愛宕山 岳ノ山 アド山





-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --
※当コースには一般登山道でない箇所が含まれています。参考にされる場合は自己責任でお願いします。

 先週来の風邪がなかなか抜けない。最近の風邪のパターンは若い頃のように熱がぱっと出て、ハイッおしまい的な感じではなく、いつまでもグズグズ喉や鼻の違和感が抜けないことが多い。それでいて対症療法としての市販の風邪薬や鼻炎薬がものすごく良く効く体質で、通常の大人の用量だと頭がぼーっとしてしまい、いわゆる廃人のように意識レベルが下がってしまうのだ。従って、確実に寝ることが出来る時だけ、あるいはどうしても症状が我慢出来ない時以外は薬を飲まないようにしている。『服用上の注意事項』にずばり該当するような体質なのだ。
 先週の成人の日は覚悟を決めて薬を飲んだ。睡眠薬の如く効きまくり、丸一日死んだように寝ていた。されど、その後快復とは言いがたい状態で細々と風邪が継続しているところが残念である。

 そんな事情なので今回の山行は少し楽をしよう思い、ネタ帳に温めていた箇所を歩くことにした。愛宕山と岳ノ山を双方ピストンするのは若干味気ないが、愛宕山は訪れる人も稀であろう寂山。岳ノ山は五丈の滝側から登り、大鳥屋山への周回が一般的。こちら側から歩かれることはないだろうと思われるバリエーションルートを楽しむ。
 今回はこのショートコースだけでは流石に物足りないので、かつてより興味のあった珍しいカタカナの山名であるアド山も歩くことにした。

 昨年末に陣地を登った時の取付き地である林道「牛の沢出原線」を奥へと進み、峠の路側に車を停めた。
 その丁度反対側に「峠の照花園」なる道標あり。以前から幾度となく偵察でこの道を通っているが、いつも気になっていた。今日はここから入山する。
 奥に進むとこの時期は流石に荒涼としているも、花が盛んな時期に行けばさぞかし綺麗だろうと思われる一帯が広がっていた。

今日の駐車地
ここより入山


 小屋が二つ間隔を開けて建っていて、上の小屋には作業に関わる方々の名簿が木の板で掛かっていた。春先から手入れの人達で賑わうであろうこの場所も今はひっそりと静かである。
 峠の照花園を過ぎ更に登って行くと、倒木など出てきて幾らか荒れてくるが問題なし。一本調子で穏やかな尾根を登り詰めた先が愛宕山の山頂だ。

作業小屋に名簿がかかっていた
幾らか荒れだすも問題なし
山頂の奥に石版があった


 眺望も無いぽつねんとした山頂に一枚の大きな石版がおのずと目に入ってくる。近づいて見ると細い線で仏像が描かれておりなかなか見事ではないか。享保十三年とあるので300年程前の物であろう。本物ならばかなり価値のあるものに違いない。

見事な彫り物である
享保十三年とある
こちらのほうが雰囲気が好き


 来た道をとってかえし、車の場所から林道を少し戻る。岳ノ山から北西にほぼ一直線に伸びる尾根の末端と林道が交わる箇所から再び山へと入った。林道で分断されなければここはありふれたコルなのだ。
 序盤は笹の小径が心地よい。驚くほど踏み跡は濃い。山仕事の人の往来が頻繁なのだろうか。やがて枝がうるさい小籔が出てくるが、道形を追うとそこだけ薮が薄いのはわずかながらも往来のある証拠だ。

岳ノ山へはここから取り付く
序盤は笹の小径
ちょっと枝がうるさくなる


 薮も切れ尾根が細くなってくると前方に岩が見えてきた。近づくと岩戸のようにも見える。ここを過ぎると堰を切ったように急登が始まる。地形図を見て覚悟はしていたが、急登急登の連続であっという間に高度を稼いでいく。先ほどまで濃かった踏跡も千々に乱れ消失す。滑りやすい斜面はなかなか神経を使う。

岩戸のようだ
急登急登
一旦ゆるもまた急登


 汗を拭いながら、もうすぐ稜線というあたりで白いものがちらほら見られるようになる。今日は軽アイゼンを持って来るのを忘れた事に気がついた。この先はどうなっているのだろう。
 稜線に乗るとしばし立派な植林帯。更に進むと落葉の自然林が明るい。

稜線手前は雪が微かに
稜線は見事な植林帯
あそこが山頂のようだ


 岳ノ山の山頂はこれで二回目だが相変わらず此処は地味な山頂である。石祠が向かう先にぽっかり拡がる眺望の峰々が輝いているのが印象的だ。水を一口含んですぐに下山にかかった。

岳ノ山へ到着
日差しが心地よい


 急登区間は下りのほうが神経を使った。斜度がキツイのでこういった所は転ぶと案外厄介な事になるのだ。慎重に慎重を重ね、登りとほぼ同じ時間を要した。今日のルート全般では難所と言えよう。

 無事駐車地へと戻り、シューズを履いたまま車を走らせ秋山側へと降りていく。途中、眺望の良い地点から昨年末に歩いた東蓬莱山方面が青空のもと綺麗に見えた。

結構な斜度だ
薮ゾーンを上から見る
林道から東蓬莱山方面


 葛生方面へと進み、林道会沢正雲寺線へ入る。峠にあるのがアド山の林道側登山口だ。此処に自転車をデポして下山口とするという段取りである。
 一旦車を戻して金蔵院を目指す。金蔵院には広大な駐車場があり、停めさせていただいた。支度を始めると大きな声で話す数人の男性中高年ハイカーがまさに出発しようというところ。彼らはとりあえず寺の見物に行ったようだ。道中一緒になると静かな歩きが出来なくなる。今がチャンスとお先に出発させて貰った。
 登山口が少しわかりづらかったが、よく見ると駐車場の裏手が既に尾根の末端になっているので此処を登っていけばよいのだ。愛宕山と岳ノ山の裏口登山で日差しも頼りない道を歩いてきたせいか、光まばゆい登山道が清々しく心地よい。

金蔵院駐車場
ここが登山口
開放的な登山道だ


 緩やかな傾斜をのんびり登っていくと、最後は僅かな急登であっけなく山頂へ着いた。夫婦が写真を撮って下山にかかるところであった。
 眺望は南にひらけておりなかなか素晴らしいが、北側がまったく無かったのが少し残念であった。もっとも、北側には更に標高の高い山脈が何本かあるので遠くは望めない筈。南が見えるのでこれで良いのだろう。県南の山ではお馴染みのスカイツリーもバッチリと見ることが出来た。

山頂より


  登山口に居た例の男性中高年ハイカー達の声がだんだん大きくなってきた。それを合図に自分も下山にかかる。ここで食事しても良かったのだが、吹きさらしの山頂は風も強く、また、静かな所で落ち着いて休憩したかった。

 山頂の北東端には鎖付きの急降下がある。慣れていない人だとここは難所かもしれない。山頂でお会いした夫婦の奥方がまさにここで難渋しており、道を譲ってもらい先行させていただいた。
 この鎖場を過ぎると、あとは日溜りハイクの気持ち良い稜線のアップダウンが続く。金蔵院からの登りは少し単調であったが、古賀志山周辺の岩尾根を彷彿とさせるこちらの登山道のほうが歩いていて楽しい。

スカイツリーもはっきり見えた
日溜りハイク
古賀志山エリアを彷彿とさせる


 山頂からさほど離れていない小ピークで食事とした。山頂に陣取る先ほどの男性中高年ハイカー達の姿が肉眼でも識別できる。声高なおしゃべりもよく聞こえてくる。麓の工場でお昼のサイレンが鳴った。いろいろなものが混ざり合って、里山に居ることを強く実感するひと時であった。

 275mPへの明瞭な道形は倒木で一応進路を塞いだ形になっていた。だが踏跡はかなり濃く道形もしっかりしている。「栃木の山150」でもこのルートは軽く触れられており、此処を降りれば金蔵院へ下山のミニ周回になるようだ。しかし、林道に向けて進むルート上のこの後に出てくる岩の展望ポイントを見ずして下山するのは大変勿体ないのである。
 分岐から僅かでまず大岩が進路を阻む。これは登れないなぁと見ると脇に巻く道があり、そこを行くと向かい側から岩に登ることが出来る。

275mPへの明確な道形あり
道標の手作り感あふれる
大岩があり登ってみると


 岩によじ登ると、アド山の山頂から始まりぐるりと眺望が拡がった。西側が開けているので、自分としてはこちらのほうが山頂よりも景色が良いのではと思う。

正面がアド山
遠く雪を被った頂きが頭をのぞかせている
無残な山肌


 車のホイールカバーで道標・・・なんていう下世話な物を見送りながら進んでいくと、今度は「かがみ岩」だ。鎖付きを登れば上部は平らになっており此処もまた西側の景色がすこぶる良い。風が強く無ければ良い昼食ポイントとなることだろう。
 かがみ岩を過ぎるとコースもほぼ終わり。小ピークを二回越えるとあっけなく林道へ接合してフィニッシュとなった。

こんなものまで無理やり持ち込まなくても
かがみ岩
レッドワイン号の元へ


 林道側登山口には手作り感あふれる案内板が設置されている。そういえば、コース中に大量にあった道標もすべて手作り感があった。きっと地元の有志の人や子供会等々の手によるものなのではないだろうか。流石にホイールカバーはいただけなかったが、過剰なまでの道標の数も人気の里山ならではの微笑ましさである。
 元来アド山は山城であり、阿土山城(安戸山城)と呼ばれていいたのがカタカナ読みになったらしい。実際城郭の堀切跡も登山道に現存している。地元の人には単なる里山としてと言い切れない愛着がきっとあるのだろう。

林道側登山口
脚注
車も数台はOK


 登山口にデポしたおなじみワインレッド号にまたがり、林道を一気に駆け下りる。あとはギコギコと車道を進むも今日は距離が短いので楽ちん。それでも少し勾配が付いたら無理せず押して進むべし。そろりそろりと進めば、燦々と日が降り注ぐ金蔵院駐車場へ到着だ。

此処は右折
幾らか登り坂は即、降りて押すべし
到着!


概略コースタイム

《愛宕山・岳ノ山》

駐車地発(07:48)-愛宕山(08:05)-駐車地(08:19)-岩(08:35)-岳ノ山(09:03)-駐車地着(09:52)

《アド山》

駐車場発(10:42)-アド山(11:14)-朝食ポイント(11:38)-朝食休憩-行動再開(12:10)-275mPへの分岐(12:18)-
大岩(12:26)-かがみ岩(12:30)-林道登山口(12:49)-以降自転車-駐車場着(13:10)

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愛宕山 岳ノ山 アド山 への6件のコメント

  1. リンゴ より:

    楽しての山行と言えどもしっかりと3座ゲット、流石まっちゃんです。
    しかもワインレッド号もご活躍・・・。

    アド山は山頂直下急斜面の「危険マーク」が気になりますが、県南の里山詣での際の候補に挙げたいと思います。

    • まっちゃん より:

      山頂直下急斜面の「危険マーク」は幾らか急斜面ではあるものの、古賀志山界隈を考えれば全然問題ないレベルです。
      ましてやリンゴさんなら全然OKですよ。
      アド山は低山なれどなかなか味わいのある良い山でした。お勧めです。

  2. Non より:

     こんばんは。岳ノ山は大鳥屋山から登って、五丈の滝へ下りました。すでに響きが懐かしいです。
    愛宕山とセットで登るアイデア、さすがの一言です。
     アド山は、ずっと気になっていました。車道区間が長いので、後回しにしがちですが、
    今回で様子がよく分かりました。思っていた以上に展望も良さそうだし、楽しげですね(^^)
    里山を候補にしても決まらない時は、Non夫に推してみようと思います。
     風邪の方はいかがですか? 気温差が激しい時は、特にご注意下さいませ~

    • まっちゃん より:

      実は本命が愛宕山で、地図を見ていたら「こっち側に岳ノ山あるじゃん」といった感じでした。
      どちらも地味な山ですが、静かな雰囲気を楽しむことが出きました。

      アド山は自分もそうのうちそのうちと思っていたのですが、今回実現できました。
      金蔵院起点の周回は、かがみ岩まで行って戻り、275mp経由で戻るのがコンパクトかつ見どころ押さえた感じになると思います。275mp方面は道が無いという情報もありますが、見た感じかなり道形が濃いし、地形図を見る限りナビゲーションは容易だと思います。

  3. ケン坊 より:

    こんばんは。
    岳の山は、数年前に大鳥屋山を登る時に雪があったために断念した山で、
    その後は再挑戦もせずにそのままとなってました。
    アド山はあの大きなお寺を発着として歩きました。山頂からの急斜面は
    何とかなりそうでしたが、帰りを考えると”う~ん”となり往路を戻っちゃった。
    ワインレッド号があれば良かったな~と...でも3座歩くとは、風邪が
    完治してない状態では信じられませんね。流石はまっちゃんです。

    • まっちゃん より:

      岳ノ山から大鳥屋山へ向かう初めの急な下りも雪が付けば厄介な難所になります。
      このクラスの山だと上のほうだけ雪が残っていてしかもアイスバーンなんてのがありますから油断出来ませんよね。今回は軽アイゼン忘れて反省でした。(使う必要はなかったですが)

      アド山は南半分に行くとガラリと雰囲気が変わります。
      お仲間と行かれるなら、林道登山口に一台デポして周回なども良いと思います。

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