無風快晴 庵滝を訪れる



-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --
※弓張峠から庵滝までは一般登山道では無いため、参考にされる場合は自己責任でお願いします。

  最近人気の庵滝。雲竜渓谷に比べれば規模は小さいとは言うが、前白根山に突き上げる峡谷にあるこの滝を一度は訪れてみたいとかねてより思っていた。

 赤沼茶屋前の駐車スペースにありつくべく、いろは坂を急ぐ。道路にはまったく雪が無く運転は楽だが、今シーズンはまだ一度もタイヤに雪を踏ませていない。いたずらに乾燥路面で消耗を続けるだけの日々だ。圧雪路を期待していただけに少し残念であった。
 茶屋前は既に満車に近く、でかろうじて隅のほうに駐車スペースを得る。準備中の人も多い。これはうかうかしていられない。大急ぎで自分も出発した。
 一歩散策路に入るとトレースは明瞭で既に立派な道と化している。小田代原までは人気散策路なのでしかたがないだろう。充分に踏み固められているのでスノーシューは履かずにスタートする。期待していた新雪はとは程遠く、既に雪面はザラメとなっていた。少なくとも数日以上は降雪が無かったようだ。おかげで、スノーシューでぎこちなく歩く集団をを尻目に軽快に飛ばすことが出来た。

これも自撮りかな
天気は快晴
 

 


 それにしても今日は実に天気が良い。抜けるような青空。朝の光を受けた雪面や山が美しく輝く。風が無いのも嬉しい。久々に当たりくじをひいたような気持ちに足取りも軽く、心も踊る。

鹿よけ柵とゲート
 
 

 


 小田代原を右手に見て暫くすると、低公害バスが夏の間運行される車道へ出た。除雪されているのでこの時期は関係者の車両やスノーモービルだけが走るのだろう。
 ここの区間では重そうな一眼レフを抱えたカメラマンを幾人も見た。中には大砲のようなレンズを三脚にくくりつけ、被写体と向き合っている人もいる。

 弓張峠を超え、次のヘアピンカーブの箇所よりいよいよ庵滝を目指す沢沿いのルートとなる。依然トレースは深くツボ足でも問題なさそうだが、折角持ってきたスノーシューを抱えたままでもしょうがない。装着しよう。しばらく緩やかな斜面を進むとモダンな感じの気象観測所の建物があった。今は既に機能していないらしいが、戸外にある測定器が日の光を受けてまばゆい。今も綿々とデータを送り続けているような気がしてくる。

一旦低公害バスの車道へ
弓張峠先より滝を目指す
気象観測所

 


 観測所を過ぎ、なおも奥へ奥へと進む。踏み跡の幅も狭まる。先行者はワカン、スノーシュー、ツボ足(たまに踏み抜いている)と既に数人以上は今日歩いていると思われる。
 暑くなってきたので衣服を調節していたら、後ろから単独の若者が追い抜いていきあっという間に消え去っていった。最近はあまり人に逢わない山行ばかりしているが流石人気スポットの庵滝である。

奥へ奥へと
面白い造形だ
あの高みの下が目指す庵滝の筈

 


 渡渉点と言われている箇所も、雪に深く覆われていて沢の実体にはまったく気づかない。そこをすぎればやがて滝を正面に捉える所へ出た。
 左岸(右手)から廻り込んでいくと滝手前へと到達。なるほど、確かに規模は小さいが色合いといい、場所の奥深さと言い、なかなか趣がある。雪で完全にトレースが失われると読図やGPSの無い人はちょっと難しくなるが、今日のような状態ならばルートに困ることもなくコースの傾斜もいたって緩やかだ。雪道に不慣れな人にもうってつけの静かなコースであろう。
 また、地形図に記されている庵滝はここより更に数百メートル上方の岩の彼方にあり、もはや普通の装備やスキルでは到達出来ない箇所にある。最下部の此処を一般的に『庵滝』としているのだろう。

遂に到着
 
滝の水出ル

 


 ソーダブルーとは良く言ったものだ。まさにそんな感じの幻想的な氷の色に暫し撮影タイム。

 
 
 

 

 
 
 

 


 結局、自分を含めて6人位で滝見物となったが、まだまだ時間が早い。食事をするのに「是非此処で」と途中で思っていた箇所を目指し往路を戻ることにした。緩やかな傾斜の沢下りは風景をゆっくりと見ながら降りていけるのでこれまた良いものだ。
 戻る最中も2グループの計4名とすれ違う。いやはや盛況である。
 観測所までもう少しというところで、先ほど目を付けておいた小尾根に取り付いた。折角雪のフィールドに来たのだから少しは自ら踏跡を刻まなければ不完全燃焼だ。

 
復路は景色を楽しみながらのんびり
昼食の為に登った小尾根

 


 標高差で僅か20m程度だが、登ってみれば沢を俯瞰して男体山なども見えて気持ち良い。傾斜が緩いところを探してザックを降ろした。見上げると更に数十メートルの標高は容易に稼げそうだが、欲張らず此処で良しとしよう。
 食事をしている間も幾人かが眼下のルートを通過していく。まさか上の方でカップラーメンをすするオヤジが居るとは思いもしないだろう。
 静かな時間が流れていく。気温が幾らか高いので、”そよ風”と言ってよいかもしれない風が頬を撫ぜるのが心地よい。

ここのトレースは自分だけのもの
ちょっと標高を上げただけなのに案外景色が良い
観測所へ戻ってきた

 


 弓張峠まで戻り、後半は泉門池を目指す。朝覗いた時はノートレースで期待がもてたが、既にこちらもバッチリ歩かれている。このルートはハイキングコースだから、この時間では致し方ないだろう。

弓張峠へはこんな明るい木立が続く
チェーンを巻いた除雪車が通ったようだ
弓張峠より泉門池を目指す

 


 小田代原の周回遊歩道に出ると、流石に人の数も飛躍的に多くなる。行き交う人々のスノーシュー装着率は高いが、靴だけの人も散見。道は良く踏まれていてスノーシューは無用の長物のようだ。自分もザックにくくりつけた。

こちらもトレースはばっちり(ちょっとがっかり)
スノーシューはもう要らないだろう
遊歩道から男体山ファミリー勢揃い

 


 泉門池はまさに清冽という言葉がぴったりな綺麗な水が湧き出る池である。加えてこの時期はより水が澄んでいるいるようで、男体山が背景に映る風景がなんとも素晴らしい。
 ここも昼食を取るハイカーが何組も居た。人気スポットだ。

女峰山は遠く神々しい
こんなところにも目玉オヤジが
泉門池より

 


 泉門池より戦場ヶ原の湿地帯を突き抜ける木道を進む。自分は夏道で小田代原も戦場ヶ原も”まともに”歩いたことが無かったので、この開放的な景色にしばし感動。多くの人が此処を訪れる気持ちが解った。”まとも”と書いたのは、学生の時に付き合いで戦場ヶ原の一部を真夏に歩いた事があったのだが、ただただ暑かったという印象のみが残っており、今でもどの区間をどう歩いたのかまったくもって記憶が無い。印象的な風景も無かったところ見ると、よほどつまらない区間を歩いたのかもしれない。

 男体山と反対側の来た方面を見ると、ついたてのように立ち塞がる前白根の前衛、外山の存在感が大きい。その外山の下に控えめに横たわる三つのピーク(下写真中)が先程から気になっていたのだ。
 帰宅して地形図を眺めると、泉門池の背後に控える1485mPから1594mP、1752mPのようだ。至近で見てももこうやって遠目に眺めても、雪付きのこの時期は容易に登路が得られそうな感じだ。周囲は全山広葉樹の疎林なので雪崩の心配も極めて少ない。「ネタ帳入りは確実だな」と、一人ほくそ笑んだ。

 高徳牧場入口で車道に出た。あとはひたすらアスファルト歩き。雪解け水で道路は水浸しだが、やってくる車はちゃんと自分の事を気遣って徐行、もしくはセンターライン寄りに膨らんで通過してくれる。ありがたいことだ。

戦場ヶ原って素晴らしい
手前に見える三つのピーク
後は延々車道歩き

 


 無事赤沼駐車場前に帰還した。行動量(時間と質)的には今日は散歩のような感じであったが、見るべきものと感動は多く充実した一日であった。

 今日もう一つ報告したいのは、帰路のいろは坂下りにある剣ヶ峰である。
 いろは坂を下れば必ず目にするこのポイント。今まで一度もそこに車を停めたことが無かったが、今回初めて訪れてみた。
 地形図を見ると方等滝と般若滝と二つあるが、おそらくこの滝が見えているようだ。
 道路完工の記念プレートが埋め込まれた背後のピークが剣ヶ峰かどうかは不明だが、今でこそ車で容易に入り込めるこのエリアに初めて道を拓いた方々の苦労や如何にと思いを馳せる場所であった。

いろは坂下りの剣が峰
完成記念碑がある
方等滝?

 

結構素晴らしいポイント
般若滝?
 

 

概略コースタイム

赤沼駐車地発(07:49)-車道接合(08:38)-弓張峠(8:54)-外山沢へ入る(09:00)-観測所(09:17)-庵滝(10:06)-
出発(10:23)-昼食地点(10:53)-昼食休憩-行動再開(11:38)-弓張峠(12:02)-泉門池(13:05)-国道(13:52)-
赤沼駐車地着(14:09)

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8 Responses to 無風快晴 庵滝を訪れる

  1. 野球親爺 より:

    まっちゃんさん こんばんは。
    今年になって、本格的に復活されたようですね。
    私にとってこの時期に奥日光を訪れることは車の運転が恐ろしいのでちょっと無理っぽいですが、庵滝も人が結構はいっているんですね。綺麗な写真を見て行った気分になりました。それと女峰山もいいアングルで写っていますね。ここもこの時期には行くことはありませんけど。
    今後の精力的なお歩き、期待しております。

    • まっちゃん より:

      野球親爺さん、ご無沙汰しております。

      野球親爺さんのブログ、いつも拝見してため息をついています。
      自分も恥ずかしくないような味のある山行をしたいと思っていますが、なかなか足元にも及びません。
      去年は一年間何かと遊びにマイナス要因の多い一年でした。今年は精力的までとはいかずとも、少しでも多く色んなルートを歩いてみたいと思っています。

      ちなみに、記事中でも書きましたが、昨日の状況では道路もまったく問題なし。
      保険でスタッドレスを履いているならば大丈夫です。是非奥日光にもお運びください。
      この時期は積雪で稜線の具合がバッチリ見えるので、あちこちに点在する名も無きピークを見ていると「あそこまでひと登りで行けそうだなぁ」と目うつりしちゃいます。

  2. リンゴ より:

    穏やかな快晴の下、庵滝へのスノーハイキングを楽しまれた様子ですね。
    さすがに入山者も増えてトレースばっちりでしたでしょうか。
    これから3月初旬までハイシーズンを迎えます。
    先週の雲竜、今週のスッカン沢はいずれも氷柱の成長が悪ったのですが、庵だけは良かった様に感じました。

    • まっちゃん より:

      リンゴさんのスッカン沢も盛況のようでしたね。
      毎年氷の状況を見ているリンゴさんならではの客観的評価ですが、自分には何処も充分に素晴らしいと思ってます。

      スッカン沢、まだ行ったことがないので今シーズンに目指せるかな。
      といったところです。
      でも、高原山周辺だとついつい枡形山か八海山神社に浮気してしまう自分(‘∀`)

  3. ケン坊 より:

    こんばんは。
    素晴らしい雪景色、標柱、そして自分撮りも含めて拍手です。
    寒さ対策も過ぎると軽やかな動きが制約されるし...
    ケン坊は”庵滝”や”スッカン沢”へ行く場合の服装と言うか準備が
    全くイメージ出来てません。
    最初から行けないと思ってるので、真剣に考えてないのかも>笑<
    ソーダブルー...見ちゃうとやっぱり行きたくなっちゃいますね。

    • まっちゃん より:

      スノーフィールドでの服装は、今回のような晴天下と降雪で吹雪の時とではまったく異なります。
      日帰りを考えるならば、まず天気が悪い時は絶対に行かないという大原則と万が一の時にもう一枚重ね着出来るものを持つという二点は押さえたいところです。

      ちなみに自分の当日の服装ですが、アンダーが上下発熱素材の山用タイツとシャツ。
      下半身は通常の登山用ズボンの上から雪山用のオーバーズボンを重ね着。
      上半身は登山用シャツにフリース。ダウンジャケットの薄手一枚をザックに入れ、歩き始めは撥水素材の厚手の登山用ダウン。暑くなったら薄手ダウンに着替えて、更に暑くなったらフリースのみ。

      予備対策として、万が一吹雪いたりしたらダウンの重ね着に最終手段は雨具を重ね着といった感じになります。
      基本的にスキーに行く服装でもOKですが、山用スタイルのほうが行動しやすかったりします。
      このへんは行く頻度の費用対効果ですね。

      今回のような安全なコースならこれで万全ですが、昨年の前黒山の時は45Lのザックに更に重ね着するものを持ちました(あくまで非常用)。
      あとはニットの帽子と手袋(スノボ用の安いやつで充分)とサングラスも欲しいです。
      天気の良い日に長時間となると雪盲の可能性もあるので案外落とし穴です。
      近視なので度付きの安いメガネを持っていますが、家内曰く。「似合わない~」
      まぁ良いのです。機能的であれば(笑)
      自分はあまりウェアにお金をかけていないので詳しいことは解りませんが、ショップに行くと高機能で手頃なものが沢山あると思います。

      あ、それと服装ではないですが、大きなサイズの丈夫なゴミ袋を持っていくのお勧めします。昼飯などで腰掛ける時は基本的に雪の上になります。(地面や切り株などすべて雪の下にあります)
      幾ら踏み固めても尻を乗せると沈むし冷たいし、ゴミ袋を重ねてさらに百均で売っている折りたたみ式の簡易マットを敷けば濡れずに冷たくない腰掛けの完成です。

  4. Non より:

     こんばんは。生活のペースが変わった影響で、お邪魔してもコメントを残せずにいました
    (そろそろペースを安定させたいのですが… ^^;)
     無風快晴、雪山を訪れるなら、最高の1日でしたね~ こういう日にスノーハイクに
    出かけるのが理想ですよね。支尾根にひと登り、歩く距離も半端ない…といった点が、
    すご~くまっちゃんさんらしいなぁって。我が家はあの距離で充分に疲れてましたから(笑)
     氷瀑の出来具合や規模などは分かりませんが、人の入った1枚で迫力が伝わりますし、
    色合いも見事ですね。存分に堪能されたようで、何よりです(^^)

     今日は山オフ、明日はどこかへ… と思っていますが、昨日の積雪や明日の風速などを
    考えると、まだどこへ行くか決めらずにいます。うーん、悩みます。

    • まっちゃん より:

      お忙しかったご様子。
      寒いおり、Non夫様ともども、お体に気をつけてお過ごしください。

      さてさてスノーフィールドですが、やはり晴れた日に風のない(寒くない)状態で歩きたいものですよね。
      天気図を眺めながら当てずっぽうの予想をしていますが、特に山間部の天気は難しいです。
      2月から3月上旬にかけてが天気も雪質もなんとなく落ち着いているような気がしますが、これまた年によっても違うしで、結局自然相手なのでなるようにしかならない。
      結局、荒れそうな時は行かないという結論に回帰するのですね。

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