には雲海が拡がる 上空は曇っているが視界はまぁまぁ

 甲子峠分岐からは太い鎖が設置されている。堅い平らな岩が露出している斜面なので濡れているとかなり滑ることが予想される。濡れていなくても時折有難く鎖とロープを使わせていただいた。

 ぱっと開けた山頂からは、なんといっても最初に目につくのは甲子旭岳。そして三本槍。ぐるりと北側に目をやると昨日登った二岐山の双耳峰を斜めから見る格好。奥に磐梯山、東吾妻山ののっぺりした山稜には白いものが乗っている。
 そして北西側にはしっかりと冠雪した飯豊山系が白く輝いている。どちらかと言えば良くない天気状況でここまで見えれば御の字と言ってよいだろう。

なんと言っても眼前迫力の甲子旭岳

三本槍も今日は穏やかな山容を見せている

そして大白森山 また機会を見て是非登りたい

昨日登った二岐山 左奥は大戸岳

磐梯山とその右は東吾妻山一番右の小高い山は小白森山 大白森山とセットで登りたい

飯豊連峰 昨日二岐山から見た冠雪の高峰も飯豊かもしれない

 もう少し粘ってみようかと、しばし山頂に滞留するも高層の雲は切れる見込み無し。時折顔を出す日差しも弱く、むしろ雲の勢いのほうが遥かに凌駕するものあり。下山の潮時だろう。

下山すると一旦陽光が輝きだす またかよ・・・

でもやはり雲が優勢の空へ なんとなくほっとする  「下れば・・・」例のジンクスは今日は無しにして欲しい

時間がたっぷりあるので衣紋滝へ寄り道

奥深い静かな渓谷 訪問者は少なそう 動物エリアだとすれば長居は無用だな

滑めに取り残された落ち葉

最後は白水滝で本日の山行終了

 結局天気の方がどんどん曇り優勢になっていったので「下りれば晴れる」のジンクスは今日に限り成立しなかったことに留飲を下げることが出来たが、やっぱり理想は晴天歩きだな。

 高気圧がやってきて好天を予想しても、南側に低気圧があると結局湿った空気が引っ張られてこんな感じの天気になる可能性が高いことを最近の福島山旅で身を持って知ることが出来た。

 10月といえば台風も影響が大きいが、今年は台風の代わりに複雑な気圧配置の日々が続いたのが大きい。短期的に天気が変わっていくから、日を選んでスポットで行動せざるを得ない。
 こんな時は、長期日程の中で好天日を選んで登るという一段グレードを上げた車中泊の旅にしなければならないのだろうが、基本プータローの身とはいえ、お手伝い程度の仕事もすれば年老いた母の通院やらもある。なかなか風来坊のように旅に出ることが出来ないのが目下の悩みだ。

概略コースタイム

駐車地発(07:31)-登山口(07:42)-温泉神社(07:50)-猿ヶ鼻(08:48)-甲子山(09:44)-
猿ヶ鼻(10:41)-衣紋滝(11:28)-白水滝(11:47)-駐車地着(11:58)

カシミール3Dデータ

沿面距離:9.6Km
所要時間:4時間27分

カテゴリー: 福島県の山, 車中泊の旅 | 2件のコメント

二岐山



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 日曜と月曜日は予報で天気が期待出来そうだったので、福島の山旅再開である。土曜日の夕方に道の駅しもごうに入り2泊3日で歩く。

 結果的には二日間とも予報を遥かに下回る天候で山頂からの青空は望めなかった。また一日目の二岐山は登りだしが快晴、山頂に向かうにつれガスが濃くなり下山がすっかり終わるとまた爽やかな秋空に。下山時刻の山頂眺望がどうなっていたは判らないが、また「降りれば晴れる」にやられちゃった感濃厚なり。

 まぁ、視界ゼロという訳でもなかったし、登山途中のプロセスも結構楽しめた山、そしてひたすら急登急下りの山、そんなイメージの二岐山であった。

二岐温泉駐車場からスタート 大型バイクで来て登山という人も居た

 今日のルートは二岐温泉駐車場からの時計回り周回コースである。バス転回所でもある駐車場はキャパ充分な広さだが、ここに停める車は少ない。二岐山に登る人の殆どは登山口近くにある駐車場へ置いてピストンのようであり、ここに停める人は周回コースか或いは大小白森山ピストンの人のみのようだ。

舗装が切れて林道入り口へ 左手は小白森山~大白森山登山口となる

樹々に覆われまさしく”林道” 歩いていても気持ちよい

脇を流れる沢(二俣川)も清冽で美しい

御鍋神社の鳥居あり

 長い林道歩き、1時間ほどで御鍋神社の鳥居を見る。手前の駐車場は砂利だが収容台数がかなり大量にあり、ほとんどの登山者はここへ停めて山頂ピストンという雰囲気だ。道理で先ほどから何台もの車が林道を歩く自分を追い越して行ったのも合点がいく。さて、御鍋神社だが、数分の寄り道だというから沢音のするほうへ下ってみる。

少し下った所に杉の古木と共に社がひっそりと建つ

古老口碑に曰く・・・ 口碑とは、思わずググってなるほど

鈴の上にお鍋が逆さに掛かっている 軽く手でポンポンはたいてみたが音はしない

御鍋神社より戻り少し進むといよいよ登山道へ 立派な道標がいざなう

登り始めから急登が続く 所々にこの立派なタイプの道標が設置されている

 最近どこの山に行っても急登でお出迎えというパターンが続くが、二岐山もまた然り。胸突き八丁ならぬ八丁坂を登っていく。流石に胸突きとまではいかないが、連続する急登に喘ぎながらの登りも気力体力充実の登山初日なら半ば愉し。

 この立派な道標は登山道随所に配置されていてランドマーク足り得る。設置された方々の二岐山愛を感じるものだ。

昨晩か今朝のあられ やはり寒い筈だ

もう少し、あと少しと祈っていたがやはり空は晴れず

 ブナ平周辺の平坦地でしばらく体力を温存した後に続くスパルタンな急登の男岳坂。朝登り始めた時は青空が拡がる上空も、登るに従いただひたすら白く太陽の光も望めない。

 下山ですれ違った人の話では「山頂はガスで全く何も見えなかった」という。あぁ、安達太良山の再来か。今日は予報は良かったのになぁ、と落胆することしきり。それでも時折ガスが切れかかると一気に光が差しこみ再びガスに閉ざされる。そんな時の経過にやきもきしながら登っていく。急登との闘いのみならず眺望期待の葛藤との闘いだ。

 そんな闘いの末、ぱっとあたりが急に開けた。山頂だ。お天道様は?うーーむ残念。でも、低く垂れこめた雲の下にある程度の視界も得られているではないか。気温の低い山頂からは凛とした那須の山並、そして甲子旭岳のピラミダルな山容が誇らしげに屹立している。

甲子旭岳は頭が雲に隠れ、那須の山は初冬の装い

大倉山~三倉山稜線もまた厳しそうな雰囲気

 実は直前まで三倉山をと考えていたのだ。大峠から三倉山へのピストンは九年前に夏場の暑さで敗退した苦い記憶があり、ようやく日差しが照り付ける稜線歩きが苦にならないこの時期をと狙っていた。チャンス到来と思いきや一足早い寒波の到来で那須の高峰に冠雪ありとの情報が入ってきた。念の為に金曜日に道の駅しもごうへ架電してみるとやはり上の方は雪が付いて消えていないとのことであった。

 雪がしっかりあるとすると、携行する装備やウェアも考えないといけない。第一ノーマルタイヤの、ただでさえ雪道性能が貧弱なシャトルで大峠までの林道が走れるのか。果たして林道の路面状況はどうなっているのか。むしろそちらのほうの心配が大きい。ということで三倉山は今年はもうパスすることとして次案の二岐山となったわけだ。

冠雪の山並が美しい 方角的には浅草岳だと思うのだが

東に拡がる羽鳥湖高原

下山方面、眼下には風車が三基並ぶ 一番奥の風車は1007m三角点峰、『岩山』のようだ

雲に押しつぶされそうな猪苗代湖 磐梯山は見えず

阿賀川流域下郷市街

昨日、会津田島から二俣山と誤認した鎌房山上岳(左)と下岳の双耳峰

 那須方面以外は雲間から陽が射しそれなりに眺望を楽しむことが出来た。残念なのは猪苗代湖の向こうにある磐梯山を始めとする山々が見られなかったことか。

 独り占めの山頂であったが、女岳から一人登山者がやってきた。なんとはなしに会話すると、やはり県外からの方らしく、先週の日曜に福島入りして一週間登り歩いているという。西吾妻山は積雪でラッセルするも夏道が見つけ出せずに途中敗退したとか。今年は紅葉も中途半端なのに雪が早くて・・・そんな会話で山頂を後にして女岳へと進む。

下山路の途中にある女岳

女岳は樹に囲われていて眺望ゼロ

 女岳へは一旦90m標高を下げてから50mの登り返し。最近の山行(今年10月から)は食事は行動食のみ携帯で山頂での休憩時はカロリー補給ゼリー一個のみとしている。シャリバテも無いし昼食後のあの腹が重い足も重い、というのから解放されて疲れが少ない。従って今日のような休憩後の登り返しもラクラク・・・でもないか(;’∀’)
 でも、やはり目的達成の山頂や思いのあるピークではお湯を沸かしてカップラーメンとしたいところ。まぁ冬場の地元里山歩きまで我慢しましょ。

地獄坂の始まり 登りに使うとかなり地獄 だが下りも結構地獄

延々とロープ付きの急坂 滑る足もと故にロープに大いに助けられる

 女岳から程なくすると地獄坂の道標あり。何を大袈裟なと降り始めるとこれが言い得て妙。ずっと、本当にずーーーっとロープが張られているが、大変大変お世話になった。湿った地面は落ち葉が堆積していて、この急勾配ではかなり高い頻度ですってんころりんが目に見えている。地図を見ていて北側は大変だなと思っていたが、実際こちらを登りに使ったらかなりハードな登りであるのは間違いない。地元の方なら二度目の二岐山は足試しに登るのも良いかもしれないが、県外のハイカーはちょっと敬遠してしまいたくなるハードさだ。

終盤の穏やかな林になり胸なでおろし人心地となる

登山道ラストは木の鳥居をくぐる

二俣明神様の境内を歩いてきたようだ

野生動物達への気配りを忘れずに

こちらの登山口にも立派な道標あり でもこっちからは登りたくないなぁ

 ポータブルトイレが設置されたこちらの登山口にも何台か停められるスペースがあるが車は一台も無し。やはり北側登山道は人気がないようだ。皆さんは大駐車場がある南側の御鍋登山口からのピストンのようだ。そういえば山頂であった方も「本当は周回するのが良いのでしょうが、今回は南からのピストンです」と言っていた。出来れば周回と、こだわってしまう自分のような者がこの道を行く。まぁそれも面白いのではと思った。

下れば晴れるの法則は今日も当たりか(~_~;) 見えているのは(たぶん)女岳

下郷市街の日帰り温泉、なんと330円(税込)

 下山後は二岐温泉の日帰り入浴を探したが、もともと件数の少ない温泉場であり、コロナの影響か廃業っぽい感じの所もちらほら。残るのはお高そうな感じの旅館しかなかったので近在の湯本温泉に行って見ると、やはり状況は同じで閑古鳥が鳴いていた。

 一旦温泉は諦めて下郷市街へと車を走らせると途中で日帰り入浴330円の看板が目に入った。とりあえず汗が流せれば御の字である。

 『弥五島温泉 郷の湯』は、建設会社の資材置き場で融雪用の地下水を掘ったら湧いたという温泉で、利益追求より公共性重視でこの価格。シャンプー石鹸は持ち込み(購入も可)はもちろんだが、車中泊者たるものそんな備えは当然万全である。

 源泉かけ流しだが、泉質は無色無臭なので温泉感は希薄。だが公衆浴場としては充分リーズナブルで納得できる内容だ。道の駅しもごうを拠点とする場合、是非立ち寄りたい入浴ポイントである。

地元系スーパーで食料調達

 温泉でさっぱりした後にコーヒー牛乳ならぬ200ccの缶コーラ(これ結構希少品)をグイっとあおって火照りを冷ましたあと、ほどない距離の地元系スーパーで今夜の食事の調達をする。昨日行った会津田島のヨークベニマルと比べると流石に品ぞろえがいま一つだったが、桧枝岐方面になどに入るとなると最後のスーパーが鬼怒川温泉のリオン・ドールなので、それに比べると泊地のそばに店があるのは大変助かるのだ。

道の駅しもごうで営業終了時間待ちしていたら夕方の光が綺麗に

 道の駅しもごうに帰りつくとまだ時間は4時少し前で、日曜日ならではの賑わいで営業時間真っ只中といった喧噪である。おでんと玉こんにゃく売りのおじさんの声も高く、出入りする車は後を絶たない。

 駐車場の隅のほうに車を停めて横になって本を読んでいると俄かに外の日差しが黄金色に輝きだした。思わずカメラを下げて車から出てぶらぶらすると美しい夕景が繰り広げられている。夕日が届かない三倉山は深い陰影を見せてはいるが、この夕焼けで明日の天気も期待できるであろうか。いや、予報では期待出来るはずなんだけどなぁ。

 やがて人も引き始め、徐々に静けさが訪れようとする道の駅。いつものように夜を迎える支度を初め、今日もまた車中泊な長い夜が始まる。今晩は寒さとの闘いになりそうだな。

三倉山は来年へ持ち越しだな

そういえば観音山の積雪期登山も宿題

夕空とワンコが絵になるね

概略コースタイム

二岐温泉駐車場発(08:22)-舗装道より林道へ(08:30)-御鍋神社(09:20)-御鍋神社登山口(09:32)-
八丁坂(09:40)-あすなろ坂(09:49)-ブナ平(10:10)-男岳坂(10:29)-男岳(10:58)-笹平(11:22)-
女岳(11:29)-地獄坂(11:40)-女岳坂(12:17)-二岐林道登山口(12:46)-アスファルト道接合(13:17)-
二岐温泉駐車場着(13:29)

カシミール3Dデータ

沿面距離:11.8Km所要時間:5時間7分

カテゴリー: 福島県の山, 車中泊の旅 | 2件のコメント