春爛漫、久慈の里より




-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --
※上高塚山以北は一般登山道でない箇所が含まれています。参考にされる場合は自己責任でお願いします。

 分県別「茨城の山」をめくっていると心に残る山の名があった。熊の山である。

 茨城の山は低山が主体で道路も容易に切り拓くことが出来た為、植林は早い時期から成熟した感がある。
 従って、熊にとって必要な豊かな広葉樹の森というのは自ずと少なくなり、彼らの出没も絶えて久しいという。
 それだけに、熊の名を冠したこの名前が印象的だったのである。

 今回はリンゴさんが早春に周回したルートを参考とし、少し足を延ばして西金駅までの縦走を計画した。帰りに自転車を使うことも考えたが、あえて春の里をぶらりと歩くのもよかろうと水郡線一駅の散歩付きである。

 下小川駅の駅前には無料駐車場があるという情報を得ていたが、30台ほどのキャパシティーが休日にどうなるかは未知であった。駐車地にありつくべしと朝早く家を出発し、自分としては県外遠征の長距離ドライブであった。

 駅に到着すると、先着車は一台だけ。ちょっと肩すかしを喰らった感じだ。静かな里の中のひっそりとした駅舎の佇まいに、思わず自分の浅ましさを恥じてしまうほどだ。

今日のスタートはこの駅から
丁度列車が来た
駅駐車場のバックが盛金富士


 ゆっくりと支度を終えたら、盛金富士へ、さぁ歩き出そう。
 駅の横にある広場の桜。路傍の菜の花。すべてがうららな春を満喫しているようだ。そして自分も歩き出す足の軽やかなこと。

 
車道を折れ
ほどなく登山口へ


 登山口に差し掛かると、地域の方の気持ちが伝わる看板を見る。
 足す必要も、引く必要もないシンプルな言葉だが、山頂を目指す者には丁度良い。

地元の山の雰囲気が感じられる
整備された階段を登り
道標も整備されている


 整備された階段の道をゆるゆる登るとやがて伐採で開けた個所に出る。
 背中に拡がる境界尾根は、地図を見ると無名の三角点が点在する尾根。どこから取り付き何処へ出ればよいか見当もつかないが、時間が出来たらいつの日にか必ず歩き繋げたいものだ。

伐採地へ出た
北側にある境界稜線
正面奥は奥久慈男体山かな?


 今日の関東地方は場所によっては25度を超える夏日になるという。遮るものの無い伐採地は上のほうに行くと斜度も急になり、滴り落ちる汗が尋常ではない。冬の寒い時期がコンディション的にベストな自分にはいささか堪える。

 伐採地が終わると木陰になり再び階段が出てきた。木漏れ日の下、優しく吹くまだまだ冷たい風を楽しみながら足を止めた。

真新しい階段を登り
石仏の平坦地へ
穏やかな表情


 左手に谷を見ながら登り詰めるとそこが山頂。大きな石祠と栃木では見かけないタイプの山名版が迎えてくれた。
 ありていに言えば、栃木の山は同じ方がこだわり続けて同じタイプの山名版を設置している傾向が強い気がする。僅かな経験しかないが、茨城の山は登るたびに違ったタイプの山名版を見ている。いろんな人がめいめいの自分の形で作ったものを設置すれば良いのではないか。そういった意味では茨城の山のほうがノーマルなような気もした

里を見下ろす桜も風情あり
山頂には立派な石祠があった
 


 山頂からの景色は北側がスッキリ、南も良いがこちらは平野部が主体。遠く海も見えるらしいが、今日は生憎の春霞故に遠望は効かない。

 南に向けて下山を始めるとほどなく黄色ビニールテープの”休憩所”と書かれた個所に着いた。久慈川の景色が良い。比較的勾配のキツイこちら側から登る場合は、まさに良き休憩所となるであろう。

 
“休憩所”と銘打つ地点
景色が良いから休んでいこう


 下山を終えて最後は作業廃林道を経て集落へ出ると、たまたま出会った農家の人に声をかけられた。
 「もう登ってきたの?早いね」
 ええ、これから熊の山に向かいますと、会釈をして別れる。

この柵の低さでは効果に疑問?
平山橋が眼下に
線路脇も春爛漫


 平山橋を渡り、振り返る盛金富士。その名前に偽りはないようだね。裾野から形よく拡がる姿は紛れもなく里の富士山だ。

 一旦国道を挟んで細い車道に進むと暫くは住宅地の中を進む。でもこれがまた凄い事になっている。何がって、所々に見事な桜の樹があったり、庭の木も色とりどりの花で埋め尽くされていたりする。ここに住む人達は花の中で暮らしているといっても大袈裟でなかろう。ちなみに下の写真の桜の大木の下は広場になっていた。気が向いたらちょっと外に出てお花見なんて贅沢なことが出来ちゃう。羨ましい限りだ。

盛金富士を振り返る
熊の山へ向かう途中にて
 


 住宅地の最奥から徐々に山道となっていくが、序盤はなだらかな散歩道の雰囲気である。事実、向かいから降りてきた手ぶらの夫婦は朝の散歩帰りに見て取れる。

 
始めはなだらかな林の小径
261.3m三角点 点名”穴城”


 261.3m三角点を通過すると、やがて鬱蒼とした林内を繋ぎ、熊の山のふもとへと回り込む。
 事前に詳しい予習もせずに来たものだから、立派な鳥居の向こうに山頂があるという事を知らずに高塚山の道標に一旦引き込まれてしまった。徐々に高度があがり尾根が近づいてきた頃におかしいなと地図を覗くとありゃりゃ。これじゃ行き過ぎだ。

林内は涼しい
立派な鳥居の向こうが山頂
この道標に惑わされロスタイム


 鳥居まで戻ると丁度先行者が階段を登るところ。いきなり現れた後続者にさぞびっくりしたことだろう。
 急な階段にすっかり息もあがった頃、開けた山頂へ到着である。

先行者がいた
開けた山頂へ
 

 
 
 

盛金富士も横から見ると違った形に見える
電波中継所の後ろが上高塚山
山頂の立派な石祠


 水戸から来られたという先ほどの先行者の方としばし情報交換。いにしえの金山に由来する「金」の文字が頻出する地名の話など、そういえば確かに盛金、西金、金砂、ちょっと離れた所で栃木の大金。これはちょっと離れ過ぎかな。

 山頂を充分に楽しんだ後は、北へと高塚山を目指す。こちらは一般的な登山道ではない雰囲気だが、道型はしっかりしており迷う要因はほぼ皆無。よく歩かれている里山である。

信仰の山なのだ
咲き始めのツツジ
緑に覆われる日は近い

ピントとコントラストが難しい!
味のあるフォントだね
ハンターの落とし物


 恐らく途中に道標か何かがあった筈なのだが、見落としてしまったようだ。このまま行くとルートミスになってしまう。後在所集落へ下っていく作業道痕へ別れを告げ、石板のある小尾根を末端より直登するとすぐ管理道に飛び出した。突き当りは熊の山からもよく見えた電波中継所だ。

道が解らなくなったのでここより直登
管理道に出ると
突き当りは電波中継所


 裏手の山を一登りすればそこが三角点ピークの筈。どこから取り付こうかと物色すれど、施設の裏手に踏み跡あり。
 一投足で上高塚山へ到着した。

目立つね
裏手を拝見すれば踏み跡が・・・
そして上高塚山


 樹に覆われて眺望は殆ど無いが、静かで穏やかな自分の好きなタイプの山頂。ザックを降ろして食事をしながら心ゆくまで静かな久慈の里山の頂を堪能する。麓を通る自動車やバイクの音。ちょっと不器用な鶯の鳴き声も何処からか聞こえてくる。里山ならではの風情が心地よいのだ。

 帰路は西金へと辿る道。地形図に引いた行動予定線通りに歩かなくても、点線道があるのでそちらが楽ちんだ。ここまで歩いてくる間にいくつもピークを巻く道があって楽をしてきたが、唯一後悔したのは下高塚山を踏まなかったことである。
 下高塚山は上高塚山の南方に位置するほぼ同標高の無名峰であるが、そのピークに名があるという事前情報を得ていたらまんまと巻道に甘んじるということもなかったろうにと後悔の思いが残った。

 
 
ピークは必ず巻く道があるので助かるが・・・


 標高200mのコルからは、登山道の痕跡のような破線道は南に向かって下っていく。ここで道に別れを告げ、自分の予定線にようやく復帰。踏み跡も完全に消え、ちょっと煩い藪が出てきた。今日はずっと小ぎれいな道ばかりを歩いてきたのでいささか消化不良気味だったから、藪をかき分けるのも楽しい。

 239mPからの下りは地図で見るほど簡単ではなく、少し進路角を振りつつ神経質な斜面を安全な所を探しながら降り始める。やがて尾根形が見えだすとあとは順調。共同アンテナから先は幾らか踏み跡が見え隠れし始めた。たまに往来があるのだろうか。

南へ降りる道に別れを告げると踏み跡も無し
こんな感じでちょっと煩い藪
共同アンテナのようなものが突然現る


 下降を続けると植林地の中にイワウチワの群生地があった。林内ははっきりとした踏み跡が花を避けてつけられていたので、きっと花好きの人達の穴場になっているのだろう。

再び咲き始めのツツジ
イワウチワの群生地あり
うーーん。ピントとコントラストがいまいち


 群生地よりわずかに下ると立派な石祠のある広場に出た。当初、ここより更に西に下る予定であったが、最後に川にぶつかるのと、偵察や事前調査不足故にどんな所に着地出来るか予想もつかない。計画的には消化不良感もあるが、目の前の濃い藪に突っ込むより下に延びる参道を素直に降りようじゃないか。

この石祠でルーファン打ち切り
参道に従い下山
こう降りてきた


 鳥居の更に下は・・・
 民家の裏庭に出てしまった。
 それにしても・・・
 家の裏手に鳥居があって、山があって、そこに石祠があるのだから実に豪気なものだ。
 家人に気づかれぬよう、こっそりと庭先をお邪魔して道路へたどり着いたらほっと一息。
 そして、そこにはむせかえるばかりの春の息吹の里の景色が拡がっていた。

花の里だね
 
 

国道が眼下に
お見事!
こんなピークも登ってみたいね


 西金駅からは久慈川沿いの鄙びた感じの道を行く。ともすれば、時に忘れ去られたような感じさえ受ける、長閑という言葉がピタリと当てはまる集落の軒先や踏切の向こうに映る風景を感じながら歩くのが楽しい。

西金駅へ到着
貨物引き込み線がある
正面が上高塚山と熊の山

久慈川のほとりを歩く
忘れ去られたような静かな路
長閑という言葉が当てはまる風景


 踏切を渡り、道が線路の東側になると幾らか荒れてくるが歩くのにはまったく支障なし。やがて湾曲する久慈川と線路、そして国道118号を一挙に望めるポイントが見どころ。更に進むとやがて舗装路へ接合するが、入り口の掲示には”崖崩れの可能性があるため通行止”と書かれていた。
 見た感じそのような危険個所も無かったが、かたわらに立派な国道があるため、利用する人も絶えて久しい旧道がまさに自然に還りゆく一つの時期を垣間見た気がした。

段々と道が荒れてきたが
久慈川を跨ぐ個所から
舗装路へ着いた


 線路脇の集落沿いの小さな道をなおも進んで行けば、昼寝の犬に吠えたてられた。それもたった一声だけ。
 滅多に見知らぬ人も通らないだろうに、ザックをを背負った奇異な人影にきっと驚いたのだろう。
 でも、一声だけとはね。「ちゃんと吠えたからね。眠いんだからさっさと行ってよ!」と言いたげだ。

落石しそうな箇所は皆無だったが・・・
再び線路脇を進み
怖がらなくていんだよ


 車の往来がある道に出てもなお長閑な風景は変わらず。帰りにこのルートを選んで本当に良かったなとしみじみと思った。

西登山口、こちらが参道らしい
青い橋がお洒落
今はこういう郵便局も珍しい

どうやら一周してきたようだ
歩いてきた縦走路
里の春爛漫

下小川駅へ到着
平山橋を車で通過する
通りかかった列車も去り行く

概略コースタイム

下小川駅発(07:34)-盛金富士登山口(07:50)-盛金富士(08:26)-平山橋(09:04)-熊の山登山口(09:22)-
261.3m三角点(09:47)-熊の山(10:23)-休憩-行動再開(10:51)-上高塚山(11:23)-昼食休憩-
行動再開(11:42)-踏み跡途絶える(11:59)-239mP(12:11)-石祠の広場(12:39)-車道へ(12:48)-
西金駅踏切(12:56)-下小川橋(13:33)-下小川駅着(13:58)

カシミール3Dデータ

沿面距離:14.3Km
所用時間:6時間24分

カテゴリー: 茨城県の山 | 8件のコメント

お花見セーフ

 先週の悪天候から続いて、今週も再び好天は望めないかに見えた天気予報。
 週末が近づくにつれ晴れマークが出るようになってきた。
 通勤途中に見る桜はどんどんと花を落とし始め、もう今年は花見は無理かなと思ったが、予想外の好天。

 何処に行ったら良いのか相変わらず花音痴なれど、スマホで適当に検索してまずは壬生のわんぱく公園へと向かった。

まずは壬生のわんぱく公園へ

 駐車場から公園までの間の僅かなエリアだけの桜だが、自らの足で歩き、間近に見る”桜”に改めて感動。
 車窓から見るのとはやはり大違いである。

散らずに残ってくれていたことに感謝

日差しを浴びると綺麗だ

 

 子供が小さかった頃に花博が開催された懐かしい園内を軽く散策するが、桜は駐車場脇だけのようだ。
 近くの東雲公園も名所であるというのでそちらへ向かう。

東雲公園へ移動

 圧倒的な桜の数。凄いね。全般的に散り始めではあるが、遠目にはまだまだ素晴らしい花付きだ。
 そして、これだけ素晴らしいのに人の出もさほどでない。
 賑やかな花見も良いかもしれないが、やはり自分はこの位が良いなぁ。

見事な桜に圧倒される

八重桜も

 折角だからと屋台のタコ焼きを買い、ベンチで家内と二人でほおばる。少し強い風に花吹雪。一体元気なうちにあと何回、何十回、この風景を見ることが出来るのだろうと、ちょっと感傷的に。

 まだ時間が早かったので、ついでに蕎麦でも食べて帰ろうということになった。

検索したら近くにこんなお店が

 店内の装いは確かに隠れ家っぽい雰囲気あり。でも大袈裟ではなく味のほうも秀逸。蕎麦は良いがつゆがいま一つ。あるいはその逆というのはよくあるが、このお店は共に高得点と自分は感じた。

蕎麦もつゆも自分的には高得点
カテゴリー: 日記, 昼飯 | 6件のコメント

今日の散歩

 午前中、仕事で自宅待機なれど、手持無沙汰につきスタッドレスタイヤから夏タイヤへの履き替え×2台。

 職場のほうは何事も無く無事放免。午後からは・・・

 先週のGSX1400に続き、今日はオフロードバイクを軽くメンテナンスしたら冬眠から解放してちょっぴり散歩。

 道端に花が咲くのはもう少し後なのだろうか。でも雰囲気はもうすっかり春の装いだ。

こんな道を走ってみたら

梅が咲きそろっていた

田川沿いも春の雰囲気
カテゴリー: ジェベルで散策 | 6件のコメント

小倉山と外山、瀬尾の愛宕山



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※当コースには一般登山道でない箇所が含まれています。参考にされる場合は自己責任でお願いします。

外山の過去の記事
    2011年01月11日  毘沙門山と外山

 かねてよりネタ帳を温めていた日光の小倉山を歩く事にした。
 取り付き地は初めから決めていたが、駐車地に頭を悩ますも、ストリートビューで精査すれば日光スケートセンターの広大な駐車場が適確ではないか。
 いざ駐車してみると自分以外は全く姿無し。スケート場はシーズンオフなのか、はたまた今日は休館日なのか。

 ガラガラの駐車場を後にして出発。ズタズタになったトレッキングシューズを更新したので今日は慣らし歩きとなる。量販店で入手したキャラバンの靴だが、今まで履いていた同じキャラバンの下位モデルとなり約半値(15,000円くらい)。やはり一日歩いた感想としては値段なりであった。もっとも、軽いのでそういった意味では疲れが少ないのだが、登山道を外したハードな歩きになるとかかとのサイドなどが少し弱い感じも否めない。履いて一日で結論が出てしまったが、まぁ暫くは贅沢を言わずにこの靴でいこう。次に買うときはやはりしっかりしたのを買うべしと反省した。

日光スケートセンター駐車場より外山
今日は新しい靴の慣らし
小倉山


 駐車場より車道を少し歩き、予定していた取り付き地点より入山した。赤ペンキがやたらと多いが、そのすべては林業の為のものである。

 右手が植林帯、左手は自然林。時折松が混じる防火帯のような穏やかな広尾根が直線的に続く。危険な感じも、また暗い感じも無い。登山者のものというより、山仕事の人の付けたものなのだろうか。良く踏まれた道は、初めて登山道以外を歩くような方にもお勧めかな。
 それでいて、上のほうで急に沢山の足音が聞こえて目を上げると、5~6頭のシカの群れが慌てて横断していく姿が見えた。今日は山仕事の人が休みなのでシカ達もきっとのんびりしていたのだろう。

此処より取り付く
穏やかな尾根を行く
何の記号なんだろう

左手に外山
 
山頂まで一直線


 進路が西に振られ、軽く登り返した次のピークが山頂である。眺望も無く山名板が一枚落ちていただけだが、見る事すら珍しい図根点標石の存在が目についた。しかも真新しいのだ。

静かな山頂へ到達
珍しい図根点標石
山名板はこれ一枚


 山頂より乗っ越す感じで尾根を北に降りればゲートのある林道に接合した。林道を南に少し戻ると洒落た感じの建物、小倉山温泉へ。こんな奥まった場所に隠れ家的な雰囲気で存在すると俄然興味が出てくるではないか。帰宅後ネットで調べると、明け方2時まで露店風呂の営業をしているらしく、運がよければ風呂で野生のシカに遭えるという。

 さもありなん。先ほど群れにあったばかりか、ほうぼうの地面を見れば鹿のフンだらけで足の踏み場の無いほど。害獣扱いされるシカは気の毒だが、確かに増えすぎているというのは何処の山を歩いても実感できる。

 小倉山温泉より更に南下し、右手に次の建物(廃業?休業?)がある箇所の脇を抜け、裏手の林を沢に向けて降りる。地形図には道が描かれているが今は完全に消失している模様。

尾根を降りきるとゲートのある林道へ
隠れ家的な温泉
沢に向けて林を下る


 かつて自然観察コースだったのであろう。忽然と道標のかけらが地面に落ちているのが目に入った。今や周囲を見回しても自然観察コースの片鱗はまったく見当たらない。

 改めて地形図を眺めると道は赤沢を跨いでいる。かつては橋があったのだろうが、見渡しても橋のようなものは無いので渡渉するしかなさそうだ。新品の靴を濡らしたくなかったので、いつもより慎重に渡りやすい所を探した。
 向こう岸に上がるとすぐ林道に面した。この林道をそのまま南に下って登山道に向かっても良いのだが、今回は東側から登る予定なのだ。

今はその片鱗さえ見当たらない
ここで渡渉
林道を少し上がり


 予定していたポイントからだと少し上のほうでキツそうな感雰囲気がする。一旦見送り、少し林道を先に進んで突破口を品定めしていると手頃な小尾根が見つかった。斜度のキツイそこをガシガシと登っていき、やがて穏やかな太い尾根に乗り換えた。下のほうに登山道が見えたが、GPSで現在地を確認してこの尾根で間違い無しの確信。上のほうが岩などで塞がれていれば登山道へトラバース、それもかなわなければ一旦高度下げかな。

ここより取り付く
キツイ斜度に倒木が邪魔をする
荒れた所もあったが


 ぐんぐんと高度を上げていき、鉄製の手すりがある登山道へ合流した。あとは一投足で山頂へ到達。

 二回目の外山だが、広い眺望で感動的な女峰山絶景が迎えてくれた。

最後は登山道に突き当たった
そして山頂
相変わらずの絶景


 
二週間前に登った赤薙山と丸山
痩せ尾根も雪が少なくなった


 昼食後は山頂より北へ向けて急降下する。出だし、西側にすこし振りながら降りてしまったが、山頂から見えた鞍部を目指して僅かに軌道修正する。鞍部からは穏やかな尾根道が続くが、実に道型がしっかりしているのに驚く。

雲竜渓谷を抱く壮大な景色
今年は黒岩尾根から女峰山かな
外山の山頂から急降下後は穏やかな尾根道が


 登山道でもないのにどうしたことだろう。もう少し北に行けば霧降高原方面から稲荷川に降りるハイキング道があるらしいが、どう考えてもこちら側は外山の山頂に繋ぐか下の集落に落下傘下山するしかないので、明らかに一般的ではない筈なのだが。

登山道と見違えそう
心地よい木立を縫って
まさに登山道


 どこまでも進んでいきたくなる明るい尾根歩きの誘惑を振り切り、目論見の地点より下降に転ずる。この尾根の続きの楽しみはネタ帳の上位入り確定である。

 下山で予定した尾根を降りていくと、標高差30mを残した所で急に切れ落ち始めた。少し岩交じりなのと、地形図の等高線から考えられない斜度。想定外だが無理は禁物だ。危険なので撤退して降りられそうな所を探しながら戻る。途中のシカ避け柵を追ってみると、運よく柵が下降を始める箇所を見つけたので、これに沿って下っていった。

此処より尾根形を探りながら下降
 
下山は最終的にここより西へ


 やがて小屋のある場所に飛び出したが、人や犬の気配は無いのでまずは一安心。ここでワンコなどに見つかって大騒ぎになるのを一番心配していたが、事なきを得た。

外山が左手に大きく見える
鹿避けネット沿いを降りると
小屋のある所に降りた


 最後は別荘地のような家が並ぶ中、延々と車道歩きとなる。ここに住んでいる人はどんな人達なのだろう。生活の拠点とするにはいささか不便な気もするが、別荘なら贅沢なものだ。まぁちょっと自分には縁が無い世界だが、一度くらいはこんな所で暮らすのも悪くはないかなとちょっぴり思いながらぶらぶら歩き。

 駐車場手前の車道は大きく周り込むような感じになっている。今更歩行距離の短縮も無いが、林に突入してショートカットしようとしたら、最後は法面に阻まれて結局車道に戻る始末。急がば廻れを絵に描いたようになってしまった。林の中でまたしても2頭のシカと出会ったのはおまけだろう。

西側から見る外山
駐車場手前の法面
駐車場より再び外山




 一旦撤収し、車で少し離れた所にある三座目を目指す。

 大谷川左岸の県道247号を今市方面へと走り、丸山公園を過ぎた先にある広場に駐車した。此処もGoogleMapで下調べをしていたのだ。

 車を降りて歩き出すとすぐ『愛宕神社』の道標があり、ここを折れると民家の間にある小路に吸い込まれていく。

八坂神社手前の駐車地
民家の脇を通って行く
車一台くらいなら通れそうな幅


 恐らく伐採の重機道として作られたであろう道は手入れがされており、途中までは車でも充分往来可能、斜度がきつくなる上部でも4駆車やオフロードバイクなら楽勝であろう。

 林道終点からいよいよ登山道となるが、すぐ道標が出て左が弁天様となる。鬱蒼とした森の中に、少し褪せてきたとはいえ朱塗りの欄干が鮮やかに目に映る。

砂利林道に立派な道標が
弁天様に寄り道してみる
 


 登山道へ戻って少し登ると、上のほうに数体の石神が見られた。首が欠けたものもあるが、神社の前衛を守るが如しである。

 続く鳥居をくぐり石段を上り詰めると愛宕神社がそこにあった。

山頂直下は数体の石神が守っていた
鳥居と石段を上がると
愛宕神社

 
 
 


 社殿の裏手に大きな石祠があり、基部に三匹の獣が控えているのが大変珍しかった。猪なのだろうか。今までこういった石像は見たことが無いが、ネットで調べると周囲の似たような神社でも散見されているという。

裏手に珍しい石祠がある
三匹の猪が守っている
かなり珍しい


 一旦駐車地まで戻り、かたわらの”八坂神社”へも足を延ばした。録事尊は、ぱっと見磨崖仏のようだが、正確には大きな石に刻み込んだような感じである。所々彩色されているのもまた珍しい。

 突き当りにある八坂神社は、東電の所野第三発電所裏のフェンス裏手に春の日差しをたっぷりと受けてと佇んでいた。

 そういえば、外山の山頂は沢山の石仏石像が置かれていたし、今日は信仰の里山歩きだったのかもしれない。後半、くしゃみと鼻水に悩まされながら(花粉症では”無い”と自己暗示)だったのはちゃんとお参りをしないで通過したバチが当たったせいなのかな。珍しく神妙な心持で駐車地を後にした。

最後に八坂神社へ
珍しい磨崖仏
八坂神社は発電所のフェンスの裏手にあった

概略コースタイム

駐車場発(09:30)-小倉山取り付き(09:36)-小倉山(10:04)-林道へ接合(10:17)-小倉山温泉(10:24)-赤沢の渓谷へ(10:28)-
外山東側の林道へ接合(10:37)-外山取り付き(10:41)-登山道へ接合(11:03)-外山(11:10)-昼食休憩-
行動再開(11:57)-853mP(12:22)-石像(12:34)-尾根末端で撤退(12:47)-シカ柵沿いに下降開始(12:56)-
小屋(13:00)-駐車場着(13:50)

《愛宕山》

駐車地発(14:07)-林道終点(14:20)-弁天様(14:22)-愛宕神社(14:31)-駐車地着(14:52)

カシミール3Dデータ(愛宕山は含まず)

沿面距離:8.6Km
累積標高差:(±)626m
所用時間:4時間20分
※累積標高差は、『国土地理院基盤地図情報数値標高モデル10mメッシュデータ』よりカシミール3Dにて算出した値

カテゴリー: 日光の山 | 8件のコメント

始動

170319

 12月の下旬に外して室内保管していたバッテリーを取り付けて、今年の初プチツーリング。

 今日は午前中に墓参りを済ませ、午後の暖かい日差しに、久しく封印していたバイクを解放。

 封印だなんて大袈裟だが、単にバッテリーあがりを防ぐのと冬場に乗るのが堪えるようになっただけ。

 前者は経済的観点から。だってあんな小さなバッテリーなのに車の何倍もするんだもの。
 後者は・・・うーーん、以前は真冬の厳寒期も乗ってたんだけどねぇ。
 寒いの正気辛いっす。

 写真は、古峰ヶ原神社下から滝が原峠へ抜ける林道で六郎地山をバックに。

カテゴリー: バイクとツーリング | 2件のコメント

ビギナーズラック



-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 一度は歩いてみたかった冬の那須岳。冬でなくても強風で名高いこの山を積雪の時期に登れるとは考えていなかったが、天気図の示す気圧配置とスケジュールが一致した。好機逃がすまじと思い、珍しく高速代を奮発して北へと車を飛ばした。

 大丸駐車場に到着すると未だ7時半前だというのにかなりの数の車が停まっている。まさに出発しようとしている人も多数。流石はメジャーな山だ。日頃は静かな山歩きを標榜する自分だが、今日はそんな選択肢は無い。いや、此処はそんな事をこだわるような山じゃ無いって事。世間知らずの自分にもたまには世間並みの山歩きをさせようじゃないか。

 駐車場脇から、手すりがてっぺんだけを覗かせている圧雪の登山道を使い、まずは峠の茶屋駐車場へと向けてゆるゆる登る。歩き始めてすぐ6本爪軽アイゼンを履いたが、途中何か所か雪の無いアスファルト道路を横切ることになる。ロープウェイ駅から上は車道またぎが無いので、そこまでは登山靴だけで車道歩き、ロープウェイ駅でアイゼンを装着すれば良かったかもしれない。
 皆さんはと足元を見ると、流行りのチェーンスパイクがかなり多数。山頂まで歩いてみた後でわかった事だが、チェーンスパイクが選択される理由に大いに納得したのだ。

大丸より登山開始
茶臼岳の山稜
朝日岳が見えてきた


 峠の茶屋駐車場に着くと、初めて見る冠雪の朝日岳に胸が躍る。これを見ただけでも満足。いやいやまだ登山は始まっていないぞ。

 トレースは良く締まっているが、雪質はガチガチでは無くなかなか良好だ。もう少し柔らかい雪ならスノーシューでさぞ楽しいことだろう。今日の装備は6本爪軽アイゼン、前爪付き10本爪アイゼン、そしてワカン。結局軽アイゼンしか使わなかったが、場所によっては4本爪でも全然OKだったかもしれない。

峠の茶屋駐車場
ここより登山開始
トレースは良く締まっている


 最近、連続して登っていて調子が良いのか、一休みもせずに一気に高度を上げる。朝日岳や剣が峰の姿が大きくなってくる頃、幾らか風が出てきた。ザックにしまったジャケットを再び着てフードを立てた。朝日岳を眺める平坦な区間では登山道の雪が極端に少なくなり、軽アイゼンといえども歩きにくいことこの上なし。皆さんがチェーンスパイクを選択するのはこの為なのだ。

近づく朝日岳の雄姿
剣が峰のトラバースもこりゃ無理だ
山頂手前の岩峰が見える


 剣が峰のトラバース区間はチャンレジャーのトレースが幾筋か見えるも、みな下巻き・・・というか沢のほうに降りていってしまっている。朝日岳に向かうには剣が峰のてっぺんを超えて行くのがこの季節は定番だそうだが、自分の技量装備ではそのどちらも不可能に近い。命あっての山登りである。

 途中で会話を交わした、いかにも山慣れした感じの方が避難小屋手前の斜面をショートカットして直登していった。
 ここまで登って来る途中、あちこちの斜面を見てむずむずしていた自分だが、流石にこれだけ人が多いと先陣をきって取り付くのも少々憚れるところ。そんな姑息な理由でおとなしくしていたが、目の前にかくも鮮やかに足跡を残されてしまうと、トレースを戴くことを禁じえない。

剣が峰トラバースは皆さん断念の様子
避難小屋見える
ショートカットして上を目指す


 ショートカットを登りきると避難小屋からのルートと合流。下山者と会話中の先行者に追いつき一言お礼を言う。

 このあとはひたすら岩のゴロゴロした区間になるが、幾度となく歩きにくいアイゼンを外そうと思ったくらいだ。
 特徴的な岩峰を下から回り込んでいくと、東側の斜面はしっかりと積雪していた。再びアイゼンが効く斜面を一歩一歩確実に登っていく。

特徴的な岩峰直下より
東側の眺望が始まる
こちらは西側


 頂稜部もまた岩が露出している。再びアイゼンでつまづかないように注意しながらようやく山頂へ到達した。

 風は微風、空には幾らか薄い雲もかかっているがまずは絶好のコンディションと言ってもよいのだろう。360度の眺望に囲まれて、初めての冬の那須岳にしては上出来である。山頂にはショートカットルートで先行した方が一人ですでに風景を楽しまれていた。

そして山頂へ
流石山から三倉山は神々しい
遠くに浮かぶのは飯豊山らしい

奥に高原山
燧ケ岳
会津駒ケ岳


 下山する先行氏に再びトレースのお礼を述べたあとは、しばし一人占めの山頂だ。微風だが、素手でカメラを持つ手はやはり冷たい。いつまでも見ていたい景色だが、後ろ髪を引かれるようにして自分も山頂を後にした。

避難小屋を眼下に見る
それにしてもアルペンチックだね
美しい風紋


 お鉢巡りの後は来た道を戻る。避難小屋まで夏道を歩こうかとも思ったが、結局ショートカットをまた下ってしまった。だって、砂礫の道をアイゼンで歩くのはつまらないじゃないか。

ショートカットルートを再び下る
もう少しで夏道(痕)へ
再び風紋


 帰路もあちこち写真を撮って(出来上がりの歩留まりはよくなかったけれど)なかなか先に進まず。八方ヶ原や霧降高原とはまた違った美しさのスノーフィールドにため息をつくばかりの下山路であった。

いつか踏みたい鬼面山
 
 

峰の茶屋駐車場へ戻ってきた
裏手の斜面を登る人々あり
ロープウェイ駅も春を待つ


 予定通りの下山時間故に本日の山ご飯は無し。かわりにどこかお店で食べようかかなと思うも、那須にあるお店はどこもハイセンスで順番待ちの列ばかり。入るには敷居が高すぎだ。家内と一緒ならともかく、こんなお店で一人食べるのはあの急峻な剣が峰のトラバースを超える以上に困難なことである(笑)。

 車がもうすでに塩原にさしかかろうとする頃、やっと見つけた落ち着いた感じのお店へとハンドルを切った。出てきたお蕎麦は上品な色と香りでなかなか美味。御覧のセットで1,100円はお値打ちだろう。
 そして食後のデザートはお店の裏手からの風景。あの白い頂を、つい先ほどまで間近で眺めていたのだなぁと、贅沢な余韻に浸ることができたのである。

立ち寄りの蕎麦屋”高林坊
これで1,100円はお値打ち
蕎麦屋の裏庭から

概略コースタイム

駐車場発(07:25)-ロープウェイ駅(07:52)-登山口(08:13)-避難小屋手前からショートカット(08:53)-
登山道復帰(09:04)-茶臼岳(09:31)-休憩-行動再開(09:56)-お鉢周り終了(10:06)-登山口(11:03)-
ロープウェイ駅(11:24)-駐車場着(11:43)

カシミール3Dデータ

沿面距離:7.9Km
累積標高差:(±)690m
所用時間:4時間18分
※累積標高差は、『国土地理院基盤地図情報数値標高モデル10mメッシュデータ』よりカシミール3Dにて算出した値

カテゴリー: 那須塩原の山 | 10件のコメント

ガラにも無く観梅

 今日は天気が良いけど山はお休み。たまには花見も良いかなと思い立ち、自分なりに情報収集した結果、鹿沼の錦鯉公園の梅林が素晴らしいということを知り家内と出かけてきました。

錦鯉がお出迎え

 釣り堀の裏手を登っていくと・・・
 おぉ!評判通りなかなか素晴らしいではありませんか。

なかなか見事

 

春の息吹はこちらにも

 

 

 

赤岩山と古賀志山間の岩稜

 

 明るい春の日差しを満喫した後は、まちの駅新・鹿沼宿脇にある日光珈琲 朱雀へ立ち寄りまったりコーヒータイム。

 たまにはこんな休日も良いね。

 さて明日の山はいずこへ・・・

日光珈琲さんにて

右奥の石油ストーブが良いね
カテゴリー: 日記 | 10件のコメント

残雪の霧降高原を行く



-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --
※当コースには一般登山道でない箇所が含まれています。参考にされる場合は自己責任でお願いします。
赤薙山、丸山の過去の記事
    2015年02月15日  丸山から八平ヶ原へ
    2012年02月12日  赤薙山
    2011年02月11日  雪の丸山に登る
    2010年08月10日  女峰山を目指して
    2009年05月09日  快晴の赤薙山と丸山
    2008年09月08日  久々の山行にグロッキー
    2007年07月07日  雨の丸山を登る

 二年前に、丸山から八平ヶ原へノートレースの雪面を降りたのが強く印象に残っている。今年の県内は全般的に雪が少なめなような気がするが、加えて日々の生活圏内もそして山にも春の気配が色濃くなってきた。先週の釈迦ヶ岳も随分と雪が少なかったから霧降高原はもう限界もしれない。これ以上待っていると、今年はもう気持ち良い雪遊びは出来なくなってしまうだろうと考え出かけることにした。なお、今回は赤薙山から下山して丸山に向かう際、焼石金剛から直接丸山を目指す積雪期ならではのルートも歩くことにする。

 駐車場に着いて山のほうを見ると雪の少なさに愕然とする。雪の着いたこの斜面を過去三回登ってきたが、やはり3月に入ってしまうとこんなものなのかな。八平ヶ原への下りの深雪の為にスノーシューを背負い、赤薙山への備えとしてアイゼンもザックに忍ばせてきたが、スノーシューの代わりにワカンを選択しなかったのをちょっと後悔。大した重量でもないのだが、背中にスノーシューの微妙な重さを感じながらの出発だ。やはり邪魔でないと言えば嘘になる。

今日はあの高みまで
雪少なっ!
序盤はだらだらツボ足で


 序盤をツボ足で登り、小丸山への急登になる前にザックを降ろしてスノーシューを履いた。先行氏は一名、12本爪のがっちりしたアイゼンで少しグズグズになりかけの雪に苦労しながら登っている様子。もうちょっとカリカリになっていればアイゼンのほうが良いかもしれないが、こういった場所では適応レンジの広いライトニングアッセントのほうが楽ちんだ。ヒールリフターを使えばほぼ直線で登っていけるところが素晴らしい。なによりも無駄なスリップが無いので体力の消耗も最小限。まさに道具に助けられるとはこのことだ。

 呼吸の乱れに時折を立ち止まりながらも、気が付いたら小丸山へあっという間に到達。脇に控える丸山もまったくもって雪が無し。急登では活躍したスノーシューだが、この先では邪魔者なってしまうのかとちょっと心配になる。

 先行氏は小丸山手前の展望台で休憩を終えるとすぐに降りてきてしまった。この先は視界に入る登山者は居ないが、雪には縦横無尽にトレースが付いていて、ここ数日にかなりの登山者が歩いた様子が見て取れる。

小丸山の急登はスノーシューで
丸山の雪の少なさに愕然
赤薙山を目指す


 高度を上げるに従いいくらか雪質は良くなってきたが、依然ツボ足でも全然問題なさそうな感じ。スノーシューを外すのが億劫だったのでわざとトレースを外したりしながら登っていった。

 赤薙山を遠くから眺めるとき、必ず思いを寄せるのが焼石金剛と山頂の黒木の森を繋ぐ湾曲した痩せ尾根である。この時期は遠くからもひときわ白く輝いていて一目でその場所を確認できる。
 無雪期なら笹に覆われた小路に導かれるこの稜線はさほど危険は無いが、今の時期はふとした不注意で簡単に滑落する可能性もあり、その場合間違いなく数百メートルは落ちるはず。2012年に赤薙山へ登った時はトレースも無く文字通り痩せ尾根の感があった。斜面側の雪庇がどこまで安全か解らず、ビビりながら森側にへばりついて歩いたのを思い出した。

方角的に馬老山と奥は県境稜線
痩せ尾根は如何に
歩く幅は充分


 今年は雪の少なさもあり思ったほど危険は感じなかった。それでも斜面を覗き込むと、ここを落ちたらヤバいなぁと背筋がゾクゾクとする。

 夏道の道標が森の中へと折れるが、先行者のトレースは直進。しばらくこれを追うも、やがて森の中へと吸い込まれていく。

雪庇より
凄い斜面だ
樹林帯へ


 樹林の中では小回りが利かず、扱いづらいスノーシューに手こずり始めた頃、ようやく山頂へ到着した。雪の量は五年前と同じくらいだろうか。西の肩へ行くと、相変わらず威風堂々とした女峰山がようこそとでも言いたげな雰囲気で鎮座していた。

山頂に近づくにつれ雪質も良好に
積雪量は少なめ
今日も女峰山は神々しい


 山頂をかけ抜ける風は、登りでかいた汗にはいささか冷たすぎる。長居は無用だ。一口エネルギー補給をして、アイゼンを履くため外したスノーシューを再びザックにくくりつけた。

 下山を始めると、途中で一組の男女の登山者と交差した。今日はいったいどれだけの人が山頂を踏むのだろう。

 森の中はアイゼンを履いていても滑りやすくて気を遣うが、再び痩せ尾根に出ると斜度も緩み暫くは快適な下りとなった。

裏男体
小丸山は遥か下に
再び痩せ尾根へ


 さて、焼石金剛よりいよいよ本日の核心部前半である。無雪期にどういう状態であったかは明確に記憶に薄いが、恐らく笹が繁茂して歩き難い草原のような感じなのだろう。それでも斜度は緩いので今の時期ここを歩かないのは実に勿体ないと常々感じていたのである。

 焼石金剛から見下ろし、登山道の尾根筋と左右を分けるいわゆる派生尾根の左手へと一歩踏み出すと、そこは見渡す限りのノートレースが拡がる。雪質は上質とまではいかないが少なくとも全く踏まれていないので柔らかさは充分にあり、踏み抜きも頻発する。立ち止まってスノーシューを再び履くまでにそうはかからなかった。
 登りの尾根は、ひたすら締まったトレースをスノーシューで踏んでいくストレスがあったが、ここにきてようやく喉のつかえが取れたような気分になった。

焼石金剛より高原山
ノートレースルートへと踏み出す
雪質も上々

登ってきた向かい側の稜線
六方沢橋が見えた
暫くは贅沢なノート―レース


 小丸山から下ってきた豆粒のような登山者が丸山を登る様子が見えた。よく見るとトレースがあちこちに点在していて山頂へは数ルートが認められる。だが、あえてそのどれも外して登って行こうと狙いを定めて降りると、鞍部から取り付いたのは2011年とほぼ同じ場所で、岩交じりの急斜面を登っていた。途中で夏道に合流すると踏み跡多数でもはや立派な道になっている。これを嫌って少し膨らみながら回り込んでほどなく山頂へ。

 山頂には先ほど豆粒ほどに見えた先行のグループが賑やかに陣取っており、自分のような単独者にはとても居心地が悪い。東側は春霞で景色も良くないし、赤薙山方面を少し眺めたあと直ちに山頂を後にした。

あの林を突っ切って直滑降
丸山山頂
赤薙山方面を振り返る


 山頂から北に進むと、しばらく真新しいトレースが付いていた。これだけ人が沢山入山しているのだから、ノートレースの八平ヶ原下りは難しいかなぁと一旦落胆するも、すぐに足跡は途絶え、その先は無垢な雪面がどこまでも続いているではないか。足跡の持ち主は先ほどの賑やかなグループの一人で、恐らく偵察にでもきたのだろう。

 今日の本当の目的はこの区間の下りであっただけに、ノートレースは何ものをもってしても代え難い条件なのだ。今年もこの場所をこうやって降りられることに感謝感激である。二年前は急斜面ながらパウダースノーに膝まで埋まりながら豪快に下ることが出来たが今年はそこまで雪質は良くない。逆にスノーシューではコントロールしづらい局面もあって多少難渋したが、やはりこの綺麗な稜線に足跡を刻みながら降りていくのは爽快このうえなしである。

さぁ、八平ヶ原へ下降開始
まだまだ楽勝だが・・・
急斜面には相変わらず手こずる


 急斜面は時折尻セード交じりで、やがて斜面が緩んでくると八平ヶ原はもうすぐ。ダケカンバの林を縫ってサクサクと下り、ようやく平らになった所でザックを降ろした。

 特に何も無い場所だが、今の時期は葉が落ちてなんとなく遠くまで見渡せる明るい林がとても心地よい。ここで昼食を食べてコーヒーを飲むのも今日の大きな目的だったのだ。

 残るルートは丸山の裾野をぐるっと回り込むようにして旧ゲレンデ方面へ進めば良い。適当に進んでいくと道標を見つけてラッキーかと思いきや、進むべき先はトレースも希薄にして侮れないトラバースにいささか難渋する局面も。
 すぐ下に車道が見えているのでそちらに逃げちゃえばなんてことはないのだが、それじゃつまらないってもんだ。

方角だけ決めて自由気ままに
八平ヶ原で昼休み
適当に進んでいたら導標あり


 レストハウスからの旧登山道に合流する。ゲレンデ跡に出ようと思って窺ってもネットがきっちり整備されていて進入する隙は皆無である。二年前は所々”抜け穴”な箇所があったが今はきっちりと整備されている模様。

 山スキーの細長いトレースの残る登山道を下って駐車場へ戻ると、天気予報通りに雲が出てきた。見上げる丸山もすっかりガスに覆われつつある。

 今年も僅かであるが一味加えた雪の霧降高原ルートを堪能できた。そして来年も是非、出来ればさらにひと捻りして雪面に遊びたいものだと心から思った。

案外侮れないトラバース
最後はネットの内側夏道を下る
天気下り坂は予報通り

概略コースタイム

駐車場発(07:13)-キスゲ平(07:57)-焼石金剛(08:34)-赤薙山(09:09)-焼石金剛より未踏ルートへ(09:48)-
鞍部へ(10:19)-丸山(10:31)-八平ヶ原(10:56)-昼食休憩-行動開始(11:36)-の夏道へ合流(12:09)-駐車場着(12:24)

カシミール3Dデータ

沿面距離:6.3Km
累積標高差:(±)781m
所用時間:5時間11分
※累積標高差は、『国土地理院基盤地図情報数値標高モデル10mメッシュデータ』よりカシミール3Dにて算出した値

カテゴリー: 日光の山 | 12件のコメント

今年の釈迦ヶ岳



-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

釈迦ヶ岳の過去の記事
    2016年05月16日  守子神社ルートより権現沢左岸へ周回
    2016年02月16日  冬期釈迦ヶ岳登頂 だが雪は少なくちょっと残念
    2015年10月15日  西平岳を目指して釈迦ヶ岳
    2010年10月10日  大間々より西平岳
    2008年10月08日  紅葉間に合わず!ガスの高原山を歩く
    2007年06月07日  高原山最高峰 釈迦ヶ岳へ登る

 いつ登ればよいのだろうと気にしていた釈迦ヶ岳。昨年は肩透かしの雪が少ない山頂であったが、今年は密かに頃あいを見計らっていた。雪が降り積もる一月二月は自分ではちょっと敷居が高そうだが、残雪期の序盤ならそこそこの成果が得られるのではないかと考えていた。
 勿論悪天候なんかは論外。自分流の歩きはあくまで天気晴朗穏やかにしてがモットーだ。そんな願いを実現してくれる好機がやってきたのである。コースは昨年に引き続き守子神社登山口からのスタートだ。

食料調達のコンビニ前から
今年はいくらか期待出来そうかな
サクサクと林間を進む


 固く締まった雪は歩きやすい。古いトレースも交錯するなか先行者の足跡が続く。途中一台の車がとまっていたがその方の物であろう。いつもはノートレースが嬉しい自分であるが、今日は先も長いのでありがたくトレースを使わせていただいた。
 やがて先行者の踏み抜きが多くなってきた頃、背中に幾分重さを感じて持て余し気味だったスノーシューを履く。

固く締まって歩きやすい
落葉のこの時期は明るくて良い
先行者の足跡が沈み出した


 昨年に比べればの話だが、遥かに雪は多い。このルートは無雪期に加え四回目となるが、雪で嵩上げされ、かつ落葉のこの時期は断然展望が良いと感じた。

ミツモチ山方面が大きくなってきた
西側も新鮮な風景
西平岳への稜線も共に高度を上げる


 前山の手前で少々体力消耗。雪の状態が不明だったのでスノーシューとアイゼンを持ってきたが、ワカンの下に6本爪の軽アイゼン履き位で丁度良い感じの状況だ。ヒールリフターで多少楽は出来たが、直線的な登りでないと逆に疲れる。

 前山を過ぎたあたりで先行者が下山してきた。一体何時ころからスタートしたのだろうか。そういえば昨年も後続の健脚な方に抜かれて、しかも自分が山頂に届く前に下山してきたことを思い出した。

 
何処をくぐって行こうかな
前山は眼下なるも、山頂まではまだまだ
 


 積雪期ならではの東側のすっきりした眺めを楽しみながら高度を稼ぐ。ようやく真正面に釈迦ヶ岳の頂稜を捉えるもまだ先は遠い。

 
山頂を捉えたが、近そうで遠い
雪付きのこの時期ならではの東側眺望


 夏道よりは少し東寄りを登る先行者に倣い自分もトレースを追う。終盤は直線的な急登となるが、ここはヒールリフターの本領発揮。下山時はかなりの急斜面で半身で降りた位だが、息切れはしたものの登りは軽快そのもの。夏道であれば中岳から延びる電車道をショートカットする形で山頂の肩へと直線で突き上げた。そこには先行者の明瞭な踏み跡が先へと続く。

急登に汗して中岳にようやく並ぶ
夏なら歩けない個所を急登
ようやく主稜線に到達


 誰も居ない山頂へ到着した。去年は土が見えたが今年は一面雪に覆われていてそれなりに達成感あり。風の無い穏やかな眺望を楽しみつつお湯を沸かしてまったり昼食タイムだ。

そして山頂へ
日光連山と
遠く県境の峰々

関東平野を一望
昨年に比べるとだいぶ雪が多い
明神岳とその奥は三依の山かな

日光連山アップ
大佐飛山方面
何処にでも降りて行けそうな感じだが


 どっぷりと首まで雪に浸かったお釈迦様との出会いが夢だったが、今年もそれは叶わず。まぁ良いか。チャレンジする機会をまた与えられたということだろう。

 いつもの〆のコーヒーでまったりしていると雪を踏む足跡が聞こえてきた。こんな時期にこのルートを上がってくる人は・・・
 そう、去年偶然にも同じタイミングで出会った野球親爺さんの姿がそこにあった。

残念!
コーヒーを飲んでまったりしていると・・・
今年もお会いした野球親爺さん


 約束した訳でもないのに同じ日に同じタイミングで登るというこの偶然。やはり釈迦ヶ岳に対する思いが重なったのだろうか。
 昨年は失礼ながら自分が先行して下山してしまったが、今年はご一緒させていただいた。

 山頂直下の急登区間は尻セードが丁度よい位の下り。先行氏がアイゼンで降りたのが頷けるが、ここは慎重に。
 途中、生理現象で野球親爺さんに先行して頂いたが途中でまた合流して登山口までの楽しい相棒になっていただいた。

 今、これを書いていて気が付いたことがもう一つ。野球親爺さんの記事で知ったのだが、先行氏はヤマレコに投稿されているwakasatoさんという方だと判明した。なんと、昨年自分を追いぬいていった健脚の持ち主と同じ方だったのである。

 奇しくも二月の第四土曜日に、二年連続でこうして同じ三人が残雪の釈迦ヶ岳を踏んだ訳である。『来年の事を言えば鬼が笑う』とは言うが、はてさてどうなることだろう。昨年より少しは雪を楽しむことが出来た今年の釈迦ヶ岳だったが、来年は前山あたりの撤退覚悟の心持でもう少しパウダースノーの季節にもチャレンジしてみてはどうか。そして、いつの日にか体を覆われたお釈迦様を拝んでみたいという気持ちもまた一層強くなってきたのである。

さぁ、そろそろ下山しましょう
改めて森の美しさに気づきながら
来年はもう少しパウダー希望

概略コースタイム

駐車地発(07:18)-守子神社(07:47)-スノーシュー装着(08:35)-前山(09:24)-下山者と交差(09:43)-山頂着(11:04)-
昼食休憩-行動再開(12:14)-前山(13:05)-守子神社(14:00)-駐車地着(14:20)

カシミール3Dデータ

沿面距離:10.5Km
累積標高差:(±)1,053m
所用時間:7時間2分
※累積標高差は、『国土地理院基盤地図情報数値標高モデル10mメッシュデータ』よりカシミール3Dにて算出した値

カテゴリー: 塩谷の山 | 12件のコメント

はじめてのスッカン沢



-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --
※雄飛の滝へのルートは崩落個所の修復が済んでいない為通行が禁止されています。
参考にされる場合は自己責任でお願いします。

  スッカン沢は高原山周辺でも人気のスポットであり、とりわけ冬は氷柱で有名である。かねてより一度はと思っていたが、なかなか機会を得ずにいた。
 ウィンターシーズン真っ只中故に、山にも登りたかったのは正直なところだが、あいにくの悪天候、とりわけ風が強そうなので冬ならではのコース選択として急きょスッカン沢が頭のなかで浮上したのである。

 二週間前に続き山の駅たかはらへと車を走らせる。路面はため息が出るほど雪が無く、いささか落胆するも高度が上がると所々コンディションの良い圧雪区間があらわれてきた。雪のある所を歩きに来たのだから運転も雪の上じゃないと雰囲気が出ないもの。乾燥路面から雪付きの箇所へ差し掛かるたびに4駆へのシフトレバーをチェンジして、アクセルから伝わる確かな駆動力を感じるのが楽しい。

 さて、山の駅たかはらの駐車場につくと車はまだ数台。牧場方面は強い風で雪煙が舞っているが、これから向かう谷筋はどうだろうか。手早く準備を整えて出発すると、どうやら本日の一番トレースのようで思わず顔が緩む。

 ノートレースといっても道型は明瞭で往来のあるところが溝状になっているので迷うことはない。桜沢へ向けて下っていくだけなので体力も消費しないが、ピストンで戻るとなると行きはよいよい帰りは・・・のクチだ。

 途中で後続の人にショートカットで先を越されてしまう。気分よく先頭を歩いていたのに挨拶の一つも欲しいと思ったが、見ればザックにしっかりとした大型の三脚を担いでいる。コンディションの良い撮影をしたかったのだろう。なんとなく彼の気持ちもわかるような気がした。

 まずは雷霆の滝。雄飛の滝の核心部に比べれば地味な滝であるが、雪に覆われた峡谷の滝を見る事自体が珍しい自分にとってはなかなか美しく映る。先行氏は背負ってきた頑丈な三脚を立てて撮影に没頭しているようである。

本日の一番のり
まずは雷霆の滝

自然の造形は奥深し
 
やはり日が差すと気持ち良いね


 蒼白い峡谷にも一瞬、日の射しこむ区間があった。その先の再びノートレースの雪面を踏みしめていくと、やがて一段と高度を下げた個所に次の滝が現れた。

新雪をサクサク踏みしめて
北の山は雪雲に覆われている
一旦谷へ下り


 咆哮霹靂の滝の左半分は豊富な水が流れ落ちるも、右半分は完全に凍ってしまっている。チャレンジャーの足跡が途中まで刻まれていた。咆哮という名前から何か凄まじいものを想像していたが、思いの他静かな佇まいにいささか拍子抜けしたが、ただ寡黙に冬の渓谷へ流れの音を刻み続けるその姿もまた印象深いものがあった。

 いったん来た道を登り返して戻り、くだんの通行止め箇所から雄飛の滝方面へと向かう。途中に遊歩道の崩落個所があるので整備責任者の行政としては通行禁止措置を取らざるを得ない訳だが、実際スッカン沢を訪れる人は誰もがこのゲートを超えていくので、もはや往来は既成事実となっていると言っても過言でないだろう。この沢を訪れる人はここで何かがあっても行政を責めるような偏屈な人はいない筈だ。

 ゲート前で一息いれていると後続の人が先に峡谷へ降りて行った。彼を追うようにして自分もまたザックを背負い直して先へと続いた。

何やら右手が凄い事に
全氷結
通行止めだが皆ここを超える


 一歩足を踏み入れればそこは氷の神殿。眼前に繰り広げられ光景に思わず足が止まった。初めて来たので今年の出来が良いのか悪いのか見当がつかないが、なかなかの迫力である。単純比較なら雲竜渓谷とは比べようもないが、より繊細でシャープな雰囲気がある。

おぉ!氷柱ゾーンの始まり
迫力
 

 
 
トゲトゲだね

 
 
雄飛の滝へ到着


 足場の悪い個所に気を遣いながら回り込むようにして雄飛の滝へ到着。どうやら此処が核心部なのだろう。連なる棘のような氷柱。そして滝壺自身もこの冬の真っ只中にありながらもなお豊富な水量で轟音を響かせている。ああ、これがスッカン沢なんだなぁと感じることが出来た。

 冬季閉鎖中の県道経由で戻るべく、急斜面に取り付くと、すぐ遊歩道の柵が出てきた。雪に覆われていたせいもあるが、今日のコースはどこが崩落地でどこが正規遊歩道なのかまったく判別できず。

迫力だ
展望台より雄飛の滝上部を窺う


 雄飛の滝上展望台から俯瞰する迫力の峡谷、やがて上流に向け沢が落ち着きを取り戻すと思えば、仁三郎の滝、素連の滝と続く。仁三郎の滝の反対側の山肌に拡がっていた氷柱に日が差してひときわ鮮やかだったのも印象に残った。

 峡谷巡りもひと段落してあとは傾斜のほとんど無い遊歩道を散歩気分で進む。空を見上げると青空に物凄い速さで雲が移動している。時折山を揺らす風の音もまた峡谷の滝の轟音に勝るとも劣らず。だが、そんな強い風も谷に守られてハイカーまでは届かない。

仁三郎の滝
山側もお見事
遊歩道を行く


 県道に飛び出すとスッカン沢とはお別れとなり、後はひたすら雪の車道歩きとなる。さほど積雪が深いわけではないが場所によっては少し沈んだりするのでそうたやすくは歩かせてはくれない。

 今日の装備は出だしが6本爪軽アイゼンだったが、桜沢に降りる前に早々にぶら下げてきたワカンに換装した。車道区間も含めて思い返すとベストマッチな足回りだったような気がする。

 ただ、出だしから少しの間は高度がぐっと上がる区間なので一汗搾り取られることになる。途中で休憩中の先行氏を追い抜くと再びノートレースとなり、丁度ループ状の登り区間となった。ここはひと頑張りしようじゃないか。

 ようやく登り切ったと思しき頃、先方より高校生くらいであろうか、ワカンの三人組がリズムよい足運びでこちらへ向かってくる。あぁ良かった、ノートレースも良いがこの先学校平までは緩やかとはいえ延々と登りが続くとなるといささか疲れちゃう。トレースありがたし。感謝感激である(;´∀`)

車道に接合
延々と車道歩きスタート
 

スッカン沢を見下ろす
カーブミラー低くない?
ノートレースになっちゃった


 なかなか先の見えない車道歩き。きりがなさそうだったので時間を見計らって休憩とした。車やバイクで幾度となく通ったことのあるこの道だが、まさか路傍で食事をすることになるとは思わなかった。でも、今の時期はちょっとした秘境感溢れるいっぱしのスノーフィールドである。

黒滝山方面かな?
車道歩きに疲れて昼ごはん
市境を通過


 市境を通過するころ幾らか雪が降りだした。南の空は明るいが振り返った桝形山方面は雪で煙っていた。やがて気まぐれな空にまた青さが戻ってきた頃、長い長い林道歩きはようやくおしまいとなった。

明るさの中舞う雪が美しい
 
ようやくゲートへ到着

概略コースタイム

駐車場発(07:38)-雷霆の滝(08:39)-咆哮霹靂の滝(09:01)-氷柱エリアへ(09:31)-雄飛の滝(09:55)-車道接合(10:47)-
昼食ポイント(11:46)-昼食休憩-行動再開(12:23)-駐車場着(13:24)

カシミール3Dデータ

沿面距離:11.6Km
所用時間:5時間46分

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