北八ヶ岳方面 四日目 北横岳



-- 『AQUOS SENSE With GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 昨晩の車中泊地は『北八ヶ岳ロープウェイ』の山麓駐車場である。
 今日登る北横岳は、山頂駅から僅か標高差250mも満たない所まで標高を稼ぐことが出来るのだ。
 山麓駅から獲得できる標高差の466mを考えれば、往復2,100円を払う価値は充分にある。
 夏場は坪庭の散策で高地の雰囲気を楽しみ、積雪期はロングコースの林間ダウンヒル滑降が可能ということで、登山者以外の利用でも賑わっている。

 車中泊地としての印象は、高地(標高1771m)にあるので気温も低く、夏冬通してのリゾート施設なので設備面が大変すばらしい。24時間使える綺麗なトイレが大量に準備されていて車中泊者にとって頼もしい限りだ。
 無料駐車場なので特に問題は無いが、一部には”停めるだけ”という人もいる。ロープウェイのチケットを求めたり食堂での飲食をするなら問題は無いと思うのだが。

 ロープウェイの始発は8時丁度ということで、前日のうちに発券所で混雑状況を尋ねてみると、7時45分頃に発券が開始されて大体10人くらい並んでいるという。100人乗りのゴンドラにコロナ対策で50人制限ということだが、平日ならまず間違えなく乗れそうだなと考えた。
 事実、朝40分過ぎに発券所に行ってみるとまだ誰も居ず。その後徐々に10人程度が集まってきたが、一番でゴンドラに乗り込むことが出来た。

 流石に始発便の乗客は全員登山者である。中には関西弁の中高年女性グループもいた。長野というロケーションは関東と関西のどちらからでも容易にアクセスできることを改めて確認。会話に耳をかたむけると、遠く浮かぶアルプスを指さしながらあそこはどこそこで、あの急に高くなっているところの急登が大変だった等々、武勇伝に暇がない。
 機会があれば自分も登山可能なアルプスの山を訪れ、遠くからその山を眺めて苦しかった登山を振り返るという経験を是非してみたいと思うのだが、最近思うのは、やはりメジャーな山域は登山道が整備されてはいるものの、案外厳しいなぁという感触だ。このあと約10年位一体どこまで体力が持つかわからないが、無理せず可能な山には登り続けて行こうと思うのであった。

 あっという間に山頂駅に到着した。駅舎から出ると爽やかな高地の空気と雄大な景色が待っていた。
 ここからは直接北横岳を望むことは出来ないが、手前の高みや縞枯れ模様の雨池山などが独特の雰囲気で拡がっている。
 まずは坪庭散策コースを登っていき、いよいよ北横岳登山道へと踏み出す。

坪庭まで登ってロープウェイ山頂駅

北横岳を目指す

 蓼科山でもおなじみの岩のゴロゴロした登山道を登っていく。等高線の詰まった標高差100m位の登りだが、ジグザグに着いた道なので体力的には案外楽に登れる。また、岩の方も足の置き場にさほど苦労することもなく登りやすい。

やはりこりらも岩交じりの登り だが案外歩きやすい大きさの岩

 急登を登り切ると北横岳ヒュッテ。つくづくメジャーな山は小屋が充実しているなと改めて感じる。

山頂まであと標高差70mの所にある北横岳ヒュッテ

 北横岳ヒュッテから最後の登りを詰めるともうそこは山頂だ。いささかあっけなかったが、眺望は素晴らしい。
 なによりも、おととい登った蓼科山が目の前にドカンと鎮座しているのが嬉しかった。
 北横岳は蓼科山の展望台といっても過言ではない。

 ところが、である。

 なんと、この時点でカメラの設定が幾つか知らぬ間に変わっていたのだ。
 恐らく気づかずにタッチパネルを触ってしまったのだろう。

 一番痛かったのがホワイトバランスだ。

 下山後にカメラの画面で再生表示したら、真っ青な画像で自分も真っ青に(爆)
 すぐ気づかなかったのは老眼の悲しさよ。近眼老眼なのでメガネを外せば見えるのだけどつい億劫でね。
 ということでこの日一日の写真は全て真っ青。パソコンでで全力修正を試みるも御覧の有様だ。
 こいつは悔しいので、いつの日か同じルートで撮り直しといきたいところだ。

南峰到着 嗚呼ホワイトバランスが 全力修正するもこれが限界

平坦な廊下を4分程歩いて こちらは北峰 見える景色はほぼ一緒

北横岳は蓼科山の展望台だ

北峰から見る南峰方面

 北峰で休憩していると、大きなザックを背負った女性が北側の亀甲池方面から登ってきた。標高差400m以上の急登だからかなり大変だった筈だ。登り切った彼女の清々しい笑顔が印象的。ロープウェイを使って楽をしてしまった事にちょっと後ろめたさを感じちゃった。

 往路を戻り、三岳ルートへと入る。
 三岳ルートは「軽装な方はお控えください」と案内板がある。
 要は山頂駅からスニーカーで空身で北横岳に登ってしまう人達への警告である。

 序盤から大きな岩が連続して足の置き場に苦労する。地形図の標高差は殆ど無いが、なかなかの難路だ。ひたすら岩岩岩の連続。切り立った所は無いので滑落の心配は皆無だが、岩の頭から頭に飛び移りながら進む箇所が多く、踏み外すと怪我は免れない。また、岩の間の地面に降りて再び岩に登り返す場面が続くと結構な体力消耗。体力的にも精神的にも大変疲れる区間だ。

三岳方面への入り口 このあと岩岩岩岩岩と続く すぐにカメラをザックにしまった

 フィールドアスレチックよろしく進み、スマホのマップを覗くと僅かにしか進んでいない。しかも前方には岩の巨塔が見えてくる。これは状況次第によっては撤退もありだな。でも事前に読んだネット情報ではそんなに危険な箇所は無かったはずなのだが。

何やら岩の巨塔現る あそこを行くのか?

 始めに見た巨塔は巻きだったので一安心。そして高さ数メートルの鎖場を登りきるとそこが三ツ岳3峰だ。周囲をぐるりと囲む岩の光景には今まで登ってきた山とは明らかに一線を画す雰囲気を感じた。
 今回は岩をやり過ごすのに精いっぱいであったが、もう一度ここを歩いて高度感とか周囲の景色を充分堪能したいものだ。(ホワイトバランスで残念だった写真撮影も兼ねて)

フィールドアスレチックのように岩を超えようやく三岳3峰へ到着 道標が岩に埋まっている

ずっと岩の上を渡って あの突端の1峰まで行かなければならない

実際には滑落するような場所は無いのだが、岩を渡り歩くのがなかなか大変

この中のルートをたぐりながら進んでいくのだ

1峰に立つハイカー(よーく見ると居るよ) 向こうに見えるのは雨池

ようやく2峰へ到着 深呼吸で胸をなでおろす

つくづくホワイトバランスが残念無念

 なんとか1峰まで到着。あとは急降下だが、徐々に岩は姿を消す。ありがたや。
 土の上を歩けるありがたい登山道を登り返せば眺望の無い雨池山。肩の展望台からまた少し岩が出てくるが問題無し。
 眼前の縞枯山を越えて茶臼山まで足を延ばす予定であったが、なんとなく空模様も優れないような気がするし、遠く雷鳴を一二回耳にした。早いうちに下山してしまったほうが得策と判断。それに、なんといっても想定外の岩ゾーンで気力が随分消耗してしまったのも大きい。いずれにしても再チャレンジしたい山であることは間違い無しだ。

雨池山展望台から見る縞枯山

 雨池峠でパンを齧って軽く休憩。あとは木道をロープウェイ山頂駅まで行くのみ。
 縞枯山荘のベンチでは、小さな子供を連れたコーヒータイム中の家族の明るく弾む声が聞こえてきた。
 ロープウェイ山頂駅から散歩程度で来れるから、夏のレジャーとしては良い選択だなぁと思った。

縞枯山荘

縞枯山荘と雨池山

 ロープウェイ山頂駅に戻る途中、坪庭周回ルートの出口あたりで山にそぐわないような人達に出会った。
 最近流行りの表現だが、”接待を伴うような夜の街”で働いていて、そのままの格好で来たようなピンクのワンピースの女性と、お店の呼び込みで忙しい感じのいでたちの頭髪にワックスばっちりで黒スーツの男性。流石に上着は脱いで片指に引っかけていたものの、普通に街中を歩いていても結構目立つぞこの二人。改めてここは街の人も入り込むことが出来る散策路であることを再確認。ついさっきまで岩の殿堂でもがいていたのが不思議な感覚だ。

ロープウェイ山頂駅に戻ってきた それにしても凄い色調(*´Д`)

 下りのロープウェイで北横岳に別れを告げ、山麓駅に着けば下界の暑さが骨身に染みる。標高1700m以上あっても暑いものは暑い。
 一晩お世話になった駐車場から一旦諏訪湖のほとりにある温泉まで移動した。
 実は昨晩も蓼科で温泉を探したのだが、ホテルの日帰り温泉は結構なお値段。安い所は休業中だった。ネットで探すと公衆浴場的なのが諏訪湖周辺に沢山あるので、ドライブがてら足を延ばしたのだ。今日の駐車地まですぐ移動してもまだ暑いから、なるべく昼間は設備のあるところと車で過ごそうというわけだ。

 ネットで入浴料240円という温泉があったので訪れてみると、入り口に券売機があり入浴料は確かに240円。
 そして、オプションでシャンプー、石鹸、タオル等々。必要なものだけ追加できるシステムになっている。
 これはここれでリーズナブル。結局シャンプーと石鹸小の券を追加しても400円ちょいで済んだ。
 受付のおばさんに「今日は気温が高いからお湯の温度が高め。内風呂が熱くて44度くらいあるから比較的ぬるい露天に先に入ったほうが良いよ」と言われる。
 なるほど、警告を無視していきなり内湯に足を突っ込んだら、ギャー。これは無理だな。露天は頑張れば入れる温度。充分に体を慣らした後に内湯にもチャレンジしたが、やはりあっちっち。地元の常連さん達も内湯は暑くて入れねぇなあ、と口をそろえる。
 源泉かけ流しだから余計な事はしない潔さというか、おおらかさというか、値の張る旅館の管理された浴場に比べると極めて素朴だがこれも味わいだろう。

 残念だったのは休憩室を使わせてもらえなかったこと。どうやら地元の常連さんはOKだけど一見さんや観光客は駄目みたい。 「休憩室使って良いですか」という問いかけに、一瞬おばさんが逡巡して口ごもった後、「駄目です」という返事をするあたり、恐らくコロナ対策で指導されているようであった。

概略コースタイム

ロープウェイ山頂駅発(08:10)-北横岳ヒュッテ(09:02)-北横岳南峰(09:13)-北横岳北峰(09:17)-三岳分岐(09:43)-
三岳3峰(10:18)-三岳2峰(10:34)-三岳1峰(10:47)-雨池山(11:29)-雨池山展望台(11:34)-
雨池峠(11:46)-縞枯山荘(12:01)-ロープウェイ山頂駅着(12:14)

カシミール3Dデータ

沿面距離:5.7Km
所要時間:4時間4分

カテゴリー: 車中泊の旅, 長野県の山   パーマリンク

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