列車でGo!



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

奥久慈男体山の過去の記事
    2012年11月25日  奥久慈男体山、外周縦走

関連山行
    2020年11月15日  外れちゃったかな
    2017年11月25日  お見事!奥久慈の紅葉

  本当は紅葉の時期に合わせて歩くべきだったのかもしれないが、この時期は凛とした静けさの奥久慈男体山稜線歩き。
 朝のうちは爽やかな青空に期待も持てたが、徐々に雲が優勢の空模様に。
 元来眺望はあまり期待できないコースだが、そのタフさは充分味わうことが出来た一日であった。

 7時半に西金駅を出発する水郡線をと思っていたのだが、宇都宮から車での所要時間も考えて一本遅らせた8時32分の列車待ちでホームの人となる。と言っても、この無人駅のホームで列車を待つのは自分ひとり。

 駅舎に入ると券売機が無いではないか。乗車整理券が発券出来るのでこれを降車駅で見せれば精算できるらしい。と事前の知識はあったのだが、うっかり整理券を出さずに来た列車に乗ってしまった。

水郡線の西金駅が今日の出発地点

駅前の無料駐車場を有難く使わせていただいた

反対方向の水戸方面行きの気動車を撮り鉄

一日に数えるほどの本数 8時32分の袋田行きへ乗る

 水郡線は2019年の台風19号被害で久慈川の橋梁が流され、現在新設工事の最中である。従って運行は袋田駅まで。大子以北に行く場合は一つ手前の上小川から代行バスとなる。今回は西金から袋田までの2駅の鉄道旅となった。

 僅か11分とは言え鉄道だから結構走る。この距離を山の中歩いて戻るとなるといささか弱気もちらり。まぁ全行程16Km程度だから何とかなるか、と気を取り直す。

 袋田駅に着くと、やはりこちらも無人駅。駅舎には精算機の類も皆無。何も持たないで乗って何もしないで駅の外に出ることも可能。こりゃ薩摩の守だな。
※薩摩の守は忠度という名前だったが、忠度(ただのり)ということで、無賃乗車の事を現す隠語である。

 ポケットに握りしめた乗車賃の210円が所在無しだ。しょうがないので今降りた列車の最後尾へ向かうと車掌の娘さんが出てきてくれた。事情を話し210円は彼女の手に収まる。「西金から乗ったので210円ですよね?」「・・・ですね」。おおらかなやり取りである。

袋田駅から先で線路が切断されていた

その向こうは台風で流された久慈川の橋を新設中

 袋田駅から月居山の登山口までは約2.2Km。テクテクテクテクとひたすら車道を歩く。紅葉時の混雑が夢のような閑散とした冬の静けさ。通る車があまりにも無くて寂しい。

ようやく月居山の登山口へ到着 寒々とした七曲り登山道へと足を進める

まずは杉木立の中を登れば徐々に体も温まってくる

あっというまに月居山の山頂 すっかり葉を落とした木々のいさぎよさにすがすがしささえ感じる

 七曲りコースからアプローチする月居山は楽々登山ルート。いつもは生瀬富士の周回で体力を奪われた後に、月居山の双耳峰である前山から一旦下って三角点峰の後山に登り返すから結構疲れるのだ。だが、このルートは一発で後山に到達出来るのでお手軽ルートだ。

今日は男体山へと進む

 月居山の山頂から進路を南に取り激下り。一旦月居トンネルの上にある鞍部まで下げ、再び向かいの鍋転山へ登り返していく。せっかく登ったのに勿体ないなぁ。向こうまで吊り橋でもかかっていれば楽なのになぁといつも情けないことを思っているのだ。

月居山トンネルを超えた先の三等三角点ピークの鍋転山 点名は後山 月居山と誤認するので紛らわしいな

少し進んだピークが鍋転山の第二展望台 こちらも展望は良い

 細かいアップダウンをコツコツとやり過ごし、時には天国のような平坦な道に慰められながら進んでいく。道標はかなりしっかりしていてよく整備された登山道だ。

 男体山から白木山に至る県境尾根に乗り上げる箇所は、少し鎖場の続く急斜面となる。一汗かいて登り切ると時間も丁度お昼だ。先はまだ長い。ここらで食事にしよう。丁度休憩を終えた男性が月居山方面へと下っていった。今日初めて会った登山者である。

幾度のアップダウンの末、男体山~白木山の県境尾根に到達 ここで昼飯とした

 昼食で鋭気を養い、再始動。残す距離は僅かだが、重くなった腹を抱えて登る最後の仕上げに思わず息も上がる。
 山頂に到達すると食事を楽しんでいる最中の男性一名。奥方がテレワークなので家を追い出されてきたとの事。緊急避難場所としてこんな素晴らしい所があるのはなんとも羨ましい限りだ。

そして男体山へ

雲が支配する空が少し残念!

遥か下方にこれから降りていく古分屋敷の集落が見える 遠いなぁ でも西金駅はもっと先

 山頂の男性に別れを告げ下山にかかる。予定では健脚コースで降りていくつもりだったが、折角の眺望を背中にして鎖と格闘するのもいささか無粋。予定時間より少し早めに来れているので大円地越ルートで景色を楽しみながら降りていくことにした。

こんなのありました

形の良い双耳峰 地形図を眺めているのだけどなかなか見つからない いつか踏破してみたいものだ

 大円地越付近で風花が舞い始める。道理で寒い訳だ。

 その時、森の中に一瞬陽が差し込んだ。そこに舞い降りるキラキラ輝く風花の美しさよ。慌ててシャッターを切るが、とてもにわかカメラマンの手に負えるような被写体ではない。この美しさは心に留め置くことしかできないだろう。

大円地まで下山してきた 衝立のように鋭き山 男体山

 途中で後ろから山頂の男性氏が小走りで降りてきて追い越す。杉林で鼻がむずむずするので逃げてきたと言っていたが、本当はトレイルランでも楽々こなすほどの脚力の人なのだろう。

 彼の車の駐車地に追いついた時、「西金駅までが登山道なの?」と聞かれたので、「そうです」と答えた。
 駅まで乗せていってくれるという厚意は有難かったが、それでは今日のミッションが終了しない。そんな自分の気持ちが理解して貰え、ささやかな嬉しさを感じることが出来た。

奥久慈岩稜の山並を背にしてひたすら車道を歩く 車さえめったに通らない

 ミッション達成!と鼻息が荒いのは良かったが、やはり残り5Kmの道のりはなかなかに遠い。はじめのうちは奥久慈の荒々しい岩稜を眺めながら進むので、車道歩きとはいえ山を降りているといった雰囲気があって気は紛れる。
 しかし、いよいよ標高が下がり時折民家がぽつりぽつりと現れては消え、道路がどんどん広く立派になっても車一台猫の子一匹いない静けさ。世間では新型コロナで大騒ぎしているというのにここは同じ日本なのかと思いたくなるような静けさだ。

約1時間の歩きの末にようやく西金駅へ いやぁ長かった

概略コースタイム

袋田駅発(08:48)-月居山 七曲り登山口(09:20)-月居山(10:07)-鍋転山(10:43)-鍋転山第二展望台(10:58)-
昼食休憩地点(12:08)-昼食休憩-行動再開(12:41)-男体山(13:44)-大円地越(14:08)-
大円地(14:45)-西金駅着(16:01)

カシミール3Dデータ

沿面距離:17.6Km(うち車道7.2Km)
所要時間:7時間13分

カテゴリー: 茨城県の山   パーマリンク

2 Responses to 列車でGo!

  1. リンゴ より:

    電車でGo!なら、やっぱりこのコースですよね。
    紅葉時期は混んでるし、静かな冬枯れの今も良かったのではないでしょうか。
    ネタ帳に追加決定です。

    • まっちゃん より:

      紅葉の時期にここを歩いた方の記事を方々で見かけますが、確かにロングトレイルを楽しむことが出来るルートだなぁと思いました。
      この時期はひたすら静かな山歩きとなりました。

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